1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○証券取引法案
○日本証券取引所の解散等に關する法律案
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委員氏名
委員長 男爵 周布兼道君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
侯爵 嵯峨實勝君
侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 奧平昌恭君
子爵 瀧脇宏光君
子爵 土井利章君
男爵 中村貫之君
男爵 北大路信明君
黒田英雄君
瀧川儀作君
河西豐太郎君
高橋龍太郎君
徳田昂平君
藍澤彌八君
渡邊三郎君
近藤銕次君
小汀利得君
重宗雄三君
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昭和二十二年三月七日（金曜日）午前十時十三分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=0
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001・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 開會を致します、本委員會で審議致しまする證券取引法案及び日本證券取引所の解散等に關する法律案、是等の説明を先づ以て政府より伺ひたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=1
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002・北村徳太郎
○政府委員（北村徳太郎君） 本委員會に付託となりました證券取引所法案外一件に付きまして其の提案の理由を説明致します、初めに證券取引法案に付き御説明致します、證券の民主化、證券取引の民主化は、證券が經濟界に於て占める地位の重要性に鑑み、極めて緊要なことと存ずるのであります、證券の民主化、換言致しますれば、證券が廣く大衆の手に分散保有される爲には、一般大衆が安心して自己の資産を證券に投資し得る仕組となつて居ることが何よりも肝要なことであります、然るに我が國に於ける現情は、一般大衆が健全な投資物として之を保有することは比較的少なかつたのであります、又證券取引組織に付きましても、其の中核的機關である取引所は、戰時中政府の強い統制下に設置された日本證券取引所が存在し、有價證券業者、有價證券引受業者等の態勢も今日とは全く異る状況の下に整備されたものでありまして、何れも現下の要請を充し得ないものと認められるのであります、右の事情を考慮致し、今後我が國經濟の民主化の徹底を期すべき時、現行の日本證券取引所法、有價證券業取締法、有償證券引受業法及び有價證券割賦販賣業法を廢止し、新に是等の諸法令を統合し、且其の内容を民主的に改正した證券取引法を制定することと致したのであります、以下本法案に付て其の内容の主なる點を説明致します、第一に、此の法律の目的は國民經濟の適切な運營及び投資家の保護に資する爲、有價證券の發行及び賣買取引を公正ならしめ、且有價證券の流通を圓滑ならしめることにあるのであります、此の爲め、株式又は社債の發行に關する屆出制度を設け、證券業者の取締及び證券取引所の制度を整備したのであります、第二に、今囘新に設けられる株式又は社債の發行に關する屆出制度に付き説明致します、本制度を設ける趣旨は、投資家に株式又は社債の發行會社の事業計畫、資産の状況等に關する正確な資料を提供し、投資家の判斷と責任とに於て、證券投資が出來るやうにしようとするにあるのであります、先づ一定の株式又は社債を發行しようとする時は、發起人、取締役等の全員は、豫め當該株式又は社債に關して發行會社の事業成績、資産内容、當該株式又は社債の發行に依り取得する資金の使途等を屆出なければならないのであります、次に屆出を必要とする株式又は社債の募集、引受等は、原則として其の屆出書の提出があつた日から十五日後でなければ之を爲すことが出來ないのであります、即ち此の十五日間に政府に於て屆出事項に付て、其の内容が眞實なりや否や等を審査し、必要があると認める時は、屆出者を審問の上其の内容の訂正を求めることが出來ることと致し、投資家の保護に萬全を期したのであります、又屆出書の中に記載した事項と異る事項を記載した目論見書は、株式又は社債の發行に際し之を使用することが出來ないものとし、誇大なる廣告をなし、投資家を僞瞞するが如きことがないやうに配意して居るのであります、若し右の屆出書に眞實に反する記載があり、又は重要な事項の記載を省略した場合には、屆出義務者は當該株式又は社債の取得者に對し、故意又は過失のなかつたことを立證しなければ一定の期間損害賠償の責に任じなければならないことと致し、又右屆出書の中に記載した事項と異る事項を記載した目論見書を使用した場合にも、其の使用者に同樣な損害賠償の責任を負はしめることと致して居るのであります、尚、株式の發行者は毎事業年度其の業務又は財産に關する報告書を政府に提出しなければならないものとし、之に依り常に會社の實態を公開し、投資家の保護に遺憾なきを期したのであります、右の株式又は社債の發行に關する屆出書類及び株式發行者の毎事業年度の業務又は財産に關する報告書は、之を政府に備へ置き、隨時投資家の縱覽に供する外、請求に應じ其の謄本又は抄本を交付することとし、投資家の便宜を圖ることとして居るのであります、第三に、證券業者に付て新に設けられた規定の主なるものは、先づ有價證券の賣買、賣買の媒介、引受又は募集の取扱を營業とする者は、銀行信託會社等從來免許を受けることを要しなかつた者と雖も、總て免許を受けなければならないものと致したこと、次に投資家の保護、有價證券業者の資質の向上の見地から證券業者は一定の純資産を常時保有するものでなければならないものと致したこと、次に有價證券の引受をなす者の資格を特別に制限することなく、總ての證券業者が有價證券の引受又は募集の取扱をすることが出來るものとしたこと、最後に證券業者が、有償證券の賣出又は募