1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○会計檢査院法を改正する法律案
○罹災救助基金法の一部を改正する法律案
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昭和二十二年三月十九日(水曜日)午前十時四十三分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=0
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001・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは是から昨日に引續きまして本特別委員會を開會致します、會計檢査院法を改正する法律案に付きましてまだ正誤の點があるさうでございますから、今政府委員から御話がございます、どうか…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=1
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002・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 御手許に上げてあります正誤に「意見」が「判決」になるやうになつて居りますが、是は誤りでございます、是はほんの手續上の誤りでございますが、「判定」となる、それはもう内閣の總務課の方から議院の方へ申上げてあるさうであります、明日あたり正式の印刷になつたものでこちらへ申上げることになるさうで、もう既に申上げてありますが、「判定」であります、さう云ふ風に御了承を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=2
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003・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) 其の點は實は昨日國務大臣からはつきり仰つしやつたのでありますから、昨日出席の方は御存じの筈だと思ひます、それでは是から懇談會に入りたいと思ひますが、御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=3
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004・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは懇談會に入りますから速記を止めて戴きます
午前十時四十四分速記中止
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午前十一時一分速記開始発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=4
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005・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは速記を始めて下さい、委員會の質疑に入ります、御質問の御有りになる方は願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=5
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006・岸本彦衞
○岸本彦衞君 ちよつと御尋ね致します、私共官廳の事情は能く分りませぬが、會計檢査院が御調べになるのは、決算は其の翌年になる譯ですね、それに依つてそれの材料を見て御調べになつて、其の判定をなさるのが半年や一年掛るとすれば、實際に此の結果を見て、そして三十一條に決めてあるやうなことを處分になる時は二年も三年も後になつて、さうして遡つて懲戒をせられる時には、其の人が居ないと云ふことが屡屡あるのぢやないかと思ひますが、斯う云ふことに付ては別段規定は要らないのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=6
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007・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 其の點は非常に會計檢査の進行が遲れると云ふ已むを得ない事情もありますけれども、其の邊の所に事實上の缺點がありまして、折角審査確定致しましても、其の責任者は、其の時にはもう裏面に入つてしまつて居ると云ふ風に、面白くないことになつて居ります、そこで今囘の憲法の中に於きましては、會計檢査の所に期間をはつきり書きまして、九十條に「國の收入支出の決算は、すべて毎年會計檢査院がこれを檢査し、内閣は、次の年度に、その檢査報告とともに、これを國會に提出しなければならない。」とあります、次の年度であることは是は已むを得ぬと思ひますけれども、決算は次の年度に遲れてはならぬと云ふ風にはつきりして居りますから、そこを加減して遲らすと云ふことは起り得ない趣旨になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=7
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008・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 會計檢査院の獨立性と云ふ風なものに付て、ちよつと御伺ひ致したいと思ひます、現在の會計檢査院法の第一條には、會計檢査院と云ふものは天皇に直隸して云々とありますから、獨立性と云ふことは法文の上から明かに分るけれども、此の案の第一條には、唯内閣に對して獨立の地位を有すると云ふことが書いてあつて、其の實體が備はらぬやうな感じが文字の上からは致すのでありますが、矢張り從來と同じやうな、會計檢査院と云ふものは内閣に對して純粹の獨立の地位を有するものかどうかと云ふことを承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=8
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009・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 御説のやうに現在の會計檢査院は、法律の上では内閣に獨立すると云ふことになつて居ります、併し是は少しく穿つた考へ方かも知れませぬけれども、制度の運用の上に於きましては、其の人事權が事實上内閣に專屬して居ると云ふ關係がありまするし、其の外從來のやり來りの因襲もありまして、結局會計檢査院が完全に内閣から獨立して居ないと云ふ意味の噂が相當に世間であつた譯であります、のみならず、或る種の學説に依りますると、會計檢査院全般に付て内閣に監督權がある、それは勿論審査の内容其のものでありませぬけれども、全體の行政に付て監督權がある、こんな風に言はれて居つた、其の當否は、是は研究問題になりますけれども、そんな風になつて居りました、今囘の改正の建前から申しますると、會計檢査院は、實際の國の統一を害せざる限度に於て、決定的な獨立の地位を認めよう、斯う云ふ考へを持つて居ります、でありますから、會計檢査院の制度を作ることは、是はもう法律で作るより外に致し方がないけれども、其の人事權は殆ど會計檢査院が獨自に持つて居ると云ふ建前になりまして、さうして其の中心となるべき檢査官に付きましては、先程申上げましたやうに、内閣が之に關與するのは、殆ど形式とも言ふべき點に限定せられて居りまして、國會其の他の影響が強く來て居ると云ふ風になつて居りますから、此の點に於て行政府が會計檢査院に對して影響すると云ふことは、理論上已むを得ざる限度だけしか殘つて居ないと思ひます、それから豫算の問題に付きまして、何處でも豫算の作成の權能を他所に持たれて居ると云ふことは、自然實質上獨立を害されることになりますけれども、今囘の建前では、會計檢査院の豫算は、終局は國會が之を決定する、是は固よりのことであります、それから途中の道行きに於きましては、是は内閣が歳入歳出を見合せて決定をしますからして、どうしても内閣が豫算編成をしなければならぬ、是もまあ已むを得ざる理由だと思ひます、併し若しも會計檢査院の主張する所と内閣の主張する所とが、豫算の上に於て食ひ違ふと云ふ場合には、政府は會計檢査院の要求を參考のため細目に亙つて國會に提出しなければならない、詰り國會が最も公正な判斷をなし得る餘裕を茲に殘して置く、斯う云ふ風にしまして、其の結果、會計檢査院の獨自性と云ふものは非常に確保せられて行くと云ふ風になると思つて居るのであります、さう云ふ風に此の規定の一から十迄が、會計檢査院の獨立を確保すると云ふ方向に向けられて居りまして、更に之を逆の方から考へますると、獨立性を持たせると云ふことから、却つて何等かの故障が起るのではなからうか、國の働きの上に不統一を起すと云ふ點がなからうかと云ふやうな疑ひすらも、ことに依ると起り得るかも知れませぬ、併し其の點は、疑へばどんな制度でも疑ひ得る餘地がありまして、現在の建前でもそれがありますが、從來の缺點を是正すると云ふ方に重點を置いて、出來るだけ獨自的な働きが出來るやうにと云ふ、唯其のことを主眼目として規定を按配して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=9
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010・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 獨立性と云ふことは、行政府或は立法府其の他檢査院のやうな所で、御互ひに事務を犯し合はないと云ふことで、始めて保たれるのであらうと思ふ、さうして行政府が會計檢査院の事務にタツチする場合は想像出來ませぬけれども、此の法文の或る所を見ますると云ふと、會計檢査院が行政府の仕事に立ち入るやうな法文が一二見えるのであります、三十二條の二項に「会計檢査院が辨償責任があると檢定したときは、本屬長官その他出納職員を監督する責任のある者は、前項の檢定に從つて辨償を命じなければならない」、檢査院の言ふ通りになると云ふ風なことは、言ひ換れば、行政府の事務に立ち入ると云ふ風にも思はれるのであります、それと二十條の二項に「会計檢査院は、常時会計檢査を行い、会計經理を監督し、その適正を期し、」迄はいいが、「且つ、是正を圖る」と言ふと、行政府の方の仕事の是正を圖ると云ふ風に見える感じがするのですが、私の考へは、獨立性と云ふのは、御互ひに權限を犯し合はない、それがはつきりして、獨立性と云ふものは御互ひに保持せられる、然るに一方が他方の事務に立ち入ると云ふことは、避けないといかぬぢやないかと思ひますが、其の點で若し檢査院の仕事が行政府の仕事に立入ることになると、逆に仕返しを受けることになるから、御互に權限を犯し合はないと云ふことになかなか行かないものでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=10
