1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年三月六日(木曜日)午前十時十四分開議
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議事日程 第十二號
昭和二十二年三月六日
午前十時開議
第一 証券取引法案(政府提出) 第一讀會
第二 日本証券取引所の解散等に関する法律案(政府提出) 第一讀會
第三 統計法案(政府提出) 第一讀會ノ續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=0
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 一昨四日阿部美樹志君、飯島雷輔君、倉井敏麿君、川崎守之助君は、貴族院令第一條第四號に依り貴族院議員に任ぜられました、就きましては阿部君、倉井君を第八部に、飯島君を第七部に、川崎君を第二部に各各編入致しました
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=1
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002・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 其の他諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=2
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003・会議録情報2
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〔參照〕
一昨四日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
所得税法の一部を改正する法律案特別委員會
委員長 子爵 梅渓通虎君
副委員長 男爵 近藤滋彌君
恩赦法案特別委員會
委員長 子爵 稻葉正凱君
副委員長 男爵 奧田剛郎君
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第九十二囘帝國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
政府委員
内閣事務官 田上辰雄君
外務省所管事務政府委員
外務政務次官 本田英作君
外務參與官 原健三郎君
内務省所管事務政府委員
内務政務次官 林連君
内務參與官 水田三喜男君
大藏省所管事務政府委員
大藏政務次官 北村徳太郎君
司法省所管事務政府委員
司法政務次官 北浦圭太郎君
司法參與官 吉田安君
文部省所管事務政府委員
文部政務次官 青木孝義君
文部參與官 川崎秀二君
厚生省所管事務政府委員
厚生政務次官 小笠原八十美君
厚生參與官 寺島隆太郎君
厚生事務官 寺本廣作君
農林省所管事務政府委員
農林政務次官 森幸太郎君
農林參與官 本間俊一君
商工省所管事務政府委員
商工政務次官 保利茂君
商工參與官 鈴木仙八君
運輸省所管事務政府委員
運輸政務次官 逢澤寛君
遞信省所管事務政府委員
遞信參與官 坪川信三君
昨五日政府ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
証券取引法案
日本証券取引所の解散等に関する法律案
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
統計法案可決報告書
請願文書表(第二囘報告)
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第九十二囘帝國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒を受領セリ
政府委員
内閣事務官 椙杜正太郎君
經濟安定本部第三部長 勝賀瀬質君
經濟安定本部第四部長 北岡壽逸君
内務省所管事務政府委員
内務事務官 林敬三君
同 田中楢一君
同 久山秀雄君
北海道廳長官 岡田包義君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=3
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004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、日程第一、証券取引法案、日程第二、日本証券取引所の解散等に関する法律案、政府提出、第一讀會、是等の兩案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=4
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005・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、北村大藏政務次官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=5
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006・会議録情報3
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証券取引法案
右
勅旨を奉じて帝國議会に提出する。
昭和二十二年三月五日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
大藏大臣 石橋湛山
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証券取引法案
証券取引法目次
第一章 総則
第二章 株式又は社債の発行に関する届出
第三章 証券業者
第四章 証券取引所
第一節 設立及び組織
第二節 会員
第三節 管理
第四節 有價証券市場における賣買取引
第五節 有價証券市場における賣買取引の受託
第六節 解散
第七節 監督
第五章 証券取引委員会
第六章 雜則
第七章 罰則
証券取引法
第一章 総則
第一條 この法律は、國民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有價証券の発行及び賣買その他の取引を公正ならしめ、且つ、有價証券の流通を円滑ならしめることを目的とする。
第二條 この法律において有價証券とは、左に掲げるものをいう。
一 國債証券
二 地方債証券
三 特別の法律により設立された法人の発行する債券
四 社債券
五 特別の法律により設立された法人の発行する出資証券
六 株券
七 外國又は外國法人の発行する証券で前各号の証券の性質を有するもの
第三條 この法律において証券業とは、有價証券の賣買、賣買の媒介、引受又は募集若しくは賣出の取扱をなす営業をいう。
第四條 この法律において目論見書とは、株式又は社債の発行に際し使用する説明書その他の文書で、事業に関する計画又は收支見込を記載したものをいう。
第五條 この法律において有價証券市場とは、一定の秩序のもとに有價証券の賣買取引が行われる市場をいう。
第二章 株式又は社債の発行に関する届出
第六條 株式又は社債(特別の法律により設立された法人の発行するものを除く。第二十二條に規定する場合を除き以下同じ。)を発行しようとするときは、会社設立前の場合においてはその発起人(合併に因り会社を設立する場合においては設立委員)、会社成立後の場合においてはその取締役(株式合資会社においては業務を執行する無限責任社員)及び職務代行者(株式会社又は株式合資会社の商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項又は第二百七十二條第一項の職務代行者をいう。以下同じ。)の全員が、命令の定めるところにより、当該株式又は社債に関し、左に掲げる事項を政府に届け出なければならない。但し、当該発行に係る株式又は社債の額面総額が二十万円未満であつて、政府の指定する場合は、この限りでない。
一 会社の目的、商号及び資本又は出資に関する事項
二 会社の事業
三 会社の最近三事業年度の業務成績
四 会社の財産に関する事項
五 最近三事業年度末における会社の株式價格
六 当該株式又は社債の発行に因り取得する資金の使用計画
七 当該株式又は社債の種類、銘柄、数量及び金額
八 当該株式又は社債の募集又は募集の委託の條件
九 目論見書に記載する事項
十 その他命令で定める事項
外國会社がこの法律の施行地内において株式又は社債を募集しようとする場合は、商法第四百七十九條第二項に規定する代表者が、前項の届出をしなければならない。
第一項の規定による届出書の中に、訂正を必要とするものがあるときは、前二項に掲げる者は、訂正届出書を政府に提出しなければならない。
第七條 前條第一項第九号の記載事項と異なる事項を記載した目論見書は、株式又は社債の発行に際し、これを使用することができない。
第八條 第六條の規定により届出を必要とする株式又は社債については、左に掲げる期間の経過後でなければ、株式若しくは社債の募集若しくは募集の委託をし、合併に因る株式の割当をし又は発起人において株式の引受をしてはならない。
一 第六條第一項の規定による届出書の提出があつた日から十五日
二 前号の期間内に第六條第三項の規定による訂正届出書の提出があつたときは、その提出があつた日から十五日
三 第九條の規定による照会又は処分があつたときは、政府が別に指定する期間第九條政府は、第六條の規定により提出があつた届出書類に形式上の不備があると認めるときはその補完を命じ、又はその内容の中に重要な事項について眞実に反するものがあり若しくは重要な事項の記載の省略があると認めるときは、届出者に照会し、必要があるときは、訂正届出書の提出を命ずる。
前項の処分は、前條の規定により株式若しくは社債の募集若しくは募集の委託又は株式の割当若しくは引受をすることができることとなつた日以後は、これをなすことができない。
第十條 第六條第一項若しくは第三項又は前條第一項の規定により提出があつた届出書類に、眞実に反する記載があり又は重要な事項の記載の省略があつたときは、当該届出書類の届出者は、その記載を信じて株式の申込をし若しくは社債の募集に應じた者又は当該株式若しくは社債を取得した者に対し、連帶して損害賠償の責に任ずる。但し、届出者が故意及び過失がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
前項の責任は、第八條の規定により株式若しくは社債の募集若しくは募集の委託又は株式の割当若しくは引受ができることとなつた日から三年を経過したときは、時効によつて消滅する。
第十一條 前條の規定は、第七條の規定に違反して第六條第一項第九号の記載事項と異なる事項を記載した目論見書を使用した者に、これを準用する。
第十二條 株式会社又は株式合資会社は、命令の定めるところにより、事業年度ごとに、業務又は財産の状況に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを政府に提出しなければならない。但し、その発行した株式又は社債の額面総額が二十万円未満であつて、政府が指定する場合は、この限りでない。
第九條第一項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
第十三條 第六條又は前條の書類は、命令の定めるところにより、政府にこれを備え置き、その全部又は一部を公衆の縱覽に供しなければならない。
何人も、命令の定めるところにより、手数料を納め、前項の書類の謄本又は抄本の交付を請求することができる。
第十四條 第十二條の規定により書類を提出しなければならない者が解散したときは、その取締役(株式合資会社にあつては業務を執行する無限責任社員)は、遅滯なく、その旨を政府に届け出なければならない。
第三章 証券業者
第十五條 証券業を営もうとする者は、命令の定めるところにより、政府の免許を受けなければならない。
前項の免許を受けた者(以下証券業者という。)は、命令の定めるところにより、免許料を納めなければならない。
第十六條 純財産額が政府の指定する額に満たない者は、前條第一項の免許を受けることができない。
前項の純財産額の算定に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第十七條 左の各号の一に該当する者は、第十五條第一項の免許を受けることができない。
一 破産者で復権を得ないもの
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終つた後、又は執行を受けることがないこととなつた後、五年を経過するまでの者
