1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○國会法案(衆)
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昭和二十二年三月十八日(火曜日)午後一時十五分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=0
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001・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) それでは只今から國會法の特別委員會を開催致します、此の國會法案の取扱に付きまして、永い間委員會を開きませぬでしたが、委員會のございませぬ間にも色色と研究を續けて參りまして、其の間色々政治的な考慮を拂ひまして、今日再び此の特別委員會を開く運びになりましたのであります、今日は引續いて此の國會法案全體に付きまして尚御質疑が御ありになればそれを伺ひたいと存じます、御質疑の御ありの方はどうぞ……別に御質疑もないやうでありますから、御異議がなければ質疑を打切りたいと思ひますが、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=1
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002・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) それでは御質疑は此の程度に打切ります、次に討論に入りたいと思ひます、御發言の方は御發言を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=2
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003・大木操
○大木操君 修正意見を出しますが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=3
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004・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) どうぞ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=4
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005・大木操
○大木操君 それでは私から修正案を提出したいと思ひます、第一條の三項でございますが、そこの括弧の中に「憲法第五十四條により」云々とありますが、其の「憲法」と云ふ上に「日本國」と云ふ三字を加へて、「日本國憲法」と致す譯であります、是はもう説明を要する迄もなく、他の法律、其の他の場合と同じ形式に依ると云ふ譯であります、それから次に第四十二條の末項でありますが、第四十二條の末項が原案は「各議院において必要と認めたときは、前項各號以外の常任委員會を設けることができると云ふ條文になつて居るのであります」が、是では常任委員會を増加することが出來ると云ふことだけしか出來ない條文になつて居りますのを、それでは色々各議院の運營上、増減も出來れば併合も出來ると云ふやうな方が便宜ではないかと云ふ委員會の意見に依りまして、増減も出來れば併合も出來ると云ふやうに致したいと思ふのであります、と同時に各議院がそれぞれの院の意思に依つて、參議院なら參議院、衆議院なら衆議院だけの議決に依つて此の常任委員會を増減、併合すると云ふことも……兩院の連絡なしにするのはどうかと云ふ點を慮りまして、兩院法規委員會と云ふものが此の國會法の中に御承知の通りございますから、其の兩院法規委員會の勸告に基いて増減、併合し得ると云ふ風に改めたいと思ふのであります、即ち條文と致しましては「各議院は、兩院法規委員會の勸告に基いて、前項各號の常任委員會を増減し又は併合することができる」と云ふことに改める譯であります、次に第四十三條でございますが、是は字句の修正であります、「專門的職員」と原案にはございますが、此の「的職員」と云ふ意味はちよつと明瞭を缺きまするが故に、「專門調査員」と云ふ風に改めてはどうかと云ふ字句の修正であります、それから第五十一條第二項でございますが「豫算及び重要な歳入法案については、前項の公聽會を開かなければならない」、豫算及び重要な歳入法案に付てはどうしても公聽會を開かなければならないと云ふ規定になつて居りますので豫算と申しまするのは、總豫算は勿論、追加豫算其の他も含むと解釋し得る關係上、將來場合に依つては小さな追加豫算迄も公聽會を強制的に開かなくてはならないと云ふことも運營上如何であらうかと云ふ意味から致しまして、「豫算」の上に「總」の字を附けまして、「總豫算及び重要な歳入法案」と、總豫算に限る意味を加へた譯であります。はつきりさせた譯であります、それから五十六條でありますが、五十六條は、原案に於きましては、總ての議案が委員會に於て、委員會限りで會議に付さないことが出來るやうな仕組になつて居りますが、苟も一院の議決を經た議案を他院の委員會限りで之を會議に付さないと云ふことは、是はどうであるかと云ふ意見が此の委員會にも非常に強くありまして、其の關係で第五十六條の末項に、即ち所謂委員會の棚上と云ふ此の條項に當るべき部分、即ち末項に「前二項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない」と云ふ一項を設ける譯でありまして、其の設けた結果、他院の議決を經た議案は委員會限りで之を握り潰すことは出來ないと云ふことになるのでありますが、其の結果として、其の院の發議案若しくは内閣の提出案は之に含まれない關係上、委員會限りで廢案になし得るやうなことになるのでありますけれども、併し其の中でも内閣の提出案と云ふものは、是は憲法にも内閣は「國會に議案を提出し」と云ふやうな條文もありまする關係上、將來と雖も内閣の提出案を委員會限りで會議に付さないと云ふやうなことは先づ私はないと思ひます、又實際の運營に當つてもさう云ふことは殆どなからうと思ひます、又あつても是は重大なるべき政治的意味が加はらうと思ひまして、實際に當つては私はさう云ふことは穩當を缺くと云ふ意味になりはせぬかと思ひます、從つて此の委員會の棚上は其の院の發議案に大體は限ると云ふことにならうと思ふのであります、併し此の法律上の意味は、「前二項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない」、斯う云ふのですからして、表面的にさう云ふ風に取れますけれども、