1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○証券取引法案
○日本証券取引所の解散等に関する法律案
○会計法等の特例に関する法律案
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昭和二十二年三月十日(月曜日)午前十時二十一分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=0
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001・周布兼道
○委員長(男爵周布兼道君) 開會致します、前囘に引續きまして御質問願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=1
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002・藍澤彌八
○藍澤彌八君 此の證券取引所法に付きまして、私は一つ政府の御考を聽いて置きたいと思ひますことは、證券金融を將來一體どう云ふ御構想を以て御やりになる御考であるか、今一つは此の總ての運營を御委せになる三人の委員が御出來になりまする其の御方を學識經驗のある者に政府が任命するとなつて居りまするが、此の點に付ても一つ伺つて見たいと思つて居ります、第一證券金融の問題でございますが、從來でありますと、取引は單なる證券の賣買及び決濟と云ふやうなことでありまするから、資金も大して要らないことであつたが、今度引受業務も證券の發行もすると云ふ、總てを統一した取引所となりまする以上は、軈て多くの事業家が大衆に繋ぐ迄の間此の資金の供給を仰ぐこととなつて來ると存ずるのであります、從つて此の取引業者の懷ろ、及び將來豫見せられまする助成機關と云ふやうなもので相當の金融をしてやらぬといかぬと思ふのであります、扨て斯うなりますると、目下の状態から申しまして、各銀行に果して此の融資が求められるものであるか、斯う云ふことを考へますと、聊か前途に危惧の念を持つのでありますが、少くとも此の助成機關を強力なものに致しまして、此の助成機關に向つて社債の發行でも御許しになると云ふことであれば、相當の資金が之に集まりまして、大衆に繋ぐ迄の事業の助成が出來るのぢやないかと思ひます、此の點に付きまして一つ政府の肚構へと申しますか、御考を一つ伺ひたいと思ふのでございます、今一つは前囘徳田委員からも御話があつたやうでしたが、三人の委員は少な過ぎるから五人にしたらどうかと云ふ御話がありましたが、是はまあ三人でも結構だと思ひますが、單に學識經驗者を以て組織すると云ふやうな御任命の方法であるとすれば、斯う云ふ活きた取引所の仕事を御任せになるとしたらまだ相當足りない所があるのぢやないか、問題は七十九條でございましたが、問題の起つた時は之を政府が救濟的に解決すると云ふことも規定されてあるやうでありまするが、以上の關係に付て十分經驗があり、そして力量其の他が備つたものでないと云ふと、此の使命が困難ではないか、從來の政府の關係せられた事業の役員の任命に當りまして、多く學識經驗者がおいでになつて、假りに取引所にもさう云ふ方がおいでになつて御やりになつたのでありますが、成る程政府との交渉などは完全に附くやうでありましたが、實際の仕事になりますと、どうも效果を擧げ得なかつた憾があると思ふのであります、例へば製鐵所の如き、取引所の如き、既にさう云ふ例が澤山あると思ふのであります、どうしても實際の仕事が分り得る人、さうしてそれをこなし得る人、さう云ふことに重點を置いて御決め下さらぬと本當の成果を、取引所の如き日々變化のある仕事をこなして行き得ないのぢやないか、斯う存ずる譯であります、斯う云ふ點に付きまして政府に於て十分御注意を願ひたい、是は私の要望事項として申上げて置きたいと思ひます、先づ第一番に政府の證券金融に對する肚構へに付て御伺ひ申したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=2
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003・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 只今御尋の證券金融の問題竝に助成會社に關する問題でございますが、御答へ申上げます、從來は主として證券市場即ち證券金融に於きまする長い資金を金融する仕組と致しましてはシンジケート中心で、特に興業銀行が中心と相成りまして、又引受會社がそれの有力な協力者となりまして證券金融界を構成致して居つた譯であります、終戰後の此の頃のやうな經濟の變轉に遭ひまして金融界に於きましても目下再建整備に沒頭致して居るやうな場面があるのでありまして、從ひまして今後證券取引、又それを中心とする各事業が起上つて參る場合に於きまして從來のやうに果して圓滑に……金融が此の儘では行かないのではないかと云ふ御心配は誠に御尤もなことと存ずるのでございます、政府としても其の點に深く意を用ひまして、只今金融制度調査會が開かれて居りますが、其の委員會に於きまして其の研究の重要なるテーマの一つとして將來の證券金融を如何に持つて行くかと云ふことを折角研究致して居る所でございます、尚御話のございました助成機關の問題でございますが、先般本委員會に於て申上げました通りに證券取引其のもの等に付ての特別の助成機關を政府の財政負擔と申しますか、さう云ふ形に於て作りますることは此の際出來ないのではないか、不適當ではないかと存じて居る次第でありますけれども、金融界、證券界全體の自發的な動き、希望と致しまして斯かる特別の機關が出來上る、それが證券金融の場面に於きまして、相當の御活躍を爲さると云ふ風なことが起きますことは私共としても歡迎する所でございます、財政負擔を直接負ふと云ふ譯には行かないのでございますが、其の他の有らゆる場面に於てさう云ふやうな動きに對しましては出來る限り御援助申上げたい、斯樣に存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=3