集若くは賣出の取扱をしようとする時は、政府に屆出でなければならないこととし、その賣出又は募集若くは賣出の取扱を適正ならしめる如く政府に於て監視し、投資家の保護を圖つたことの三つであります、第四に、證券取引所關係の規定でありますが、其の最も重要な改正は、其の組織を會員組織に限定したことであります、會員組織にするか株式會社組織にするかの問題は、從來から論議されてゐる所でありますが、從來の我が國の經驗、歐米の例、取引所の本質、民主化の見地等より致しまして、會員組織一本建とするのが適當と認めた次第であります、次に證券取引所の會員に關しては、會員は、一定の純資産を常時保有する必要があること、會員は、證券取引所の定款の定める所に依り、會員信認金を證券取引所に預託しなければならないこと、會員信認金に對しては、第一順位として證券取引所に於ける賣買取引の委託者、次順位として他の會員が其の他の債權者に先立ち優先して辨濟を受ける權利があること等の規定を委託者の保護、會員の資質の向上等の見地から設けたのであります、尚證券取引所の賣買取引に關しては次のやうな規定を新に設けることと致したのであります、賣買取引の受託は、會員又は其の會員の所屬する證券取引所の承認を受けた會員の支店、出張所其の他の營業所若しくは代理店に限り、之をなすことが出來るものとし、此の際會員は其の受託に付て、委託者に對し、其の賣買取引に關する一切の責任を負はなければならないものと致し、委託者の保護を期したのであります、又會員は委託者から、委託證據金を徴しなければならないものとし、以て不健全な投機取引の抑制を意圖致したのであります、更に會員又は其の支店、出張所其の他の營業所若しくは代理店は、其の受託に係る證券取引所に於ける賣買取引が成立した時は、當該會員の發行した賣買報告書を委託者に交付しなければならないものとし、委託に係る賣買取引の結了關係を明確にし、委託者の保護に資したのであります、第五に證券業者又は取引所會員のなす賣買其の他の取引に關する爭に付て、當事者である證券業者若しくは會員又は是等の取引の相手方の申立に依り爭の仲介をしなければならないものとし、證券關係の專門家に依る簡易、迅速、妥當な仲介をなし、間接に證券取引の普及に資するやう配意したのであります、第六に、以上新に種々なる規定を設け證券取引の適正と投資家の利益の保護とを企圖したのでありますが、更に其の萬全を期する爲、學識經驗者より成る證券取引委員會を設置し、證券取引に關する重要事項に付て獨自の立場から調査、審議等を行ひ、證券行政運營の中樞となるべき獨立的機關と致したのであります、尚此の委員會は、證券行政の重要事項に付き常時審議等をなすものであり、委員が一度に全部交替するのは適當でないと存ぜられますので、一部宛交替することとし、又其の身分に付ても保障の規定を設け、委員の職責遂行に遺憾なからしめることとしたのであります、第七に、有價證券業取締法、有價證券引受業法及び有價證券割賦販賣業法の廢止に伴ふ必要な經過的規定を設けることと致したのであります、最後に此の法律又は此の法律に基いて發する命令に規定した事項に付て政府のなした違法處分に因り權利を害されたとする者は、行政裁判所に出訴することが出來ることとし、其の救濟の途を拓いて居るのであります、以上證券取引法案に付て其の大要を御説明致した次第であります、經濟界の整理再建に關する一聯の措置及び財産税の徴收等に伴ひ有價證券の處分、移動は尨大な數量金額に上るものと豫想されるのでありますが、是等の證券が大衆の手に廣く分散保有せられ、且圓滑に公正な價格で取引される爲には、證券取引機構を整備し、其の活溌なる運營を圖ることが極めて緊要と存ぜられるのであります、次に日本證券取引所の解散等に關する法律案に付きまして、其の提案の理由を説明致します、只今御説明致しました證券取引法に依り會員組織の證券取引所が設置されることとなりますのに伴ひ、戰時中の必要に基いて設置された日本證券取引所は、其の存續を要しないこととなりますので、之を急速に解散致します爲、本法案を提案致した次第であります、以下本法案に付て其の内容の主なる點を簡單に説明致します、第一に、日本證券取引所法の廢止と、日本證券取引所の解散とを規定致しました、第二に、清算は、主務官廳の監督の下に行はないで、裁判所の監督の下に之を行ひ、清算人は日本證券取引所の役員又は役員であつた者以外の者から裁判所が選任することとし、其の公正を期したのであります、尚清算人、監事の職權、任務等に付きましては概ね一般法人の清算人、監事に準じて居るのでありまして、特に申上げることもないのであります、第三に、清算人、監事の責任解除に關する規定を設けて居ります、第四に、清算の實行上必要があると認める時は、出資者の半數以上であつて、資本金の半額以上に當る出資者の同意を得て、日本證券取引所は其の財産の一部を出資して不動産の賃貸を主たる目的とする株式會社を設立し、殘餘財産は金錢及び其の出資に依つて得た株式毎に出資者に分配をなすことが出來ることと致しまして、現在日本證券取引所の所有する不動産を個別的に分散處分することなく、之を不動産會社に移し日本證券取引所の出資者が不動産會社の株主となり得る途を拓いたのであります、尚政府、戰時金融金庫及び資本金の百分の一を超える大出資者に對する分配は、證券保有民衆化の見地から之に分配すべき株式を公開處分して得た代金を交付して、之を行ふことと致したのであります、最後に商法、民法中の關係條文の準用規定を設けて居ります、尚昭和二十一年大藏司法省令第四號第一條第一項に規定する有價證券賣買取引事業特別會社に關する財産即ち日本證券取引所が戰時中政府の命令に依り、株價操作の爲、挺入に依つて取得した證券及び之が購入資金の借入れに依り生じた債務は、之を日本證券取引所に屬しないものとして、閉鎖機關保管人委員會が之を管理することとし、今囘の清算とは別個に處理することと致して居ります、本法案の大要は、以上申述べた通りでありますが、本法案は、證券取引法案と一體をなすものでありますから、何卒御審議の上速に御贊成を與へられむことを切望致します発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=2
