1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年三月十三日(木曜日)午前十時二十三分開議
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議事日程 第十六號
昭和二十二年三月十三日
午前十時開議
第一 参議院議員選挙法の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第二 都道府縣及び市区町村の議会の議員及び長の選挙の期日等に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第三 選挙運動の文書図画等の特例に関する法律案(衆議院提出) 第一讀會ノ續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=0
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=1
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002・会議録情報2
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〔參照〕
昨十二日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案ハ即日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
會計法等の特例に關する法律案
同日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案ハ即日之ヲ衆議院ニ送付セリ
證券取引法案
日本證券取引所の解散等に關する法律案
同日決算委員會ニ於テ委員長ノ補闕選擧ヲ行ヒシニ男爵倉富鈞君當選セリ
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
請願文書表(第三囘報告)
參議院議員選擧法の一部を改正する法律案可決報告書
都道府縣及び市區町村の議會の議員及び長の選擧の期日等に關する法律案可決報告書
選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案可決報告書
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第九十二囘帝國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
大藏省所管事務政府委員
大藏事務官 東條猛猪君
同 今泉兼寛君
勳四等 出光佐三君
昭和二十二年勅令第一號ニ基キ同令第四條ノ覺書該當者ト指定セラレ三月十二日同令第三條第二項ニ依リ貴族院議員ノ資格消滅セリ
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=2
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003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、請暇の件に付御諮りを致します、倉井敏麿君、公務に付九日間、請暇の申出がございました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=3
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004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=4
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005・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 昨日の大河内子爵の質疑に對し、金森國務大臣より發言を求められて居ります、金森國務大臣
〔國務大臣金森徳次郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=5
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006・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 昨日大河内議員より證券取引委員會のことに關して御質問がありました、已むを得ざる事情に依りまして、私が其の時に居りませぬ爲に今日其の御答を申上げたいと存じます、御質疑は色々な點に亙つては居りましたが、根本の考へ方と致しましては、今囘の證券取引委員會のやうに廣い行政部局の中に法律上非常な獨立性を持つて居る所の斯樣な委員會が嵌り込む、それが爲に、一應の考へ方からすれば、内閣の責任の事實上の外に立つやうな嫌ひが起るのであります、斯樣なことが國の全體の組織の體系から見て色々問題がある、斯う云ふ點に付て御指摘になつたやうに了解を致して居ります、此の點は理論的に申しますれば一應簡單に御答へ出來る點のことであります、と申しまするのは、行政に關しましては内閣が責任を全部的に負ふものである、併し其の行政を行ひまするに付きましては、法律の基準に依つて行ふものでありまするが故に、法律に依つて作られました枠の中に於て内閣は行動するのであるからして、斯樣な制度が生れますることに付きましては何等の法的見地から申しますると支障はない、斯うまあ御答をすれば一應足ることと思ふのであります、併し之を政治の方面から見ますると、日本の新憲法の建前は飽く迄も行政部に、即ち内閣の行政に關しまする一切の責任を包括的に負ふのである、何でも彼でも内閣が其の面に於きまして全責任を負ふ、斯う云ふ建前を執つて居ります爲に、若しも行政組織の中に於きまして、内閣が事實上調節することの出來ないやうな部分が嵌り込みますと、實質上内閣が責任を行使しまする上に故障を起すのではないかと云ふ御指摘は誠に理由のあることと考へて居る譯であります、此の行政全般の組立に付きましては、相當複雜な考を以て臨まなければなりませぬので、概括的に、理論的に内閣が責任を負ふと斯う申しましても、其の實際のやり方に於きましては、各方面の必要を充たして行かなければならぬのでありまして、從來の建前から申しますると、幾つかの例外はありまするけれども、大體に於きまして政府が何時でも自分の自由に行政各部を動かして行ける、斯う云ふ建前を執つて來て居るのであります、併しそれの持つて居りまする一つの缺點と致しましては、民間の色々の要素であるとか、學界の色色な要素であるとか云ふものに付きましての、十分なる知識を行政の上に利用することに於て甚だ不十分であつたのでありまして、諮問委員會などを設けましても、どうしても其の諮問委員會に十分なる働きをする餘地がない爲に、理論は内閣が思ふやうに統一すると云ふ建前で結構でありまするけれども、實際に於て所謂官僚獨善と云ふ弊害に可なり陷つたのであります、之を打開致しまする爲に、どうしても各面の經驗知識に卓越せられたる方が相當のしつかりした基盤を以て行政の中に關係せらるると云ふことが必要となつて來る譯であります、其の見地からして近時行政の組織の中に、色々な稍稍獨立性を持つて居る所の委員會が嵌め込まるることになりまして、謂はば行政組織は政府が直きにでも自由に動かし得る一つの系統、其の中に所々に嵌め込まれた所の幾分質を異に致します行政機構が出來て居るのであります、此の行き方が果して好き結果を持つものであるかどうかと云ふことは、今後の試錬に愬へて解決をしなければならぬのでありますが、從來の不十分なる傾向を是正すると云ふ見地から申しますると、斯樣な方向に漸次謂はば前後左右を顧みつつ、油斷なく注意をしつつ斯樣な方向に或程度の發展をすると云ふことは、實際世間の要請であると思ふのであります、從つて今囘の證券取引委員會の如きも、其の一般的の必要から、先づ實證的に好い結果を見出さうと云ふ努力に依つて生れて來て居るものであります、其處で色々の御質疑の點が其の中に問題を指摘して居られるのでありまするが