1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○衆議院議員選挙法の一部を改正する法律案
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委員氏名
委員長 子爵 大河内輝耕君
副委員長 男爵 中御門經民君
公爵 桂廣太郎君
侯爵 嵯峨實勝君
伯爵 大木喜福君
子爵 永井直邦君
子爵 京極高鋭君
子爵 三宅直胖君
中田薫君
永井松三君
男爵 坂本大造君
男爵 中村徹雄君
高木八尺君
澤田牛麿君
松尾國松君
三橋四郎次君
小山完吾君
原田讓二君
長島銀藏君
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昭和二十二年三月三十一日(月曜日)
午前十一時十八分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=0
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001・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) 是より開會致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=1
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002・植原悦二郎
○國務大臣(植原悦二郎君) 先刻本會議に於て相當詳細に亙つて御説明致しましたので、本委員會に於きましては其の説明を省略させて戴きたいと思ひます、政府で提案致しました衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案は、主として技術的のものであります、參議院や其の他地方議會の議員の選擧法が變りましたので、それと符節を合す爲の改正でありまして、或點は缺格者に對して選擧權を擴張した等の、選擧法の根本に觸れるものもありますけれども、大體に於て技術的のものと御了承願つて差支はないと思ひます、衆議院に於て改正されました點は、一つは致府の技術的な方面で、政府は成るべく選擧に關しては出來るだけ國民の自由意思を尊重した方が宜しいと思ひまして、當選後に於ける挨拶等に對する取扱は之を自由にするやうに致したのでありまするが、衆議院に於きましては、今期議會に於て特に交通機關の不便とか、或は用紙の不足とか、其の他色々の理由で可なり、特別の法律を作りまして、選擧の運動を今期に限り制限することに致したことは、皆樣方の御承知の通りであります、從つて當選後の挨拶にしても、左樣なことを自由にすることは、少くとも今期議會を通過したる所の有らゆる議員の選擧と調子が合ないと云ふので、それを削除することになりましたが、趣意は其の通りで、少くも當面して居る所の選擧に付ては然あるべきものだと政府としても考へられます、次に選擧區の問題でありますが、昨年定めまして一囘やりました所の大選擧區連記制と云ふものは、極く選擧人が少かつたり、相當に訓練されて居りますれば、日本の今日に於て一府縣の選擧區を地域的から申しますれば強ち大きいとも言へないのでありますが、滿二十歳以上の男女に選擧權を與へることに致しますと、なかなか一縣下に於ても非常な數にもなりますし、交通の不便、其の他から申しますれば到底今日の日本の状態で、婦人迄にも總ての政黨の主義政策を大選擧區の下に於て徹底せしめるなんと云ふことは思ひも寄らないのであります、それのみならず或一種の制限連記、例へて言ふならば、定員が十三名、十四名ある所に於ては、一人の者が三名の議員の候補者の名を連記して宜しい、一府縣に於きまして其の選擧區が五名、六名の定員でありました時には、一名しか選擧することが出來ない、或場所に住んで居る者は一名の代表者を送り、他の御隣の縣に居つた者は三名の候補者を選擧し得るやうな不條理があるばかりでなく、其の連記も同じ政黨を書いて呉れればまだ意義がありますけれども、二名連記に對して、一名は自由黨を書き、一名は共産黨を書くと云ふやうな例が澤山あるのであります、私は之を選擧中に左樣なことをしたのならば、碁を打つ時に白と黒を持つて居つて打つやうなもので意味をなさないぢやないか、話をする時には能く分りますが、書く時には又別の者を書く、私の長野縣に於ては或候補者は名を假名で以て女の名のやうに書いて居られた、それを皆選擧民は女だと思つて、男の候補者を二名書き、それに女を一人附加へて書いたと云ふやうな實例もあつて、誠に理窟の上から申しましても正しく思はれないし、又實際の運用から言つてもどうもまづいのであります、それで政府と致しまして選擧法の一部を改正する時に、選擧區制を改正したいと思ひまして、有らゆる研究も致して見ましたけれども、兎に角非常に會期が短いのでありますし、選擧區制と云ふものは、是は議員全部の直接の利害關係になることで、非常に微妙な關係を持ちますので、政府としては技術的の方面の改正案を出す、若し其の場合に、議員の方が現行の大選擧區制、制限連記と云ふのを不條理と、誠に今の日本の實情に適せざることを理解して、議員自ら提案して呉れるならば兎に角、政府としては非常な刺戟の多い、各議員の利害關係に鋭い關係のあるやうなものでありましたから、まあ誠に不滿足な選擧法だけれども、別表の改正には萬一の場合を考慮して手を觸れなんで行つたのでありますが、議員の方々がやつて見た經驗に對して、どうしても改正しなければいかぬと云ふ御考から、別表の改正を企てられまして、昨日實は絶對多數で衆議院を通過致したのであります、其の改正案は、御承知の如く、過去二十一年か、或はもつと長く繼續した、日本の五十八年の憲政の上で一番長く續いた中選擧區制であります、さうして六囘の總選擧を中選擧區の下にして居ります、大體に於て其の區制を取つて、さうして單記にしたのでありますから、區制に於ても、大體に於て無理がなし、大選擧區の弊を改め、連記の弊を改め、小選擧區迄行くの段階と致しても都合の好い中選擧區の單記制を採用された譯であります、それが衆議院を通過致しまして、其の修正案と共に此處に皆樣方の御審議を煩すことになりました、どうぞ宜しく愼重に御審議下さいまして速かに御協贊あらむことを御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=2