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003・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 是より質問に移りたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=3
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004・徳田昂平
○徳田昂平君 只今政府より法案の詳細なる御説明を承りまして、此の法案が證券の民主化の爲に最も適切な法案と存じまして、大變喜ぶ次第でありまするが、法案の五、六の點に付きまして、政府の御所見を承りたいと思ふのであります、便宜上此の法案の條章の順序に依つて、御尋ねしたいと思ふのでありますが、第一に此の十五條の證券業を營むには、政府の免許を受けなければならないと云ふ規定でありますが、是は政府の御方針は、證券業者を將來、現在の證券業者よりはもつと多數の證券業者を御免許になる御方針でありまするか、或は或程度の制限を加へて免許なさる御方針でありまするか、先づ以て此の點を御伺ひしたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=4
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005・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御答へ申上げます、只今徳田さんから御質問のありました第十五條の「証券業を営もうとする者」の免許の方針でありますが、十五條、十六條其の他證券業を營む資格が色々書いてあるのでございますが、純財産を一定限度以上持つて居りまして、證券業を取扱ひまする資格を持つて居ります者に對しましては、原則として免許を致して參る、其の數が現在より多くなるか、少くなるか、それは何とも申上げかねるのでありますが、一定の資格を持つて居ります方は、どなたでも證券業を營むことが出來ると云ふ工合に致して行きたい、斯樣に考へて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=5
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006・徳田昂平
○徳田昂平君 次に第十六條と四十二條と關聯して居りますが、十六條の證券業者、四十二條の會員の純財産、是も命令で決めると云ふ風になつて居りますが、此の標準などに付きまして、何か御考がありますでありませうか、此の點を御伺ひしたいと思ふのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=6
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007・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御答へ申上げます、今囘の證券法に於きまして、先程政務次官から御説明申上げました所で、御分りになる通り、非常に特色になつて居ります所は、證券取引委員會と云ふ特別機關を設置致されることであります、政府として、色々認可を致しましたり、重要な決定を致しましたり、此の法律運用の重要な事項に關するもの、又其の方針に關するやうなものは、總て此の證券取引委員會が中心になつて決めて戴く、左樣でありますので、十六條、四十二條に於きまする純財産額は、其の時々の色々の情勢もあらうかと存じますが、どの程度のものが宜しいかと云ひますことも、此の證券取引委員會に於て、十分に御檢討願ひたい、斯樣に存じて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=7
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008・徳田昂平
○徳田昂平君 了承致しました、次に三十一條と七十五條の紛爭解決の仲介規定でありますが、仲介不履行の業者に對しましては、營業停止の處分を命ずることが出來ると云ふことでありますが、其の相手方、主として委託者に何等の制裁がないやうに思ふのでありまして、何か業者にだけ營業停止處分があつて、委託者に何等の處置がないと云ふことは、多少片手落ちではないかと云ふやうな感が致すのであります、もう一つ、取引所と會員との間に紛爭がありました場合に、此の解決には仲介しないと云ふことのやうでありますが、之に對する政府の御所見を承りたいと思ふのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=8
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009・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 第三十一條及び第七十五條の仲介でございますが、是は當事者間の紛爭を出來るだけ早い機會に政府が御斡旋を致しまして解決をつけたいと云ふ意味のものでございまして、法制的に和解を強制すると云ふ風な性質のものではございませぬ、何處迄も政府の仲介に依りまして當事者たる相手方に於きまして此の協定が出來上る、それを狙つて居るのでございますので、其の協定を證券業者が履行しないと云ふ風なことがありましたならば、是は證券業者としては、何と申しますか、信義に反するとでも申しますか、さう云ふことに相成りますので、斯う云つた場合は、別な規定がありますが、豫め訊問とでも申しますか、能く事情を問ひ訊した上で此の三十一條第二項のやうな……それでも聞きませぬ場合に於きまして營業の停止を命ずることが出來るやうに相成る譯でありますから、何處迄も是は當事者間の、結論は協定と云ふことでありますのと、同時に他方裁判上の色々な問題の方を、之に依つて塞いで居る譯ではありますが、それに併置致して居る譯のものでございますから、委託者の關係に付きましては全然觸れなかつた次第であります、後の點を聽き漏しまして、恐縮でありますが、もう一度御願ひ致します発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=9