、其の點に付て御答を申上げますると、一つの考へ方は、斯樣な委員會を、其の委員會を構成してゐる委員にはつきりした任期がありまして、さうして其の任期中は政府が容易に之を免ずることが出來ないと云ふことになります、そこで之に對して十分なる監督が出來るかと云ふ點であります、是は今のやうな條件がくつ附いて居ります爲に、時の政府が其の委員を動かさうと致しましても、輕々しくは動かせないことになるのは當然の歸結であります、それが爲に行政の責任が取れないかと云ふことが論點になりまするが、是は結局折衷的な問題でありまして、若しも人選を十分に致しまして、詰り政府が全責任を持つて其の委員の選擇を致します限り、それに對して相當の信頼を拂つて、行政の中に委員の働きを採り入れて行くと云ふことは、理由あることのやうに思ふのであります、併し萬々一致府と其の委員會の委員との間に意見の衝突があり、其の委員會の議決に從つて居れば、政府は本當の内閣統一の責任が執れぬぢやないか、斯う云ふやうな點の御質疑に付きましては、普通には今申しました通り、左樣な方法を注意深くやつた限り、さう云ふことは起らぬと思ひますけれども、萬々一の場合を豫想致しますと、それは又自ら政治的に、或は法律的に方法があるのではないかと考へて居ります、但し其の點は此の法律の中に具體的には示されては居りませぬ、併し政治は生き物でありまするからして、若しも絶體絶命の場合が起りますれば、法律自身を改正すると云ふ途もあるのでありまして、是は先づ注意深く眺めて前途の運營を圖ると云ふことが適當ではなからうかと思ふ譯であります、それから次に斯樣な委員會の行動に付て、誰が責任を執るのかと云ふ御質疑があつたと心得て居りまするが、行政と云ふ見地から申しますれば、是は固より内閣が責任を負ふのでありまして、委員會の行動を全般的に統轄して居るのは内閣でありまするが故に、其の點に於きまして一點の疑はないと思ひます、併しそれは政治責任の問題でありまして、此の行政上の責任、一人々々の委員の意見が如何なる間違ひがあつたか、其の態度にどう云ふ不完全があつたかと云ふことに付きましては、是は固より個別的の責任であります、だから個別的の責任は委員又は委員會が執るものであり、全般の行政に關しまする政治責任は、固より内閣が負ふべきものでありまして、そこに何等の口實を入るるの餘地はないものと存じて居ります、それから更に進みまして、斯樣な制度が此の委員會の獨立性のものが、殊にそれが決定權を持つて居りまするやうなものが、行政全般の中に到る處に嵌め込み細工になると云ふ行き方に付きまして、確かフアツシヨとか仰しやいましたが、斯う云ふやうな傾向が政治の上に起つて來るのではないかと云ふ御尋と思つて居りまするが、是は先にも申しましたやうに、結局程度の問題でありまして、斯樣な獨立性のものがあることが一面に於て行政上望ましいのである、併し左樣な獨立性のものが餘りにも多くなり、必要な限界を超えて擴がつたならば、それは面白くないことは疑ひはございませぬ、斯樣な委員會を拵へまする時には、大凡そ委員會の持つて居りまする特色に著眼を致しまして、行政全般に付ての運用に支障のないやうに工夫をして行かなければなりませぬ、そこで其の權限に付きましても、專門的知識を特に尊重する必要のあるやうな權限に先づ限定することが必要であらうと思ふのであります、又其の權限の行使に付きましても、出來るだけ色々な工夫を致しまして、行政の統一ある動きに直接の拘束力を及さないやうに留意をして行くことは當然と思つて居ります、又此の委員會に付きましての服務の關係とか、或は若しも其の委員達の間に不適當な措置がありました場合に、如何に之を處置するかと云ふやうな點は、十分考へなければならない點でありまして、今日官吏の制度に付きましては、經驗的に可なり謂はば水も漏さぬやうに、行き過ぎた位の色々な制度が出來て居ります、併し斯樣な新しく發足せむとして居りまする委員會に付きましては、其の點に於きましては新しい問題でありまする爲に、未だ制度は完全に備つて居りませぬ、けれども現代の刻々に新しい問題が起つて來ます所の時期に處しましては、先づ根幹を決めまして、是から起る所の幾多の不合理な點が若しも現れて來まするならば、之に對しましては漸次妥當なる方法を執りまして、大河内議員の仰せになりましたやうな、或は仰せにならうとせられて居りまするやうな行政責任を内閣が保ち得ないと云ふやうな制度にしてはならぬと思つて居ります、其の點は篤と注意を致して居る次第であります
〔子爵大河内輝耕君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=6
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007・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 只今金森國務大臣から御丁寧な御説明がございました、政府の大體の御意見能く了承致しまして、私の申述べた意味が能く貫徹致しましたことに付て喜んで居ります、どうか其の御趣旨で今後やつて戴きたいと存じます、唯一點、此の獨立性を持つた委員會、例へば統計委員會のやうなもので、政府入るべからず、企畫立案に付ては政府入るべからずと云ふやうなことをすると云ふことは、私は是は憲法に反して居ると思ひます、憲法の、行政全部に付ては内閣が連帶責任を負ふと云ふことと正面から反して居ると思ふ、併し是は此處で昨日も申したのでありますから、更に質問の形式を以て論爭致すことは致しませぬ、唯是だけは此の際、さう云ふやうなものが出來た場合に、政府が口をきけないやうな行政事務が一部に出來た場合に、之の政治上の責任は誰が負ふのか、政府は負ふ譯に行きませぬ、さうすると委員會が負ふことになる、委員會が國務大臣の地位に立つ、誠にをかしなもので、國務大臣は憲法に根據があつて出來たものである、委員會と云ふものは法律で作つたものである、法律で憲法を破ることになる、まさかにさう云ふことは出來ますまいと思ひます、其の點不明でございますから、さう云ふ場合に、例へば具體的に申せば、統計の企畫立案に付ては、何人が其の政治上の責任を負ふのか、又將來さう云ふやうなことをおやりになるか、おやりにならぬか知りませぬけれども、おやりになつた場合には、國務大臣として責任を負へないが、誰が責任を負ふことになるのか、此の點に付て更に御説明を煩したうございます
〔國務大臣金森徳次郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=7
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008・金森徳次郎
○國務大臣(金森徳次郎君) 只今御尋になりました、若しも此の獨立性を持つて居る機關の行動に付きまして責任を負ふべき場合がありとすれば、それは誰が責任を負ふかと云ふ點であります、先程も不完全ながらも御答をしたと思つて居りまするが、苟も行政の全般に關しましては、内閣が責任を政治的に國會に對して負ふものであります、此の原則は一歩も變る所はないと考へて居ります、從つて委員會の行動が政治問題となりました場合に、其の責任を負ふものは固より内閣であらうと思つて居ります、委員會自身が國務大臣の立場に代るものではございませぬ、唯其の時に政治責任は固より内閣が負ひまするけれども、其の責任の中身として内閣がどう云ふことを具體的にしなければならぬかと云ふ問題になりますると、是は内閣は總て法律に依つて行動するものでありまするが故に、法律の定めて居る範圍に立入ることは出來ないと考へて居ります、でありまするから、委員會の決定したことの一つ一つに付て、政府が直接統制が出來ないのに拘らず、それを政府の責任に直接すると云ふことは、成立しないかと思つて居ります、併し政府は斯樣な場合に有らゆる手段を盡して、其の委員會の行動が内閣の責任に一致するやうに努力しなければなりませぬので、先に申しましたやうに人員の選擇であるとか、其の行動に付て十分注意をするとか、之に對して有らゆる助言、其の他の方法を以て統制を圖る、而して最後の場合には必要な法律を改正をする、固より法律の提案權を持つて居りますから、さう云ふ風な努力をすると云ふべき意味に於て、根本的なる責任を政治的に持つて居る、斯う云ふ風に考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=8