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011・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 其の點は一つの問題になると思ひます、現在の會計檢査院法の第二十條に「本屬長官ニ移牒シテ處分ヲ爲サシム」と云ふ風で、多少行政府を拘束する形になつて居ります、此の考へ方は會計檢査院が行政に干渉する、斯う云ふ方から見るべきものではなくて、茲に言はれて居りますやうな「亡失毀損」と云ふやうなことから、辨償責任の有無を定めると云ふ此の範圍の事柄は、是は會計檢査院の權能にしたと云ふ意味でありまして、權限分配と云ふことを是が定めて居るのであつて、行政府のやつたことに對して干渉すると云ふ方から見るべきものではないと云ふ風に考へまして、現在の會計檢査院法の思想を、其の儘踏襲して居る譯であります、唯、一つ茲に新しい問題として恐らく考へられまするのは、今囘の憲法改正の結果と致しまして、行政訴訟と云ふものの本質が餘程變りまして、從來は公の權利に屬しまする問題は、原則として裁判にならないと云ふ建前を採つて居りましたが、此の憲法の改正に伴ひまして、さう云ふものも終局には普通の裁判所に行くと云ふことになります、此の三十二條の今の「弁償を命じなければならない」と云ふ規定も、是は行政の面に於てさうなつて居るだけでありまして、若し是が現實の場合に裁判所に行くことになれば、結局裁判所が決めると云ふことになりますが故に、それは行政府に干渉するとか何とか言ふことは直接關係ないかも知れませぬが、大體無理は行はれないやうになるのぢやないかと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=11
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012・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 次の問題に移ります、第二條の「檢査院は、三人の檢査官を以て構成する檢査官会議と事務總局を以てこれを組織する」とありますが、三人と云ふのは、昨日大谷委員からも人數の少い場合のことに付て質問がありましたが、私も三人と云ふのはどう云ふことで三人と決められたのか、例へば一人の方が病氣でもして缺席して居れば、二人で以て總てのことをやる、重大な決議をするのに僅かに二人、若し其の考へが分れたら何ともしようがないやうな場合が起ると思ふ、三人ではどうも重大な會議を開くには少し人數が足りないのぢやないか、さりとて幾人にすると云ふことも分りませぬけれども、今日は多分檢査官は十四名で、それに院長が居る、それでもなかなか色々の場面が出て參つて居ることを私は承知致して居るのでありますが、其の三人で以て總てのことを決定するのはどうかと思ふのですが、是は何か三人と限定したのには特別の理由でもあるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=12
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013・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 是はどうも非常にはつきり三人としなければならぬと云ふ理窟はございませぬけれども、是から各種の權限の獨立を鞏固に認めて行くと云ふ立場になると、一人の判斷だけで行けば獨裁的になり過ぎると云ふことがどうしても言はれるのでありまして、一人は避けなければならないと思ひます、何處迄殖やして行くかと云ふことになると、結局事柄の性質に依つて決めて行かなければならぬ、裁判所の如きは、自ら裁判所の事務の分量やら、中に入つて來ます事柄の變化性を考へて見なければなりませぬし、内閣であれば固より各省の仕事の分量と云ふことを考へて行かなければなりませぬ、會計檢査院の方は何と言つても事柄が比較的限られた專門的な事柄でありますので、そんな仕事の種類を決めませぬでも、大體の方向を決めると云ふことは出來ると思ひます、さうすると、矢張り多くすることは結局國の制度を簡單化させると云ふ趣旨から言つて面白くない、斯う云ふことから出發致しまして、先づ妥當な合議制と云ふものは結局三人寄れば文珠の智惠と云ふ言葉もありますが、三人と云ふやうなことで押へた譯であります、一人缺けたらどうかと云ふことでありますが、今後の國の審議は冷靜に行かなければならぬので、從來の如き人間的、温情味と云ふやうなことは止めて、是々非々で行く、病氣其の他の故障で久しきに亙つて仕事の出來ないやうな人は辭めて行かなければならぬ、冷靜と云ふか、冷嚴と云ふか、從來の或意味の人情味、それが弊害を起して居りますので、さう云ふことを避けて行く、それで、まあ三人位で妥當を期し得るのではないかと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=13
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014・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 三人の場合に、二人の人が可否同數で、委員長が決める、すると結局、委員長の會計檢査院の長の獨裁政治、專制政治になるやうな結果になると思ひますが、それを幾分でも緩和するのには、此の人數を今少しく殖やしたらどうかと云ふ感じを與へるので、實は伺つたのであります、一體檢査院の仕事と云ふものは、普通の裁判官の仕事とはつきり違つて居つて、例へば刑事裁判であれば、惡いことをしたものに對する判決を評議して出すのでありますけれども、是は苟くも行政官廳の會計事務を取扱つて、是なりと信じて斷行したものが、不當であるか否か、言ひ換へれば物を一つ買つた場合に、今少し安く買へたぢやないかと云ふことにも批難が出來る、惡いことをした人を非難するのではない、それにはもう少し人數を殖やして、五人で宜いか、八人で宜いか、私には見當は付きませぬけれども、或一つのものに付て、三人、五人の人が宜しと言へば宜いが、一人で以て……可否同數の場合、委員長一人で、宜い或は惡いと決めることになると、今御話もあつたけれども、どう云ふものかと思ふのであります、それで今少し人數を殖やしたらと思つて居る譯であります、三人の檢査官は此の儘にして置いても、實際の事務を執るのは事務總局長、或は各局の檢査官が事務を執るから、それ等の人を此の中に入れても宜しい、さう云ふ風な御考はありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=14
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015・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 實質は仰せのやうに、事務總長が、殆ど檢査、審査の事務の全部をやるのでありますが故に、事務總局で研究を致しましたことが、大體の骨子を作り上げる譯であります、三人の檢査官は、外の言葉で申しますれば、今迄の檢査院長一人と云ふものを、三人に分けたと云ふやうな風の考も出來る意味合を持つて居ると思ひます、そこで檢査院長一人では、非常な獨裁と云ふ風になる、それで三人でやつて行く、三人でやつて行くにも頭を作らなければならぬ、それで其の中から互選で長を作ると云ふのでありますから、其の點は實際の上に於きましては、決定の責任は檢査官にありますけれども、事實はうまく行くものと考へて居ります、尚色々考へましても、識見卓拔であり、獨立不覊の人物と云ふものを數多く探しまして竝べると云ふことは、自然形式的になりまして、人間を得る途から申しましても、三人位で、大體同じやうなレベルの人が得られるのぢやないかと思つて居ります、あちらこちらの考を集めて、茲に押へた譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=15
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016・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 第八條に依つて、檢査官の地位と云ふものを保障させて居ることは結構でありまするが、それなれば、第五條に檢査官の任期と云ふものは七年、併し一囘に限り再任されることは出來ると云ふと、十四年間迄は宜い、定年が六十五歳から行くと、五十一歳からなつた人は、それで宜しいが、五十歳以前になつた人はもう三囘とはいけない、身分の保障せられて居る人なんですから、三囘でも四囘でも繼續して行つて宜しいのではないか、それで初めて身分の保障と云ふものは明かにされるのぢやないかと思ひます、二囘に限ると云ふのは、十四年間しか身分の保障が出來ないと云ふことになつて逆ぢやありませぬか、寧ろ六十五歳の停年に達する迄は宜いと云ふ風にして行く方が、身分の保障になりはせぬかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=16
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017・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 其の御説も御尤であり、比較的此の案を批評的に讀みました時には、私も一應さう云ふやうな考を持ちました、處が是からの考へ方が、そこにもう少し政治的な見方がありまして、どんな人間でも、一人の人間が如何に偉くても、矢張り時代の勢ひに超越して行きまする爲には、格別の努力を要するのでありまして、一人の人が固定して居りますと、結局國の一つの制度の見方が、そこにどうしても彈力性を持たなくなつて來るのではなからうか、斯う云ふ疑が起つて來る、裁判官に付きましても十年と云ふことで、一應の任期を明かにし、それから國會の方も四年、六年と云ふやうに切換へましたが、此處に置きました所の檢査官も同じやうに、どんな偉い人でも身分保障をする限りは、又他面餘り人が偉ら過ぎて、それに鈞られて、國の方策を固定してしまふと云ふことは、日本の進化發展して行く所に工合が惡いと云ふので、一應斯う云ふ任期制を採つた譯であります、二囘きりいけないと云ふのは類例がないのであります、裁判官の方も例がないのであります、一面から行過ぎと云ふことにもなりますけれども、實際は斯う書きましても、書きませぬでも、さう若い人がない譯ではないのですから、精々言へば一囘位、四十幾つでなつたやうな方が三囘位と云ふことになりますが …是は一つ試みの制度でありますから、さうやつて新陳代謝の方をはつきりさせて、惜しい、惜しいと云ひながら、そこに彈力性を持たせたらどうかと、斯う考へるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=17