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004・藍澤彌八
○藍澤彌八君 此の第二の委員の任命に對しましての御心構へは如何でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=4
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005・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 申落しまして恐縮でございます、第二の證券取引委員會の委員の任命に關しまして御要望の點は十分に了承致しましてございます、實際の仕事が能く分つて居りまして、之を十分にこなし得る人であり、同時に又各方面に對しまして十分に信望のある御方を此の三人の委員になつて戴きたいと私共も希望して居る次第でございます、御要望の點は十分に了承致しまして、其の御趣旨に副ひたいと存じて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=5
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006・藍澤彌八
○藍澤彌八君 私は是で質問を打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=6
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007・北大路信明
○男爵北大路信明君 私簡單に御尋ね致したいと思ひます、證券取引法の第十三條に「第六條又は前條の書類は、命令の定めるところにより、政府にこれを備え置き、その全部又は一部を公衆の縱覽に供しなければならない。」斯う云ふ風なことが出て居るのでありすが、「政府に之を備え置き」と云ふことになつて居りますが、是はどう云ふ工合にして各地に備へ置かれるのですか、どう云ふやうな方法でやられますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=7
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008・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 御尋ねの第十三條の「政府にこれを備え置き」とありますが、大體の所、今此の證券取引法の施行に當りまして、證券局と云ふ風なものを作りたいと云ふ風に考へられて居るのでありますが、茲に第六條竝に第十二條關係の書類を備へ置きまして、大體東京になつて居りますが、之を備へ置きまして公衆の縱覽に供する次第でございます、唯謄本或は抄本、是はどなたにでも御配り致します譯でございます、又是はまだ具體的でございませぬが、私共の考へと致しましては、此の第六條又は第十二條の書類を適當に編纂致しまして、それを場合に依りましては、何と申しまするか、會社要覽とでも申しませうか、さう云つたものを編纂致しまして、頒布するやうなことをやつて行つたならば非常に利益する所があるのではないか、ちよつとさう云ふ風なことも今計畫中でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=8
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009・北大路信明
○男爵北大路信明君 只今の問題は、それで何でございますが、次に第三十三條に「証券取引所は、一の地区については一に限り、これを設立することができる。前項の地区は、命令でこれを定める。」と斯う云ふ工合になつて居るのでありますが、是はどう云ふやうな御豫定で以て大體今迄あつた取引所を引繼がれて、それにやらせると云ふやうな御方針なんでありますか、或は更に殖やすと云ふやうな御見込でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=9
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010・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 第三十三條の地區の決め方でございますが、一應は現在の取引所のあります所を基準として考へられることに相成らうかと思ひますが、其の地方々々に於きまする有價證券の流通状況でありますとか、或は證券業者の事務所でありますとか、其の他地方に關する特殊の條件なり、又全國的に見ました場合の有價證券の流通状態でありますとか、或は交通、通信の状況等も最近のやうな状況では色々考へ合せて見なければならぬ場合が多からうと思ひます、斯う言ひましたやうな各種の條件を彼此れ考慮の上で、先程來から申上げて居ります證券取引委員會に於きまして御審議を願ひまして、其の上で之を定めたいと、斯樣に存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=10