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009・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 只今の御説明で大體了承致しましたが、さう云ふ法律を出す、此處は政府が入るべからずと云ふやうな法律を出して置いて、さうして責任は政府が負ふと云ふことは、如何にも私は無理と思ひます、法律を出したつて政府獨りで法律は變へられない、人に相談しなければやれない、それで責任を負へと云ふことは、度々繰返へしました通り無理だと思ひます、併し政府に責任があると云ふことは、只今御言明になりましたが、其の點は承つて置きます、是以上は議論になりますから私の質問は是で止めて置きます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=9
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010・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第一、参議院議員選挙法の一部を改正する法律案、日程第二、都道府縣及び市区町村の議会の議員及び長の選挙の期日等に関する法律案、以上政府提出、衆議院送付、日程第三、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律案、衆議院提出、第一讀會ノ續、委員長報告、是等の三案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=10
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011・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長久保田男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=11
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012・会議録情報3
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參議院議員選擧法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月十二日
委員長 男爵久保田敬一
貴族院議長公爵徳川家正殿
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都道府縣及び市区町村の議会の議員及び長の選挙の期日等に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月十二日
委員長 男爵久保田敬一
貴族院議長公爵徳川家正殿
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選挙運動の文書図畫等の特例に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月十二日
委員長 男爵久保田敬一
貴族院議長徳川家正殿
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〔男爵久保田敬一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=12
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013・久保田敬一
○男爵久保田敬一君 參議院議員選擧法の一部を改正する法律案外二件の委員會の御報告を申上げます、本委員會に付託されました法案は、政府提出の參議院議員選擧法の一部を改正する法律案竝に都道府縣及び市區町村の議會の議員及び長の選擧の期日等に關する法律案、及び衆議院提出の選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案、此の三件でございます、委員會に於きましては審議の結果、三案共原案通り可決することに決定を致しました、先づ政府提出の二案に付きまして審議の模樣を申上げます、先日本會議に於て内務大臣から極めて詳細に提案の理由及び其の内容の御説明がありましたので、茲に重ねて此の御説明を申上げることを省略致します、參議院議員選擧法の一部を改正する法律案に關しまして、主な質問を申上げますと、前議會に於て參議院議員選擧法が本院を通過致しました時には、政府の説明と致しましては、選擧運動及び其の費用に關する餘り煩雜なる法的制裁は、選擧の明朗濶達性を害し、特に全國一選擧區にするやうな選擧の如きは、未だ我が國に前例を見ない劃期的のものであるからして、買收、選擧妨害等の惡質犯を處罰することは、是は勿論であるけれども、其の以外の者は、放任して、一般國民の批判に委せるが最も適切なる方法であると云ふことを説明されました、即ち事前運動、戸別訪問、選擧費用の制限等をしないことにしたと云ふ説明でありまして、本院も其のことを了承して、之を通過さした、然るに今囘衆議院が是等の制限の撤廢は未だ時期尚早であるからと云ふ附帶決議をしたと云ふ故を以ちまして、之を尊重して今囘の改正案を出されたと云ふことは、政府は果して自分自ら之を適當と考へて、之を出されたのであるかどうかと云ふ御質問でございました、之に對して内務大臣の御答辯は植原内務大臣自身としては、全國選擧の如きに於ては戸別訪問を禁ずるとか、選擧費用を制限するとか云ふやうなことは、さして必要なものとは思へない、併し衆議院の決議は國民多數の意思を反映するものと見なければならぬし、且衆議院議員諸君は選擧に關しては玄人揃ひである、是等の人々が各種の事情を考慮して、さうして此の制限撤廢は今の時期に於て、我が國に時期尚早だと云ふことを決せられたのであるからして、之を尊重するのは政治の要諦である、現實に即應すると云ふ政治上の含みで以て、此の今囘の改正を決定したと云ふ御答辯でございました、それから未成年學校兒童の選擧利用を禁じたことは、未成年兒童は政治の判斷力がないものであるから、之を不當に利用することは甚だしい弊害を生ずるので、禁じたのであるけれども、成年以上の者に對しては、選擧權もあることでありますし、政治判斷力があるものとして之を禁じないことにした、但し政治教育と云ふことは教育上非常に必要なことであるが、一面學園に於て政治運動をすることに付ては、色々の場合に應じまして十分之を適當に考慮して制限をしたいと云ふ御答辯でございました、それから選擧費用の制限に關することでありますが、大體此の選擧費用はどの位に制限するのだと云ふ質問に對しましては、今囘政府は衆議院議員選擧規則を改正することになりまして、今迄の倍率と申しますか、有權者を議員總數で割りましたものに掛ける倍率が、三十錢になつて居るのを六十錢にして居ることであります、此の衆議院の改正と相關聯しまして、參議院議員の府縣選出の候補者には約五萬圓、全國選出の候補者には約七萬五千圓程度にすると云ふことであります、それから此の法案は至急に二三日の中に施行されると思ひますが、其の施行以前に爲した選擧運動に關する費用は之を通算しない、是は今日の新聞紙上に政府が通算すると云ふことを言明したやうに誤り傳へて居りますから、特に是は申上げますが、政府も初めは通算すると云ふやうな考で居られたのでありますが、後に特に是は通算しないと云ふことを言明されたのでありますからして、特に之を申上げて置きます、それから第三者が候補者と通謀しない、或は候補者と無關係に選擧運動をしたやうな場合に於ては、其の費用は選擧事務所から出す所の費用に通算しないと云ふことを言明されました、それから此の案に對する質問は大體其のやうなものでございました、それから都道府縣及び市區町村の議會の議員及び長の選擧の期日等に關する法律案に對しましては、別に質問もございませぬ、それからもう一つ申落しましたが、此の前の議案に付て、當選無效の訴訟は東京高等裁判所に出訴することになつて居りますが、只今の衆議院議員選擧規則に於ては、之を大審院に出訴することになつて居るのであつて、何故之を最高裁判所に扱はせることにしなかつたかと云ふ質問もございましたが、政府の答辯では最高裁判所では事實審査を一切しない、それ故高等裁判所で之を扱ふことにしたのであつて、殊に參議院議員選擧に於ては、全國の選擧は東京に集めることにして居る關係もありますので、是は東京高等裁判所と決定したと云ふことでございました。