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010・徳田昂平
○徳田昂平君 取引所と會員との間に紛爭の起つた場合は、此の機關では解決に仲介しないと云ふことになりますでせうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=10
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011・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 只今の取引所と會員との間の問題でありますが、七十五條にあります通りに、「有價証券市場における賣買取引に関する爭について当事者たる會員又はその相手方」と云ふ風に廣く書いてありますので、取引所と會員との間に何かございました場合に於きましては、此の賣買取引に關する問題に付きましてございました場合には、政府と致しましては其の解決を圖る爲に御仲裁申上げる、斯う云ふことに相成ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=11
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012・徳田昂平
○徳田昂平君 次に第三十二條と第三十三條の證券取引所設立の地區の問題でありますが、是も命令事項になつて居りますが、是も先程の御答辯に依りまして、委員會で設立をすると云ふことを御決めになる、斯樣に解釋して宜しいでございませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=12
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013・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御解釋の通りでございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=13
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014・徳田昂平
○徳田昂平君 次に五十八條の賣買取引の期限等に付きましてどう云ふ風な御方針でありませうか、現物取引の外に清算取引と云ふことを御認めなさる御積りでありますか、又此の賣買取引に税はどう云ふやうな御方針で御かけになりまするか、斯う云ふことを承りたいのであります、是も矢張り委員會の決定事項になりますでございませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=14
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015・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 五十八條の「賣買取引の種類及び期限」、其の場合の政府の認可の方針等に付きましても、先程申上げました取引委員會に於て十分に御檢討の上御處置願ひたい、斯樣に存じて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=15
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016・徳田昂平
○徳田昂平君 尚六十五條に、證券業者が委託の媒介等を營業とすることが出來ると云ふやうやうな規定がありまするが、媒介を營業と致した場合に、媒介の手數料と云ふものを取つても宜しいでありませうか、若し取つて宜しいと云ふことになりますれば、それは取引所の會員から貰ひまするのか、或は又委託者から取り得るでありませうか、其の點は如何でございませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=16
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017・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 是は委託者の方から媒介手數料として取つて宜いと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=17
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018・徳田昂平
○徳田昂平君 第七十八條と七十九條の證券取引委員會のことでありまするが、此處に委員の數は三人となつて居りまするやうでありまするが、三人では少な過ぎはしないかと云ふやうに思ふのであります、三人と云ふやうな場合には、其の一人が何か病氣其の他の事故がありましたと云ふやうな場合に、直ちに支障を生ずるのではないかと思ふのでありまするが、五人位あつて宜いのではないかと云ふやうに考へまするが、是は政府はどう云ふやうに御考になりませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=18
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019・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 三人では少くないかと云ふ御話でございます、誠に仰しやいますやうな場合が或はございますかも知れませぬが、此の委員會は第七十八條に書いてありまするやうに、重要事項を審議致しまする外、命令、處分等に付きまして審査し、承認致しましたり、又三號にありまする通りに、此の法律の施行に關する事項に付て常時調査をする、色々な何と申しますか、常任的な委員會に相成りまする譯でありまするが、同時に事柄の性質上、物事を或程度早く其の場で決めて行かなければならぬと云ふ風な事態も相當に起るのではないかと、斯樣に存ぜられまするので、委員の數が多くなりますれば、却つて其の間に色々事務の執行上支障を生じやしないか、委員會の性質から致しまして、必要最小限度のメンバーを以て之を構成する方が色々な意味で圓滑に參りはしないか、斯樣に存ぜられまして三人と云ふことに致した次第でございます、御了承願ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=19