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011・北大路信明
○男爵北大路信明君 是は證券取引法とは少し離れるのでありますが、現在會社の株の利益配當と云ふものは五分に制限されて居る譯でございますが、是は近く制限を取除かれると云ふやうな御見込があるのでございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=11
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012・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 一般的に五分に制限されては居ないのでありますが、唯制限會社でありますとか、或は特別經理會社となつて居りますやうなものは、其の再建整備の形が決ります迄は、其の社外配當に付きまして嚴重な制限が今置かれて居ると存じます、終戰後新しく出來上りましたやうな會社に於きまして、それを一律に五分以上配當がないと云ふ風には制限してなかつたかと存ずるのでありますが、唯一般の大きな會社、其の他の會社は制限會社でありまするか、或は現在特別經理會社となつて居るのが殆ど全部であらうと思ひますので、其の關係に於きまして再建整備計畫がはつきり立ちませぬ中は、此の社外配當に付きまして嚴重な制限が置かれて居る、斯う云ふ状況にあります、再建整備の方も段々と進行致して參りますので、遠からざる中に正常な經濟状態が出來上りますれば此の配當問題も解決が付くのではないかと、斯樣に存ずる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=12
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013・北大路信明
○男爵北大路信明君 大體何時頃と云ふやうな御見込もありませぬですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=13
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014・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 企業再建整備の方の主として問題に相成る譯でございますが、御承知のやうに企業再建整備法が通りまして、再建整備の基礎となりまする評價基準の問題に付きまして、先般漸く經濟再建整備委員會の御答申を得まして成案を得たやうな次第でございます、其の他各般の事情に付きまして、まだ未確定な所が多少殘つて居りますので、近日の中に所要の勅令、其の他法制的措置を講じまして、それからスタート致すことに具體的な企業再建整備計畫が進行致すことに相成つて居りまする結果、企業再建整備法に於きまする所謂指定日と申しますか、それを起算點と致しましてから、大體三箇月以内に各社が企業再建整備計畫を提出致しまして、それから三箇月目から一月の間、異議の申立、其の他に關しましての公告の期間がございまして、四箇月目から具體的の再建整備計畫の認可が始まる譯でございますので、指定日が參りましてから四箇月後に具體的に進行致して行く、斯う云ふ工合なことに相成りまするので、大體そこら邊を見當に於きまして御判斷を御願ひ致したいと存ずる次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=14
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015・北大路信明
○男爵北大路信明君 私の質問は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=15
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016・瀧川儀作
○瀧川儀作君 解散等に關する法律案のことで御伺ひしたいのでありますが、宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=16
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017・周布兼道
○委員長(男爵周布兼道君) 宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=17
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018・瀧川儀作
○瀧川儀作君 本法の質問中でありますが、解散法の所の法案の第十條に「財産の一部を出資して、不動産の賃貸を主たる目的とする株式会社を設立することができる。」と規定してあるのでありますが、是は東京、大阪と云ふやうな大都市は別々に拵へることも可能でありますが、必らず一つでなければならぬと云ふ譯でもないと思ふのでありますが、其の點に付ての政府の御方針を伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=18