兩案に付きましては討論がありませぬで、採擇の結果、滿場一致、可決を致しました、次に衆議院提出の選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案は、是は衆議院提出のものであります爲に、本院に、先日本會議に上程された時に説明がございませぬでありましたので、殊に選擧の期日も迫つて居りますし、速記も御手許に廻るには間を取ることと思ひますので、御迷惑を顧みず、以下少しく詳細に此の各條文に付て御説明を申上げ、又其の際の質問應答を申上げたいと思ひます、第一條に「この法律は、現下の用紙その他の資材の不足等極めて窮迫した經濟事情の下に行われる選擧を、最も適正且つ公平ならしめることを目的として、昭和二十二年中に施行される衆議院議員、参議院議員、地方議会の議員及び地方公共團体の長の選挙において、選挙運動のために使用する文書圖畫等の頒布又は掲示について、これを適用する。」と書いてあります、本年の十二月三十一日を以て此の法律は終り、其の後は今迄の、現在の取締規則が有效になると云ふ臨時立法であります、第二條に於て、「主として、選挙運動のために使用する文書図画は左の各号に定める無料葉書の外は、これを頒布することができない。一、衆議院議員又は参議院地方選出議員の候補者一人について二万枚、二、参議院全國選出議員の候補者一人について三万枚、三、都道府縣の長の候補者一人について一万枚」、それから次の第三條に、「選挙運動のために、使用する回覽板その他の文書図画又は看板(プラカードを含む)の類を多数の者に回覽させることは、これを前條の頒布とみなす。」斯う云ふことが書いてありますので、結局此の選擧用の無料葉書の一萬枚乃至三萬枚を使ふ以外には、何等選擧運動をしてはいけないと云ふことに規定されたのであります、茲に御注意申上げて置きたいのは一番初めに「主として、選挙運動のために使用する」と云ふことが書いてある、此の「主として」と云ふのはどう云ふことでありますか、一委員より、例へば只今知事が辭職をする、それで辭職をする時の通知に、今度私は知事の候補に立つ爲に知事を辭職するのだ、それで今迄官舍に住んで居つたけれども、官舍を引拂つて何處々々に引越します、斯う云ふ通知を出す、是は主として選擧運動の爲に使用する文書図画であるかどうかと云ふやうな問題がありました、内務當局は是は實際の一々個々の問題に觸れて、それを研究して見なければ分らない、斯う云ふことを言つて居られる、それから無料葉書は使つて宜いが、其の以外のものは之を頒布することが出來ないと云ふことが書いてある、此の頒布と云ふのは如何なる意味であるかと云ふ質問に對しましては、頒布と云ふのは一齊に之を配布することを頒布と云ふさうでありますから、例へば自分で自筆で以て手紙を書いた、さうして是は無論一通や二通は構ひませぬが、それを大多數の數を出しても、是は頒布とは言へない、又電話等に依つて之を色々な運動を致しましても、是は頒布とは認めないと云ふことであります、それから此の無料葉書の件に付きましては、私製葉書であつても、官製葉書であつても、何でも葉書ならば構はないのでありまして、之を無料で以て送達すると云ふことになつて居ります、但し候補者の都合に依つて、官製葉書が欲しい時には、官製葉書の實費と致しまして一枚五錢の葉書を此の枚數だけ御渡しすると云ふことでございます、それから之に依りますと、縣會議員の如きの選擧に於ては葉書は一枚も使へない、是は後に申上げますやうに、張札を三百枚使へることになつて居る、それ以外には何等運動の方法はないのであります、是は非常に酷ではないかと云ふ御質問がございましたが、内務當局は、縣會議員の如きは極く狹い範圍で以て運動するのであつて、殊に一縣と云つても、或部分に主力を注いでやるのであつて、それで以て名前の知られないやうな人が運動すると云ふことは先づないことであつて、此の程度で差支はないのぢやないかと云ふ答辯でございました、それから第四條に「選挙運動のために使用する文書図画は、左の各号の一に該当するものの外は、これを掲示することができない。」今迄のは頒布でこざいましたが、今度は掲示する文書圖畫であります、是は一は「選挙のために使用する張札」、それから二は「選挙会場において使用する張札、立札、ちようちん及び看板の類」、三が「選挙事務所を表示するために、その場所において使用する張札、立札、ちようちん及び看板の類」、それで是は其の中前項第一號の張札は、町村其の他之に準ずるものの議會の議員とか、町村長の選擧にはこれを掲示することが出來ないと云ふことになつて居ります、それから第五條に於て、此の第四條の掲示することを得る所の選擧の爲に使用する張札と云ふことの制限が書いてございますが、是は衆議院議員、參議院議員及び都道府縣の長及び五大都市長の選擧に於ては、候補者の一人に付一千枚、都道府縣及び市の議會の議員、それから今五大市以外の市の長の選擧に於ては候補者一人に付三百枚、それから參議院の全國選出議員候補者は一人に付ては一萬枚と致しまして、一つの都道府縣に於て一千枚を超えてはならないと云ふ制限を附けて居ります、是は何れも當該選擧管理委員會の檢印を受けなければならない、又候補者以外の者が選擧に使用する張札等は、一切是は候補者の張札の中に通算すると云ふことでございます、それから第六條に選擧の爲に使用する張札は、只今申上げました選擧の爲に使用する張札は、タブロイド型を超えてはならないと云ふ制限がございます、それから「選挙のために使用する張札を掲示しようとする者は、その張札の表面に、その住所及び氏名を記載しなければならない。」それから第八條には、張札を掲示する場合には左の制限がある、一つは「同一工作物には、候補者一人について一枚を超えて掲示してはならない」、一つの工作物に一枚以上貼つてはならない、國又は地方公共團體が所有し又は管理する、詰り公共建物に對しては張札をしてはならない、「選挙の当日、投票所内に張札を掲示してはならない」、それから「すべて、所有者若しくは管理者の承諾を得ないで、他人の工作物に張札を掲示してはならない」、又此の「張札の印刷は二色以上を超えてはならない」と云ふ制限がございます、それから第九條に「選挙運動の期間中は、著述演藝等の廣告その他何等の名義を以てするを問わず、第二條及び第四條の禁止を免れる行爲として、主として候補者又はこれを推薦する政治結社若しくはその他の團體の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。」若し之を掲示した時には、之を期限前に掲示した時は、是は選擧管理委員會が之を撤去し、又は撤去せしめることが出來ると云ふ此の條文も非常に曖昧な點があります、或委員は之を指摘されまして、近頃各政黨で以て各所に支部の結成をし、それで支部結成と云ふ張札を非常に多く出して居る、是は之に牴觸ないかどうか、殊に甚だしきは或政黨の廣告に、遞信大臣が其の支部結成に演説するのだと言つて、之を郵便函に貼附けて掲示して居る所があると云ふことを指摘されました、之に對して遞信當局は郵便函に張札を貼附けると云ふことは勿論違反である、是は早速調べて取締ると申されましたが、此の支部結成の廣告等に付きましては、其の個々の場合の其の事情を考へなければ、其の取締の範圍は分らないと云ふ説明でございました、それから第十條に候補者又は政治結社の代表者は、選擧管理委員會の定める同一寸法で、何れか一つの新聞に一包限り選擧に關して廣告することが出來る、此の廣告した新聞は、第二條の規定に拘らず之を頒布しても構はないと云ふことの規定がある、此の何れか一つの新聞に一囘を限ると云ふことは、是は例へば全國選出の候補者に致しますれば、日本に於て發行する所の新聞をたつた一遍しか出せないと云ふ解釋も出來る、又一つの解釋では各都道府縣の選擧管理委員會が定める寸法であるからして、各都道府縣に於て一遍づつ新聞に廣告することが出來ると云ふことも解釋が出來る、さうすれば五十囘ばかり廣告することが出來る、是はどう云ふ風にするのかと云ふことを質問致しましたが、内務省もまだ之をはつきり決めて居らないのでありまして、内務大臣は、是は立法の精神を考へて、さうして立法の精神に悖らないやうに善處する、結局是は餘り狹い意味に考へないで、廣義に解釋して善處すると云ふことを言明されました、それから第十一條は、此の議員候補者は無料で以て、三囘を限り選擧に關し放送をすることが出來ると云ふ規定であります、それから第十二條は「選挙に関する公報並びにこの法律の定める張札、無料葉書及び新聞廣告には候補者が立候補に関しその希望する事項を記載することができる。」