三 第十八條第二項、第十九條第二項又は第三十條の規定により免許を取り消され、取消の日から五年を経過するまでの者
四 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は禁治産者でその法定代理人が前各号の一に該当するもの
五 法人でその取締役その他業務を執行する役員の中に第一号乃至第三号の一に該当する者のあるもの
第十八條 証券業者の純財産額が第十六條第一項の規定により政府の指定する額を下ることとなつたときは、政府は、直ちにその営業を停止しなければならない。
前項の場合において、証券業者の純財産額が六箇月以内に第十六條第一項の規定により政府の指定する額以上に回復しないときは、政府は、第十五條第一項の規定による免許を取り消さなければならない。
第十九條 証券業者が第十七條第一号、第二号、第四号又は第五号に該当することとなつたときは、免許は、その効力を失う。
政府は、不正の手段により第十五條第一項の免許を受けた者のあることを発見したときは、その免許を取り消すことができる。
第二十條 証券業者は、命令の定めるところにより、営業保証金を供託しなければならない。
前項の営業保証金は、命令の定めるところにより、國債証券を以て、これに充てることができる。
証券業者とその営業に関し取引をした者は、その取引に因り生じた債権に関し、営業保証金について、他の債権者に先だち弁済を受ける権利がある。
第二十一條 証券業者は、左の場合においては、その旨を政府に届け出なければならない。
一 商号を変更しようとするとき
二 支店その他の営業所又は代理店を設置しようとするとき
三 本店その他の営業所を変更しようとするとき
四 証券業の外他の営業を営もうとするとき
前項の規定により届け出た事項は、政府がその届出を受理した日から十日後でなければ、これを実施してはならない。
政府は、第一項の規定により届け出た事項の中に適当でないと認めるものがあるときは、その実施の停止を命ずることができる。
第二十二條 証券業者たる株式会社でその資本金額が命令で定める額以上の者は、他の法律の制限にかかわらず、社債募集の委託を受け、又は社債募集の委託を受けた会社がないこととなつた場合の事務承継者となることができる。
第二十三條 証券業者が有價証券の賣出又は有價証券の募集若しくは賣出の取扱をしようとするときは、命令の定めるところにより、政府に届け出なければならない。
第二十一條第二項及び第三項の規定は、前項の届出に、これを準用する。
第二十四條 証券業者は、有價証券を賣買したときは、命令の定めるところにより、賣買に関する書類を作成し、これをその賣買の相手方に交付しなければならない。
第二十五條 証券業者は、命令の定めるところにより、営業に関する帳簿を備え置き、これに必要な事項を記載しなければならない。
第二十六條 証券業者の営業については、四月から九月まで及び十月から翌年三月までを、その営業年度とする。
第二十七條 証券業者は、命令の定めるところにより、営業年度ごとに、営業報告書を作成し、毎営業年度経過後二箇月以内に、これを政府に提出しなければならない。
政府は、必要があると認めるときは、命令の定めるところにより、証券業者に対し、前項の営業報告書を新聞紙に掲載すべき旨を命ずることができる。
第二十八條 政府は、必要があると認めるときは、証券業者に対し、その営業若しくは財産に関する報告を命じ又は当該官吏をして営業若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を檢査させることができる。
第二十九條 政府は、証券業者の営業又は財産の状況により、これと取引する者の利益を保護するため必要があると認めるときは、その営業を停止し又は制限し、財産の供託を命じその他必要な命令をすることができる。
第三十條 証券業者又はその取締役その他業務を執行する役員が左の各号の一に該当する行爲をしたときは、政府は、第十五條第一項の免許を取り消し、又は営業の停止若しくは取締役その他業務を執行する役員の解任を命ずることができる。
一 営業に関し、詐欺の行爲を以て他人から金銭若しくは有價証券の交付を受け又は営業に関し、他人に交付すべき金銭若しくは有價証券を不正に領得したとき
二 営業に関し、取引の相手方に対し、有價証券に関する重要な事実について虚僞の陳述をして、有價証券の賣買その他の取引をし又はその勧誘をしたとき
三 法令又は法令に基いてする行政官廳の処分に違反したとき
第三十一條 政府は、命令の定めるところにより、証券業者のなす有價証券の賣買その他の取引に関する爭について当事者たる証券業者又はその相手方の申立があつたときは、その爭の解決を図るため仲介をしなければならない。
証券業者が前項の仲介に基く協定を履行しないときは、政府は、当該証券業者に対し、六箇月以下の営業の停止を命ずることができる。
第四章 証券取引所
第一節 設立及び組織
第三十二條 証券業者は、命令の定めるところにより、政府の免許を受け、証券取引所を設立することができる。
第三十三條 証券取引所は、一の地区については一に限り、これを設立することができる。
前項の地区は、命令でこれを定める。
第三十四條 証券取引所は、社團法人とする。
証券取引所は、会員組織とする。
第三十五條 証券取引所は、有價証券市場の開設を、その目的とする。
証券取引所は、前項の目的を達成するために直接必要な業務の外、これを営むことができない。
第三十六條 証券取引所の定款には、左に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 当該証券取引所に関する地区
四 事務所の所在地
五 基本金及び出資に関する事項
六 会員に関する事項
七 会員信認金に関する事項
八 経費の分担に関する事項
九 役員に関する事項
十 会議に関する事項
十一 業務の執行に関する事項
十二 会計に関する事項
十三 公告の方法
証券取引所は、その定款を変更しようとするときは、その旨を政府に届け出なければならない。
第二十一條第二項及び第三項の規定は、前項の届出について、これを準用する。
第三十七條 証券取引所の開設する有價証券市場(以下本章中有價証券市場という。)は、当該証券取引所に関する地区において一箇所に限る。
第三十八條 第三十二條の免許を受けたときは、その免許を申請した証券業者は、命令の定めるところにより、証券取引所の設立の登記をしなければならない。
証券取引所は、設立の登記をなすに因り成立する。
第三十九條 証券取引所は、命令の定めるところにより、登記をしなければならない。
前項の規定により、登記すべき事項は、登記をした後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第四十條 民法第五十條の規定は、証券取引所に、これを準用する。
第二節 会員
第四十一條 証券取引所の会員は、証券業者に限る。
第四十二條 純財産額が政府の指定する額に満たない者は、会員となることができない。
会員の純財産額が前項の規定により政府の指定する額を下ることとなつたときは、政府は、直ちにその者の有價証券市場における賣買取引を停止するとともに、その旨を証券取引所に通知しなければならない。
前項の場合において、会員の純財産額が六箇月以内に第一項の規定により政府の指定する額以上に回復しないときは、政府は、証券取引所に対し、当該会員の除名を命じなければならない。
前三項の純財産額の算定に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第四十三條 会員は、定款の定めるところにより、出資をしなければならない。
会員の責任は、定款の定める経費負担の外、その出資額を限度とする。
第四十四條 会員の持分は、定款の定めるところにより、証券取引所の承認を受け、当該会員が脱退しようとするときに限り、これを讓り渡すことができる。
第四十五條 会員は、定款の定めるところにより、証券取引所の承認を受けて脱退することができる。
第四十六條 前條に規定する場合の外、会員は、左の事由によつて脱退する。
一 会員たる資格の喪失
二 死亡又は解散
三 除名第四十七條 会員が脱退したときは、証券取引所は、定款の定めるところにより、その持分を拂い戻さなければならない。
第四十八條 会員は、定款の定めるところにより、証券取引所に対し、会員信認金を預託しなければならない。
会員信認金の額は、政府の定める額を下つてはならない。
会員信認金は、命令の定めるところにより、証券取引所の指定する有價証券を以て、これに充てることができる。
会員に対して有價証券市場における賣買取引の委託をした者は、その委託に因り生じた債権に対し、当該会員の会員信認金について、他の債権者に先だち弁済を受ける権利がある。
第四十九條 証券取引所は、その秩序を保持するため、定款の定めるところにより、会員に対し一万円以下の過怠金を課し、その者の有價証券市場における賣買取引を停止し若しくは制限し、又はこれを除名することができる。
第五十條 会員が脱退した場合においては、証券取引所は、定款の定めるところにより、本人若しくは一般承継人又は他の会員をして、その有價証券市場においてなした賣買取引を結了せしめなければならない。この場合においては、本人又はその一般承継人は、その賣買取引の結了の目的の範囲内において、なおこれを会員とみなす。
前項の規定により証券取引所が、他の会員をして、その賣買取引を結了せしめるときは、本人又はその一般承継人と他の会員との間に、委任契約が成立していたものとみなす。
第三節 管理
第五十一條 証券取引所に、左の役員を置く。
理事長 一人
理事 二人以上
監事 二人以上
役員は、定款の定めるところにより、会員が、これを選挙する。
第十七條各号の一に該当する者は、役員となることができない。
第五十二條 理事長は、証券取引所を代表し、その事務を総理する。
理事は、定款の定めるところにより、証券取引所を代表し、理事長を補佐して証券取引所の事務を掌理し、理事長事故あるときはその職務を代理し、理事長欠員のときはその職務を行う。
監事は、証券取引所の事務を監査する。
第五十三條 役員が、第十七條各号の一に該当することとなつたときは、その職を失う。
役員は、他の証券取引所の役員を兼ねることができない。
政府は、不正の手段により役員となつた者のあることを発見したときは、証券取引所に対し、当該役員の解任を命じなければならない。
第五十四條 政府は、理事又は監事の職務を行う者のない場合において、必要があると認めるときは、仮理事又は仮監事を選任することができる。
第五十五條 証券取引所は、左の方法による外、業務上の資金(会員信認金として預託を受けたものを含む。)を運用することができない。
一 國債又は地方債の買入
二 銀行への預け金又は郵便貯金
第五十六條 民法第四十四條、第五十一條、第五十四條、第五十七條、第六十條乃至第六十六條及び非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、証券取引所にこれを準用する。
第四節 有價証券市場における賣買取引
第五十七條 有價証券市場における賣買取引は、当該有價証券市場を開設する証券取引所の会員に限り、これをなすことができる。
第五十八條 証券取引所は、その開設する有價証券市場における賣買取引の種類及び期限を定めようとするときは、政府の認可を受けねばならない。これを変更しようとするときも、また同樣とする。
第五十九條 証券取引所は、命令の定めるところにより、業務規程を作成しなければならない。
証券取引所は、前項の業務規程を作成しようとするときは、政府に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、また同樣とする。
第二十一條第二項及び第三項の規定は、前項の届出について、これを準用する。
第六十條 証券取引所は、取引物件として上場する有價証券の銘柄を定めようとするときは、命令の定めるところにより、賣買取引の種類ごとに、政府に届け出なければならない。その上場を廃止しようとするときも、また同樣とする。
第二十一條第二項及び第三項の規定は前項の届出について、これを準用する。
第六十一條 会員が有價証券市場における賣買取引に基く債務の不履行に因り他の会員に対し損害を與えたときは、その損害を受けた会員は、その損害を與えた会員の会員信認金について、他の債権者に先だち弁済を受ける権利がある。
第四十八條第四項の規定による有價証券市場における賣買取引の委託者の優先権は、前項の優先権に対し、優先の効力を有する。
第六十二條 証券取引所は、命令の定めるところにより、その開設する有價証券市場における相場及び賣買取引高を公示しなければならない。
第六十三條 第五十條の規定は、会員の有價証券市場における賣買取引がこの法律の定めるところにより停止された場合に、これを準用する。
第五節 有價証券市場における賣買取引の受託