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019・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 只今の所は大體一つをと云ふことに考へられて居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=19
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020・瀧川儀作
○瀧川儀作君 一つにすると云ふことは何か之をコントロールして行く必要がありますか、其の點に付て東西事情を異にして居りますから、斯う云ふものを別にしても何等差支ないやうに思はれますが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=20
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021・櫛田光男
○政府委員(櫛田光男君) 第十條の建前から申しますれば、出資者の半數以上であつて資本金額の半額以上に當る出資者の同意を得た場合でありまして、出資者の御意思を十分に尊重申上げたい、斯樣に存じて居る次第でございますけれども、まあ大體の所と致しまして、各地色々事情も、仰しやいます通り異に致しますが、異に致します結果、又色々と複雜な問題も起きるかと思はれますので、まあ彼此れ大體一つを目標とした方が清算のやり方としては無難ではなからうかと考へて居るやうな次第でございます、出資者の御意嚮は十分尊重申上げたいと斯樣に存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=21
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022・瀧川儀作
○瀧川儀作君 能く分りました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=22
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023・周布兼道
○委員長(男爵周布兼道君) 尚他に證券取引法案及び日本證券取引所の解散等に關する兩法案に付て御質問がございますれば、此の際願ひたいと思ひます、ございませぬければ、併託になりました會計法等の特例に關する法律案に付て何か御質問はございませぬか、あれば御願ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=23
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024・黒田英雄
○黒田英雄君 會計法等の特例に關する法律案に付きまして簡單に御尋ねしたいのですが、大體此の改正は政府が今囘提出されむとする財政法の規定と一致するやうな規定であると思ひますが、大體に於て私異議はないのですけれども、此の經常、臨時の區別を廢止されましたことは、今日の豫算の状況に於ては餘り異議はないことであらうと思ふのであります、臨時の歳出が非常に多く、歳入に於きましても經常の租税等に於きましても果して實質的計上の出來て居るや否や疑問のものがあるやうに思ふのであります、今日の状況に於ては餘り必要ないやうに思ひまするが、併し豫算として大體臨時的なものであるか、將來に亙つて矢張り歳出となつて殘つて行くようなものであるかどうかと云ふことは、大體豫算を組む上に於て必要ぢやないかと思ふのであります、豫算の編成が平時の状態に落付けば、相當それは實質的に必要なものでないかと思ふ、今日に於きましても多少ずつと通じて行く確定的なものであると云ふものがどの位あるかと云ふやうなことは知ることが必要ではないかと思ふのですが、何かそれは別にさう云ふことを一般の國民が知り得る方法はあるものでありまするかどうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=24
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025・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、甚だ御尤もな點だと思ふのでありますが、現下の情勢から致しまして、經常部、臨時部の區別がどうも適さないのぢやないかと云ふやうなことから、今囘の財政法に於きまして、其の立て方をすつかり變へる譯であります、仰つしやいましたやうな點に付きましては、此の點は現在でもさうであると思ふのでありますが、今後に於きましては、益益經常の歳入と歳出との見合ひと云ふやうなことを執らなければならぬと思ふのでありまして、之に付きましては豫算の説明と申しますか、豫算を解説したやうな書類を今後は豫算に附けて出す、財政法にも其のやうに規定してある譯でありますが、參考の書類を附けまして、今年度の豫算に於ては、經常的なものがどの位あるか、或は臨時的なものがどの位あると云ふやうな形式的な見方もございますし、それから又國民經濟的に見て、資本的な支出がどの位あるか、或は生産的支出がどの位あるか、それから消費的なものがどの位あるか、有らゆる角度から縱横に分析したやうな書類を附けて出したいと思つて居ります、今囘の豫算提出に於きましては、非常に其の點間に合ひませぬで、滿足が行かなかつた點もあるのでありますが、二十三年度以降の豫算に付きましては是非それをやりたいと思つて居ります、豫算と同時に出したいと云ふ風に考へて居ります、今度憲法の規定に於きまして、國民及び國會に財政の状況を報告しなければならぬと云ふ規定が入つて居ります、其の具體的な運用の方法に付きましても、色々考究して居る譯でありますが、豫算成立後、其の内容をもう少し詳しく國民に分り、國會の方々にも十分分つて戴くやうなことで、天下に公表したい、斯う考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=25