是は此の法律の特に定めた規定でありまして、今迄の衆議院議員選擧規則やなんかに依りますと、色々の公報とか、張札に書くことには制限がある、今度は之を無制限にして、結局張札でありますとか、それから無料葉書で以て頒布するものに對しては、何を書いても構はないと云ふことを態態決めたものだと云ふことを明言されました、それから第十三條には、選擧運動に使用する爲に用紙の配給を受けます、用紙の配給は候補者の屆出、又は推薦屆出をしなかつた場合、或は屆出又は推薦があつた候補者が候補者たることを辭したる場合に、之を返さなければならないと云ふことが書いてあるのでありますが、實際問題と致しましては、是は公報の屆出をしなければ、用紙の配給は受けられないのである、でありますからして、用紙の配給を受けた者が候補者の屆出又は推薦屆出をしなかつたならば返すと云ふことが條文に書いてございますけれども、全く無意味なことが書いてあると云ふことが判明しましたのであります、此の用紙の配給に付きましては、内務省も非常に只今の用紙不足及び輸送状況の惡いことに付て心配して居りまして、若し是が選擧に間に合はないやうなことがあると不都合だと云ふことが、内務大臣から商工大臣に御話がありまして、さうして商工大臣は十分に是は確保するからして安心して貰ひたいと云ふ御返事があつたと云ふことであります、只今準備して居る所の紙は、候補者に對して三連位の紙を準備して居ると云ふことでありますが、實際配付致します用紙は、只今申上げましたやうにタブロイド版で以て千枚とか三百枚と云ふ規定があります、之に必要なだけの用紙を配付すると云ふことになつて居るさうであります、是は選擧屆出の際に選擧長が證明を出しまして、之に依つて配給組合か何かから配給を受けると云ふことになつたさうであります、それから第十四條以下は此の法律の反則に對する處罰であります、色々の罰金刑がございますが、特に申上げて置きたいのは、此の法律に對する反則は選擧當選無效にはならない、唯之に掲げられました所の罰金等の處罰を受けるだけであると云ふ説明でございました、尚此の法律案は衆議院の立案でございまして、殊に非常に早急にそれが通過致しました、内務省に於て殆ど何等準備もなく、委員會に於て色々な質問致しますが、先程來私が申上げましたやうに完全なる答辯を得ない、誠に委員會として不滿足に思つたのでありますが、既に時期が切迫して居りますし、如何とも仕方がないので、特に内務大臣に御話を致しまして、さうして至急に此の今迄、殊に御答辯に依りますと、各政府内の各部の連絡が、全然取つて居ない、それで政府部内の連絡を十分に取りまして、さうして總てのことを曖昧でないやうにきちんと決めて、さうして之を一方に於ては末端迄行屆くやうに之を指令し、又一方に於ては一般に之を知らせる爲に、十分に了解されるやうに之を説明した印刷物なり何なりを作つて、さうして之を發表して貰ひたいと云ふことを申しまして、内務省も之を了承されました、それから尚最も内務大臣などが心配して居られるのは、今度の參議院の選擧に於ては、各地方府縣別の選擧と全國選擧が同時に行はれる、是が非常に混同しやしないかと云ふことを恐れられて居るので、之を防ぐ一法と致しまして、選擧用紙を色分をして欲しいと云ふことを申したのであります、當局に於ても既にその準備はして居られ、大體に於て全國議員の投票用紙は赤、それから府縣の投票用紙は黒、斯う云ふことに決めておいでになるさうでありますが、府縣に於て既に印刷を終つた所がある、或は全部斯う云ふ風に行かないかも知れない、併しながら大體に於てはさう云ふやうな區別を附けて、之を明かに間違ひのないやうにしたいと云ふ御説明でございました、それから質問を終りまして、討論に入りました、一委員からして、本案は衆議院提出案であるが、政府も之を贊成して居られるのであるが、之が運用を誤れば、自由公正なる選擧を阻碍するやうなことになるやうな條文も少なからずある、且全國選擧の如きは、未だ我が國に經驗したものがない次第であるからして、本法の運用に當りましては、宜しく之を成るべく廣義に解釋して、成るべく取締を寛大にするやうに心掛けて貰ひたいものである、此の意見を附して此の案に贊成すると云ふことを述べられました、之に對して植原内務大臣は、參議院の全國一選擧區の選擧の如きは、我が國に於て前例のない所であつて、特に新憲法實施前の最初に行はれる重要なる選擧でありますから、實施に付ては深甚の注意を拂ひまして、嚴正公平、機會均等の選擧を行ひ得るやうに特に注意をする、從つて本法案の法文の解釋の如きは、諸種の事情を十分に考慮致して、法文に忠實であると同時に、立案の精神をも重んじ、且實地に適應するやうに極力努力をすると云ふことを特に言明されたのであります、次いで採決に入りまして、滿場一致、此の法案を可決すべきものと決定した次第であります、右を以て報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=13
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014・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 質疑の通告がございます、小山完吾君
〔小山完吾君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=14
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015・小山完吾
○小山完吾君 私は選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案に付きまして、政府當局の御意見を伺ひたいと存じます、申す迄もなく選擧と云ふものは民主主義的の下に行はれるものでありまするからして、公正に反するとか、或は法律に反する、法律では‥‥‥即ち正義に反すると云ふやうな事柄に付ては、無論嚴重に規定を以て之を取締ると云ふことは考へられることであります、此の第一條を見ますると云ふと、「この法律は、現下の用紙その他の資材の不足等極めて窮迫した經濟事情の下に行われる選擧を、最も適正且つ公平ならしめることを目的として、」と云ふ風に書いてあります、條文の上に於ける所の目的ははつきり致して居りまするが、其の内容を見ますると云ふと、只今詳細の御説明を委員長から承つて見ましても、又此の條文を卒讀致して見ましても、殆ど是は支離滅裂と云つて私は然るべきものと思ひます、内務大臣は委員會に於て、新憲法の下に最も嚴肅なる選擧をして、さうして民主主義に適つた選擧を行ひたいと云ふことを言はれたと云ふことでありまするが、斯んな法律を出して、是で公正な選擧が一體行はれると思はれまするか、私の聽かむと欲する所は、苟くも選擧と云ふものを行ふに當つては、最も公正なる方法を以てやるならば、如何に費用が掛つても致し方がない、然るに費用を唯制限すると云ふ目的の爲に選擧の本質を害するやうな規定を設けて、さうして是で選擧でござると云ふことが果して言はれませうか、唯紙を儉約するとか、費用を儉約するとか云ふことの爲に、選擧運動の當然爲さねばならぬ所の行爲を皆禁塞してしまつて、是で選擧が行はれると言はれ得るか、殊に參議院法が昨冬本院に上程された時に於ては、委員會等に於きまして、斯樣な全國を一選擧區とするやうな選擧を行ふと云ふことは、非常な選擧技術上に差支を生