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020・徳田昂平
○徳田昂平君 證券取引所法案の私の質問は是で終りまして、次に解散法中で一、二御尋ねしたいと思ふのでございます、此の解散法律案の第十條に出資者の多數が希望するならば、不動産の賃貸を主たる目的とする株式會社を設立しても宜しいと云ふことになつて居りますが、此の場合政府の方の五千萬圓の出資に對しましては、政府は建物會社の設立に御贊成なさるのか、或は權利を抛棄なさるのかと云ふ點は如何でありませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=20
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021・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 出資者の半數以上であつて資本金額の半額以上に當る出資者の同意があるやうな場合に於きましては政府としては株主として御贊成申上げたいと存じて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=21
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022・徳田昂平
○徳田昂平君 もう一つ解散法の第十六條の政府の出資の處分のことでありますが、政府の出資額の處分はどう云ふやうな方法で御處理なさる御考でありませうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=22
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023・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） もう一度、聽き洩して恐縮でございましたが、第十一條の關係でございましたでせうか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=23
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024・徳田昂平
○徳田昂平君 十六條です……私間違へました、現に政府が日本證券取引所に出資して居りまする五千萬圓の出資額を處分することになると思ふのでありますが、其の處分の方法は有價證券調整協議會、斯う云ふやうな機關に掛けて御處分なさるのでありませうか、其の點を御伺ひしたいと思ふのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=24
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025・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 只今仰しやいます通り別途出來て居ります有價證券調整協議會、あれを活用致しまして、それに依つて民主的に之を配分致したい、斯樣に存じて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=25
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026・徳田昂平
○徳田昂平君 私の質問は以上で終了致しました発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=26
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027・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 瀧川委員に申上げますが、先程御質問の御通告がございましたから、此の際御許し致します発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=27
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028・瀧川儀作
○瀧川儀作君 私全般的な質問をやりたいと思ひますが、宜しうございますが、逐條の質問がありましたから……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=28
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029・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 宜しうございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=29
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030・瀧川儀作