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018・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) 中村委員に申し上げますが、國務大臣は急に御用事が出來ましたから、國務大臣に對する御質問は後にして、此の際政府委員の方に對する御尋を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=18
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019・大谷正男
○大谷正男君 今、數のことを色々御話を伺つて、ちよつとそれに關聯して居りますが、此の十三條の所で、一級の事務官は專任十一人と云ふことが書いてあります、二級、是は決らないのでありますが、茲で全體の檢査に當る事務官は、凡そ何人にする御見込でありますか、現在の法律に依ると、院長一、部長七、檢査官十四かと心得て居りますが、それが會計檢査官と云ふことになり、今度の案に依りまして、從來の書記官に當る人も此の中に入つて居る譯でありますが、檢査官と云ふべき人は大體何人になる見込ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=19
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020・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 實はここらの所は誠に申譯ないのでありまして、是は内割つての話でございますが、一面事務總局に置きまする事務官のやうなものは、外へ行きまして檢査をする者と、それから檢査に專念しないで内で勤める者とは、是ははつきり官名か何か分けて行つたらどうか、斯う云ふやうな考も實はあるのであります、同時に最近御承知と存じますが、官名の統一、簡素化をやりまして、さうして相成るべくはさう云ふ風な權限の差異を官名に現さずに、さうして又適材があれば幾らでも使へる、此の人間は檢査にばかり當る、此の人間は内部事務ばかりをやる、斯う云ふ風に札を附けずに使つて行けと云ふのが最近の傾向でありまして、其の爲に此處へ書いて居ります事務官と云ふ中にも、專ら檢査に當る事務官も入つて居ります、又一方内部事務をやります事務官も入つて居ります、それで只今御尋の檢査をする人間の人數がどの位になるかと云ふことを、直ぐ分けて申上げる譯に參りませぬけれども、兎に角兩方合せまして大體二級が九十人位と云ふことを豫想して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=20
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021・大谷正男
○大谷正男君 二級だけでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=21
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022・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 二級だけでございます、それで、補足致しますが、是は色々な見方がございます、從來の考から申しますと、大體吏官でございます以上は、舊制度で申しますれば、勅、奏、判の別、それから人數と云ふものは必ず法律、勅令で縛つたものなのでございます、處が實際のことを申しまして、三級の末、或は二級も近頃さう云ふ傾向になつて參りましたが、之を法律で縛つて置きますことは、それだけの人數の保障を得て居りますと同時に、急速に仕事が殖えました時にちよつと間に合ひ兼ねますので、どうも一長一短でございまして、政府では餘程此處を考へたのでございますけれども、一級の方は法律で限つて置きませぬと穩當でございませぬ點が一つ、それから此の檢査第一局とか、第四局とか、官房とか云ふものを擧げて置きますれば、是で一級のポストは、局長になる、或は局附になると云ふことで大體分ります、是だけは根幹に當りますので、是は法定して置く、それから二級以下は、是は寧ろ此處には書かないで、政令の方にでも落す、斯う云ふことで彈力性を持たさうと云ふのが此の案でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=22
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023・大谷正男
○大谷正男君 ちよつと伺ひますが、現在の副檢査官は何人になつて居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=23
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024・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 副檢査官は二十二人でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=24
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025・大谷正男
○大谷正男君 さうすると餘程人數は全體で……是はまあ外の現在の理事官や書記官、色々ございませうが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=25
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026・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 理事官が八人でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=26
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027・大谷正男
○大谷正男君 書記官は……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=27
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028・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 書記官は二人でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=28
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029・大谷正男
○大谷正男君 全體を通じて餘程増員にはなるのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=29
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030・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 餘程増員になります、是は大臣から先程も御話ございましたが、檢査の範圍を殖やしますのも實はなかなかむづかしく、善し惡しでございますが、實際のことを申しまして、非常に國の會計制度と云ふものが、是はまあ戰爭で致し方ごさいませぬが、餘程戰後は締めてかかりませぬと工合が惡い點がございまして、是はちつとやそつとの増員を致しましても、尚且つやつて戴かないと或は工合が惡いと、斯う云ふことで、私は法制局でございますが、法制局などは敗戰に歸してから後などに増員は以ての外だと申して居つたのでありますが、斯う云ふ揚所はちよつと増員でもやつて戴かないと工合が惡いんぢやないか、是は大分増員をして戴く方に將來は向はねばならぬと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=30
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031・大谷正男
○大谷正男君 さう致しますと、檢査第一局から四局迄、之に配屬する事務官、詰り檢査に專任でなくても主として檢査に當る人が局長の外三、四人、少くとも三、四人、もつと配屬される譯でございますね、三、四人づつ配屬されて檢査すると云ふことになりますね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=31
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032・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 大體申上げますると、局長は一級でございますが、其の他に二人或は一人の一級課長を配します、其の下に二級の課長を二人或は三人配します、それから課長でございませぬ二級の事務官ですね、之を大體一局當り八人位配します、唯是は委員長に御斷り申上げますが、是はまだ實は非常に能く固まつたと云ふ程度でないものですから、大體の目處を申上げて居るだけで、從ひまして大體一局で一級は、局長と課長を入れまして三人或は二人、二級の事務官は課長とそれから平事務官を合せまして大體十人或は十一人、斯う云ふことになつて居ると御了承願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=32
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033・大谷正男
○大谷正男君 ちよつと念の爲め伺ひます、第十二條の「檢査及び審査」と云ふのは、此の審査は三十五條の審査の其のことでございますか、外に……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=33
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034・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 正にあの審査を指して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=34
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035・大谷正男
○大谷正男君 三十五條でございますね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=35
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036・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 左樣であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=36
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037・大谷正男