第六十四條 会員は、本店若しくは支店その他の営業所又は代理店以外の場所を、有價証券市場における賣買取引の受託の取扱をなす場所とすることができない。
本店以外の営業所又は代理店を有價証券市場における賣買取引の受託の取扱をなす場所としようとするときは、会員は、その所属する証券取引所の承認を受けなければならない。
証券取引所は、前項の承認をしたときは、遅滯なく、その旨を公告しなければならない。
会員は、その代理店がその会員のためなした受託の取扱につき委託者に対し與えた損害を賠償する責に任じなければならない。
第六十五條 何人も、有價証券市場における賣買取引について委託の媒介若しくは取次をし又は委託者の代理人となることを営業とすることができない、但し、証券業者が委託の媒介をなすことを営業とすることは、この限りでない。
第六十六條 会員は、委託を受けた有價証券市場における賣買取引について、有價証券市場において賣付、買付又は受渡をしないでこれをしたと同一又は類似の計算を以て、委託者に対し、その決済をすることができない。
会員が前項の規定に違反したときは、証券取引所は、当該会員に対し一万円以下の過怠金を課し、その者の有價証券市場における賣買取引を二箇月以上停止し又はこれを除名しなければならない。
第六十七條 会員は、有價証券市場における賣買取引の委託を受けるときは、命令の定めるところにより、委託者から委託証拠金を徴しなければならない。
前項の委託証拠金の額は、当該委託により賣買取引される有價証券の價額又は賣買取引委託金額の百分の三十以上で、政府の定めるところにより算定した額を下つてはならない。
前項の有價証券の價額の算定に関し、必要な事項は、命令でこれを定める。
第一項の規定による委託証拠金は、命令の定めるところにより、有價証券を以て、これに充てることができる。
第六十八條 会員は、有價証券市場における賣買取引の委託を受けるときは、委託者から証券取引所の定める委託手数料を徴しなければならない。
証券取引所は、前項の委託手数料について、政府の認可を受けなければならない。
第六十九條 会員は、委託を受けた有價証券市場における賣買取引が成立したときは、命令の定めるところにより、賣買報告書を作成し、これを委託者に交付しなければならない。
第六節 解散
第七十條 証券取引所は、左の事由に因り解散する。
一 定款に定めた事由の発生
二 総会の決議
二 会員が一人になつたこと
四 破産
五 設立免許の取消第七十一條 残余財産は、定款又は総会の決議により別段の定をする場合の外、平等に、これを会員に分配しなければならない。
第七十二條 民法第六十九條、第七十條、第七十三條乃至第七十六條及び第七十八條乃至第八十三條、商法第百二十五條、第百二十六條、第百二十八條、第百二十九條、第百三十一條、第四百十九條及び第四百二十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第二項、第三十六條、第三十七條ノ二、第百三十五條ノ二十五第二項第三項、第百三十六條第一項、第百三十七條及び第百三十八條の規定は、証券取引所の解散の場合に、これを準用する。但し、民法第七十條及び第七十四條中「理事」とあるのは、「理事長及び理事」と読み替えるものとする。
民法第四十四條、第五十四條、第五十七條、第六十條及び第六十一條の規定は、証券取引所の清算人に、これを準用する。
第七節 監督
第七十三條 政府は、必要があると認めるときは、証券取引所に対し、その業務若しくは財産に関する報告を命じ、又は当該官吏をして業務若しくは財産の状況又は帳簿書類その他の物件を檢査させることができる。
第七十四條 政府は、証券取引所の行爲が法令若しくは法令に基いてする行政官廳の処分に違反したときは、左の処分をすることができる。
一 証券取引所の設立免許の取消
二 証券取引所の業務の一部又は全部の停止
三 証券取引所の業務の一部の禁止
四 役員の解任第七十五條 政府は、命令の定めるところにより、有價証券市場における賣買取引に関する爭について当事者たる会員又はその相手方の申立があつたときは、その爭の解決を図るため仲介をしなければならない。
会員が前項の仲介に基く協定を履行しないときは、政府は、当該会員に対し、六箇月以下の有價証券市場における賣買取引の停止を命ずることができる。
第七十六條 この法律に規定するものの外、有價証券市場における賣買取引に関し生ずる弊害を防止するため必要な事項は、命令でこれを定める。
第七十七條 証券取引所には、営業税を課さない。
第五章 証券取引委員会
第七十八條 有價証券取引の適正を図り投資者の利益を保護するため、政府に証券取引委員会(以下委員会という。)を置く。
委員会は、前項に定める目的を達成するため、左の事務を行う。
一 この法律施行に関する方針について審議すること
二 この法律に基く命令及び重要な処分について審査し、承認すること
三 この法律の施行に関する事項について調査し、必要がある場合は、関係者の意見を徴し又はその帳簿書類の提出を求めること
四 有價証券に関する調査を公表すること
五 この法律の施行のため必要な予算の作成に関與し、必要がある場合は、その結果を内閣に報告すること
第七十九條 委員会は、委員三人を以て、これを組織する。
委員は、学識経驗のある者の中から、内閣でこれを命ずる。
委員の任期は、三年とする。但し、この法律施行後最初に委員となる者の任期は、その一人は三年、一人は四年、一人は五年とし、前任者の任期満了前に補欠任命を受けた委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第八十條 委員は、その任期中、その意に反して解任されない。
委員の服務に関しては、官吏服務規律を準用する。
第八十一條 委員会に委員長を置き、委員の中から、これを互選する。
第八十二條 第七十八條乃至前條に定めるものの外、委員会に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第六章 雜則
第八十三條 政府が第九條第一項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定により書類の訂正を命じようとするとき又は第十八條、第十九條第二項、第二十九條、第三十條、第三十一條第二項、第四十二條第二項第三項、第五十三條第三項、第七十四條若しくは第七十五條第二項の規定により命令その他の処分をしようとするときは、命令の定めるところにより、その処分の相手方を審問しなければならない。但し、その処分の相手方が正当の事由がなく審問に應じないときは、この限りでない。
第八十四條 株式会社又は株式合資会社は、命令の定めるところにより、その取締役(株式合資会社にあつては業務を執行する無限責任社員)、監査役及び当該会社の資本(株式合資会社にあつては出資総額と株金総額の合計額)の百分の十以上に相当する株式を有する株主が当該会社の株式を取得し又は讓渡したときは、政府に報告書を提出しなければならない。
政府は、必要があると認めるときは、株式会社又は株式合資会社に対し、政府の定める方法により、前項の株式の取得又は讓渡に関する公告をなすべきことを命ずることができる。
第八十五條 証券取引所以外の者は、有價証券市場を開設することができない。
何人も、前項の規定に違反して開設された有價証券市場において取引をしてはならない。
第七章 罰則
第八十六條 左の各号の一に該当する者は、これを二年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。
一 有價証券の募集若しくは賣出のため又は有價証券市場における相場の変動を図る目的を以て、虚僞の風説を流布し、僞計を用い又は暴行若しくは脅迫した者
二 第三十二條の規定に違反し免許を受けないで証券取引所を設立した者
三 前條第一項の規定に違反し有價証券市場を開設した者
第八十七條 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 第六條第一項の規定による届出がないのにその株式又は社債を募集、募集の委託若しくは合併に因る株式の割当をした者又は株式の引受をした発起人
二 第六條又は第九條の規定による届出書類に、虚僞の記載をし又は重要な事項の記載を省略してこれを政府に提出した者
三 第七條の規定に違反した者
四 第八條の規定に違反し株式若しくは社債の募集若しくは募集の委託又は株式の割当若しくは引受をした者
五 第十五條第一項の規定に違反し免許を受けないで証券業を営んだ者
六 第二十一條第一項、第二十三條第一項、第三十六條第二項、第五十九條第二項又は第六十條第一項の規定により届け出るべき事項を届け出ないで実施した者
七 第二十一條第三項(第二十三條第二項、第三十六條第三項、第五十九條第三項又は第六十條第二項の規定により準用する場合を含む。)の規定による実施を停止する命令に違反した者
八 第十八條第一項又は第四十二條第二項の規定による処分に違反した者
九 証券取引所の開設する有價証券市場における相場を僞つて公示した者
十 公示若しくは頒布の目的を以て証券取引所の開設する有價証券市場における相場を僞つて記載した文書を作成し又はこれを頒布した者
十一 第六十四條第一項の規定に違反した者
十二 第六十五條の規定に違反し有價証券市場における賣買取引の委託の媒介若しくは取次をし又は委託者の代理人となることを営業とした者
十三 第八十五條第二項の規定に違反し取引をした者
第八十八條 証券取引所の開設する有價証券市場によらないで、有價証券市場における相場により差金の授受を目的とする行爲をした者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。但し、刑法第百八十六條の規定の適用を妨げない。
第八十九條 証券取引所の役員(仮理事及び仮監事を含む。)又は使用人が、その職務に関して、賄賂を收受し又はその要求若しくは約束をしたときは、これを三年以下の懲役に処する。
前項の場合において、收受した賄賂は、これを沒收する。その全部又は一部を沒收することができないときは、その價額を追徴する。
第一項の賄賂を供與し又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
第九十條 左の各号の一に該当する者は、これを一万円以下の罰金に処する。
一 第十二條第一項、第二十七條第一項又は第八十四條第一項の規定による報告書を提出せず又はこれに記載すべき事項を記載せず若しくは虚僞の記載をした者
二 第二十八條又は第七十三條の規定により報告すべき事項を報告せず又は虚僞の報告をした者
三 第二十七條第二項又は第八十四條第二項の規定による政府の命令に違反した者
四 第五十八條又は第六十八條第二項の規定により認可を受けるべき事項を認可を受けないでした者
五 第二十一條第二項(第二十三條第二項、第三十六條第三項、第五十九條第三項又は第六十條第二項の規定により準用する場合を含む。)の規定に違反した者
六 第二十五條の規定による帳簿を備え置かず又はこれに虚僞の記載をした者
七 第七十六條の規定に基く命令に違反した者
八 第二十八條又は第七十三條の規定による檢査を拒み、妨げ又は忌避した者
第九十一條 取締役、株式合資会社の業務を執行する無限責任社員、職務代行者若しくは支配人、証券業者(証券業者が会社の場合においては、取締役、業務を執行する社員、職務代行者又は支配人)又は証券取引所の理事長、理事(仮理事を含む。)若しくは清算人は、左の場合においては、五千円以下の過料に処する。
一 この法律又はこの法律に基いて発する命令に定める登記をすることを怠つたとき
二 第十四條の規定に違反し届出を怠つたとき
三 第五十五條の規定に違反したとき
四 第五十六條において準用する民法第五十一條の規定による財産目録若しくは社員名簿を備え置かなかつたとき又はこれに不正の記載をしたとき
五 第六十四條第三項、第七十二條において準用する民法第七十九條第一項第二項又は同法第八十一條第一項の規定に違反し公告をすることを怠り又は不正の公告をしたとき
六 第七十二條において準用する民法第七十條第二項又は同法第八十一條第一項の規定に違反し破産宣告の請求をすることを怠つたとき
七 第七十二條において準用する商法第百三十一條の規定に違反し証券取引所の財産を分配したとき
第九十二條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第八十六條第二号第三号、第八十七條、第九十條第一号乃至第七号の違反行爲をしたときは、その行爲者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本條の罰金刑を科する
附 則
第一條 この法律施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
第二條 有價証券業取締法、有價証券引受業法及び有價証券割賦販賣業法は、これを廃止する。
第三條 取引所法の一部を次のやうに改正する。
