1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○教育基本法案
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委員氏名
委員長 男爵 今園國貞君
副委員長 伯爵 宗武志君
侯爵 大久保利謙君
伯爵 橋本實斐君
子爵 北小路三郎君
子爵 内藤政光君
子爵 三島通陽君
子爵 田中薫君
平塚廣義君
佐々木惣一君
荒川文六君
羽田亨君
男爵 加藤成之君
男爵 松平齊光君
男爵 坂本大造君
坂口康藏君
坂田幹太君
瀧川儀作君
田島道治君
正田貞一郎君
菅澤重雄君
小山完吾君
淺井清君
清水由松君
侯爵 大隈信幸君
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昭和二十二年三月十九日(水曜日)午後一時四十一分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=0
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001・今園國貞
○委員長(男爵今園國貞君) それでは教育基本法案の特別委員會を開きます、最初に文部大臣から提案理由の御説明を伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=1
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002・高橋誠一郎
○國務大臣(高橋誠一郎君) 今朝上程致しました教育基本法案の提案理由を極く簡單に申上げます、昨年三月に來朝致しました米國の教育使節團の報告書と云ふものが、我が國の教育界に對しまして非常に大きな示唆を與へて居るのであります、昨年九月に至りまして、我が國に内閣に附屬しまする所の教育刷新委員會が開かれまして、是が司令部と密接な連繋を取りまして、先づ第一に連絡委員、初め我々は連絡委員と稱して居つたのでありますが、アメリカ側ではステアリング・コンミツテイと云ふ言葉を使ひまして、是が單なる連絡委員でなくして、極めて重要な意義を有する所の委員と相成つた譯でありますが、是が司令部側と密接な連絡を取りまして議事を進めて參つたのであります、此の刷新委員會の第一特別委員會が此の教育基本法、即ち教育の根本理念を規定し、教育の大本を定めた所の法案の原案を作成する任に當つたのであります、是は京都大學に居られました所の羽溪氏を主査と致しまして、熱心な檢討を重ねまして大體の案が出來まして、之を本會議に掛けたのであります、本會議と特別委員會の間を度々往來致しまして、決定に至りまする迄相當多くの時日を費したのであります、軈て本會議に於て成案を得まして、是が内閣に答申せられることと相成つたのであります、で、之を本に致しまして文部省は案を練りまして、軈て之を閣議に付したのであります、閣議に於きまして又熱心な意見が鬪はされまして、丁度今日澤田さんから御質問のありましたやうな御意見も出ましたのであります、尚又佐々木博士から御質問のありました教育勅語との關係はどうなるのかと云ふやうな議論もございました、之に付きまして色々我我も更に考を練つたのでありまするが、閣議を通過致しました後は樞密院に是が御諮詢に相成りまして、樞密院に於きましては潮さんを委員長と致しまして、小委員會が設けられまして、是が又非常に多くの時間を費して愼重に審議して下さいましたので、軈て樞密院の本會議を通過すると斯う云ふやうなことに相成つたのであります、是等の諸委員會、其の外に於きまして色色御説が出、部分々々に修正が施されます毎に、之を又司令部の方に廻しまして、其の意見を聽く、斯う云ふやうな順序、手續を經まして、此の案が成立つたのであります、色々御不滿な點も無論多々あると思ふのでありまするが、相當長い時間を費しまして多くの努力を拂ひまして、練りに練つた結果出來上つた所のものであります、大體先程申上げました點は省略することに致しまするが、どうしても此の際新しい憲法の精神に即應した所の教育の大本を定めた所の法律を制定することの必要を感じたのが、此の案を提出致しまする大きな主たる理由となつて居るのであります、此の中には教育の目的方針などを明示致しまして、教育者竝に國民一般の指針たらしめるに缺くべからざる所のものが盛られて居るのでございます、再び又勅語のやうな形を以て之を出すと云ふことを致しませんで、上から與へられたものとしてではなく、國民自らの盛上りまする總意に依つて、謂はば國民自らのものとして、定むべきである、斯う云ふやうな考を以ちまして、國民の代表者を以て構成せられて居りまする議會に之を提出致しまして、法律を以て之を出すと云ふことに決したのでございます、此の法案は先程も申上げましたやうに