○大谷正男君 先刻中村委員からも御話がございました身分保障の件に關聯して居りますのですが、此の檢査官に付きましては六條に要件が規定されて居りますが、他の事務總局の方の檢査に當る人達は、別に身分保障と云ふものが、斯樣な要件はないのでありまするか、第十四條に「一級官吏は、檢査官の合議で決するところにより、内閣でその任免、進退を行う」、斯う云ふことになつて居りますし、「二級官吏は、檢査官の同意を經て事務總長の指名するところにより」任免する、斯う云ふことになつて居りますが、現在は色々と要件がございまして、又懲戒の場合には懲戒裁判所と云ふやうな他の組織に依つてそれを決定せられると云ふやうな、保障の規定がある譯であります、是は色々國務大臣から御説明もありましたが、獨立性と云ふ意味に於きまして、檢査官が外からは色々干渉せられない、此の檢査官の合議に依りまして決める、主として其處で行く、それで決められる、斯う云ふことでありますから、餘程其の意味に於ては干渉を受けない獨立性と云ふことで、身分保障が厚いかの如く見えますけれども、又先刻も御話があつたやうに、此の委員長を三人に分けたと云つたやうな形のもので、他の組織ぢやない、自分の所の檢査官の考で決める、是は三人あります、一人で決めるのではありませぬけれども、併し又三人の考に依つて如何樣にもなる、斯う云ふことである、而も六條のやうな「心身の故障のため職務の執行ができない」とか、或は「職務上の義務に違反する」と云つたやうな要件は何もないので、唯檢査官の合議で決することに依つて、内閣がそれを承けて直ぐ免官をしてしまふ、斯う云つたやうなことになるやうに法文上見えるのであります、是は身分保障が厚くなつたと御考になるかも知れませぬが、又見方に依つては身分保障が非常に薄いと云つたやうにも考へられるのであります、何か其の邊に付て御考がありませうか、もう一度伺はして戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=37
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038・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 御尋ねの點は斯う云ふ風に考へて居ります、此の「檢査官の合議で決するところにより」、或は「檢査官の同意を經て事務總長の指名するところにより」と書いてございますのは、此の檢査官の合議に依る通りには内閣は承けて考慮しなければならぬと、斯う云ふ意味でございますが、只今の御話の此所の事務總局の官吏の身分保障のことは、是は實は此の法律では何にも制限無しとは言つて居らない積りでございますので、詰り一般の普通官吏でございますが、普通官吏並の身分保障は矢張り是と何等牴觸する所なく出來得る、例へて申しますれば、檢査院の方で懲戒をしようと思ふ場合に於きましても、假令檢査官の合議で決しましても、矢張り懲戒委員會の議を經なければ手は出せない、それで茲に書いてございます所は、飽く迄も内閣に對してと云ふ所に主眼を置いて書いて居りますので、内閣の方で色々なことをやる、併しながら檢査院の方で御やりになるのにも、普通の官吏並の手を盡さないでは闇行きは出來ぬ、斯う云ふ考で書いて居る次第であります、例へて申しますれば、十四條の二項に「事務總長及び次長については、官吏の任用叙級の資格に關する法令の規定は、これを適用しない」と書いてございます、從ひまして此の二つは自由任用的のものであります、是は銓衡も何も要らぬ、併し其の外の者は、例へば一級官吏で檢査官の合議で此の者を任用したいと仰せがあつても、有資格者であればすらすらと望みに應じて差上げることが出來る、無資格者であれば一應何れかの段階に於て合議で御決めになる場合もあり、或は合議で御決めになつた後と申しますか、合議の後でも宜しうございますが、適當な方法で銓衡委員會の銓衡を經て、それからでなければならない、同じやうな意味合ひで、身分保障も一般の普通の官吏と同じだけの身分保障がある、斯う云ふ風に御了承を願ひたいと思ひます、原案の趣旨はさう云ふことであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=38
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039・大谷正男
○大谷正男君 附則に此の懲戒裁判所のことやら何やら規定して居りまして、此の會計檢査院檢査官懲戒法と云ふものを廢することになつて居りまするし、さうすると詰り特別の規定と云ふものは無くなるから、一般の者の適用があると斯う云ふ風に私は了解致して居りますが、さう致しますと、此の第六條の檢査官でございますね、是は特別の規定であるから、此の檢査官に付ては、一般の懲戒に關する所の規定はどうなるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=39
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040・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 是は實は分けにくいものを分けたと申す少し何はあるかも知れませぬが、現在迄は事務總局迄括めたものが檢査官の考で行つて居ります、今度は所謂何と申しますか、ポリシー・メーキングのやうなハイ・ランクの者だけを拾ひ出しまして、認證官と致しますると共に、是は一般官吏の普通の傳で懲戒免官はいかぬ、斯う云ふことに致しましたのが檢査官、それから實際の檢査に立入つて、實情の檢査をする方の人間は、是は何と申しますか、所謂セクレタリアートのパーソナルと云ふことにして、是は認證官の方から別に彈き出して別の事務當局とする、是は一般官吏の傳で行く、一般官吏の傳で行きますると、内閣がすつかり任免することになります、内閣の方で自由に任免をされてはいかぬから、そこで一つ檢査官會議の方で、言ひ換へて申しますれば、檢査官の方の所謂ハイ・ランクの方を思ふやうに使へるやうな工合に任免委員會でやつて行かう、斯う云ふ風な仕組になつて居ります、從つて只今仰せの檢査官の方には、一般官吏の懲戒委員とか、さう云ふものは掛らないやうにする積りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=40
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041・大谷正男
○大谷正男君 普通規定であるからそれだけで動く、斯う云ふ譯ですぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=41
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042・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) さう云ふ譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=42
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043・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 ちよつと伺ひますが、三十七條の末項には「國の會計事務を處理する職員がその職務の執行に關し疑義のある事項につき會計檢査院の意見を求めたときは、會計檢査院は、これに對し意見を表示しなければならない。」詰り行政廳の者が是はどう云ふやうにしたものかと言つて豫め會計檢査院の意見を求めた時には、それに答へなければならぬと云ふ、從來の檢査院法にはないことと思ひます、併し是は見樣に依つては非常に重大な問題で、豫め會計檢査院の御承認を經た、或は會計檢査院の意見通りやつたからと言つても、併し責任は免れぬものだと斯う私は思ふのであります、言ひ換へれば檢査院の指示した通りやつたと言つても、やつた事柄に付ては檢査院は相當の檢査もし、又指摘も出來るのでなければ、本當の會計の檢査と云ふものは出來ないものだらうと思ひます、是はどうして斯う云ふ規定を入れたか、言ひ換へれば事前檢査と申しますか、成程深切に斯う云ふ風にやつたら宜からう……併しながら檢査院の言ふ通りやつたからと言つて、それは責任は免れぬのです、是はどうして斯う云ふ規定を茲に挿入せられたか、見方に依つては相當の、まあ雜則には入れてありますけれども、重大な事項ぢやないかと思ひますので、ちよつと伺ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=43
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044・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 誠に仰せの通りでございます、唯斯う云ふことを一つ御考へ戴きたいのです、詰り會計檢査院と云ふものは後で檢査を致しますから、一般官廳に取りましては實に是は恐しい存在なのでございます、それだけに又一般官廳の方で、所謂善意で、是はどうしたら宜いか分らぬと言つて聽いて參りました場合に、勝手にやれと言つて放られても、是は困りますので、實際のことを申しますれば、それで私共は寧ろ其の責任と云ふことの、是迄の責任々々と申す從來の考へ方も、是も大切でございますが、同時に分らないものは何處迄も分る所迄一つ助けてやれと云ふ體制が出來ませぬと、會計法規も御承知の通り大分むづかしいものになつて居りますので、迚も一般官廳はやり切れない、眞面目な官廳がやり切れないと、どうしても間に合はない、分らないことになつて來る傾向がありますので、是は實は會計檢査院法に是だけのことを書きまして會計檢査院を縛りますことは、言ひ換へて見ますれば、會計檢査院の方は斯う云ふことで縛られるのが有利のことかどうか、非常に疑問なのでございますが、是はどうも矢張り檢査院としては、相當の肚を決めて、斯う云ふ風に運用したら宜からう、是は斯う云ふ風に職務の執行をしたら宜からうと云ふ意見を決めて貰つて、さうして何か表示して貰はなければ叶はない、それがまあ宜い所ぢやなからうか、それで實は只今仰せのやうに、それでは會計檢査院が此の意見を表示した場合に於て、前に言つた意見は斯うであるが、是はいかぬと云ふことが言へるか言へないであらうかと云ふことは、是は實は法律上はデリケートな問題になります、法律上は、前は斯う云ふことを言つたが、それは惡いと言つては面目が立ちませぬ、是は理窟の上から非常にむづかしい問題でございますが、實は其の問題は氣が付かないものではございませぬが、寧ろ斯う云ふ權威のある所は其處迄見透して、一つの解釋を決めて、實は會計檢査院は斯う云ふ風に思ふと云ふことを、實は困つて居ります一般官廳に一つ教へてやるやうにして貰ひたいと云ふのが、此の條文を設けた趣旨でございます、尚只今の仰せがございましたが如く、此の意見を表明致しますのは、只今の御尋がありまして私も申上げましたやうに、極めてデリケートな重大なことを含んで居りますので、十一條を御覽になりますと、「第三十七條の規定による意見の表示」と云ふことで、是は特に檢査官會議で以て、此の意見は十分に檢討してから表示して戴かうと云ふことに一應格好だけは付けて居ります、ちよつと申添へますが、此の表示の規定が實はどう云ふ風に運營されますか、是は或程度迄、先程大臣も仰せになりましたが、試みでございますが、實は會計檢査院に取つても、是は痛い事項でございまして、將來是でやつて見させて戴きますが、どう云ふ風に行きますか、大分兎に角實行上はむづかしいことと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=44