第一條中「免許を受けて」の下に「本法に依り」を、「物件」の下に「(有價証券を除く以下第二十八條に規定する場合を除くの外同し)」を加える。
第二條、第十一條の四第二項、第十六條の二第二項、第十六條の三、第二十二條第一項及び第二十七條乃至第二十九條中「農商務大臣」を「主務大臣」に改める。
第四條の二を削る。
第十一條第一項を削り、同條第四項を次のように改める。
合名会社、合資会社又ハ株式合資会社ニ在リテハ其ノ無限責任社員中、株式会社又ハ有限会社ニ在リテハ其ノ取締役中前ニ項ニ該当スル者アルトキハ会員又ハ取引員トナルコトヲ得ス
第十一條の二第一項中「、第二項又ハ第四項」を「又ハ第三項」に改め、同條第二項中「農商大臣」を「主務大臣」に、「、第二項若ハ第四項」を「若ハ第三項」に改め、同條第三項中「第一項、第三項又ハ四項」を「第二項又ハ三項」に改め、同條第四項中「農商大臣」を「主務大臣」に、「第一項、第三項若ハ四項」を「第二項若ハ三項」に改める。
第十八條中「有價証券ニ在リテハ三箇月、」を削る。
第四條 この法律施行前になした行爲に対する罰則の適用については、旧有價証券業取締法、旧有價証券引受業法及び旧有價証券割賦販賣業法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第五條 旧有價証券業取締法、旧有價証券引受業法、旧有價証券割賦販賣業法又は日本証券取引所法の規定により免許を取り消された者は、第十七條の規定の適用については、これをこの法律の規定により証券業者の免許を取り消されたものとみなす。
第六條 この法律施行の際現に旧有價証券業取締法により有價証券業を営む者、旧有價証券引受業法により有價証券引受業を営む者若しくは旧有價証券割賦販賣業法により有價証券割賦販賣業を営む者又は銀行若しくは信託会社でこれらの営業を営む者は、第十五條の規定施行の日から六箇月を限り、同條第一項の免許を受けたものとみなす。
前項に掲げる者が同項の期間内に第十五條第一項の免許を申請した場合においては、その申請に対する免許又は不免許の処分の日までも、また、前項と同樣とする。
第十五條第二項、第十六條及び第十八條の規定は、前二項の規定により第十五條第一項の免許を受けた者とみなされた者については、これを適用しない。
第一項又は第二項の規定により第十五條第一項の免許を受けた者とみなされた者の営業保証金については、第二十條第一項の規定にかかわらず、なお從前の例による。
第七條 この法律又はこの法律に基いて発する命令に規定した事項について、政府のなした違法処分に因り権利を害されたとする者は、当分の間、行政裁判所に出訴することができる。
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日本証券取引所の解散等に関する法律案
右
勅旨を奉じて帝國議会に提出する。
昭年二十二年三月五日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
大藏大臣 石橋湛山
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日本証券取引所の解散等に関する法律案
第一條 日本証券取引所法は、これを廃止する。
第二條 この法律施行前になした行爲に対する罰則の適用については、旧日本証券取引所法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第三條 日本証券取引所は、これを解散する。
日本証券取引所は、清算の目的の範囲内においては、なお存続するものとみなす。この場合において、旧日本証券取引所法は、その範囲内において、なおその効力を有する。
第四條 日本証券取引所の清算人は、日本証券取引所の役員又は役員であつた者以外の者の中から、裁判所がこれを選任する。
第五條 日本証券取引所の清算は、裁判所の監督に属する。
第六條 日本証券取引所の解散又は清算に関する登記については、勅令の定めるところによる。
前項の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第七條 清算人は、就職の後、遅滯なく日本証券取引所の財産の現況を調査し、財産目録及び貸借対照表を作成し、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
清算人は、前項の承認を得た後、遅滯なく財産目録及び貸借対照表を、裁判所に提出しなければならない。
第八條 清算人は、事業年度ごとに、財産目録、貸借対照表及び事務報告書を作成し、事業年度経過後二箇月以内に、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
監事は、前項の書類を承認した後、遅滯なく意見書を、裁判所に提出しなければならない。
前條第二項の規定は、第一項の場合に、これを準用する。
清算人は、前項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後四箇月間、これを主たる事務所に備え置かなければならない。
商法第二百八十二條第二項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
清算人は、第三項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後、遅滯なく同項の貸借対照表を公告しなければならない。
第九條 前條第一項の書類が裁判所に提出された時から六箇月以内に、出資者がその書類につき日本証券取引所に対し異議を述べなかつたときは、日本証券取引所は、清算人又は監事に対し、その責任を解除したものとみなす。但し、清算人に不正な行爲があつたときは、この限りでない。
第十條 日本証券取引所は、清算の実行上必要があると認めるときは、出資者の半数以上であつて資本金額の半額以上に当る出資者の同意を得て、その財産の一部を出資して、不動産の賃貸を主たる目的とする株式会社を設立することができる。
前項の株式会社の設立については、商法第百六十五條の規定は、これを適用しない。
第十一條 前條の場合においては、残余財産は、金銭及び前條第一項の出資によつて得た株式ごとに出資の口数に應じて、これを出資者に分配する。
前項の場合において、分配に適しない数の株式又は政府、戰時金融金庫若しくはその出資額が日本証券取引所の資本金額の百分の一以上に相当する金額を超える出資者に分配すべき株式については、同項の規定にかかわらず、当該株式を処分して得た代金の交付により、残余財産の分配を行う。
第十二條 日本証券取引所の財産につき清算が終つたときは清算人は、遅滯なく決算報告書を作成し、これを監事に提出して、その承認を求めなければならない。
第七條第二項、第八條第二項、第四項乃至第六項及び第九條の規定は、前項の場合に、これを準用する。
第十三條 商法第百二十四條、第百二十五條、第百二十八條、第百三十一條、第四百十八條、第四百二十一條乃至第四百三十五條及び第四百二十九條並びに非訟事件手続法第百三十五條ノ二十五第二項第三項、第百三十六條第二項及び第百三十七條の規定は、日本証券取引所の清算に、これを準用する。
民法第四十四條及び第五十四條並びに商法第三十九條第二項、第百二十九條第三項、第二百五十四條第二項、第二百六十一條第一項、第二百六十五條、第二百六十六條第一項、第二百七十四條、第二百七十六條第一項、第二百七十七條第一項本文、第二百七十八條及び第四百三十五條、破産法第百六十六條並びに非訟事件手続法第百三十五條ノ六十四の規定は、日本証券取引所の清算人に、これを準用する。
商法第二百六十五條、第二百六十六條第一項、第二百七十四條、第二百七十七條第一項本文及び第二百七十八條の規定は、日本証券取引所の監事に、これを準用する。
第十四條 日本証券取引所の清算人又は監事は、左の場合においては、五千円以下の過料に処する。
一 第六條の規定に基いて発する命令に違反し登記をすることを怠り又は不正の登記をしたとき
二 第七條第二項(第八條第三項又は第十二條第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八條第二項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し財産目録、貸借対照表、事務報告書、決算報告書若しくは意見書を裁判所に提出しなかつたとき又はこれらの書類に不実の記載をしたとき
三 第八條第四項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し書類を備え置かなかつたとき
四 第八條第五項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定において準用する商法第二百八十二條第二項の規定に違反し書類の閲覽又はその謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき
五 第八條第六項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)若しくは前條第一項において準用する商法第四百二十一條第一項に定める公告をすることを怠り又は不正の公告をしたとき
六 第十一條又は前條第一項において準用する商法第百三十一條の規定に違反し残余財産を分配したとき
七 前條第一項において準用する商法第百二十四條第三項の規定に違反し破産宣告の請求をすることを怠つたとき
八 清算の終了を遅延させる目的を以て前條第一項において準用する商法第四百二十一條第一項の期間を不当に定めたとき
九 前條第一項において準用する商法第四百二十三條の規定に違反し債務の弁済をたとき
十 前條第二項において準用する商法第二百七十四條に定める調査を妨げたとき
附 則
この法律の施行期日は、勅令でこれを定める。
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〔北村徳太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=6
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007・北村徳太郎
○政府委員(北村徳太郎君) 只今議題となりました証券取引法案外一件に付きまして其の提案の理由を御説明申上げたいと思ひます、有價證券の發行及び賣買、其の他の取引を公正ならしめますと共に、有價證券の流通を圓滑ならしめまして、國民大衆が廣く有價證券を安心して保有することが出來るやうに致しますことは、資本の形成が主として有價證券の形式を以て實行せられて居りまする今日、我が國經濟再建の爲に不可缺の事柄であることは今更申す迄もないばかりでなく、我が國經濟再建の根本要件たる經濟の徹底的民主化を達成致します爲にも是非とも必要なる事柄であると申して過言でないと存じます、從來我が國に於きましては、有價證券、殊に株券は、動も致しますると一部人士の壟斷する所となるか、或は其の投機の對象となることが多く、一般大衆が健全なる投資物として之を保有致しますことは比較的少かつたやうに存ぜられるのであります
〔議長退席、副議長著席〕