ずるが、其の點はどうか、紙も非常に要るだらうし、金も非常に掛るだらうし、又其の候補者を廣く知らしめると云ふことに付ての方法に付ても隨分考へなくちやならぬが、それはどうかと云ふことに付ての質問は、私初め幾多の議員から出て居るのです、其の當時に當つてそれを擔當して居られた所の國務大臣竝に内務大臣、或は其の他の大臣に於ても、それは出來ると云ふことを明言された、然るにまだ三箇月經つか經たないのに、其の明言を根柢から覆すやうな案が衆議院から出て來て居るのに、之を御同意になつて居ると云ふのはどう云ふ譯か、此の案を讀んで見ますると云ふと、俗に所謂競爭入札をするに當つて談合入札と云ふことがあるが、是は一種の談合選擧と言はざるを得ない、現在既に議員の職に在るとか、現在既に知事の職に在ると云ふやうな人は是で以て選擧をされると云ふ機會は或はあるかも知れませぬ、併しながら此の新憲法の下に新人が出て、最も民主主義に適當したる所の候補者があつたとしても、之をどうして知らせることが出來るか、全國に亙つて僅かに三萬枚位な文書を頒布することしか出來ないと云ふやうな状態で此の選擧が行はれますか、それから又此の各條を見ますると云ふと、實に法文の不備缺陷甚だしきものである、で内務大臣は之を實際の施行に當つて嚴正にやると言ふけれども、一體行政官が選擧を實行するに當つて、そんな手心をすると云ふことは民主主義に反して居る、そこで私は伺ひたいのは、斯んな案は僅か三箇月の前に於ては豫想せられなかつたことであるからして、又斯う云ふ規定は必要はないと政府は認めて居つたのである、故に今之を否決してどう云ふ不都合が起るか、私は是は否決するが當り前だと思ふが、内務大臣の御見解はどうであるか、又選擧の本質に鑑みて、最も合法的で、最も望ましき所の行爲を禁縛すると云ふことは、是は民主主義に照して善いことであるか惡いことであるかと云ふ點を一つ伺つて見たいと思ひます、此の二點を御伺ひしたい
〔國務大臣植原悦二郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=15
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016・植原悦二郎
○國務大臣(植原悦二郎君) 小山君に御答へ致します、小山君は常に憲政の運用に對して、非常に注意深い、又其の運用が完うせらるるやうな御發言を屡屡なさることに對しては、敬意を表します、第一點の御尋である此の全國一選擧區は、參議院法が議會へ出た時にも、屡屡なかなか其の運用が困難だらう、事實うまく行はれることがむづかしいのではないかと云ふ議論をしたのに拘らず、政府は其の法案を成立させられて、今全く如何なる方面から見てもそれがうまく運用されるやうに思はれないがどうかと云ふ點が一つであつたやうに思はれます、全國一選擧區とする參議院法の選擧に對しましては、色々の御意見のあることと思ひます、日本に於ても未だ曾て經驗されたことのないことでありますのみならず多くの場合に於て、今日の日本の状態に於ては、選擧を致すにはせいぜい一箇月か二十日の間に選擧すると云ふやうな形になりますので、全國一選擧區に亙つて有力な人を、徹底的に全國の選擧區民に知らしめて、さうしてそれに對する自由選擇の餘地を殘すことが出來るかと言へば、是は御説の通りむづかしいと思ひます、けれども色々の事情がありまして、憲法に於て參議院の議員の構成は、非常に局限されて居ることは、御承知の通りであります、其の憲法は既に成立致して居ります、それ故に其の憲法の成立して居る條文に依りまして、參議院の議員の構成のことを考へまする時に、動もすれば、衆議院の構成と差別のないやうなものが出來ますので、そこに非常な苦心のあり、研究のあつたことは、能く小山君御承知の事だらうと思ひます、そこで參議院と衆議院と云ふものは可なり構成に於ても違はなければならない、又從つて權限も違ふ、現状の憲法の上から考へまして致しますれば、色々考へた結果、全國一選擧區と云ふやうなことも割り出されて見て、さうして色々御研究を經まして、さうして先づ斯樣なことで宜からうと云ふことで、貴衆兩院の方も御贊成を下すつて、其の選擧法が出來て、只今は其の全國一選擧區を以て選擧を致さなければならないと云ふ實状であります、先づ此の實状は、能く現實を現實として御認識を願ひたいのであります、次に、成るべく選擧は嚴正公平に行はれるのみならず、自由濶達に選擧民の意思の表現が出來るやうにすることが選擧の本則である、此の御説は誠に御尤もであります、此の點に付ては一言半句所見を異にすると申上げることはありませぬ、選擧は自由に公正に、出來ますることならば、理想を申しまするならば、假令府縣別でありましても、全國でありましても、個別訪問を禁ずるとか、若しくは選擧に對して候補者が保證金積むとか、或は選擧の費用を制限するとか、或は制限しないとか、選擧の費用を云々すると云ふことは、是は何と申しても理想の上からは好ましくないことであります、左樣なことが全部なくて總て抛りつ放しで、其の抛り放された下に、國民が非常に政治的に訓練されて、各各選擧權を行使する責任を痛感致しまして、其の下で選擧が行はれれば、理想的で、斯くあることを希望致します、私としても左樣な選擧の實状が日本に一日も早く實現することが出來ることを熱望して已まざるものでありますが、是は選擧に對する主觀的のことであります、實際政治の上から選擧を考へまして、さう云ふ状態であるから、其の状態の下に於て、出來得る限り嚴正公平に、而も選擧をしようとする選擧民も、被選擧人も共に、出來得る限り、機會の均等の下に、此の選擧が行はれるやうなことを考へまする場合に於ては、現實の有らゆる事實に依つて制約されると云ふことは、多年政治に於て御經驗のある小山君が、能く御承知のことと思ひます、何と致しましても選擧を致す場合に於ては現實の事實を客觀的に見て、其の事實の下に於て、如何に選擧が嚴正公平に機會均等の下に行はれるかと、斯う云ふことであらうと思ひます、そこで此の法律の前段にも、小山君が御讀み上げになつて、御覽の通り、只今は用紙の上に於ても、非常に制限されて居ります、又封鎖の金があり、新圓があると云ふやうな状態でありまするが故に、屡屡此の議場に於ても問題となりまして、一方に於ては新圓成金がある、一方に於ては非常な窮屈の枠だけに、一家の費用も其の他の費用も制限されて居るものがある、交通通信機關も、極めて不備なる所の實状にある、斯う云ふことの有らゆる條件を考へまして見ますると云ふと、用紙も御承知の通り、是はあつて宜しいことぢやないけれども、金も制限を置かずに求めましたらば、闇で手に入れる方法もあります、又非常に全國に亙つて知名な方で、政治的にも經驗があり、學識も知能も、練達堪能の方であるやうな方で、何れの方面から見ましても、參議院に出て戴ければ宜し、又出ることを希望する方でありましても、どうも環境上いつもと違ひまして、新圓の手に入らないやうな窮屈な場面もあると思ひます、それから郵便切手に致しましても、葉書、切手に致しましても、なかなか入手が困難であります、さう云ふ事情を考へて見ますと云ふと、どうも或制限を置いた方が、闇で競爭する人、新圓で競爭する人、又有らゆる金の力などを利用して選擧をしようとする人のことを考へますると云ふと、何とか之を制限して、闇で買ふやうな金を使はせない方が宜いぢやないか、新圓を以て選擧運動を勝手にやるやうな機會を、止めた方が宜しいぢやないか、交通、通信も非常に制限されて居るから、それ等に對しても相當な考慮を拂つた方が宜からうではなからうかと云ふので、衆議院に於きまして、全部の黨派が集まりまして、二十人の代表者を出して此の直前の選擧を如何に公平にし、成るべく出馬しようとする人に、機會の均等が得られるやうにしたいと云ふことで、非常に御苦心になつて、御研究になつて、有らゆる角度から物を研究されたのであります、是等の方の中には市町村會議員の選擧の經驗もあり、縣會の選擧の經驗もあり、衆議院の選擧にも多年の經驗のある方が、有らゆる角度から研究致しまして、只今委員長が懇切丁寧に御説明になりましたやうに、衆議院、參議院の各府縣別の選擧の方には、選擧公營の意味に於て、無料の葉書二萬枚を差上げる、全國を一選擧區とする所の參議院の方には、三萬枚上げる、尚演説のポスターや其の他