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045・中村藤兵衞
○中村藤兵衞君 さうすると只今の會計檢査院の意見通りやつたものに付ては、もう批難はしないと云ふか、或は又責任は問はぬと云ふか、もう已むを得ぬことになるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=45
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046・宮内乾
○政府委員(宮内乾君) 其の點は先程も申上げましたやうに、法律上ははつきりはさう申せないと思ひます、それは特に法律で書きますればさうなりますが、併し事實上は認證官三人寄り集つた檢査官の合議で御決めになつて、それで斯うやつたら宜からうと云ふことで、後でいかぬと云ふことでは迚も權威がございませぬので、事實上は非常に拘束を受けることになる、法律上は拘束は受けない、又之をそれぢや拘束を受けるやうにしたらどうだと云ふことになりますと、迚も此の條文は書けないと云ふ結果になりますので、甚だ御答辯にならぬやうな答辯になりますが、其の位の積りで書いて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=46
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047・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) ちよつと速記を止めて
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=47
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048・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) 速記を始めて、午前の委員會は此の程度にして、あと午後一時から開きたいと思ひますが、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=48
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049・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは左樣に致します
午前十一時四十八分休憩
――――◇―――――
午後一時三十分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=49
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050・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは是より午前に引續きまして本特別委員會を開會致します、厚生省の御都合に依りまして、今次官が來られまして、説明したいと云ふので、此の際、罹災救助基金法の一部を改正する法律案、即ち此の委員會に併託されましたそれを此の際此處に出しまして、厚生次官の御説明を伺ひたいと思ひますが、如何でございますか……それではどうぞ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=50
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051・小笠原八十美
○政府委員(小笠原八十美君) 只今議題となりました罹災救助基金法の一部を改正する法律案に付て提案の理由を説明致します、非常災害に際しての救護に關する法律としては罹災救助基金法があるのでありますが、此海道に付きましては其の地域が廣大である爲に、他の内地一般府縣に比して、多額の基金を必要とすること、基金の急速な造成を圖る必要があつたこと等の特殊事情に依りまして、特に北海道罹災救助基金法が設けられて居るのであります、北海道羅災救助基金法は明治三十八年四月一日から施行され、其の施行期問は四十年度間と定められて居り、其の施行期間が滿了したのでありますが、同法に依る基金も既に百三十餘萬圓に達し、特に北海道に付て特別法を設けて置く必要はないと認められますので、此の機會に於きまして罹災救助基金法に所要の改正を加へまして、北海道にも之を適用されるやうにし、北海道罹災救助基金法は之を廢止しようとするものであります、尚今囘の改正に當り、北海道關係のものの外に必要な字句の改正も併せ行ふことと致しました、改正の箇所は、第一に、法律中「府縣、府縣會」とあるのを、「都道府縣、都道府縣會」と改め、第二は、内地の罹災救助基金の最少額は五十萬圓でありますが、北海道に付ては從來の北海道罹災救助基金法の通りに百萬圓とする旨の項を挿入し、第三に、罹災救助基金法は厚生省新設前からの法律である爲に、同法中の内務大臣の職權中には厚生、内務兩大臣の職權が含まれて居りましたから、今囘關係大臣名を明記することにしたことであります、何卒御審議の上、速かに御協贊を與へられることを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=51
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052・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは是から前の會計檢査院法の改正案の審議に移ります、御質問の御ありの方は願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=52
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053・大谷正男
○大谷正男君 ちよつと伺ひますが、十四條の「合議」と云ふのは、是は三人でありますから一致の意見と云ふことになるのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=53
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054・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 檢査官の合議と云ふのは、矢張り必ずしも一致の意見と云ふことではない……、合議は一致の意見で行く考であります、但し今少しく言葉を濁しましたけれども、結局甚だはつきりしないことを申上げまして恐縮でありますが、合議に一般の原則がある、だから結局普通の場合の合議と云ふことと同じでありまして、裁判所でも合議と云ふのは、裁判所の決定は外には現れませぬけれども、決して全部が一致する譯ではありませぬ、矢張り多數決と云ふことになる譯であります、此の場合の三人の決議と云ふものも、結局一人が反對しましても、他の二人が贊成すれば、其の方が決定する、具體的に言へば、議長を除いての二人に可否兩論があれば、結局議長が裁決すると、斯う云ふことにならうと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=54
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055・大谷正男
○大谷正男君 會議の原則に從ひますれば、多數決を以て決する、可否同數の時は、議長の決することになると云ふやうになる譯でありますが、現在の第九條にはちやんと其のことが明記してございまして、「總會議又ハ部會議ヲ以テ決ス」、「議事ハ多數ヲ以テ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル」とあります、是は十四條の問題ではありませぬけれども、一般會議の原則として、此處へ書いてある此の法案に依りますと、斯う云ふ風な規定がない、そこで今此の十四條に付て申しますと、任免と云ふ一身上に關する重大なことを決めるのでありますが、三人の多數決と云ふことになるのと、一致すると云ふことは大變な差がそこへ出て來る譯であります、若し一人反對すればさう云ふ事柄は行はれないと云ふことになるのか、或は一人反對してもどんどんそれでやると云ふことになるのか、そこらは影響の深いことであります、今御話に依ると、兎に角多數で決める、三人の中二人が贊成なら一人反對しても決まる、斯う云ふことになるやうでありますが、それは第六條の所謂茲に矢張り「合議」とございますけれども、是は三人の中に二人の問題だから、是は當然二人の意見が合致した場合でなければ行はれないと、是はまあ當然さうだらうと思ひます、合議と云ふのと會議と云ふのと、文字は勿論違ふのでありますが、其の合議と云ふ性質が、當然一致と云ふことも言へますまいが、當然又會議の原則に從ふべきかとも考へられませぬが、もう少しはつきりした御囘答を得ることは出來ませぬでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=55
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056・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 普通の場合に合議と申しますれば、結局多數決と云ふことが、此の世の中の一般的の考へ方ぢやないかと思つて居ります、閣議のやうなのは是は又特別の性質があつて、責任關係から全員一致と云ふ解釋が生れて來る譯でありますが、合議と云ふ言葉の持つて居る意味から言へば、多數決に行くべきが筋だと思つて居ります、併し多數決の中には、今御話になりましたやうに、可否同數の場合にはどうするかと云ふやうな問題を決定する所の相當細則のやうなものが要るのかも知れぬのでありますけれども、さう云ふのは結局何で決るかと云ふことになりますが、是迄私は考へて居りましたのは、必要な規則があれば、此の第三十八條にありまする會計檢査院規則と云ふものが豫想されて居るのでありまして、是が「會計檢査に關し」と斯うありまして、さう云ふ所迄觸れないやうな一應の考へが起るかも知れませぬけれども、會計檢査と云ふのは此の會計檢査院の働きの先づ全部を概括して言つたやうな言葉でありまして、さう云ふもので決めると云ふ積りで居ります、從つて政府の方の政令で決めると云ふのは弊害の本になるので、自治的に細目を決めて貰ふと云ふ考で居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=56