教育の理念を宣言する意味で、教育宣言とも稱すべきものでありませうし、又今後制定せらるべき各種の教育上の諸法令の原則を規定すると云ふ意味に於きまして、實質的には教育に關する根本法たる性格を持つものであると云ふことを申上げることが出來ると存ずるのであります、此の内容に付きまして、順序と致しまして、先程も申上げましたのでありますが、尚一言させて戴きまするならば、此の法律制定の由來、趣旨を明かに致しまする爲に、前文を附しましたのであります、次に本文に入りましては、第一條に新時代に即應すべき教育の理念を明かに致しまするが爲に教育の目的を掲げまして、次に第二條に於きましては、此のやうな教育の目的を如何に達成すべきであるか、其の方針を明示致したのであります、第三條には教育の機會均等を説いて居るのであります、是は新憲法の第十四條第一項、同じく第二十六條第一項の精神を具體化致した所のものであります、第四條では義務教育に付て述べられて居るのでありまするが是は新憲法の第二十六條第二項の義務教育に關する規定を一層はつきりと規定致したものであります、更に第五條、男女共學に於きましては、新憲法の第十四條第一項の精神を敷衍致しまして、男女共學を説いたのであります、第六條、學校教育に於きましては學校の性格、教員の身分に付て規定致したのであります、先程澤田さんの御質問などもあつたのでありまするが、此の條項は學校の性格、教員の身分に付て規定を致したのであります、第四條を反復したに過きないものではないのであります、第七條に於きましては、社會教育の原則を謳つたのであります、第八條、政治教育に於きましては、民主主義社會に於ける政治的教養の尊重性竝に學校に於ける政治教育の限界を定めたのであります、此の條文などは是迄の委員會其の他に於きまして最も活溌な意見の表明があつた所のものであります、第九條は宗教教育に關するものでありまするが、是は新憲法第二十條の信教の自由規定が教育上如何に適用せらるべきであるかと云ふことを定めたのであります、此の條文なども議論の甚だ多かつた所のものであります、第十條教育行政の條に於きましては、教育行政の任務の本質、其の限界を明かに致したのであります、以上本法案制定の理由、經緯、性格竝に内容でございます、どうぞ十分に御審議あらむことを御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=2
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003・今園國貞
○委員長(男爵今園國貞君) 此際御諮り申上げますが、文部大臣は豫算委員會の方に御出席にならなければならぬさうでございますので、今日は此の程度に致しまして、質問は明日からと云ふことに願つては如何かと存じます、併し若し文部大臣がおいでにならなくても、質問に入りたいと云ふ多數の方の御希望でございますれば、續けても宜しうございますが、如何でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=3
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004・橋本實斐
○伯爵橋本實斐君 少し研究の機會を與へて戴く意味に於て、明日から質問に入ることに致しては如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=4
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005・今園國貞
○委員長(男爵今園國貞君) それではさう云ふ御希望もございますれば、本日は此の程度で散會致しまして、明日午前十時より開會致します
午後一時五十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=5
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006・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 男爵 今園國貞君
副委員長 伯爵 宗武志君
委員
侯爵 大久保利謙君
伯爵 橋本實斐君
子爵 内藤政光君
佐々木惣一君
荒川文六君
羽田亨君
男爵 松平齊光君
男爵 坂本大造君
坂田幹太君
瀧川儀作君
侯爵 大隈信幸君
國務大臣
文部大臣 高橋誠一郎君
政府委員
文部事務官 辻田力君
同 稻田清助君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200550X00119470319&spkNum=6
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