1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年三月二十日(木曜日)午前十時十六分開議
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議事日程 第二十號
昭和二十二年三月二十日
午前十時開議
第一 裁判所法施行法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 日本銀行法の一部を改正する等の法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 金融機関債券発行特例法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=0
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001・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 昨十九日川本泉君貴族院令第一條第六號に依り貴族院議員に任ぜられました、就きましては其の部屬を第六部に定めました
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=1
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002・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 其の他諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=2
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003・会議録情報2
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〔參照〕
昨十九日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長の氏名左ノ如シ
教育基本法案特別委員會
委員長 男爵 今園國貞君
副委員長 伯爵 宗武志君
昭和十四年法律第七十八號を改正する法律案特別委員會
委員長 子爵 梅渓通虎君
副委員長 男爵 中村徹雄君
裁判所法案特別委員會
委員長 伯爵 黒田清君
副委員長 男爵 奧田剛郎君
勞働基準法案特別委員會
委員長 畠山一清君
副委員長 男爵 長基連君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
罹災救助基金法の一部を改正する法律案可決報告書
請願文書表(第四回報告)
同日委員長ヨリ豫算委員結城安次君ヲ第二分科擔當委員ニ選定シタル旨ノ報告書ヲ提出セリ
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
裁判所法施行法案
日本銀行法の一部を改正する等の法律案
金融機關債券發行特例法案
同日衆議院ヨリ本院ノ囘付ニ係ル左ノ衆議院提出案ハ同院ニ於テ本院ノ修正ニ同意シ奏上セル旨ノ通牒ヲ受領セリ
國會法案
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第九十二回帝國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
政府委員
内閣事務官 小笠公韶君
同 窪谷直光君
同 三堀參郎君
同 向井鹿松君
同 山崎丹照君
司法省所管事務政府委員
司法事務官 岡田善一君
同 小澤文雄君
同 内藤頼博君
同 野木新一君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=3
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004・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 是より本日の會議を開きます、去る十一日田中館愛橘君より提出せられましたローマ字教育に關する質問主意書に付、其の趣旨を説明致したき旨の申出がございました、仍て此の際發言を許します、田中館愛橘君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=4