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057・大谷正男
○大谷正男君 大體三十八條の此の「規則」に依つて決められると、斯う了解して宜しいですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=57
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058・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 左樣でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=58
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059・大谷正男
○大谷正男君 それから念の爲に一點御伺ひ致します、附則の第七條ですが、是はちよつと私讀み方が惡いかも知れませぬが、「この法律により初めて任命される檢査官のうち二人の任期は」とあつて、二人とあるのでありますが、是は過渡期に於ける院長は、是は第五條に規定がありますけれども、何れ是は又院長が任命せられると云ふ譯で、院長は檢査官の中から出るのでありますから、是は「初めて任命される檢査官」と云ふのは結局三人になるのではありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=59
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060・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 初めて任命せられまする檢査官は固より三人であります、そこで其の三人は、一般の規定から申しますると、本法の方の第五條に依りまして、任期は皆七年になる、斯う云ふことになります、さう致しますと、七年目には又其の三人の檢査官が皆なくなつてしまひまして、全然經驗のない人が來ると云ふ虞もあるのですから、それでは拙いと云ふ譯で、梯子段のやうに、各各の人の任期に差を附けて行かうと云ふ考から、三人とありまして、一人の任期は三年、一人の任期に五年、他のもう一人の任期は七年と云ふことにしまして、其の任期は三年、二年、二年に一人宛變つて行くと云ふ考へ方であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=60
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061・大谷正男
○大谷正男君 さうすると、他の一人は七年と斯う云ふことですか、そこで第七條の「第五條第一項の規定にかかわらず」とありますが、唯それで宜しい譯でありますが第五條の所に「一囘に限り再任されることができる」と云ふことがある、さうなると、此の一囘限りと云ふことも又變るのでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=61
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062・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 是はさう云ふ風に讀めば讀めますけれども、大體五年、三年と云ふのですから、それに類似する七年の所に特例になるのでありまして、年數は斯う云ふ風にすると云ふだけであつて、再任はどうかと云ふことは、此の七條でそれ等のモデイフイケーシヨンを加へて居ないと云ふ積りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=62
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063・大谷正男
○大谷正男君 それは別に揚げ足を取る譯でありませぬが、五條一項の規定に拘らず、それはもう三年で再任がないのだと云ふことか、或は何囘の再任があると云ふ意味ではない、全く今御話の七年だけに付てのものと斯う了解しろと云ふことでありますけれども、それはまあ……一應是で私の質問は終ります、次に第三十條でありますが、此の規定に依りますと、「會計檢査院は、前條の檢査報告に關し、國會に出席して説明することを必要と認めるときは、檢査官をして出席せしめ又は書面でこれを説明することができる」と斯う規定されてありまして、檢査院の方で必要と認めた場合には、國會の同意の有無に拘らず出席せしめると云ふことが出來るやうに思はれるのでありますが、併し國會の方にも又自ら規則もありまするし、其の點勝手に出席せしめられ得ると云ふことであつても、自ら制約もあらうかと存ずるのでありますが、其の點に付て何か政府の起案者の考はございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=63
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064・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 國會の内部の規律を如何にするかと云ふことは、是は憲法の中に既にさう云ふ謂はば議事上の自治權と云ふものが認められて居りまするから、會計檢査院が會計檢査官を出席せしめ得ると云ふことを此の法律で決めましても、それがどう云ふ場合にどう云ふ條件の下に出席し、發言が出來るかと云ふことは、全く特別な規定がない限りは議院に於て自ら定めらるるものと考へて居ります、唯此處で第三十條を設けましたのは、此の會計檢査院と云ふものが國會と沒交渉ではない、必要な場合には國會に必要なる方法を以て意思の傳達が出來ると云ふことを明かにしただけでありまして、例へば現行の會計檢査院法の第十五條には、會計檢査院が其の檢査の成績を上奏し、改正を必要とすべき事項ありと認めるときは矢張り其の意見を上奏することを得ると書いてありますが、そんなやうな風でありまして、さう云ふ權限の幅を茲に規定したのでありまして、權限の實行方法に付きましては、此の規定は觸れては居りませぬ、それは議會自治の思想に依つて議會の方で決められるものと思ふのであります、でありまするから、「兩議院」と言はないで、態と「國會」と幾分茫漠たる言葉を以て示して居る譯であります、でありますから、應用の方面を假に豫想して見ますると、委員會に出席するとか、或は又出席する時に能く議院等と連絡を執つて、必要なる手續を事實上纏めて置いてから出席する、斯う云ふことになるものかと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=64
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065・大谷正男
○大谷正男君 尚此の三十條に「國會」とございますが、此の場合に出席するのは主に委員會であらうかと存じますが、場合に依つては本會議に出席することも出來る權能だけはある、併し本會議に出ることが出來るかどうか、委員會に限るかどうかと云ふやうなことに付ても、實際上の間題としては色色疑問も出て參りますが、是等のことも此處には廣く國會と云ふことにして置いて、実際の取扱に付ては今仰せになつた規則に依つて此の邊が明瞭になる、斯う了解して宜しいでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=65
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066・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 全く左樣でございます、之を「兩議院」などと書きますと、恰も本會議に當然に出席する、斯んなやうな語調を生じますので、態と「國會」と云ふ茫漠たる言葉を用ひまして、兎に角國會に意思の傳達が出來ると云ふだけでありまして、國會のどう云ふ場面に出るかと云ふことは、此の法律は具體的には決めて居りませぬ、大きな輪廓だけ決めて居りますから、細目は他の方法に依つて決つて行くものと豫想して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=66
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067・大谷正男
○大谷正男君 もう一つ伺ひますが、現在行はれて居る委託檢査を廢止したと云ふことに付ては御説明があつたのでありますが、此の委託檢査と云ふことに付て從來何か弊害があつたと御認めになつたやうな事例でもございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=67
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068・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 大體委託檢査と云ふものはどう云ふことに當嵌めて居るかと申しますると、比較的細かいことでありまして、例へば歳入歳出外現金の受拂であるとか、振替拂であるとかと云ふやうなもの、鐵道、遞信關係に於てさう云ふことが相當にあるのでありまして、切符を賣つたり何かするやうな風のものが何か振替拂の中に多く入つて來るらしい、さう云ふものに付きましては、痛し痒しと申しますか、之を會計檢査院が嚴重に檢べますることは迚も手が足りないのでありまして、さう云ふ瑣末な點を詳しくやると云ふことは理論は正しいのでありますけれども、實行上非常に困難があると云ふことになります、從つてそれを委せ切りにして置いたならば、宜いかと云ふことになりますると、例へば從前の艦隊の經費などの軍關係の分に於きましては、相當手廣な委託檢査を行つて居たのでありますが、斯う云ふ面は金錢の動き方と云ふものにも相當大きい問題が含まれて居りまする爲に、委託檢査を行ふことは餘程注意をしなければならぬ、斯う云ふ風に考へられるのであります、結局今囘の改正は、從來色々な委託檢査と云ふものの正しさを批判する聲がありました爲に、之を拂ひ除けると云ふ意味に於きまして、理論通り委託檢査を廢める、斯う云ふ風の態度を執つたのでありまして、それに特に明白なる缺點があつたと云ふことを論證してでなく、さう云ふ議論があつたと云ふことを前提とするに止まるのであります、尚之に關聯して申上げまするが、本當に委託檢査を廢めてしまふと言ふとなかなかそこの所に困難な問題が起つて參ります、そこの所は何しろ事柄が零細なことに關係して居りまするから、檢査はあるけれども、幾分簡易な手續を認め、相當實情に合ふやうな方法を採つて行かうと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=68
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069・大谷正男