今申上げた意味は私は穩當であると斯う解しまして、此の修正案を出して居ると云ふ意味を能く御含み置きを願ひたいと思ひます、それから五十八條、豫備審査の條文でありまするが、是はもう簡單なことでありまするが、「豫備審査のため、その翌日以後」とありまするが、「翌日以後」とある場合には、他の院に對しては十日以後なり一月以後でも差支ないと云ふ條文の解釋になります關係上、矢張り是は成るべく早目にと云ふ意味を以て、「翌日以後」の次に「五日以内に」と云ふ日子の制限を置くと云ふことに止まる譯であります、それから八十四條であります、是は原案に於きましては、衆議院のみから兩院協議會を求めることに相成つて居るのでありますが、此の委員會としましても段々御議論の末、參議院も矢張り政府は從來の解釋上認めて、又説明もされて居るし、參議院からの協議會請求權も認めよと云ふことが殆ど全委員を通じての御意見でありますし、それに從ひまして第二項に「參議院は、衆議院の囘付案に同意しなかつたときに限り前項の規定にかかわらず、その通知と同時に兩院協議會を求めることができる」、即ち第二項と致しまして參議院からも兩院協議會の請求權を認めることを加へる譯であります、併し其の協議會の請求をする場合に關してでありまするが、衆議院の方に付ては、參議院の囘付案に同意しなかつた時、又參議院が衆議院の送付案を否決した時、此の兩者に對しても衆議院に於ては兩院協議會を請求する權限を持つて居るのは、原案にありまする通りなんでありますが、參議院の方からの請求する場合は、參議院先議の法律案、參議院で可決しました法律案を衆議院で否決したと云ふ場合、其の場合にはもう兩院協議會を請求しない、即ち參議院先議の法律案に對して、衆議院が修正をしたと云ふ場合に、參議院が之に對して不同意の場合は兩院協議會を求める、詰り衆議院側からは修正と否決と兩方から求め得るのに反して、參議院の方では修正の場合、即ち囘付案の場合にのみ請求し得ると云ふことにした譯であります、其の理由は、もう衆議院で否決し去つたものは、既に憲法上の例の第五十九條第二項の特別權限もある位でありますから、それ迄に及ばぬぢやないかと云ふのが其の理由であります、從ひまして此の參議院が衆議院の囘付案に同意しなかつた時は、參議院が原則として此の第二項で今申上げたやうな請求權がありますやうに、原案には衆議院も矢張り兩院協議會の請求權がある譯であります、と云ふことは、詰り憲法第五十九條第二項には、衆議院は三分の二以上の多數を以て再度議決し得る權限を與へられて居りますと同時に、前々議會に於きまして第三項を更に加へて、衆議院は兩院協議會を求めることを妨げない、所謂ツー・サーズをやる場合も出來るし、又協議會を求めることも出來る、兩方の權限を撰擇することが出來ることに衆議院に於ては相成つて居ります關係上、矢張り衆議院からも原案の通り請求權を認めると云ふことは是は當然なことであります、同時に參議院からも今度新たに附加へて協議會を求めることが出來るやうに致した譯であります、是も解釋上當然出て來ることでありまして、但し其の場合に此の第二項に但書を更に付加へまして、「衆議院は、この兩院協議會の請求を拒むことができる」と云ふ但し書を挿入してありまするので、即ち參議院から衆議院の囘付案に不同意だと云ふ場合に、參議院が衆議院に對してそれを通知すると同時に、協議會を請求する、其の場合に衆議院に於ては所謂憲法の、只今申上げた第五十九條の特別權限を揮ふ場合は、常然其の結果として拒むことが出來ると云ふことにならないと、憲法と相應じませぬ關係上、但書が要る譯になるのであります、仍て以上の理由に依りまして第二項と致しまして、もう一遍繰返して全部を申上げますと、「參議院は衆議院の囘付案に同意しなかつたときに限り前項の規定にかかわらず、其の通知と同時に兩院協議會を求めることができる。但し、衆議院は、この兩院協議會の請求を拒むことができる。」斯う云ふ條項を第二項として入れることになるのであります、次に第八十八條であります、第八十八條と致しましては、只今申上げた第八十四條の但書が加はりました關係上、當然矢張り此の條項も手を付けねばなりませぬので、例外が出來て參りました爲に、第八十八條としまして「第八十四條第二項但書の、場合を除いては、一の議院から兩院協議會を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができない。」斯う云ふ風な條項に修正をせざるを得ない譯であります、次に第九十二條でありますが、是は原案では「兩院協議會においては、その意見が一致したときに限り成案を議決する。」と云ふ案になつて居るのでありまするが、兩院協議會で意見が滿場一致した時だけしか成案が出來ないと云ふことは、どうも少し、非常に其の場合は極端になり過ぎるのでありまして、兩院協議會と云ふものを本來設けた趣旨から言つても、兩院が各各互讓の精神に基いて、何とかして付託せられた案を生かさうと云ふのが本旨でありまするが故に、過半數を以て決するとしても院議尊重等の關係からして、矢張り成案を得ない結果になる、兩院が各各其の案を持ち歸つた際には、院議尊重を以て不成立になる場合も有り得ませうし、又滿場一致と云ふことになると、兩院協議會自體が纏らないと云ふ場合が起り得る可能性が多い譯でもあります、從つて其の中間を取つて、過半數と滿場一致の間を取つて、三分の二程度以上の贊成があれば、成案として成立すると云ふのが穩當であると云ふのが、修正の趣旨でありまして、即ち修正案としましては、「兩院協議會においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多數で議決されたとき成案となる」、斯う云ふ風に第九十二條第一項を修正する譯であります、次に百條、是は今度國會法で新たに兩院法規委員會と云ふものが出來ますので、其の委員の數が、原案では衆議院から十人、參議院から五人と云ふことになつて、之を組織することになつて居ります、まあ兩院の、衆議院の定員數は四百六十六名、參議院は二百五十名と云ふやうな關係からして、其の間もう少し……十人の半分の五人と云ふことも非常に兩院の法規委員會として、兩院協議會とは又異なる性質を持つて居るものでありますから、同數が本來ならば適當であるとは思ひますけれども、それは今定數を根據としての理由で、參議院からの委員を五人を八人、衆議院から十人と云ふことに改めようと云ふのが、修正の趣旨であります、大體修正案の内容及び理由は以上の通りであります、今御手許に配つてあるやうでございますが、是が修正案の内容、正式のものであります、之に依つて御承知置きを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=5