○瀧川儀作君 此の法案は株式組織の時分の取引所法を會員組織に改めようと云ふ非常に進歩した便法でありますから、殊に又各條項も非常に周到な注意を拂つてあることを諒と致しますが、御承知の通り米國方面に於ける、或はヨーロッパも同じことでありますが、會員組織のメンバーなる者は、其の資産、信用、經驗等一流の方ばかりでございまして、取引所のメンバーであると云ふことであれば信用調査をする必要がない程立派な方が會員になつて居られるのであります、でありますから會員を相手にして相當大きな金額の取引が出來て居りますので、日本も冀くはさう云ふ風に進むことを希望する者であります、又日本の取引所の構成は御承知の通り專ら經驗と信用を中心と致しまして、資産には餘り重きを置いて居なかつた傾があるのであります、そこで株式組織に致しまして、其の株式會社が常に取引員を監督致しまして、さうして間違ひのあつた場合には、其の取引所が完全賠償の責に任ずる、斯う云ふ行き方でありますから、監督者としては其の株式の持主は一般から持つて居りますから、監督も先づ行き屆く、民衆が監督するやうな形になつて居りまして、日本の國情から云へば非常に相應はしい經營の仕方であるかの如くに感ずるのであります、此の意味に於きまして、一躍して會員取引所に致しました場合に、歐米各國の如く個人として資産、信用、徳望、あらゆる方面から此の重大な任務を果し得る人を得ることの自信ありや否や、さう云ふ問題に付ては委員會を設けてそれに一任する、政府の獨斷でやらないと云ふことであります、それも至極結構と思ひますが、さう云ふ委員を得るのには今此處に規定されて居るやうな少數の者では到底それは實行出來ない、責任を果すことが出來ないのではないかと今徳田氏からも質問がありましたが、さう云ふ風に私も感ずるのでありますが、其の點に付きまして、政府には十分の御自信があるのでありますか、或は又其の委員の構成、さう云ふやうな問題に付て御差支のない程度に於て御方針を伺つて置きたいと思ふのであります、まだ他にもありますが、其の點に付きまして……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=30
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031・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 御尋の會員組織に飛躍的に致します場合には、果して信用、資産其の他の點に付て一流の人達を會員として網羅し得る自信があるか、又それを常時監督致しまする……と申しますか、指導致しまする取引委員會は其の責任が重大でありまするから、從いまして三名では不足なのではないか、又其の委員の構成等に付て、どう云ふ考を持つて居るかと云ふ御尋であつたと存じます、第一の點でございますが、と申しますか、第一から第三迄關聯がある譯でございますが、今度會員組織に致しますに付きましては、從來の制度を一變致す譯でありますので、非常に飛躍的な變化であるとは重々承知致して居りますが、是は取引所の本來の性質や諸外國の前例等にも鑑みまして、又一昨年暮からの金融制度調査會に於きましての答申の結果にも鑑みまして、此の際改めて新たに發足致しまする證券の取引所は會員組織に致すのが最も理想的ではないかと、斯樣に存じて居る次第であります、尚其の委員等に付きましては第四十二條に於きまして純財産額を常時持つて居らねばならぬ、又常時其の保有の状態に付きましては、政府は調査し監督を致して居る譯でありますが、斯樣に致しまして、信用なり、資産なり、又經驗なりに於て一流の人物の方々が會員となりますやうに努力致すのは勿論、又會員組織に相成りますれば、御互ひの、何と申しますか、自主的に切磋琢磨に依りまして、其の素質なり、信用なりを向上して、どんどん行けることになるのではないかと云ふことを、まあ切に望んで居るやうな次第であります、又現在證券界に於きまして相當の方々がいらつしやるのでありまするから、仰しやいますやうに、信用なり、資産なり、經驗なりに於て一流の方々が會員になり得る、又さう云ふ方々が現に在ると云ふことを私共は信じて疑はないのであります、又此の證券行政なり中心になりまする證券取引委員會の委員の方々には廣く證券界、又廣く經濟一般に付きまして十分な學識經驗を御持ちの方々になつて戴きたいと存じて居る次第でありまして、此の三人の方が其の學識、經驗、御手腕を十分に發揮して戴きまするならば、此の證券取引制度と云ひますものが將來非常に堅實に、健全に發達して行く、斯樣に存じて居るやうな次第であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=31
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032・瀧川儀作
○瀧川儀作君 大凡會員の資産程度はどれ位の御見込を政府はおつけになつて居りますか、之を伺ふことが出來ますれば……発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=32
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033・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 此の純財産額に付きましては、政府の指定する金額に付きましては先程も申上げましたやうに、此の證券取引委員會に於て十分に御檢討を御願ひ致しまして御決定を願ひたい、斯樣に存じて居ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=33
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034・瀧川儀作
○瀧川儀作君 もう一つ伺つて置きたいのでありますが、日本では此の取引所を博奕場扱ひに致しまして、紳士階級なり眞面目な方々が非常に之に携ることを好まぬやうな感じ、所謂習慣があるのでありますが、御承知の取引所の使命と云ふものは、至る所の出來上ります商事會社に致しましても、興業會社に致しましても會社の資産、信用を有らゆる方面から調査致しまして、それを市場に上せて其の會社の信用を保證する立場に立つて居りますと同時に、又會社の經營が惡ければ、株が安いと云ふやうな、即ち會社の内容を能く調査した結果、委託者なり又社會を誤らしめないやうに致します重大な使命を持つて居ります、同時に地方あたりでさう云ふ機關がありまして、取引所が保證する爲に地方の工業は非常に發達する、其の株券が銀行で取引所の公定相場が、常に發表される爲に融通性を持ちますから、誰も彼も皆其の株券を持つ傾がある、それが一つの奬勵になりまして、地方でも相當に工業が發達して來た歴史を持つて居ります、さう云ふ意味合から成るべく六大都市とか十大都市とか言はないで、各方面に向つて其の取引所、所謂清算市場なるものを許可すると云ふことが、今日の如く總ての工業が戰爭の結果破壞された状態に於て非常にそれを進める上に於て復興事業として重大な使命を持つものぢやないかと思ふのでありますが、戰爭以來非常に是が束縛を受けまして、非常に少數の東京、大阪のみに限られて居つて、あとは實物取引だけより許して居ない、實物取引と云ふものが今度の制度で監督が十分に行けば別ですが、一種の闇取引が行はれるのでありますから、實物取引なるものはそれ程社會から見て大切な機關になつて居ない、矢張り清算市場を許すと云ふことが必要ではないか、そうして所謂パブリック・フェヤリング、公定相場を常に發表する必要があるのでありますが、其の點に付ては今日の經濟状態は變化して居りますが、復興と云ふ意味も兼ねて、出來得る限り希望のある都市には清算市場を許すと云ふことが必要ではないかと感ずるのでありますが、其の點に對する政府の御方針を伺つて置きたいのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=34
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035・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 只今仰しやいました取引所の使命、機能と云ふ點に付きましては全然御同感でありまして、其の機能を果し、又有價證券が、健全なる投資物として廣く國民大衆の間に保有せられますやうな状態を是非共作り上げたいと申すやうな意味に於きまして、今度の證券取引法案を提案致したやうな次第であります、先程申上げましたやうに、此の取引所が置かれまする場所、地區の指定等に付きましては、取引委員會に於きまして十分に御檢討を願ひまして御決定を願ふのでありますけれども、先程申上げました廣く國民各階各層の方に有價證券を御持ち願ひ、又先程瀧川さんから申されましたやうな、取引所の使命、機能、それを日本經濟再建の爲に働いて戴くと云ふ風な意味に於きまして、仰しやいます通りに現在の交通の状況、通信の状況、或は各地に於きまする經濟發達の程度等を考へまして、限定的と申しまするよりは足らない所には設置するといふ風なことに自らなるのではないかと云ふ具合に考へられる次第でこざいますが、具體的なことは擧げて之を取引委員會に御一任申上げたいと云ふやうな次第でございます、尚御言葉の中の清算市場を各地に作つてと云ふ風な御言葉がございましたのですが、先程申上げましたやうに、この取引の態樣であります種類、期限等に付きましても是は取引委員會の御檢討に御一任申上げるやうな次第でございまして、實物中心になる、或は清算が認められると言ひましたやうな問題は只今の所はつきりと申上げる段階には達して居らないのでございまして、此の點は御了承願ひたいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=35
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036・瀧川儀作
○瀧川儀作君 一般的の質問は是で終ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=36
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037・藍澤彌八
○藍澤彌八君 此の法案を拜見致しますると、從來取引所の短を補ひまして、長所を採り且つ革命的な會員取引所に改めると云ふことは現在に即しまして最も有效適切は案だと言はれるのでありますが、取引所は其の使命に於きまして、先刻も各委員から御話がありました通り、單に證券取引、金融の疏通と云ふことだけでなくして、産業發達、詰り事業の助成がなくてはならぬのであります、こう考へるのであります、從來の日本の産業は大體に於きまして貿易業者が其の利益に依つた金とか、金融業者がマーヂンに依つて得た金、或は鑛山に依つて儲けたと云ふやうな、此の餘剩利益が事業を助成しまして、日本の産業と云ふものは次第に大きくなつて來たと思ふのであります、今囘の此の民主主義の改正に當りまして、斯う云ふ財閥關係が悉く解體せられる場合に於ては日本の産業は一體何處で起るのかと云ふことを考へて見ますならば、茲に於て證券の取引と云ふ所に於て本當の清算が起り、さうして茲に資本の集中が起ると云ふことは、是は經濟界の中心になるのでありますから、當然此處に集まらなければならぬと思ふ、其の時に於きまして此の助成する所の機關がなかつたならば立派な發明でも、又立派な事業のプランでも成就すると云ふことは困難ではないか斯う思ふのであります、私は此の取引所に對して一大助成機關を設ける必要があるかのやうに考へるのであります、政府の之に對する御所信を伺つて置きたいと思ふのであります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=37
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038・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 取引所を助成する爲の機關が必要ではないか、取引所の健全に之を發達致して行きますることが、誠に仰しやいます通り、日本の經濟再建の爲に、不可缺な要件であることは仰しやる通りでございます、唯此の助成と云ふことでありますが、政府が其の負擔に於て助成的な施設を致しますると云ふことは、色々な關係から致しまして避けねばならぬ事柄であらうと存じて居ります、唯何と申しませうか、業界や各界の要望に基き、自然發生的と云ふと少し語弊があるのでございますが、さう云つた形に於きまして色々な金融關係、或は貸借關係もございますと思ひますが、さう云つた方面の助成機關が出來ますことは毫も差支ないのでありまして、之を政府と致しまして抑へるとか、さう云ふ風な意圖は全然持つて居りませぬと云ふことを申上げて置きます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=38
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039・藍澤彌八