○大谷正男君 徹底的に檢査院自體で檢査しなければならぬ、斯う云ふことになると非常に手が掛ると思ふのでありますが、さうすると或程度の下調べと申しますか、下調べを頼んで置いて、其の上を檢査する、斯う云ふやうなことがどうしても行はれなければ、實際やり切れないだらうと思ふのでありますが、さう潔癖に委せて檢査の下調べ迄も止めると云ふ意味ではないと思ひますが、其の點は如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=69
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070・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 全く御説の通りでありまして、本當に之を徹底すると云ふことになりますると、會計檢査院の職員を、何人でありますか知れませぬが、何人ではない、相當大きなスケールの人を殖やさなければならぬことになる譯であります、けれども何しろ事柄が輕微なものを多く含んで居りまするので、各官廳に是は計算……此の色々のことは二十四條の二項に書いてありまするが、此の「計算書及び證據書類に代えて、会計檢査院の指定する他の書類を会計檢査院に提出することができる。」斯う云ふ風の規定を設けて居りまする爲に、結局從來の委託檢査の中に於ての或ものに付ては、簡易な代用證明と申しますか、略式な證明を認めることが出來るやうな途を拓きまして、それに依つて問題を解決しようと致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=70
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071・上野喜左衞門
○上野喜左衞門君 先程の第三十條の問題を今少しはつきりさして置きたいと思ひますが、大谷委員の御質問に對して國務大臣の御答辯で、大體其の内容は能く分つたのでありますが、大臣の御説明にも、事實は議會と打合せて議會へ出席説明する、斯う云ふ風の御話に承つた譯であります、さうすれば、實際上行はれるやうに、例へば議院の同意を得て檢査官を出席せしめる、斯う云ふやうな若し修正を加へるとすれば、何か此の立案の御趣意を制約するとか、或は今後の取扱に付て困るとか云ふやうなことがおありでせうか、もつと端的に言ふならば、其の程度の修正に付ては政府の御所見としても差支へないと云ふこと、或は又さうするとすれば、同じ文句でもどの程度の文句が宜いかと云ふことに付て、御意見があるならば伺つて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=71
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072・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 直截簡明に申しますれば、私は、是は私の只今の意見でありまして、非常に研究した議論ではないのでありまするから、少し大膽に過ぎるかも知れませぬが、議院の承諾がなければ檢査官を議會に出すことが出來ない、斯う云ふ風に書きますることは、此の會計檢査院制度を設けました根本の趣旨に聊か背馳するのではないかと考へて居ります、何となれば、權限と致しましては、會計檢査院と云ふものが豫算決算の動き工合に付ての最も内容的な職責を持ち、憲法に於ても保障されまして、日本に於ての謂はば獨立機關……裁判所、國會、會計檢査院、其の外に内閣、さう云ふやうな風に對立さして考へる位の位置を持つて居りまするが故に、原理と致しましては、會計檢査院は國會に對して飽く迄も意見を通じ得る手段を持つと云ふ風に建てることが正しいと思つて居ります、是は今日、先にも申しましたが、會計檢査院長が天皇に直に意見を上奏し、必ずしも内閣を經由しないと云ふことと、事は違ひますけれども、精神に於て一脈相通ずるものがあると思ひます、其の時に相手方が其の意見を聽かぬ、斯う云ふやうな態度を執り得るが如く規定を致しますることは、可なり私は考慮の餘地があると存じて居ります、併しそれは權能の幅の問題でありまして、其の權能をどう云ふ形で行使するかと云ふことに付きましては、自ら適當の形式上の、形の問題が起つて來ると思ひます、裁判所に出訴することを得るとありましても、何時何所でも出訴出來ると云ふ譯ではなく、適當の順序を經て出訴し得ると云ふこととなると同じやうに、此の場合に於きましても其の手續、順序等に於きましては、此の檢査院法は必ずしも其の點に觸れては居りませぬ、それは他の規定に任して然るべきものであると思ひます、他の規定とは何であるかと云へば、其の形式的なる事項に付ては、議會のことは議會が自治的な權利を持つて居られまするが故に、議會の方でそれに對する必要な手順を御決めになつて然るべきものと思ひます、だから此の檢査院の法律の面に於ては、さう云ふ權能が實質的にあると云ふことだけを明らかにして居るに止まるのでありますから、其の權能を抑制する、抑壓すると云ふ趣旨の修正ならば、此の法律を修正しなければならぬと思ひますけれども、運用の手續に關します修正ならば、必ずしも此の法律に加へる必要はないものではなからうかと考へて居る譯であります、そこで次に考へますのは、さう致しますと、それにしても此の規定が何等かの誤解を生じ、國會は是非とも會計檢査院の望むが如き形に於て其の出席を受入れなければならぬかと云ふことになりますが、其の點は三十條が茫漠と書いて居りまして、さう云ふ具體的な形を國會に求めるやうな嫌ひはなくなつて居るのではないかと考へて居ります、それは「兩議院」と書かないで、「國會」と云ふことを申して居りまして、本當を言へば國會に出席するなんて出來る譯のものではありませぬ、どちらかの意味に言はなければなりませぬが、さう云ふ風に茫漠と申しましたのは、手續のことは問題にしないで、唯權限の本質に於て國會の言葉を以て直通し得ると云ふことで、此の言葉を以て書いた譯でございます、でございますから、批判は色々ございませうと思ひますが、實質に於ては第三十條の規定せられ居る所を以て、先づ目的を達するものと思ふ譯であります、若しどうしても、是では尚疑があつて、會計檢査院の申出を國會は鵜呑にしなければならぬと云ふ疑があるとすれば、そこに何かの修正を必要とすると云ふ論議も生れて來ようかと存じますけれども、先づ是でさう云ふ所の強制權を持つことはないやうに思つて居ります、尚、先走つて居りますけれども、若しどうしても修正をしなければならぬと云ふことでありますならば、其の手續は國會で決めると云ふやうなことが一つあれば目的を達するのでありまして、それは餘りにも自明の理でありますが、普通の官廳の方面でありますれば、政令を以て施行規則で決める程度のことにならうと思ひます、併し國會のことでありますから、政令で決める譯にも行くまいと思ひます、それで議會の方の自治的規則、議會の規則を決める自治的規則が若し出來れば、それで御拵へになつて然るべきものであります、斯かる規則は憲法が國會に對して付與して居るものであると、斯う考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=72
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073・上野喜左衞門
○上野喜左衞門君 政府の意のある所は能く分りましたから、承つて置くことに致します、他のことでも宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=73
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074・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) どうぞ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=74
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075・上野喜左衞門
○上野喜左衞門君 極く瑣末なことですが、第四條に「檢査官は、年額五萬圓の俸給を受ける。」と云ふことが明記してございますが、それは檢査官の獨立性に鑑みて、特に斯う云ふことにしてあるのだらうと想像致すのであります、矢張り今後も將來に亙つて、官吏の給與令と申しますか、さう云ふものが設けられ、時勢の變遷に依つて此の給與令が變ると云ふ時に、矢張り斯う云ふものは變るのが當然ではないかと思ひますが、其の度毎に此の法律の改廢を要する、斯う云ふことになる譯ですが、さう云ふ風に了承して宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=75
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076・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 全く左樣になる譯でございます、是は單り此の事ばかりではございませぬけれども、從來と今後の考が著しく違つて來ました點は、從來は官吏に關する制度は、大體命令を以て定めると云ふことが定まつて居りまして、さうして文武官の俸給に付ては天皇が之を定めると云ふやうな風になつて居りました爲に、法律に斯樣なものが現はれて來ないで、憲法の規定に依りまして、命令を以て決めると云ふことが普通になつて居つた譯であります、處が此の改正憲法の建前と致しまして、さう云ふ風の面は法律で決めることが本體になつて來るのでありまして、若し必要があれば、其の法律の委任等に依りまして、命令で決めると云ふことは勿論ありますけれども、根本は矢張り法律を以て決めて置かなければならぬのでありまするし、又此の檢査官等に付きましては、特に身分上の獨立がありまする爲に、矢張り餘り委任をしないで、法律で決めると云ふことが正しいと言はれるのであります、どうしても此處に何かはつきりした形が欲しいと云ふやうな姿になつて來るのであります、さうなりますれば、時代の變化に應じて、是は始終變へなければならぬと云ふことになつて來るのであります、唯是が非常に金額をどういふ方法を以て決めるかといふことは誠に面倒でありまして、國會法の中に於きまして、國會議員の歳費が決めてありまするけれども、併しそれを直接に金額を以て決めるのは面白くないと云ふので、「一般官吏の最高の給料額より少くない歳費を受ける」、斯ういふ風に漠然と決めてありますけれども、是も可なり正直の所を申しますと、分りにくいのであつて、一般官吏と云ふのは何であるか、一般官吏……例へば會計檢査官も一般官吏の一人ぢやないか、理想を言へば種々なる解釋が起つて分りにくいのでありまして、さう云ふ疑惑が起つて來ます、檢査官の方は露骨に金額で決めまして、必要な時には改正すると云ふ、斯う云ふ考へ方を持つて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=76
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077・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) 此の際議事の都合に依りまして、十五分間休憩を致したいと思ひますが、如何でございますか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=77