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003・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) 御質問のある方はどうぞ御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=3
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004・中田薫
○中田薫君 ちよつと御尋ね致しますが、此の衆議院の方で出しました修正案ですね、之に對して一部では反對があつたやうでございますが、其の反對した主な理由と云ふものはどう云ふ所にあるのですか、御説明が願へませぬですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=4
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005・植原悦二郎
○國務大臣(植原悦二郎君) 反對した理由は、多くは個人々々の問題でありまして、原則として之を非なりとする理由は餘り多く聞かなかつたやうでありますが、大選擧區で出て來た者が、中選擧區になると云ふことは、自分の選擧を考へますると餘程強いものでも多少の不利に陷ることは明かであります、さうして又、極く率直に申しまするならば大きい範圍に於て散票に依つて當選を期すると云ふ政黨から申しますれば、是は不利なことは勿論であります、比較的左傾のやうな思想を持つて居るやうな人は可なり全國にはありまするけれども、地方に限つて多數の支持を受けて居ると云ふことは少いのでありますから、さう云ふ人から言へば、可なり不利な立場に立つ、それかうもう一つ反對する理由と致しましては、まだ大選擧區制限連記と云ふものは一囘しかやつたことがないのだから、もう一囘位試みたらどうかと云ふ意見もあります、又直ぐ目の先に選擧が行はれるのでありますから、今の議員から言へば今の選擧區を考慮に入れて有らゆる選擧の準備を致した、選擧の事前運動は禁止せられて居りますけれども、如何なる者でも選擧に當る者は何時選擧があると決りますれば、其の選擧に對して總て法で許される範圍に於て有らゆる選擧運動をするものでありますが、それが今の大選擧區を目懸けて運動して居つたと云ふ者から言へば、是は可なり不利な感じがございます、又時に依りましてどう申しますか、自由黨とか進歩黨とか云ふものの昨年の選擧を考へますと、どうも連記が行はれなかつたやうでありますが、非常に或團體的に訓練されて居る社會黨などは連記が能く行はれます、他の黨よりはそれ等の人の立場、國家公共の點を考へれば別でありますが、選擧だけのことを考へまする時に、僅か一箇月位の間に選擧がある、そこで直ぐ選擧區は縮まる、連記制は廢されると云ふことになれば、色々の理窟はつけますけれども、結局は準備して居つた選擧區制を變へられれば、自分の當選に非常に不利だと云ふ理由の方が多いのであります、實際に於て日本の現在の國民の政治教育の上から見まして、どんな人でも全縣下に亙つて徹底的に其の主義主張を選擧民に聽かせしむるなどと云ふことは出來ないのであります、殊に今日のやうな交通機關の誠に不完全になつて居りまする時に、乘物の少い時に、一縣下に亙つて例へば何か小さな縣でありましても、其の間に選擧民に自分等の主張する所の主義政策を徹底せしむるなどと云ふことは出來ないので、理窟の上から申しますれば大選擧區を、制限連記を主張する理由がどうも薄弱でありますけれども、目先の選擧のことを考へますると云ふと、どうも少數黨に不利だとか、或は散票を集めて當選を圖つて居る者に不利だとか、或は選擧が間近かにあるのに準備行爲をした者が俄かに選擧區を變更すると云ふやうなことがあつては不利だと云ふやうに了解致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=5
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006・中田薫
○中田薫君 了解致しました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=6
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007・長島銀藏
○長島銀藏君 中選擧區單記制に致しますると、此の前の選擧の時には連記制でありましたから婦人代議士あたりが出易かつた、詰り投票者に女の方も有權者と爲られたので、同性の誼みと云ふやうな意味合の感じからして二人、三人書く、男の方の御名前を書いて、そして假に一人とか二人とか空きがあつた場合には女の名前を女なるが爲に書くと云ふやうなことから、女の方も相當御當選なさつた譯でありますが、今度のやうな單記制に致しますと、非常に當選率が少くなつてしまふが如くに考へられる譯なのですが、此の點に付きまして婦人代議士を今迄のやうな割合に出して貰ひたいと、假に言ふやうな意味合から考へますればどうなりませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=7
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008・植原悦二郎
○國務大臣(植原悦二郎君) 御答致しますが、婦人代議士のみに限つて申しますれば、婦人代議士が中選擧區單記は相當不利だと思ひます、率直に申上げて何故かならば婦人が有權者の數から言へば男子よりは或は多からうと思ひます、それで本當に婦人の政治的、社會的、經濟的の立場を政治の上に現したいと云ふ意味で、それには婦人のことを知るには婦人に如かず、さう云ふ意味に於て婦人が婦人に投票するかと言へば、どうも實際はさうでないやうであります、婦人の方が割合に多く男に入れて居る、男の物好きがどうも婦人に入れるやうな過去の實績に徴してさう云ふ風に思はれます、そこで婦人代議士が宜いと云ふ爲でなくて、或は婦人が政界に出ることが、日本の現下に於て、日本の政治を民主化する爲に、又日本國家を平和國家に建設する爲に宜いと云ふやうな理念に基いて、婦人に書いたと云ふ人はどうも少いやうであります、男を書いて一人餘つて居る所に女も一つ出してみようかと云ふ風で書いた者が事實は多いやうでありますから、さう云ふ立場から判斷して考へると婦人には聊か不利のやうに思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=8
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009・長島銀藏
○長島銀藏君 有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=9
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010・澤田牛麿
○澤田牛麿君 見渡した處、どうも質問もたんとはないやうに思ひますから、私は質問を大抵にして、直ぐに採擇に移つて戴きたいやうな希望があるのですが、如何なものでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=10
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011・大河内輝耕
○委員長(大河内輝耕君) 皆樣の御考へ次第、如何ですもう少し御質問になつたら……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=11
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012・澤田牛麿
○澤田牛麿君 質問すれば果がないのですから、今日は質問しない方が寧ろ適切ではないかと云ふやうな氣がしますから……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=12
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013・小山完吾
○小山完吾君 此の問題は本日直ちに湧き上つて來た問題でありませぬで、憲法審議の結果もう引續いて種々議論は盡され、殊に參議院の特別委員會に於ては十分言ひ盡された問題で、政府も其の時に既に決心を明かに示して居た問題ですから、もう會期切迫の折柄直ちに討論に御入りになつたらどうかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=13
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014・松尾國松
○松尾國松君 どうぞ討論に入つて戴きたい思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=14
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015・中村徹雄
○男爵中村徹雄君 討論に入つて戴くのは結構ですが、我々新聞等に依つて承知して居りますが、何かあれ程色々の問題があつたやうな話ですが、此の修正案が出まして、昨日それが成立しましたが、其の經緯がもう少し承りたいと思ひますが、どう云ふ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=15
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016・植原悦二郎
○國務大臣(植原悦二郎君) 經緯と申しましても、事は社會黨や共産黨の方方が、政府の陰謀に依つて斯樣な修正案が自進兩黨に依つて突如として提出されたと云ふやうに盛に主張されて居りますが、全くざつくばらんのこと何にも陰謀はないのでございます、實は斯樣な中選擧區單記制は、どなたにしても日本の民主政治を健全に發達せしめようとする、又政黨政治をより宜くしようとする、幾分なりとも現在よりも政治の安定をより宜い方に導かうとする立場から申しますれば、一區一人の小選擧區に行けないとすれば、七囘の總選擧をやつて試みられた中選擧區制がありますから、其の中選擧區單記制が宜いと云ふことに於て、理論上はちよつとも、極く私心を捨てれば、餘地のないことだと思ひます、どなたと議論して見ましても、社會黨の方にも、其の議論に於ては、個人々々話せば同意見の人は相當あるのであります、それで議論の餘地はないのでありますけれども、現在出て居る人は、大選擧區連記で出て居るのであります、さうして今迄の日本の議會に於きまして、一箇月或は一箇月半前に總選擧の日を決められて居つて、選擧に臨んだと云ふことはないのであります、私は十囘の總選擧に經驗を持つて居りますけれども、何時でも、任期が盡きる時は別だが、然らざる時には突如として解散されて選擧に臨んだのであります、任期も盡きないのに、昨年選擧されたばかりであるのに、選擧期日を一箇月か一箇月半前に、四月二十五日に選擧すると云ふやうなことをはつきりとして、選擧に臨むと云ふことはないのであります、そこで出て居ります者から申しますれば、今の大選擧區に向つて、是は自由黨でも、進歩黨でも、共産黨でも、社會黨でも、國民協同黨でも、皆同じやうに或程度の心構へを持つて臨んだと思ひます、そこで實は衆議院に政府の提案した此の案を出しまするに付て、私は出來れば、中選擧區單記の制を皆が了解して呉れれば、之に附して出したいが、どうだらうと云つて、實はざつくばらんの話だけれども、兩黨に交渉したことがあります、そうすると餘り期限がないからちよつと纏めるに困る、若しもう少し餘地を殘して呉れたらば、或は相談が纏まるかも知れない、斯う言はれたことはあります、併し政府の方としては、其の相談が纏まる迄延ばして置いたら、何時提案が出來るか分らない、それで政府としては技術的の方面を提案しようとして提案したのであります、さう云ふ状態で提案されて居りますから、昨年來自進兩黨又社會黨でも之に加つて居ります、それ等の者が寄つて集つて中選擧區單記の案を研究したことがありますので、それで段々考へて見た處、此の場合思切つて改正して置くことが宜いのぢやないかと云ふ自進兩黨の間に議が纏りまして、さうして政府にどうだらうと云ふので、實は是は政府の望む所だ、さうしたいと思ふけれども、政府としては、時間がなくて、詰り技術的のことをした、さう云ふ話合はありますけれども、陰謀も何もないのでありますが、何か選擧運動をするのには、さう云ふことを言つた方が都合が好いので、色々政治には複雜なことがありますので、左樣なことが誤解されたり、宣傳されたり、又新聞はさう云ふことが興味があるものだから大きく傳へて居る、斯う云ふことで、實際は只今申上げるやうに、ざつくばらんの御話を申上げて、政府としては勿論希望は致して居りました、併し時間が迫つて、出す前に自進兩黨の一致を得られないと云ふので實は止めたのでありますが、提出されてから又左樣なことが行けさうだ、修正を出さうかと云ふことだから、政府は誠に喜んでそれを受入れる、斯う申したことはあります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=16
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017・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) 外に御質疑はございませぬか、それではもう御質疑がないやうでございますから、討論に入りたいと存じます、討論に入ることに御異議はございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=17
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018・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) それでは御異議はないものと認めます、衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案、之を議題に供します、勿論之には衆議院の修正もございまして、それが原案になつて居ることを御承知を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=18
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019・澤田牛麿
○澤田牛麿君 私は衆議院の修正を附帶した案に贊成の意を表します、もう詳しいことは申上げませぬ
〔「贊成々々」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=19
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020・小山完吾
○小山完吾君 私も此の案に贊成致すものでごさいます、此の改正案の全體は、大臣の説明にもありました通り、恐らく大部分手續的なもので、之に對して今日議論はないと思ひます、問題は選擧區を中選擧區にすると云ふことと單記と云ふことですけれども、是は今日の委員會に於て、非常に短い間の審議、如何にもどさくさ紛れの議決のやうに思はれることを私は甚だ遺憾と致しますが、已むを得ない、併し本問題に付きましては、既に憲法の特別委員會に於ても度々論議に上り、それから參議院の大選擧區の問題に付きましては、是と關聯して隨分議論も鬪はされ、又國務大臣として齋藤、植原兩大臣も、中選擧區でなければいけないと云ふ明かなる意見を表明されて居るので、此の問題は決して議會に突發した問題ではなくて、殆ど國論と云つて宜しいのでございますから、其の意味を、貴族院が可決するに當つては十分表明して、決して是は即席の案ではないと云ふ位の意見を以て通過致させたいと思ひまして、之に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=20
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021・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) それでは澤田君から御意見もあり、又他のお方からも御贊成がございましたが、是は衆議院の修正案通り可決することに御異議はございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=21
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022・大河内輝耕
○委員長(子爵大河内輝耕君) 御異議はないものと認めます、それでは本案は全會一致、可決せられたものと認めます、是で散會致します
午前十一時四十八分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=22
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023・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 子爵 大河内輝耕君
副委員長 男爵 中御門經民君
委員
公爵 桂廣太郎君
侯爵 嵯峨實勝君
伯爵 大木喜福君
子爵 永井直邦君
子爵 京極高鋭君
子爵 三宅直胖君
中田薫君
永井松三君
男爵 坂本大造君
男爵 中村徹雄君
高木八尺君
澤田牛麿君
松尾國松君
三橋四郎次君
小山完吾君
原田讓二君
長島銀藏君
國務大臣
内務大臣 植原悦二郎君
政府委員
内務事務官 林敬三君
同 小林與三次君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201502X00119470331&spkNum=23
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