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006・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 只今大木委員から詳細なる修正案に付ての御説明がございました、之に關しまして御質疑もございませうが、先づ御手許に配られました國會法案修正案と云ふ法文の正式のものがございますから、之を順序は少し前後致しましたが、書記官に朗讀致させます
〔河野書記官朗讀〕
(朗讀文入り)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=6
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007・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 只今朗讀致しましたものが大木委員から御提出になりました修正案と御了承願ひます、尚此の修正案に基きまして修正致しました結果、案文はどうなるかに付きまして、書記官から必要があれば是も朗讀致させたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=7
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008・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 御異議ないと認めます
〔河野書記官朗讀〕
第一條第三項、臨時會及び特別會(日本國憲法第五十四條により召集された國會をいう)の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。
第四十二條第二項、各議院は兩院法規委員會の勸告に基いて、前項各號の常任委員會を増減し又は併合することができる。
第四十三條 各常任委員會には、少くとも二人の國會議員でない專門の知識を有する職員(これを專門調査員という)及び書記を常置する。但し、議院において不心要と認めたものについては、この限りでない。
專門調査員は、相當額の報酬を受け、他の職務を兼ねることができない。
專門調査員は、その職を辭した後二年間は、内閣行政各部における、いかなる職務にも就くことができない。
第五十一條第二頃、總豫算、及び重要な歳入法案については、前項の公聽會を開かなければならない。
第五十六條末項、前二項の規定は他の議院から送付された議案にいては、これを適用しない。
第五十八條、内閣は、一の議院に議案を提出したときは、豫備審査のため、その翌日以後五日以内に他の議院に同一の案を送付しなければならない。
第八十四條第二項、參議院は、衆議院の囘付案に同意しなかつたときに限り前項の規定にかかわらず、その通知と同時に兩院協議會を求めることができる。但し、衆議院はこの兩院協議會の請求を拒むことができる。
第八十八條、第八十四條第二項但書の場合を除いては、一の議院から兩院協議會を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができない。
第九十二條、兩院協議會においては、協議案が出席協議委員の三分の二以上の多數で議決されたとき成案となる。
第百條、兩院法規委員會は、衆議院から選擧された十人の委員及び參議院から選擧された八人の委員でこれを組織し、その委員長は、委員會でこれを互選する。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=8
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009・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 修正案に付きまして、御質疑、御意見の御有りの方はどうぞ此の際御述べを願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=9
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010・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 私、大木委員に伺ひたいのですが、此の五十六條の意味をちよつと伺ひたいのですが、只今御説明もございました伺ひ漏らした點もございましたので、今一應一つ御説明を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=10
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011・大木操
○大木操君 それは詰り末項の條正案文が「前二項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない。」と云ふことでありますからして、一院の議決を經たものは、議員發議案であらうと、内閣の提出案であらうと、それは別としまして、苟も一院の議決を經て送付された議案に付ては、委員會の棚上げは行はない、斯う云ふ末項の意味であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=11
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012・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 さう云ふ風に御修正になつた根本の趣旨を御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=12
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013・大木操
○大木操君 根本の趣旨は今申上げましたやうな風に、他の議院の議決を經た案が、他の院に於て、委員會限りに於て棚上げになると云ふことは、私は非常に不穩當だと思ふ、御互に兩院で、例へば衆議院で議決を經たものを參議院の委員會限りで棚上げにする、是は承知出來ないことぢやないか、同樣に參議院の本會議で議決を經た議案が衆議院の委員會限りで握潰しになると云ふことは、不穩當だと思ふ、さう云ふ意味を私は此處に明瞭にした譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=13
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014・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 能く分りました政府の案を議員の案と同じに取扱ふやうになりますか、それは別に御差支ないと云ふ御考でございませうか、他の議院から送付されたものは本會議に掛ける、棚上が出來ないことになつて居りますが、政府案はそれが差支ないやうになつて居りますが、其の點は別に差支ございますまいか、如何でせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=14
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015・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 大河内子爵は政府の意見を御求めですか、それとも……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=15
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016・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 提案者のです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=16
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017・大木操
○大木操君 それは先程の説明中に申上げたやうに、其の院に於てメンバーの發議案を委員會で握り潰すと云ふことも出來れば、一院に内閣から提出した法律案がいきなり委員會に付託になりますから、其の委員會限りで以て、此の條文に依れば矢張り棚上げし得るやうに解釋せざるを得ないことになると思ひますけれども、それは先程説明中にも申上げたやうに、政府から憲法に基いて、政府が國會に議案を提出すると云つて來た、其のものを國會の一常任委員會に於て棚上げすると云ふことは、是は非常に矢張り憲法の何から言つても不穩當ぢやないか、從つて實際の運營上、委員會の棚上の對象になるものはメンバーの發議案になつて來ると云ふことを私は説明したと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=17
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018・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 それに付て伺ひたいのですが、此の意味をそれが現して居りませうか「委員會において、議院の會議に付するを要しないと決定した議案は、これを會議に付さない」とあるので、付さないのが一應の取扱方の原則なのでありまして、但書の規定に依ることならばそれは宜しい、其の途は開いてあります、政府案の場合にも付さないと云ふ方に、三項ですか、本文の方でどうしても付さないと云ふことにしなければならぬことになりますか、只今の御説ぢや必ずさう云ふ場合は但書が使はれるだらう、斯う云ふ風に解釋して宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=18
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019・大木操
○大木操君 そこは實際上のことに、付するとか付さないと云ふことは運營の問題にならうと思ふのでありまして、法律解釋としては、そこは此の條文の通りであつて、運營の場合には付さない方が多からう、又付さない方が穩當であらう、斯う云ふ意味であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=19
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020・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 能く分りました、次に伺ひたいのは、八十四條の書き方でございます、參議院は衆議院の囘付案に同意しなかつた時は協議會を求めることが出來る、さうなると參議院の案で衆議院が修正をした場合は入らないやうに思ひますが、只今の御説明ぢや無論それは入るやうでありますが、さう云ふ風に解されませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=20
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021・大木操
○大木操君 參議院で可決して衆議院にそれを送付し、衆議院に於て修正されたと云ふ場合には、必ず參議院に囘付さるべきことになる譯であります、修正し放しと云ふことはありませぬ、ですから其の修正案が即ち囘付案として又參議院に必ず戻つて來る譯であります、さうして參議院が同意すればそれを以て法律となる、不同意の場合にそこで初めて兩院協議會を請求すると云ふ段取になる譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=21
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022・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 能く分りました、次に伺ひたいのは、百條の八人でありますが、只今の御話で、こちらの議員が少ないからと云ふことならば、議員に比例して、あちらが四百何人かになり、こちらが二百五十人かになると云ふことならば、もつと減つて宜い譯ですが、此の八人としたのはどう云ふ所から來たのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=22
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023・大木操
○大木操君 もつと減つても宜いと云ふ御言葉をつかまへる譯ではありませぬが、それ以上になつて居りますから、どうか其の邊は御了承を……(笑聲)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=23
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024・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 私は參議院の利益の爲に伺ひたいので、何故斯う云ふ案を出したかと言はれた時に困るから、それで伺つて居る譯であります、それでは政府に伺ひますが、政府は此の修正案に御贊成でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=24