是は要するに一般大衆の證券に對する知識が低かつたことが主なる原因でございますが、同時に一般大衆が自己の自由な判斷と責任とに於て有價證券を選擇保有する場合に、證券發行者の内容を公正に熟知する機會に惠まれなかつたこと、及び有價證券取引所等の取引の機構が投機思惑を助長したか、或は又價格、其の他に付きましての極端な統制を可能ならしめた結果、有價證券取引の公正と圓滑とが實現出來なかつた點にも亦大きな原因があつたと存ずるのであります、尚又現行の有價證券業取締法、有價證券引受業法及び有價證券割賦賣買業法は、今日とは全く異る状況の下に制定されたものでございまして、前述の要請を到底充し得るものでないと認められるのでございます、仍て今般新たに證券取引法を制定致し、國民經濟の圓滑なる運營と投資家の保護を眼目と致しまして、株式又は社債の發行に關する屆出制度を設け、證券取引所及び證券業者の制度を整備し、速かに證券取引の民主化を圖り、我が國經濟の今後の健全なる發展に資せしめむとする次第であります、以下本法案に付きまして其の内容の主なる點を簡單に御説明申上げたいと存じます、先づ株式又は社債の發行に關する屆出制度を設けることと致したのであります、即ち本法施行後、新たに一定の株式又は社債を發行しようとする時は、豫め會社の發起人又は役員等は、當該會社の事業計畫、資産の状況等に付きまして、政府に對し詳細な屆出を致すこととし、投資家は是等の資料に基きまして、自己の判斷と責任とに於て證券投資が出來ることと致すのであります、若し右の屆出書に眞實に反する記載があり、又は重要な事項の記載を省略した場合には、屆出義務者は當該株式又は社債の取得者に對し損害賠償の責に任ずることとし、右屆出書の中に記載した事項と異る事項を記載した目論見書の使用者も同樣に損害賠償の責に任ずることとし、屆出書の内容の眞正を確保し、目論見書に依る誇大宣傳を防止することに致して居るのであります、尚株式の發行者は、毎事業年度業務又は財産の状況に關する報告書を提出しなければならないこととし、常に會社の實態を公表し、之に依りまして、投資家の保護に遺憾なきを期することと致したのであります、第二に證券業者に關しましては、投資家の保護、證券業者の資質の向上の見地から、一定の純資産を常時保有することを其の要件とし、又從來の有價證券業者、有價證券引受業者及び有價證券割賦販賣業者の區別を廢止致しまして、證券業者は原則として、是等の者の營んで居りました業務を取扱ふことが出來ることと致したのであります、第三に證券取引所に關しましては、會社組織の證券取引所を設立することと致したのであります、是は我が國に於ける株式會社組織の取引所に關する過去の經驗及び米國を首め諸外國の例に徴し、又取引所の本質から見まして、營業者の團體を其の本體とする會員組織が理想的であると考へられるからであります、次に委託者の保護、會員の資質の向上等の見地から新たな規定と致しましては、先づ證券取引所の會員は、一定の純資産を常時保有することを其の要件としたこと、次に會員が取引所に納付する會員信認金に對しましては、賣買取引の委託者が第一順位として、他の債權者に先立ち辨濟を受ける權利を有することとしたこと、更に有價證券市場に於ける賣買取引が成立した時は、當該會員の發行致しました賣買報告書を委託者に交付しなければならないこととしたこと等であります、第四に政府は、證券業者又は取引所會員の爲す賣買其の他の取引に關する爭に付て、當事者である證券業者若しくは會員又は是等の取引の相手方の申立により爭の解決の仲介をしなければならないこととし、爭の簡易迅速な解決を圖ることが出來ることと致したのであります、第五に、新たに證券取引委員會の制度を設け、此の法律の施行に關する重要事項に付ては、獨自の立場から調査審議等を行ひ、投資家保護の見地から證券行政運營の中樞となるべき獨立的機關と致したのであります、以上證券取引法案に付て其の大要を説明致した次第であります、近く財閥の解體、制限會社の保有株式の制限、特別經理會社の整備再建及び財産税の徴收等に伴ひまして、處分移動されます有價證券の數量、金額は厖大な數量金額に上るものと豫想せられるのでありまして、是等が迅速に廣く大衆の手に分散保有せられ、圓滑公正に處理される爲には、證券取引機構を整備し、其の活用を圖ることは、有價證券處理調整協議會の運營と相俟つて、急を要することと存ぜられるのであります、斯かる點を考へて見ましても、速かに本法案を制定する要があると存じます、次に日本證券取引所の解散等に關する法律案に付きまして、其の提案の理由を説明致したいと存じます、別途新たに制定せられます證券取引所法に依り、會員組識の證券取引所が設置されますのに伴ひまして、戰時中の必要に基いて設置せられました日本證券取引所を急速に解散致します爲、本法案を提案致した次第であります、以下本法案の内容に付きまして其の主要な點を御説明申上げます、先づ日本證券取引所法の廢止と、日本證券取引所の解散とを規定致したのであります、次に清算は、主務官廳の監督と致さず、裁判所の監督の下に之を行ふことと致し、清算人は、日本證券取引所の役員、又は役員であつた者以外の學識經驗者の中から裁判所が選任することと致し、其の任務に付きましては、一般の清算人の場合と同樣と致しました、又清算の實行上必要があると認めます時は、出資者の半數以上であつて、資本金の半額以上に當る出資者の同意に依りまして、日本證券取引所は其の財産の一部を出資して、不動産の賃貸を主たる目的とする株式會社を設立し殘餘財産は、金錢及び其の出資に依つて得た株式毎に出資者に分配することが出來ることと致したのでありますが、政府、戰時金融金庫及び資本金の百分の一を超える大出資者に對する分配は、之に分配すべき株式を處分して得た代金を交付して、之を行ふことと致したのであります、尚昭和二十一年大藏、司法省令第四號第一條第一項に規定する有價證券賣買取引事業特別會計に屬する財産は、日本證券取引所に屬しないものとして、閉鎖機關保管人委員會が之を管理することとし、今囘の清算とは別個に處理することと致したのであります、本法案の主要な點は以上申述べた通りであります、本法案は證券取引法案と一體をなすものでございますから、何卒御審議の上速かに協贊を與へられむことを切望致します。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=7
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008・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました證券取引法案外二件の特別委員は、十九名の委員とし、其の委員の指名を議長に一任するの動議を提出致します。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=8
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009・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=9
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010・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=10
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011・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔宮坂書記官朗讀〕
證券取引法案外一件特別委員
侯爵 嵯峨實勝君 侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 奧平昌恭君 子爵 瀧脇宏光君
子爵 錦小路頼孝君 子爵 土井利章君
男爵 周布兼道君 男爵 中村貫之君
男爵 北大路信明君 黒田英雄君
瀧川儀作君 河西豐太郎君
高橋龍太郎君 徳田昂平君
藍澤彌八君 渡邊三郎君
近藤銕次君 小汀利得君
重宗 雄三君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=11
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012・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 日程第三、統計法案、政府提出、第一讀會の續、委員長報告、委員長宗伯爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=12
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013・会議録情報4
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統計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月五日
委員長 伯爵宗 武志
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔伯爵宗武志君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=13
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014・宗武志
○伯爵宗武志君 統計法案委員會は去る三月一日、三日、四日、五日と四囘に亙りまして開會致しました、茲に委員會の經過竝に結果を御報告致します、第一日は、政府提案理由の説明を求めまして、尚政府側から提出されました參考書類に關する政府委員の説明を聽取致しました、第二日から質疑に入りまして、逐條的に、又全體に亙りまして愼重に審議を致しました、質疑に次ぐ討論に於て、兩三名の委員から贊成意見の開陳がありまして、採決の結果、全員一致で、本法案を原案通り可決すべきものと決定致しました、質疑應答の要點を申上げます、此の法案では統計を指定統計と其の他の統計とに分けて居ります、民間統計に關しては關係がございませぬ、其の内特に指定統計は重要な眼目となつて居りますので、先づ現在どう云ふものを指定統計とする考であるかと云ふことが問題となる譯でありまして、政府は此の指定統計の最後の決定は統計委員會が行ふのであるけれども、政府としても或程度の考があると云ふことでございましたから、其の内容を求めました處、統計委員會事務局で考慮中のものを示されたのであります、それに依りますと、内閣統計局關係のものと致しましては、國勢調査、人口動態調査、生計費指數、是は公定ではなくて實際の物價に依るものださうであります、年次勞働統計、毎月勞働統計、消費者價格調査、勞働力調査、それから戰災復興院關係では建築統計、宅地調査、物價廳關係では緊急家計調査、農家家計調査、大藏省關係では國民資力調査、農林省關係では農林水産業調査、作物報告調査、農家經營經濟調査、農作物生産費調査、米麥生産費調査、米麥現在高統計、米麥移動統計、商工省關係では工業統計表、會社統計表、主要物資生産實績速報、工業統計、商業統計などであるとのことであります、是は聊か偏つて居はしないかと云ふ風に見られたのでありますけれども、是は第一次に緊急的に定めるものであつて、尚他の方面のものも次いで指定すると云ふことであります、それから地方統計機構の改善を行はない以上は、統計制度の改善は圖れないと思ふがどうであるか、それと本法との關係はどうかと云ふ質問が出ました、それに對しまして政府の答辯は、市町村府縣統計制度の改善發達には此の法が基礎となるのである、但し細かい所は命令又は勅令に依るのである、地方の市町村に專任の統計職員を置く必要があると思ふ、又職員竝に一般人の統計思想の水準を高めたいと思ふ、それには小學校教育にも統計に關する知識を採入れ、大學には統計學部を置くと云ふ風なことも考へられる、此の法では申告義務、實地調査、統計職員の資格等を規定して居る、又地方公共團體の統計關係吏員を増員したいと思つて居ると云ふやうなことでありました、又統計に關係する職員の身分とか資格とか云ふ問題が取上げられましたが、政府の説明に依りますと、地方の職員は官吏ではないこと、統計調査員は公吏ではなくて名譽職であること、指定統計事務に從事する各省官吏の範圍は、所管の局課長以下當該局課の三級官迄入ること等が明かにされました、第十條第二項にある「適當な特別の資格、」是は統計に從事する者の資格のことでありますが、是は具體的にはどう云ふことかと云ふ質問がありまして、政府では將來は之に嚴格な國家試驗でも行つて定めたいと思ふけれども、今直ちにはそれが不可能であつて、差當りは次のやうなものを標準とする考である、即ち通算二年以上統計調査事務に從事した者、大學令、專門學校令に依る大學、專門學校で統計學又は數學を修めた者、講習會等に依る者、統計委員會が特別に銓衡した者等とする積りであると云ふことでありました、又統計官の補職に付きまして、統計委員會が包括的に一般原則を定めて、之に基いて政府が補職するのであると云ふことでありました、又現存統計事務に關係して居る職員は、府縣廳だけで九百二名ある、其の資格は不十分な者が多いので、事務に支障を來さない爲には、差當つて統計委員會の特別銓衡に俟つより外はないと云ふこと、又調査員は國勢調査の分は別としまして、三十三萬一千人あると云ふこと等が明かにされました、第十一條に身分保障に似た定めがございますが、以前の官吏身分保障が却て惡結果を招いたことに徴して、是はどうであらうかと云ふ質問がありましたが、政府の見解としては、是は政治的に惡用されぬ爲の用心であつて、單に事情を述べて愬へる程度であるから、實際上の效果は薄く、惡結果を招くと云ふやうな心配はないと云ふことでありました、それから統計方法に關することが問題になりましたが、時間と經費とを節約する爲に、抽出統計を利用すべきではないか、特に現在の日本では是が適して居ると思ふがどうかと云ふ問に對しまして、政府は至極同感であつて、抽出統計を大いに用ひる積りである、又統計委員會の中にも、其の方面の專門家を入れる考があると云ふことでありました、統計に用ひる機械に付てどうなつて居るか、又どう云ふ考であるかと云ふ質問がございましたが、機械は今燒けてしまつて十分に無い、關係官廳に幾らかある、併し機械の使用は大いに考慮して居るので、出來得れば輸入したいと思つて居る、又簡單な國産機械に付ては調査中であると云ふ答でございました、それから統計の結果の公表を速かにする爲の考慮に付きまして、多大の人手、資金等が必要であるから、十分な計畫が實行し難い、又機械の不足で算盤を用