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078・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは休憩を致します
午後二時十六分休憩
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午後二時二十八分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=78
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079・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは是より罹災救助基金法を議題に供します、御質疑を進めたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=79
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080・大谷正男
○大谷正男君 是は非常に簡單な法案でありまして、別段の問題はないやうに考へまするが、此の北海道で貯蓄すべき罹災救助基金の最小額は百萬圓とすると、先刻之に付いて御説明がありまして、現在百三十何萬圓かになつて居ると云ふ御話もありました、それで現在の罹災救助基金法に依りますと、府縣で貯蓄すべき基金の最少額は五十萬圓となつて居ります、府縣の基金の現状がどんな風でございませうか、最少額が百萬圓になつても勿論其の邊は差支はない譯でありませうが、現状をちよつと御説明願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=80
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081・葛西嘉資
○政府委員(葛西嘉資君) 御答へ申上げます、北海道に付きましては、今御指摘のやうに、百三十二萬餘圓と云ふ風な蓄積に二十一年度でなつて居る譯でございますが、全體と致しますると云ふと、全部で八千七百十餘萬圓と云ふことに、各府縣の方全部を合計致しますと相成つて居ります、其の内、全國で一番基金の蓄積の多いものが愛知縣でございまして、是が四百八十五萬餘圓と云ふやうなことに相成つて居ります、それから一番少いやうな所は、青森縣の五十一萬數千圓と云ふやうなことで、全部五十萬圓乃至百萬圓は各府縣共皆法定額以上に相成つて居りまするが、今申上げましたやうな現在の貨幣價値から致しますと、ちよつとした災害が起りますると云ふと、是ではもう足りないと云ふやうな現状に相成つて居ります、斯樣な場合には、國の方で災害の程度等に應じまして、國庫補助を以て臨時に支出を致しまして、應急救助をやつて居ると云ふやうな實情でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=81
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082・大谷正男
○大谷正男君 御説の通り是は五十萬圓が最少額になつて居りますが、實際一つの災害が起りますと、なかなか是は是から使はうと云ふことであれば足りない譯だらうと思ひます、是は今迄としては、是からも使ひませうが、他の名目に依つて澤山國庫から出て居る譯でありますが、實際は古い話はちよいちよい聞いて居りましたけれども、近頃之を使ふのは、主にどう云ふ風な場合になつて居りまするか、是は大きな天災があつても、なかなか是ぢや賄へない、何時も外の名目から出すと云ふやうなやり繰りをやつて居るのに違ひないのでありますが、どんな風ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=82
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083・葛西嘉資
○政府委員(葛西嘉資君) 御承知のやうに罹災救助基金法は、府縣の全部又は一部に亙る災害の時に是から使ふと云ふやうなことになつて居りまするが、今御指摘になりました風に、大きな災害に付きましては、迚も是だけの金額では間に合はないで、國庫から相當の金を大きな災害に付ては支出して居ることは先程申上げた通りであります、唯全部又は一部に亙る災害と云ふことに相成つて居りまして、或は極く小さい町村あたりで火事が起きたと云ふ場合、或は霜の害に依りまして被害を蒙つて、農作物に被害があつたと云ふ場合には、罹災救助基金の方から所定の費用を出しまして、應急の救助をして居る實情であります、關聯して申上げるのが適當であるかどうか分りませぬが、ちよつと申上げたいと思ひますが、宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=83
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084・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) どうぞ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=84
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085・葛西嘉資
○政府委員(葛西嘉資君) 今御指摘にもございましたやうに、此の五十萬圓と云ひ、或は百萬圓と云ふ金額、是では殆ど罹災救助の目的を達することが出來ないのでございまして、其の外色色、相當古い規定でありますし、金額の點等に付ても衆議院でも御議論があつたのでございますが、十倍位の五百萬圓乃至千萬圓と云ふ位は少くも備蓄せなければならぬのぢやないかと云ふやうな御意見等もございました、それから又災害等の場合に於きまする應急の物資の援護の裏付けを致します點から考へましても、從來でございますと、軍が、陸軍或は海軍でございますが、軍が相當の備蓄を持つて居りまして、之を非常な災害等の場合には放出をして戴くと云ふやうなことでやつて居つたのであります、今日御承知のやうな譯で、軍等の色々な備蓄の物資等もございませぬ、或は御承知でありませうが、戰災等の場合にも備蓄を致して居つたのでありますが、さう云ふことが現在なくなつて居ります、いざと云ふやうな場合にはさう云ふ風な備蓄の問題等も必要だと云ふやうなことにもなつて參りまして、罹災救助基金法の全般的な基本的な根本計畫に付きましては、只今さう云ふ方面、金額の點、或は又之を國庫の補助等を、全額國費と云ふやうなことでやるか、災害等の程度に應じまして、斯う云ふ場合にはどれ位、斯う云ふ場合にはどれ位と云ふやうな、補助率に差を設けると云ふやうなことをやつて、地方で直ぐ處置が出來るやうに措置をする必要がある、或は物の備蓄の點に付てはどう云ふ風にするかと云ふやうな點が相當問題になつて居ります、先般南海震災等の災害救助に付きましても、聯合軍司令部等あたりの非常な御援助を戴いたのであります、それ等の點に關聯致しまして、政府として全體の災害救助の計畫が必要でありますれば、基本的な法律と云ふやうなものを作る必要はないかと云ふやうなことを、寄り寄り私共にも話をして居るやうな状態であります、今至急に斯う云ふものの案を作つて居りまして、成案を得ましたら議會の協贊を經て實施するやうにしたいと云ふやうな風に思つて居るやうな次第であります、今囘の法律案は唯ほんの期間の經過に伴ひます臨時的なもので、ほんの北海道と之を一緒にしたと云ふ點だけの改正を願ひまして、根本的な改正に付きましては、具體的な案を作りましてから更に御協贊を戴くやうに御願ひしたいと云ふ風に考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=85
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086・大谷正男
○大谷正男君 今の御説明で大變能く了解致しました、元々罹災救助基金と云ふものは、昔から聞いて居りましたが、餘り役に立たぬものと云ふ風に聞いて居りまして、金額が少いので餘り役に立たぬと云ふ話を聞いて居りましたやうな譯で、況んや物價が非常に騰貴致しまして、今日に於ては五十萬圓、百萬圓と云つても、非常に少額なことになるのでありますから、いつそ、やるならもつと大きな金にしなければならないと云ふやうな氣が致します、今御話のやうに、新しい御計畫があるやうでありますから、どうかさう云ふ方面を十分充實されるやうに御願ひしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=86
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087・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) 別に御質問はございませぬか……それでは是より討論に入ります、別に御發言もございませぬければ、討論は終結したことと致しまして、採決に入つても御異議ございませぬか
〔異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=87
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088・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは本案は、原案通り異議なきものと認めて宜しうございますか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=88
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089・柳澤保承
○委員長(伯爵柳澤保承君) それでは本案は、原案通り可決すべきものと決定致しました、之を以ちまして本日の委員會を散會致します
午後二時四十二分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=89
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090・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 伯爵 柳澤保承君
副委員長 男爵 三須精一君
委員
侯爵 前田利建君
大谷正男君
子爵 森俊成君
子爵 藤井兼誼君
男爵 徳川誠君
男爵 岡俊二君
中村藤兵衞君
木下謙次郎君
戸口米次郎君
岸本彦衞君
上野喜左衞門君
國務大臣
國務大臣 金森徳次郎君
政府委員
法制局事務官 宮内乾君
厚生政務次官 小笠原八十美君
厚生事務官 葛西嘉資君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200231X00219470319&spkNum=90
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