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026・黒田英雄
○黒田英雄君 其の點は能く分りました、もう一つ伺ひたいのですが、昭和二十二年度の豫備費に付きましては、第一豫備金、第二豫備金と區別しないで、即ち會計法の第九條の規定に據らずして、豫備費として一本で行かうと云ふことであります、是も恐らく財政法の規定がさう云ふ風になつて行くのぢやないかと思ふのですが、財政法が來年度の初めから、成立して施行されますれば、それに依つて支障はないのかも知れませぬが、唯豫備費だけを豫備費として、豫備金が一つになりましたので、今迄の第一豫備金、第二豫備金の取扱上に於て、一方は大藏大臣の承認で行き、一方は勅裁を經ると云ふやうなことに會計規則に於きまして第二豫備金は、そんな規定になつて居るのですが、それは財政法が成立して、それの或は施行規則と云ふものが出來るのですか、どうなりますか、私能く存じませぬが、それに依つて運用して行かうと云ふ御趣旨なんでありますか、或は之に對して何か勅令で以て規定が設けられる御趣旨なんでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=26
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027・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、此の規定は仰しやいましたやうに財政法にも續けて參らうと思つて居ります、從來御指摘ありました通りに、豫備費に付きましては第一豫備金と第二豫備金とがある、第一豫備金に付きましては、豫算の超過支出でありますが、主として外的の原因に依りまして豫算が不足した、例へば家族の人數が殖えたから家族手當の支出が多くなつた、或は恩給年金の受給者が殖えたから豫算に不足を生じたと云ふやうな場合でありますので、大藏大臣の限りでやつて居りました、其の外に豫算外の支出、新しい豫算外の必要があつた場合に於きましては第二豫備金の方から出す、是は勅裁を經て非常に愼重な手續を執つて居りました、併しながら是も、補充費途に屬するものと、さうでないものとの分け方と云ふものは多少恣意的でありまして、又現下のやうな時代に其の運用が宜いか惡いか、例へば義務教育費國庫負擔金の如きものは何億と一時に出ることがあるに拘らず、是は大藏大臣だけで宜しい、委員會のやうな小さな二萬圓、三萬圓の經費でも是は上奏御裁可を經る、議會中は出せないと云ふやうな取扱が宜いか惡いかと云ふ點もございまして、今囘財政法に於きましては、兩方併せて豫備費とする考に致した譯でございます、併しながら此の運用に付きましては財政法に或程度規定致す積りでございますが、從來の第一豫備金の系統に屬しますものに付きましては、閣議で大體其の方針を定めまして、さうして大藏大臣が之を施行して參る、さうでないものに付きましては、閣議で之を決定して施行して行く、斯う云ふやうな取扱でありまして、大體從來の第一豫備金と第二豫備金と似たやうな運用方針にならうかと存じて居ります、唯從來のやうな項を分けまして、一方が足りなくなつても、例へば第一豫備金が足りなくなつて居る、第二豫備金の方は餘つて居ると云つても、そちらの方に流用することが出來なかつた譯でありますが、今度は一本に經理致しまして、彼此融通經理を多少緩かにする、斯う云ふ積りもありまして一緒にした譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=27
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028・周布兼道
○委員長(男爵周布兼道君) もう御質問はございませぬか、御質問はないものと認めます、就きましては都合上本日は此の程度に致しまして、明日尚一囘午前十時より委員會を開きまして、其の節尚御研究の結果、御質問の殘りが出ました場合にはして戴きます、ございませぬ場合には討論採決に入りたいと思ひます、今日は此の程度で散會致します
午前十時五十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=28
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029・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 男爵 周布兼道君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
委員
侯爵 大炊御門經輝君
子爵 土井利章君
男爵 中村貫之君
男爵 北大路信明君
黒田英雄君
瀧川儀作君
高橋龍太郎君
徳田昂平君
藍澤彌八君
政府委員
大藏政務次官 北村徳太郎君
大藏事務官 櫛田光男君
同 河野一之君
同 岡村峻君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009201763X00319470310&spkNum=29
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