ひることは已むを得ない、現に集計に必要な人員を中央に三千人集める豫算を計上して居るけれども、東京に之を全部集めることは不可能であるから之を地方に分散させる積りであつて、當分地方統計局設置と云ふことを考へて居る、併し將來は統計委員會で印刷工場を持ち、どしどし印刷して公表したい、又圖書館に統計を備へること、統計局又は統計委員會事務局に官廳統計、民間統計及び外國の統計を出來るだけ集めて一般に見せる考があると云ふことが明かになりました、又公表には素材を示すことにして解釋の餘地を殘した方が宜いと思ふがどうかと云ふ質問がありましたが、政府は之に贊成でありました、併し指定以外の統計の公表義務がない爲に、重複を來す虞がありはしないかと指摘されましたが、政府の見解では、さうすると餘りに廣範圍になるから法律では定めないのである、寧ろ實際の努力に俟つべきであると云ふことでありました、それから第十六條に公表されない場合のことがあるのでありますが、それはどう云ふ場合であるかと言ひますと、調査方法の不完全な場合、研究の餘地のある場合が主であつて、關係方面の意見の出た場合等であると云ふ風に政府の説明がございました、それから費用の問題が再三取上げられましたが、一括して申上げます、國勢調査を十分に行ふのにはどの位掛るかと云ふことで、之には二億圓位は掛る、又例へば産業別、職業別人口調査、失業者數、引揚者數、それから新教育制度の爲に必要になる盲聾唖數等の調査、斯う云ふものは現在是非必要なものであつて、斯う云ふものに限つてやれば八千萬圓位掛ると云ふことでありました、指定統計の豫算見込額はどの位であるかと云ふ質問がありまして、統計委員會事務局の分が八十五萬五千圓、各省分が二億一千二百萬圓である、地方自治團體の分は不明であると云ふことでありました、第十七條に公共團體の支出した經費に國庫が補助をする場合の規定がありますが、其處に「全部又は一部」とありますのに付きまして質問が出ました、是は大體に於て積極的に指定したもの、國家全體の利益になるものに付ては全額であり、公共團體自身の爲に行ふもの又は其の利用し得るものに付ては一部を補助すると云ふ方針であると云ふことでありました、其の經費の補助はどの位であるかと云ふことでありますが、昭和二十一年度に於ては二千六十七萬圓其の内譯は統計局關係が千七百萬圓、農林省關係が五十四萬圓、商工省關係が四十七萬圓、内務省關係が百七十萬圓、文部省關係二十萬圓、物價廳關係が六十六萬圓であると云ふことでありました、それから罰則のことが問題になりまして、體刑を科することが果してどうであるか、適當であらうかと云ふ質問でございましたが、政府の答と致しましては、昭和十四年の國勢調査事項に關する法律の改正の際六箇月以下の懲役、禁錮、二百圓以下の罰金とあるのであつて、十五年度には兵役關係が特に調べられて居るけれども、十四年度には物品販賣店の從業員數、賣上高が嚴重に調べられたので、現在の經濟状態から見ても是で宜いと思はれると云ふことでありました、それから第十八條に付てでございます、又第十九條に付きましては、是は祕密漏洩の所でありますが、資源調査法では非常に重くて二年以下の懲役、二千圓以下の罰金となつて居つて、是は軍機の問題があつたからであるが、今度はそれから見ると輕くしてあるのである、で政府としては是で適當であると思つて居ると云ふことでありました、で此の罰則に關係しまして、それが第三國人に適用出來るかどうか、之を適用出來るやうに政府は努力すべきではないかと云ふ質問が出ましたが、政府の答は、元來如何なる人でも國内に居る人には適用される譯であるけれども、今は特例が別途にあるのでそれがむつかしい、併し政府は一般に我が國の刑罰權の問題として從來から努力中であつて、今後も努力する考であると云ふことでありました、同樣の質問が第十三條の審議の時に既に出たのでありますが、矢張り現在は法的にはむつかしいので、話合で行くべきであると云ふことでありました、又統計の眞實性を確保すると云ふ目的の爲には、斯う云ふ罰則に依るのではなくて、寧ろ教育手段に依つて行つた方が宜くないかと云ふ考には政府も同感でありました、それから指定統計以外のものに付て命令で屆出の範圍を定めることになつて居りますが、其の範圍はどうかと云ふ質問に對しまして、一、政府の全國的、又は重要地域に亙るもの、又は其の抽出統計、二、各省の地方出先機關、都道府縣若しくは六大都市、若しくは各商工會議所の行ふ管下全區域に亙るもの、又は其の抽出統計調査、三、其の他のものの行ふ全國的調査、斯う云ふものであると云ふ答でありました、それから申告義務が發生する場合はどうかと申しますと、それは指定統計に於ては特に政府が申告を命じた場合である、指定統計以外のものに於ては、國民の負擔と云ふことから見て申告義務を附さぬ方が宜いと思ふと云ふ政府の見解でありました、それから第三條に指定統計の調査には、他の法律の規定は適用しないとございますが、其の他の法律とは何であるかと云ふ質問がありました、是は現在の法律及び將來の法律のことを言つて居るので、現在の所としては、統計調査の基礎となつて居る米穀法、米穀統制法、建築調査、選擧法、災害土木國庫補助規程、國籍法、市街地建築物法等であると云ふことでありました、それから此の法の施行期日は何時か、それは指定を行ふ關係上、公布後約一箇月の豫定であると云ふことでありました、只今迄省いて居りましたが、此の法案に付きまして一番問題になりましたのは統計委員會と云ふものであります
〔副議長退席、議長著席〕
「統計の眞實性を確保し、統計調査の重複を除き、統計の體系を整備し、及び統計制度の改善發達を圖ることを目的とする。」と第一條にございますが、其の實現を圖る爲に、統計委員會で有らゆる統計を統轄させると云ふことになつて居ります(「簡單」、「簡單とは何だ」と呼ぶ者あり)統計委員會官制は昭和二十一年勅令六百十九號に依つて定つて居りますが、是は改正の豫定であるさうであります、茲で非常に注意されますのは、委員會と申しましても、從來の所謂委員會と云ふものと非常に違つて居ることであります、此の統計委員會は會議制の一種の行政官廳であると云ふことであります、是は内閣に直屬し、總理大臣が會長になり、經濟安定本部長官が副會長になります、其の責任は憲法上は内閣總理大臣及び全體としての内閣にあり、具體的な法令上の各種權限の實行に付ては、統計委員會が第一段の責任者であるのであります、さうして其の所管事務はどうかと申しますと、統計法に定める事項、行政各部統計の統一に關する事項、國際統計事務に關する事項、各官廳統計主任者の招集及び會議に關する事項、其の他統計の改善發達に關する事項の調査、審議と云ふことになつて居ります、さうして委員は十名で、其の他に臨時委員があります、此の委員と臨時委員とは總理大臣の奏請で、學識經驗ある者の中から内閣が任命することになつて居ります、其の委員は官吏ではないけれども、之に準ずるものであるさうであります、處が、此の委員は責任が特に定められて居ないのであります、又委員となるに必要な資格も定つて居ないのであります、さうして委員は專任ではなくて、年に五百圓位の手當があるのみださうであります、處が、其の權限は實に廣く又強いのであります、簡單にそれを申しますと、指定統計の範圍、内容、經費、其の他の重要な問題に付て、之を決定する權限があります、又統計職員の資格の基準を決定する權限があります、又指定統計以外のものでも、之に屆出をさせて、其の中止、變更を求める權限があります、尚之を細かに申しましたならば、非常に多岐に亙りますから、それは申しませぬが、要するに統計委員會は統計に關する限り、殆ど全能に近いやうな權限が賦與されて居るのであつて、それに對して統計委員の責任と云ふものが非常に薄い、又總理大臣が一々其の統計の監督をすると云ふことは非常に事實上むつかしいことであるから、結局統計委員會と云ふのは非常な權限を持つ譯なのであります、で色々と委員會で質問が出まして、例へば統計委員會の現在の顏觸れに付て、それが不適當ではないかと云ふ質問がありましたが、政府では統計委員會の構成は、初めは理論的基礎を固める意味で、教授系統の人を多く入れたのである、今後は併し廣く人を入れる考である、又全般的に物を見るやうな常識家を入れる必要があるではないか、又豫算なぞの關係もあるのであるから、國會議員を入れたら宜くないか、又相當專門的な仕事があるのであるから、統計事務の實際家と統計各部門の專門家とを入れるが宜いと云ふ風な意見がありまして、政府は將來は是非其の趣旨に從つて行きたいと云ふことでありました、統計局長は自動的には入らないさうでありますが、現に入つて居る、又委員ではないけれども、各省の統計課長、日本銀行統計局長は委員會に出席するさうであります、又毎週一囘會議を開きまして、各省間の連絡をする機會が作られて居るさうであります、統計法案委員會では、此の統計委員會の運營を民主的に是非やつて貰ひたいと云ふ聲が非常に強く出まして、政府も同感を示しました、どうも委員に責任がなくてはと云ふことになるのですが、政府の考では、適切なる人を選任して行けば、責任及び職務の執行は運用でやつて行けると思ふと云ふ答でありました、で委員會を通じまして、此の統計委員會の運用を誤らないやうにして貰ひたい、特に委員會の人選に最も注意をして、一部の人々の獨占にならぬやうにして貰ひたい、さうして國民に迷惑が掛らないやうに、不當の負擔が掛らないやうにして貰ひたいと云ふ希望が非常に強く反映致して居りました、此の統計委員會が出來ますと云ふと、從來の内閣統計局はどうなるかと云ふことが疑問になるのでありますが、統計委員會に行政的方面を移しました後の統計局は、單に實際的方面のみを擔當することになるので、即ち基本的な統計調査、委託に依る調査、又は集計、統計資料の編纂刊行、統計技術の研究、職員の養成、資料の蒐集、公開、統計知識の普及などをやることになるのであるさうであります、討論に於きましても、統計委員會の委員の顏觸れに考慮して貰ひたい、又統計委員會の運用に工夫をせられたい、十分に責任の持てるやうな工夫をせられたいと云ふやうな意見が述べられました、又討論に於ては結果を成るべく早く廣く知らせるやうに、結果と云ふのは其の統計の結果でありますが、それを成るべく早く廣く知らせるやうにせられたいと云ふ希望がございました、此の統計委員會は從來普通に、委員會と云ふ名で考へられて居りまする委員會とは非常に性質の異なつたものであると云ふことが明かになりましたので、將來斯う云ふやうな行政官廳のやうな性質を持つた委員會が他にもどしどし出來るのであるかどうかと云ふ質問がございましたが、政府の答としましては、さう云ふことの善し惡しと云ふことは別問題として、此の法律が段々米國式の性質を帶びて來るやうになると云ふと、從つて又米國式の行政官廳類似の委員會と云ふものが將來も出來るであらう場合に適應するやうに、それが出來るであらうと云ふやうな見解でありました、尚申上げますれば、非常に長くなるのでありまするが、此の程度で報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=14
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015・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 質疑の通告がございます、大河内子爵
〔子爵大河内輝耕君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=15