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005・会議録情報3
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{左の質問主意書は朗讀を經ざるも參照のため茲に載録す}
ローマ字教育に関する質問主意書
一 今月四日発刊のローマ字運動ニユースに由れば衆議院の有力なる議員数名は決議案を提出して文部省案のローマ字教育を阻止せしめんとしつつあるに顧みて、文部省は学校にローマ字教育の通牒を差控へ居ると云ふ。之は果して事実なりや。
二 ヘボン式ローマ字綴り方主張者中に日本式綴り方を公用より一掃せんとするものあり。若し之が実現せば、日本國憲法第九十八條第二項に牴触する処なきか。
備考 昭和三年より同五年に至る万國船舶信号改訂会議に於て日本地名綴り方は日本式を採用する事に決定せり。
右議院法第四十八條により質問に及び候也
昭和二十二年三月十一日
提出者 田中館愛橘
賛成者
公爵 岩倉具榮 侯爵 中御門經恭
伯爵 林博太郎 伯爵 二荒芳徳
伯爵 南部利英 大谷正男
子爵 松平乘統 子爵 秋田重季
子爵 三島通陽 子爵 入江爲常
子爵 三浦矢一 子爵 土屋尹直
子爵 三宅直胖 子爵 植松雅俊
子爵 牧野忠永 子爵 井上勝英
白澤保美 小山松吉
林春雄 河井彌八
佐々木惣一 羽田亨
村上恭一 男爵 高崎弓彦
黒田英雄 田所美治
野村嘉六 坂田幹太
岸本彦衞 橋本萬右衞門
伊藤豐次
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〔田中館愛橘君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=5
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006・田中館愛橘
○田中館愛橘君 質問の趣旨を説明致します、現在世界の大難局は、若しも科學的兵器が更に烈しいものが出來まして、勝手に之を濫用さるるならば、人類文化全滅の危機に脅かされて居ると思ひます、此の先如何なるものが何處で出來るか分りませぬ、故人も「非常の難を解く者は常道を以て處すべからず、非常の行を爲す者は常眼を以て見るべからず」と申しましたが、正に斯くの如き時代であらうかと思ひます、此の時期に於きまして、我々憲法に於て陸海軍を全廢したことは、如何にも非常の手段と思ひます、列國に先んじて此の將來の危機を見越して、迚も此の脅威に對してこちらでも對抗するよりは寧ろ之を引倒しにして、全然兵器と云ふものを持てないことにしましたことは非常な決斷であります、併し唯是だけに止つては相成りませぬ、此の善後の道をしつかりとし、文化を進めて、如何にも此の非常手段は、眞の國民の誠意に出でたことを表明しなければならぬと思ひます、質問の趣意書に書きましたニユースには歴々の政黨の主腦者である所の衆議院代議士諸君が決議案を提出して、文部省のローマ字教育方針と止めさせようと云ふことが書いてありました、まだ出ないやうでもありまするし、或はおやりになつたかも知れませぬが、少くも其處に連名してありました諸君の一部分には、同樣の心構への方があらうと思ひますが、文部當局に於かれましても、是等の方々の蒙を啓く爲には相當の御盡力が要ることと思ひます、前の歐洲大戰の前後から今度の世界戰亂に至る大筋を纒めて眺めて見ますれば、精神文化が物質文化に遲れまして、之に伴はなかつた自然の成行きに依る當然の大改革に至つたものと思ひます、是の解決にはどうしても精神文化を引上げて物質文化に融け合せなければ永遠の平和は望まれまいと信じます、固より物質文化は精神文化の具體的現れに外ならぬのでありますから、詰り其の偏つた所を矯めるには、精神方面一般の教育を進めて、物質文化に副ひ合せることが根本問題であります、而して文化を進める基礎的の役割をするものは人間なる生きものに特に惠まれました所の言語、文字、之を整理改善して諸般の學問を進め、それと共に思想意思の交換を高め、民族相互ひの了解協調を圖ることであります、曾て之を目的としましてウラピウク、エスペラント等が考へられました、ツアーメンホーフの住んで居りましたビールストツクの町には四つの民族が隣り合つて居りまして、始終爭の絶えないのは、國語が區々で意思が疏通しないことと、之に心付きまして、世界平和の爲にエスペラントを作り始めました、茲にもう一つ注意すべきことは、國語は四つ違つて居るのみならず、之を書きます所の文字も四種類になつて居る、ロシア文字、ヘブライ文字、ドイツの龜の子文字、それにポーランド文字、互に讀むことの出來ない文字を使つて居つたのであります、エスペラントにも色々改良を加へまして、又同種類のものも色々出來ましたが、是は知識階級の一部には行はれましても、一般民衆にはなかなか行はれることは出來ませぬ、飜つてスイスを見ますれば、人口僅かに四百萬位の山國に居りまして矢張り四通りの國語を使つて居ります、フランス、ドイツ、イタリー、ルーマニア語を使つて居りますが、之を記す所の文字は基礎文字の一つのローマ字に統一されて居ります、御承知の如く、スイス國は立派に民衆政治が行はれまして、國内にも國際にも平和を保つて居ります、之に鑑みましても、文字を統一しまして、各國語を自由自在に書き現はして、之を讀んで互ひの理解を進め、又教育を進めますことが、如何に民族の協調に效力あるかが分ります、近年トルコを初めロシアの五十餘りの違つた國語を總てローマ字書きに改めました、此の形勢を見まして、十年餘り前に私もトルコに參りまして、話も聽き、實際も見ました、之を行ひましてから、是等の諸國は全く見違へる程に國情が變りました、眞に是等は常眼以て見るべきでないと思ひます、之に付て言語學界の研究で、舊來の音のみを寫す書き方、或は之をナロー、トランシスクリプシヨンと申します、是は止めてさうして音の言語に於ける活用を書く所のフオノロジー即ちブロード・トランスクリプシヨンを利用しましたことは偉大なる效果を擧げたことと思ひます、是なかりせばロシアの五十餘りの國語を總てローマ字書きにして分り易く讀む風にすることは到底出來なかつたらうと思ひます、私手紙を貰ひましたのに、之に依つて十五ペルセントも文字を節約し、語法文法を簡易化したことを唱へて居ります、曩に此の席に於て前田文相に申上げました通り、若しも明治の初年に西周君が熱心にローマ字論を唱へました時に、一大英斷を以て之を採用し、一般の文化を進め、世界の大勢に通じて居りましたならば、今度の戰爭も或はなしに、濟んだらうかと思はれます、不肖私がローマ字論をすることを條件としまして、國際聯盟の知的協力委員に出ましたことは全く此の意味に過ぎませぬ、日本式やヘボン式などは全く、末の末であります、唯同じローマ字を使ふとするならば、現代言語學界に發達した音素式を採り、一日も早く實行を進める爲であります、例へば鐵道の如き、明治の中頃廣軌鐵道にするか狹軌にするか、即ちブロード・ゲージかナロー・ゲージかと云ふことを盛に論じましたが、或方面からの猛烈なる運動に依つて今の狹い鐵道になつて居ります、若しも是があの時にもつと廣い鐵道がありましたならば、今日の復興事業などは如何に捗つたかと思ひますけれども、今日そんなことを言つても愚痴になります、斯う云ふことを考へましても、只今文字改良に付きまして、殊に將來の國字を目途にしましては、愼重に之を調査すべきであると思ひます、此の機會に於きまして、日本式と云ふ名前に付て一言致したうございます、是は明治三十八年に故田丸博士が私にも相談しまして、英語の英式、フランス語の佛式、ドイツ語の獨式と云ふやうに、日本語を書く式と云ふ意味で日本式と名づけた迄で、恰も日本服とか、日本料理の如き極めて平凡な名前であります、然るに之を嫌ふ一部の人が國粹主義だとか、或は排外的だとか、難癖を付けられましたことは全く意外であります、ヘボン式論者が日本式を嫌ふやうに、日本式の者はヘボン式を嫌ひませぬ、英語方面で之を使ふことに何等の干渉がましいことを爲さぬのみならず、寧ろ之をする必要を認め、機關雜誌ローマ字世界の初めの方に毎號ヘボン式の短い讀み物を載せて、それの使ひ方を説明してあります、訓令式であらうが、文部省式であらうが、日本語の特性に適つて書くものを日本式と呼ぶことは當り前と思ひます、先日文部大臣の御答辯で伺ひました通り、學校では何れの式にも拘泥せず、教へて見て、改めべき所は改めて行くと云ふ御趣意は全く民主主義に適つたものと伺ひました、と申しますのは、多くのローマ字論者の中には未だローマ字文の一篇も書いたことのない者で、啻に世上の風潮に乘つて議論をして居るに過ぎないものもあります、然るに今實際に之を教へて見て教へる者の聲も、習ふ者の聲も聽き入れることは眞に國論に問ふものと思ひます、どうか之を正當に判斷して適當の修正を加へ、一日も早く正字法の確定することを望みます、第二の質問は、日本憲法第九十八條の第二項に牴觸せぬかと云ふ問題であります、此の第二項は「日本國が締結した條約及び確立された國際法規は、これを誠實に遵守することを必要とする。」と、斯樣にあります。