○藍澤彌八君 大體に於きまして此の本法案は取引は活き物であると云ふ觀點から大體の重要事項を其の局部の人に任せる、例へば取引委員會に於て總ての取引所の機構及び監督、或は營業の目的其の他に付て研究を加へて之を管理せしめる、又會員取引所を取引業者をしてそれぞれ御話の如く助成機關等も設置してやれる、斯う云ふ趣旨も承りましたので、此の法案の趣旨もよく徹底して居り、一日も早く是が通過して出生した方が宜いのではないかと考へるのであります、私は此の法案に付きましては贊成でございます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=39
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040・徳田昂平
○徳田昂平君 先程から政府委員の御説明を承つて居りますと、總ての主なる問題は證券取引委員會の手に依つて處理されるやうに思ふのでありますが、先程私申しましたやうに委員は三人では少いのではないかと申上げましたのでありますが、御説明を承るに從つて益々委員會の責任の重大なるを痛感するのでありますが、殊に初めて法律を施行し、取引所を新設すると云ふ場合には、初めが非常に肝腎だと思ふのであります、私今以て三人では少いのではないかと考へて居るのであります、或は三人寄れば文珠の智慧と申しますから、三人でも宜いかも知れませぬが、三人で決めて、或はそれが少數の意見でなかつたかと云ふやうなことがないともと云ふやうに考へるのでありますが、さう云ふやうな場合に臨時委員と云ふやうなものでも、問題に依つては御置きになるやうな御考はないでございませうか、出來るならばさう云ふ問題に付きましては、臨時的に意見を徴すると云ふやうなことを致しまして萬全を期する方が宜いのではないかと、斯樣に考へるのでありますが、其の點もう一度政府委員の御考を御尋したいと思ひます発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=40
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041・櫛田光男
○政府委員（櫛田光男君） 此の證券取引委員會と致しましては、委員は何處迄も原案は三人でございまして、臨時委員を置くと云ふ風な意味の制度はございませぬのです、唯、此の委員會が具體的に致します場合、此の三人の方は業界、學界に通曉致されました知識經驗に富んで居られる方でありますのと、此の委員會の行き方としまして、當然各種の、何と申しますか、パブリック・フェアリングと申しますか、さう云つたやうな意味に於て、廣く學界の意見を徴しながら重要な意見を御決めになつて下さることと確信致して居ります、斯樣な方法に依ります運營方法を採つて行きまするならば、只今の御懸念に相成りました、何と申しませうか、獨裁的と申しますと、ちよつと語弊があるかも知れませぬが、少數の意見で以て強行すると云ふやうな弊害は避け得られるのではないか、又それが此の證券取引委員會と云ふ風な名前に相應しい方法でありますと、斯樣に存じて居りまして、御懸念のやうなことは萬ないであらうと云ふ風に存じて居る次第であります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=41
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042・徳田昂平
○徳田昂平君 了承致しました、私の質問は是で終ります発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=42
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043・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 皆樣に御諮り致します、今日は此の程度で止めまして、明日午前十時より開會致したいと思ひますが、如何でございませうか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=43
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044・徳田昂平
○徳田昂平君 委員長にちよつと御尋ね致しますが、大體此の委員會は何囘位で終了なさる御考でありませうか、其の點はまだ御考へになつて居りませぬか発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=44
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045・周布兼道
○委員長（男爵周布兼道君） 其の點はまだ決つて居りませぬ、又明日の御質問の御樣子に依りまして決めたいと思つて居ります、宜しうございますか…それでは明日は午前十時より開會致します、本日は是にて散會致します
午前十一時十三分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=45
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046・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 男爵 周布兼道君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
委員
侯爵 嵯峨實勝君
侯爵 大炊御門經輝君
子爵 土井利章君
男爵 中村貫之君
男爵 北大路信明君
黒田英雄君
瀧川儀作君
河西豐太郎君
徳田昂平君
藍澤彌八君
渡邊三郎君
近藤銕次君
政府委員
大藏政務次官 北村徳太郎君
大藏事務官 櫛田光男君
同 伊原隆君
同 岡村峻君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00119470307&spkNum=46
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