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016・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 此の案は頗る重要な案でございます、詳細な御報告を委員長から戴きまして、誠に感謝致します、簡單と云ふことを仰しやつた聲が聞えましたが、是は私年を取過ぎて居りますから、聾の早耳で、多分此の屋根の上に鳥でも鳴いたのかと、私の耳に入つたのだらうと思ひます、さう云ふことを御考になつて居る方は一人もおありになるまいと思ひます、何故是が重要なのか、是は政治上、思想上非常に重大な關係を持つたものである、大臣の責任上容易ならざることである、何が大臣の責任上容易ならざることかと云ふと、世間では之を統計フアツシヨと申して居ります、是は總理大臣の權限が非常に侵される虞がある、侵されると言つちや言葉が惡うございますが、無意味になつてしまふ虞がある、總理大臣が此の統計事務に付きまして、委員會の指圖を一々すると云ふことは、到底出來ない、それで第一に此の委員會は、總理大臣の部下でありや否やと云ふことを伺ひたい、此の委員會を總理大臣が指揮命令することが出來ないと云ふことになりますと、是は總理大臣は憲法上の責任を盡せないことになる、委員會が大臣になつてしまふ、さう云ふことはございますまい、是は必ず此の委員會を監督する權限はあることと存じますが、念の爲に伺つて置く、第二に伺ひたいのは、若しさうだとすれば事實上監督が出來ませうかと云ふことであります、細かいことを一々忙しい總理大臣がやると云ふことになりますると云ふと容易なことぢやない、是で事實出來るかどうかと云ふことを伺ひたい、それから第三に伺ひたいのは、只今委員長からも御報告がございましたが、下手をやると是は統計フアツシヨになる、世間で云ふ統計フアツシヨになる、此の委員と云ふものは非常に強い權限を持つて居る行政官でありまして、さうして詰り今迄の行政官廳は獨任制であつた、次官、局長、課長と云ふやうな獨任制で來たのを合議體にすると云ふ、唯それだけならば構ひませぬ、善いか惡いかは別として、それならばそれも一つのやり方だと思ひます、私は贊成出來ませぬけれどもそれならばそれで宜い、宜いけれども、大臣の責任を沒却するやうなことがあつちや相成らぬ、何處迄も大臣の意思を奉じてやらなければならぬ、大臣に如何なることを建言しようと、如何なる意見を述べようと、それは勝手ですが、總理大臣が斯うだと言はれたら其の委員會と云ふものはそれに從つて行政事務をやつて行かなければならぬ、御承知の通り、此の委員會と云ふものは行政事務を行ふものですから、行政事務のことに付ては何處迄も總理大臣の命令を受けなければ總理大臣が責任を盡すことは出來ない、さう云ふやうに私は考へます、其の點は如何でございませうか、尚もう一つ伺ひたいのは、さう云ふことになりますと、是が行政官廳の代りだと云ふことになりますと、此の委員が今十人とか云ふ御話ですが、そんなに澤山要るまい、幾人でも宜しい、もつと少くても宜いが、是は行政官の資格のある人でなければいけないと思ふ、行政事務をやるのですから、何か官僚式のことを言ふやうですが、文官には文官たる資格がある、それはさう云ふ風にして置く必要があるからさう云ふ資格がある、大臣の意見を十分徹底させるにはさう云ふ資格の人を使はなければならぬから使つて居る、官僚式だと言ひますけれども、成る程官僚式は惡い、惡いが、今度は議會と云ふものが衆議院と云ふものが非常に強いものになつて、さうして大臣はそれに對して責任を負ふのですから、議會の意見で十分に官僚式の所は直せる、直さうと思へば出來ないことはない、何も斯う云ふ委員會を無理に茲に持つて來る必要はない、それを若し此の委員會に、今御話に依ると何か兼任の者か何かで間に合はして行くやうなことだけれども、大間違ひ、是だけの大きな仕事をしようと云ふ、重大な仕事をしようと云ふものが、何かの仕事の片手間にやられてはたまつたものではない、何を始めるか分らない、是に付てはもつと少くても宜しいから專任を置いて、さうして相當行政の經驗のある少くも勅任官になれる位の資格のある者を御竝べになるが宜い、官僚式でも何でもありませぬ、それは大臣の意見を行はうと思ふものはそれでやつて行くが宜しい、官僚式でいけなければ議會が直して行けば宜いので、此の委員會が斯んな大きな權限を持つて勝手氣儘なことをやり出してどうにもならなくなつたら、昔參謀本部を政府の外に置いて、あの苦い經驗をしたのを又繰返さなければならない、是は是ばかりではありませぬ、外の方でも皆斯う云ふものが出來て行く、非常な危險なものだと思ひます、それだから私は此の問題と云ふものは決して輕々に見るべきものぢやない、非常に重大な問題をここへ含んで居る、其の點から又あの軍閥跋扈をここで繰返して來る虞が十分にある、之に付きましては、十分に資格を制限されて、さうして少くも其の委員は專任として、人は少くても構はないから、勅任文官位の資格のある者、詰り行政官として差支ない者だけを御竝べになるが宜い、合議體にしなくても宜うございますが、まあしたいと言ふならしても宜いですが、する以上は、それだけのことをおやりになる必要があると思ふ、それ等の點に付て政府の御考は如何でありますか、尚附加へて置きますが、之に付きましては先程も申しましたけれども、片手間に行政の人を入れて來ると云ふことでありますが、さう云ふ場合には、動もすれば一部の學者、偏つた思想を持つて居るやうな一部の學者が入り易い、是は非常に險呑だから此のことは御注意願ひたい、若しさう云ふ者が跋扈して來ると、立憲政治も何も滅茶々々になつてしまひます、それは諮問機關なら宜しうございます、學者で結構、諮問機關なら學者を澤山御入れになつて、それは少し變な偏つた考を持つた學者も結構でせう、併し行政官としてはそんな者を持つて來ては大變だ、殊に片手間なんかで、そんな者にやられてはたまつたものではない、斯う云ふ者は斷然排斥されなければならない、尤もさう云ふ人の意見を聽いて見たいと言ふなら、諮問機關として外に委員會を御設けになつても宜い、外に幾らでも、囑託にでも何でもして置く方法がある、併し行政をそんな者にやらせる、而も片手間でやらせると云ふことは斷じて爲すべからざることだと思ひます、最後に、委員長から今御話もございましたけれども、外にもこんな風のものが出來ようと思ひます、出來ようと思ひますけれども、それは大臣の責任を沒却しないやうに、其の委員會なるものは飽く迄も大臣の部下であると云ふことで行かなければ、憲法上に於ける所の大臣の責任と云ふものは行はれるものぢやない、行はれなければ、軍閥が跋扈したと同じやうなことになつて、今度は又外の閥が跋扈して來ます、委員會フアツシヨになつて來る、今度は軍閥フアツシヨがなくなつたら統計フアツシヨが出來たり、金融フアツシヨが出來て、さつきの證券取引所、あんなものも惡くすると委員會がフアツシヨをやらぬものとも限らない、ああ云ふ風にちやんと委員會と云ふ規定があるのでありますから、餘程是は危險な制度でありますから、將來に付てはどう云ふ風な御意向でありませうか、其の點も、一つ御答を願ひたい
〔政府委員入江俊郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=16
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017・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 御答を申上げます、只今の御質問の第一點でございますが、此の統計委員會と云ふのは内閣總理大臣の部下であるかと云ふ點でございますが、此の官制にもございますが、此の統計委員會は、内閣總理大臣の監督に屬して居ります、從つて内閣總理大臣が憲法上の責任を負ふと云ふ點は之に依つて明かであると思ふのであります、唯之に付きましては、各種の行政機關に於きまして權限の獨立を認めた特別な機關がございます、例へばまあ一例でありますが、高等試驗委員と云ふ風なものは矢張り内閣總理大臣の監督に屬して居りますけれども、其の試驗の判定に付ては、内閣總理大臣は個々の指圖をしないと云ふことになつて居りますが、此の統計委員會も之に類似して居りまして、統計事務の企畫或は其の統轄と云ふことは極めて科學的であり、又所謂行政事務と違つた、專門的なものであると云ふ見地に於きまして、此の統計委員會には其のやうな權限の獨立を認めることにしてあるのであります、そこで内閣總理大臣は統計委員會に付きまして監督は致しますけれども、其の個々の判定に付ては統計委員會の權限の獨立を尊重し、又は其の意見に從ふと云ふことに此の法律制度を作つた譯であります、併しながら之に付きましては、所謂憲法上の國務大臣の責任を免れる譯ではありませぬので、それ等の判定に付て誤りがあるならば、勿論内閣總理大臣は主管大臣として其の責任を負ふ譯であります、それ故若し統計委員會の意見等に付て不適當なものがあると思ひました場合に於きましては、更にそれの變更に付ての意見を統計委員會に申出ることは勿論出來ると思ひますし、又統計委員の人選に付て不適當であると思ふ場合がありましたならば、之に付きましては、内閣總理大臣は其の人を取換へると云ふ風なことを爲し得る譯であります、併し是は内閣總理大臣に於きまして統計委員會の委員を人選する際に十分愼重を期して居りますので、只今申しましたことを豫想して居るのではありませぬので、理論的に申しますならば、左樣な結果になると云ふことを申上げたのであります、尚さうだと致しました場合、第二の點でございますが、内閣總理大臣が然らば事實上監督が出來るか、非常に多忙な總理大臣が一々統計委員會の行動を見張つて、細かく之を監督出來るかと云ふ點でありますが、此の點に付きましては、此の統計委員會にも事務局を設置してございまして、事務局は是は局長以下内閣の職員が之に當つて居ります、從つてそれ等が始終此の内容を檢討し、又統計委員會に於ける色々な審議の材料等も此の事務局で以て十分審議致しました、總理大臣との關聯はそれを通じて行ひ得るのでありまして、總理大臣の監督權が事實上及ばないと云ふ風なことはなからうかと思ふのであります、それから第三點でありますが、行政官廳であるとするならば、委員は行政官ではないかと云ふ點でありますが、是は合議體の一つの行政官廳的のものでありますけれど、委員は所謂官吏ではありませぬ、委員と云ふ特別な公務員の資格を持つものと考へます、そこで個々の人としては、矢張り合議體の委員會を構成する分子として權限を行使するのでありますから、總理大臣が一々其の委員に對して指揮命令すると云ふ風なことは考えて居りませぬ、是は矢張り統計委員會が獨立の權限のある特別の組織であると云ふ點から來るのであります、尚行政事務をやる以上は、此の委員は行政官の資格を有するべきではないかと云ふ點でございます、併しながら今申しましたやうに、是は特別の委員會の組織に行政事務を行はしめるのでありまして、其の委員の資格に付きましては、最もそれに適材を擧げると云ふことを目的として居つて、一般の行政事務をやる行政官の資格を直ちに之に當嵌めると云ふことは考へて居らないのであります、で一般の行政事務の官吏の資格に付きましても、現在は御承知のやうに銓衡任用の途が廣くありまして、適材適所を得る途が擴まつて居りますが、此の委員に付きましても、其の見地から矢張り適當の者を擧げて其の委員に据えると云ふことになりますので、行政官に付ての資格の思想と必ずしも背馳して居りませぬ、唯制度上さう云ふものが適用ないと云ふだけであります、勿論之に附隨する事務局に付ての職員に付ては、是は行政官であることは明かであつて、之に付ては一般の規定が適用になるのであります、尚此の委員に付て專任にしたらどうかと云ふ點でございます、片手間は困ると云ふ點でございますが、片手間でやつて、其の職責を輕んずるやうなことがありますならば、是は非常にいかぬことと思います、併し此の行政事務と致しましても極めて科學的であり、專門的でございますから、此の統計委員會が活動をする場合に於きまして、其の職に當る人と云ふのは、矢張り其の途の權威であり、其の經驗の深い人であることを必要とするのであります、之を直ちに專任の官吏にするとか、或は又官吏でなくても專任の委員にしてしまふと云ふことになりますと云ふと、却て適材を擧げる上から言つても、不適當であるやうに思はれるのであります、此の統計委員會の委員の行ふ仕事は、統計事務と云ふことが極めて專門的でありますから、それ等の專門の方を携つて居る方を委員に擧げて居りますので、本來の事務とさう背馳した仕事をやる譯ではなく、寧ろ專任でないと致しましても、本來其の方の從事して居る仕事と此の統計委員會の委員としてやる仕事とが非常に關係の深いやうな方々を擧げて居りますから、片手間になつて御留守になると云ふやうなことはないと考へます、唯御注意のありました、學者を尊重するのは宜いけれども、偏つた學者を尊重すると云ふやうなことのないやうにと云ふ點は、御尤もでありまして、是等は十分人選の上に注意をしたいと考へて居ります、最後に斯かる委員會が將來出來るのぢやないか、其の場合に付ての見透しはどうかと云ふ點であります、先程委員長から御報告もありましたやうに、アメリカ流の行政機構を段々と採用して參る必要もあるのでありますが、其の場合には斯う云ふ委員會も出來やうと思ひます、只今大河内議員の仰しやつたやうな色色な點は、確かに我々としては反省もし又考慮もしなければならぬ點でありますから、斯くの如き委員會が段々と出來ますに付ては、其の運營の状況を見まして、必要に應じて適當なる手を打つて行きたいと考へて居ります、今日と致しましては、統計委員會の斯くの如き制度に於きまして、先づ其の弊も押へることが出來、所期の目的が達せられるのではないかと、斯樣に考へて居りますが、不適當な點があり次第、勿論是は至急改善もし、又御意見等に依つて十分考慮もして行きたいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=17
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018・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 政府から御答辯がありましたが、私の考へる所では、政府は行政と專門の知識を混同せられて居る、統計の行政と云ふものは、專門の知識で動くのではなく、行政で動く、專門家に聽けばそれで宜い、併し是れ以上は議論になりますから、私の趣旨は御了解下さつたと思ひますから、是で止めて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=18