に使用する所のものはタブロイド、參議院の方の各府縣別、衆議院の方の選擧の方に對しては千枚、參議院の方、全國の方には一萬枚上げると、斯う云ふことで三十日とか、二十五日の選擧の期日を考へますと云ふと、三萬枚の葉書を可なり有效に使ふ、一萬枚のポスターを有效に使つて選擧をすると云ふことになれば、相當の努力であると思ひます、若し選擧の費用を制限することが善いとか惡いとか云ふ問題が起ればですけれども、今迄衆議院の選擧は二萬五千圓に制限されて居ります、物價騰貴や色々の事情を見て、乘りたくも自動車がない、雇ひたくも乘り物が丁度に行かない、物價は騰つて居るけれども、此の不便の状態に於て、各各同じやうな状態に於て選擧をしようとすることであつたならば、此の前の選擧の二萬五千圓の先づ倍と見て、五萬圓なら宜からうと云ふことを衆議院の方が御決めになつたやうであります、さうすると全國の方に對しては七萬五千圓、參議院の方は只今申す通り、衆議院議員の方は一縣に於て五名、八名、或は十五名ありますが、參議院の方は四名か六名でありますからして、同じ率には行きませぬ、參議院の方の選擧費用は、衆議院の選擧費用に對して之を逆算して、まあ大體其の程度に定めたいと思うて居るやうな次第であります、斯う云ふやうな諸般の事情を考慮致しまして、現在の總ての物の不足である、交通も通信もと申しまして、金の力を以てすれば何物でも得られると云ふやうな、誠に好ましくない世相が存在して居ります、是は困つたことだけれども、是は現實の問題として客觀的に之を見るよりは致し方がない、斯う云ふ立場から考へまして、政府と致しましては、色々の理由もありませうけれども、先づ多年の間選擧と云ふものには非常に玄人の方が、總ての黨派が集つて研究の結果、此處に到達したものである、勿論選擧の日も迫つて居りますけれども色々の交渉致さなければ‥‥、自分で勝手に作れる時代なら十分に物を練ると云ふことも出來ますけれども、色色の點で制約されることは私が此處に特に御説明申さなくても御承知の通りでありますが、有らゆる方面の制約を受け、怱卒の間に、目の前に迫つて居る所の選擧を嚴正公平に機會均等の下に行はうとしました所の此の衆議院の立案、誠に苦情を言へば不備もあり、缺點もありませう、又完全なものとも思はれませぬけれども、政府と致しましては現在の段階に於て、現在の社會事情を通觀致しまして、先づ是ならば嚴正に公平に機會均等の下に選擧が行はれると確信致して居るのであります、勿論色々の不備な點で御氣付の點も御注意を受けて居ります、それ等に對しましては、内務省としては出來るだけ色色の意見を集めまして、是等の法文の解釋上成るべく色々の解釋が出て誤らないやうに、簡明に説明の出來るやうに致しまして、それを早く印刷物にして各府縣に配つて、此の意味を誤解をしないやうに徹底するやうに、同時に現状の下に於て成るべく機會均等の下にどなたにも御迷惑の掛らないやうな方法を取りまして、さうして此の方を濟ましたならば、人間の致すことでありますから完璧とは申されませぬけれども、一切の事情を考慮致して、現段階に於ては誠に適切なものとして、内務省としては是に依つて選擧を致せば先づ望む所の結果が得られると信じて居ります、左樣御承知願ひます
〔小山完吾君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=16
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017・小山完吾
○小山完吾君 只今植原内務大臣の御懇切な御答辯を伺つたのでありますが、政治理念と致しては私と餘り違つて居らぬやうでございますが、唯政府の當局者として、衆議院が決めて來て、さうして事實是より他に仕方ないから、同意したと云ふのでは、本員と致しては甚だ遺憾に存じます、立憲政體の下に於ては固より衆議院、或は貴族院の多數に依つて政府の運營と云ふものは行はるべきものに相違ありませぬけれども、併しながら一國の政治を擔つて居る所の内閣、大臣として、僅か三箇月前に斯樣なことに立到るに決つて居ると豫想されて居る状況の下に於て、其の時に考へて置いたならばもう少し都合の好いやり方もあつたらうと思ふに拘らず、斯くの如き非立憲極る案を今日通過しなければ選擧が公正に行はれない、機會均等でないと云ふけれども、其の機會均等なるものは要するに互に手を縛つて自然に任せると云ふことに陷るのです、況や民主政治の下に新憲法の趣旨を體して大いに國家の爲に貢獻しようとする所の新人は、如何にして自分を社會に知らせることが出來ませうか、是等のことを一々擧げて論ずるならば、私は此の法案に反對するより他に仕方ない、併しまあ俗に所謂無いが思案の總仕舞と云ふか、今の状況に於て、敗戰日本の今日に於て、物資不足の今日に於て、費用を制限すると云ふことは啻に選擧の公正を期するのみならず、又一面に於てはインフレーシヨンと云ふことも考へなければならないのでありますが、兎も角も若し純理よりするならば、合法的で最も望ましき方法を盡すが爲の費用ならば幾ら掛つても致し方ないと云ふのが是が純理、左樣なことは私が講釋しなくても恐らく植原内務大臣竝に金森國務大臣、齋藤國務大臣皆御承知のことと思ひますから、左樣なことを此處で繰返しは致しませぬが、只今の御答辯を伺つて、本員としては頗る遺憾の情を以て本案を迎えると云ふことだけの意見を發表して置きたいと存じまして、一言致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=17
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018・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 他に御發言もなければ、是より採決を致します、先づ參議院議員選擧法の一部を改正する法律案竝に都道府縣及び市區町村の議會の議員及び長の選擧の期日等に關する法律案、此の二案に付きまして採決を致します、兩案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=18
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019・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=19
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020・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに兩案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=20
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021・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=21
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022・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=22
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023・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=23
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024・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 兩案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、兩案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=24
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025・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=25
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026・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに兩案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=26
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027・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=27
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028・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」〕と呼ぶ者あり発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=28
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029・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=29
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030・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 兩案の第三讀會を開きます、兩案全部第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=30
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031・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=31
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032・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 次に選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案に付採決を致します、本案の第二讀會を開くことに贊成の諸君の起立を請ひます
〔起立者多數〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=32
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033・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 過半數と認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=33
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034・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第一讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=34
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035・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=35
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036・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=36
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037・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=37
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038・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ全部を問題に供します、本案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=38
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039・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 議長‥‥発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=39
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040・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) ちよつと御待ち下さい、議長が途中で言葉を止めましたので、或は何等か疑問が起つたかと存じますから、第二讀會を開きます所から再び採決を致します、本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、本案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=40
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041・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=41
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042・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=42
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043・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=43
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044・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=44
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045・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=45
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046・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=46
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047・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、次會の議事日程は決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十一時四十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X01619470313&spkNum=47
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