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025・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 政府も斯樣に修正になりましたやうな部分に付きましては、從來共研究を續けて居つたのでありまするが、御示しになりました此の文字の現はしまする所は、政府が今迄研究して居りました方向と歩調を一にして居ると云ふ風に考へられます、言換ますれば、政府は一つの問題に付いて色々な巾を以て考へて居ります、而して此の御示しになりました案は、其の巾の或部分に位するものと思つて居ります、從つて政府としては御示しになつた文字に付て異存はございませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=25
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026・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 それでは政府は之に御同意のものと認めて置きます、尚政府に御尋ね致したいのですが、速記を止めて戴きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=26
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027・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 速記を止めて
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=27
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028・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 速記を始めて、他に修正案に付て御質疑がございますれば、此の際御願ひ致します、或は御意見でも宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=28
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029・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 私は之に付て贊成を致したいと思ひます、詳しく理論的に見ればどうかと思はれる點もありますけれども、本案は早急に成立を要することでございますし、内外の情勢から見て、此の通り贊成すべきものと存じます、殊に又理論的に見てをかしな點を運用で補ふと云ふことも全然出來ないと云ふこともないやうに思ひますから、其の意味に於きまして此の修正案に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=29
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030・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 他に御意見はございませぬか、然らば修正以外の點に付きましても、御意見がございますればどうか此の際御述べを願ひます……別に御意見もないやうであります、然らば御意見は是にて盡きたものを見て宜しうございませうか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=30
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031・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 然らば討論は是にて打切りまして、採決に進みたいと存じます、先程委員長から採決の方法に付きまして、修正せざる部分を先づ採決に付するやうに申上げましたが、便宜先づ修正の點に付きまして採決に付したいと思ひます、大木委員より御提出になりました國會法案修正案を採決の議題に供します、此の通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=31
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032・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 全員一致を以て此の修正案を御可決になつたものと認めます、次に修正案以外の全體を問題に供します、本案通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=32
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033・橋本實斐
○委員長(伯爵橋本實斐君) 御異議ないものと認めます、之に依りまして修正案を含めましたる國會法案は總て可決すべきものと決定致しました、是にて國會法特別委員會を閉ぢます、此の際ちよつと御挨拶申上げます、此の國會法案は、御承知の通り從來の色々な經緯がございまして、可なり當初に於ては審議は困難のやうに考へられて居りましたる處、委員の方々の中で、特に本案の修正等の扱ひに付きまして、格段の御努力を戴きまして、今日無事國會法案を此の特別委員會に於きまして議了することを得ましたことは、誠に幸ひと存ずる次第でございまして、此の點に付きましで、御盡力を戴きました皆さんに厚く此の際御禮を申上げたいと思ひます、之を以て此の特別委員會は散會致します
午後二時一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=33
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034・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 伯爵 橋本實斐君
副委員長 男爵 松平外與麿君
委員
侯爵 廣幡忠隆君
侯爵 池田宣政君
子爵 大河内輝耕君
子爵 秋元春朝君
子爵 三島通陽君
子爵 水野勝邦君
子爵 松平親義君
吉田久君
下條康麿君
中村藤兵衞君
高木八尺君
大木操君
坂田幹太君
坂谷順助君
瀧川儀作君
小山完吾君
原田讓二君
松尾嘉右ヱ門君
國務大臣
内務大臣 植原悦二郎君
國務大臣 金森徳次郎君
政府委員
法制局次長 佐藤達夫君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009200975X00319470318&spkNum=34
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