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019・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 肝付男爵
〔男爵肝付兼英君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=19
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020・肝付兼英
○男爵肝付兼英君 只今委員長から統計法案の委員會の經過の御報告を承りまして大層長々と愼重に精細に御報告戴いた點は感謝に堪へないのでございます、實は私も統計法案の特別委員會の委員の一人でございますので、已むを得ない事情の爲に退席して居りました間に、既に御質問があつたことと承知を致して居つたのでありますが、只今の委員長の御報告を承りまして、まだどなたも御質問がなかつたのに氣が付きまして、一言御質問をさして戴きたいと思ふのでございます、此の統計に一番大切な問題は、度量衡の單位を如何に採るかと云ふことが、是は重要な問題だと考へて居るのでございます、御承知でもございませうが、我が國に於きましては、度量衡の點に付きまして、メートル法と尺貫法が屡屡議論になりまして、隨分長い間是が論議をせられたことは御承知の通りでございます、其の後我が國の産業の發展の爲に規格統一と云ふことが計畫致されまして、それが爲に戰前に於ては遂に此のメートル法を採用すると云ふことに一應決定を見たのでございます、其の後所謂軍備の擴充と云ふやうなことが段々必要になつて參りました結果、此のメートル法を基礎に致しまして色々な問題を取上げるやうになつたのでございます、其の結果が、恰もメートル法は軍備擴充の裏附であるかの如き觀を持つて居つたのでございます、そこで敗戰後の今日此のメートル法は既にもう其の效力を失つた、其の必要がなくなつたと云ふやうな感じを一般に持たせて居る部面も少くないのでありまして、其の結果一般にはメートル法と尺貫法が錯綜致しまして、我々國民生活の上にも色々と不便が多いのが現状だと存ずるのでございます、敗戰後に於ける我が國の再建の基礎を成すべき所謂産業の復興と云ふことに對しましても、亦此の規格の統一と云ふことが當然考へられねばならぬ、それが爲には改めて新日本建設の爲め、平和國家建設の爲に、果してメートル法が必要であるか、尺貫法が必要であるかと云ふことを再檢討致されまして、其の上で其の決定に基いて此の統計の完璧を期すると云ふことが私は必要ではなからうかと思ふのでございます、それ故に此の機會に於きまして、政府は此のメートル法と尺貫法と云ふものに對して如何なる御考を持つて居られ、將來どう云ふ方針に向はれるかと云ふことを此の機會に承つて置きまして、我々國民の參考に致したいと斯樣に考へて御質問致す次第でございます(拍手)
〔政府委員入江俊郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=20
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021・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 御答へ申上げます、御承知の如く、メートル法は戰時中に各種の理由から公的な、又一般的の使用に關しまして特例を設けまして、其の励行を緩和して參つたのであります、處が、終戰後になりますと云ふと、今日に至りまする迄、度量衡に關しまして、メートル法の使用に付戰前の状況に復すると云ふやうな措置も執らず、又メートル法を廢めるかどうかと云ふ風なことに付てのはつきりした見解も政府としてまだ示して居りませぬ、是は現在の國際情勢より致しまして、メートル法と云ふものが度量衡制度の基本として世界的に通用する状況とは言へないと思ひますのと、又我が國の現状と致しましても、メートル制度を全面的に採用すると云ふことは研究の餘地があるのであります、併しながら度量衡の基準に付きまして、國際的な統一あるものにしなければならぬと云ふ點は勿論でありまして、政府は現在、只今申しましたやうな情勢に對應し、状況の推移を見て、度量衡制度の運營に關しまして適當な措置を執りたいと研究して居るのであります、今囘の統計法に據る指定統計に付きましては、實際問題として直ちに問題が起るのでありますが、只今考へて居ります所は、英米の度量衡の單位を參考とし、又調査事務の性質に應じまして適當な單位を選んで使用して行く方向の下に、其の具體的の方法を目下研究して居るのであります、此の統計の單位を如何なるものにするかと云ふ風なことに付きましても、是は世界的の問題でございまして、現在國際統計委員會と云ふものに於きましても、此の統計に付ての世界的統一ある單位を何によるかと云ふことを研究中でありまして、それ等の研究と即應して、我が國に於きましても竝行的に研究を進めて行きたいと思つて居るのでございます、現在の状況を御答へ申上げたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=21
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022・肝付兼英
○男爵肝付兼英君 簡單でございますから自席で……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=22
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023・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=23
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024・肝付兼英
○男爵肝付兼英君 只今御説明に依りまして、政府としても度量衡に付ては必ずしもメートル法を固執しない、現在は固執して居らぬと云ふやうな御答辯でございましたが、先般メートル法が決定されました後に於ては、小學校に於ては悉くメートル法を強制的に採用させられ、家庭に於てはメートル法と尺貫法が衝突をするやうな事態迄惹起して今日に至つて來て居るのでありまするが、それ迄にして小學生徒に吹込んだメートル法を此の際、此の儘唯固執しないと云ふことで放つて御置になつて、一體小學校の教育方面はどう云ふ風に御取扱になるのでございませうか、此の點をもう一遍はつきりと伺つて置きたいと思ひます(拍手)
〔政府委員入江俊郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=24
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025・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 御答へ申上げます、只今申しましたやうに、メートル法若しくは度量衡の基準に付て、是が良いのだと云ふことを今日に於て、政府として、又日本國民全體として向ふべき方向が決つて居らないと云ふ状況だと思ふのであります、それ故に戰前に於きまして小學校等に於て相當強く用ひましたメートル法を、今日再び復活して之を同じやうに用ひると云ふことに付ては、尚相當研究を要する點があるので、已むを得ず現在としては研究の道程に在ると云ふことを申上げる外はないのでありますが、御話のやうなメートル法と尺貫法、其の他に付ての混亂と云ふことは、確かに色々な場合に困ることでありますから、是等の點に付きましても、成るべく早くそれ等の點に付ての考へ方を決めるやうに努力したいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=25
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026・肝付兼英
○男爵肝付兼英君 もう一點、簡單に‥‥‥只今の御説明は非常に重大なことだと思ふのでございますが、是は此の機會に議論すべき問題ではないと思ひますので、私としては一應質問は此の邊で打切ることに致します、有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=26
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027・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 他に御發言もなければ、本案の採決を致します、本案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=27
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028・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=28
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029・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=29
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030・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=30
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031・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=31
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032・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=32
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033・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、本案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=33
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034・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=34
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035・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=35
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036・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=36
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037・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=37
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038・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=38
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039・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=39
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040・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、次會の議事日程は決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十一時三十三分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01219470306&spkNum=40
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