處で、昭和三年から同じく五年迄、ロンドンで開かれました萬國船舶信號改訂會議に於て確立されました所の、萬國信號書は日本式で、日本地名を綴ることに決定しまして、大册の信號書が今現に行はれて居ります、念の爲運輸省に問合せました、若し是等反對者の意見が行はれて、日本式が公用より一掃されるやうになりましたならば、信號書の法規が誠實に存置されまいと思はれますが、如何でありませうか、當時右のロンドン會議に列席の我が代表に對し、政府は總理大臣、外務大臣、内務大臣、遞信大臣、海軍大臣の五大臣の連署を以て、昭和三年八月十日の日附で、日本地名の綴り方に、日本式を採用すべきことを訓令しました、會議に於て一般は別條ありませぬのに、唯英國代表は之に異議を唱へました、之に對し我が代表の復命書の二十五枚目の所に書いてありますのは、「日本式の各官廳其の他に於て、用ひらるる状況を詳しく説明し、英國委員を納得せしめて、之を採用することに決定したり、」斯う復命して居ります、是で見ましても、若し日本式を飜して、ヘボン式に戻したとしましても、單に一片の通知書位で濟む問題であるまいと思はれます、船舶信號は忙がしい間に見るものであります、フランス式で讀みましたならば、ヘボン式のチバはシバになり、イチカワはイシカワになり、甚だしき混同を來すことと思います、其の他先に英國が異議を唱へた如く、フランス、イタリー、ノールウエイ等のものは、それぞれの言ひ分を持出しまして、更に國際の紛議を起すではないかと思はれます、其の後千九百二十七年に英、米、佛、伊の地理學協會の協力で、地理學文獻集ビブリオグラフイー・ジオグラフイツクが出版され、日本地名全部日本式で書き、其の他國際海洋學會編輯の海洋學語彙、又航空用語集等同樣であります、是等に關係の諸國も默つて居るまいと思ひます、ロンドン會議の際に私はそこに居りましたから、我が代表の一人に會ひまして、「會議はどうです」と聞きますと、地名の書き方をブロークン・イングリツシユで説明するのは骨が折れますと、言つて居らました、其の不十分な英語の説明でも納得された英國人の態度には敬服致します、此の頃は既に音素式も可なり擴まり、東洋語學校や、ロンドン大學の專門家も、日本式のあることを知り、其の合理性を認めて居りましたから、それ等に顧みる所もあつたかと察せられます、電報に日本式を使ひましたのは、明治以來外務省を初め各商店の電報は大體日本式で字數の節約をして居りました。當時ロンドンに在留の日本人達は、今迄は許して貰ふ態度で、日本式電報を出して居たのが、大手を振つて出せるやうになれば宜いな―と喜んで居りました。序に字數の節約に付て一言御許を願ひますが、ドイツ語の綴りは時々整理されましたが、それでも未だギリシヤから取つたテオリーとかテアテルとか云ふ無聲のhを書かないことにすれば、ベルリンのターゲブラツト、即ち毎日新聞、之の毎年約七十五萬枚の紙が節約されると、ムリーと云ふドイツ人が計算して居ります、私も明治十八年に日本式とヘボン式を比較しまして、日本式は三ペルセント以上字數が節約されることを確めました、併しイエスペルセン教授も言ひます通り、それよりは文法教育に要する精神經濟の方がもつと大きいのでありまして、動詞の活用でも、音便の書き方でも、日本式で唯一つの規則で通るのが、ヘボン式にすれば三通りの規則になることは、是は皆さん御承知の通りであります、今月四日の日本タイムスを見ますと、米國のイエール大學では、日本語を教ふるに日本式を用ひて好成績を擧げて居ることを掲げて居ります、又駐屯軍司令部も、昨年我が訓令式で日本語の會話篇を出版して居ります、英語の世界に擴つて居ることは、ヘボン式論者の言ふ迄もなく能く知れ切つて居ります、併しローマ字の擴つて居る範圍はまだまだ是より廣いのであります、英語の廣く使はれる所、是は特別の業務に當る者の外、先づ中以上の教育ある者、「而して其の中以上の者の」又中以上の者は大抵フランス、ドイツの國語を心得て居ります、唯、我が國は、御承知の如く、國字の教育に時を取られる爲に、外國語は英語の教育のみに止まるものが大多數であります、爲に英語の慣例に準らはないものは總て世界に通用しないやうに思ふのは、誠に遺憾であり、又それで言語文字を論ずる者のあることは國民として恥しくもあります、是等の諸君も、國字問題の如き遠く廣く影響ある問題を論ずるには、今一層見解を擴めて、有合せの文獻だけにでも目を注がれむことを祈ります、駐屯軍でも、私の如き不束者に迄專門家が御尋ね下されまして、今迄三遍程御尋を受けました、ローマ字書きを眞面目に研究され、色々の雜談を交へる間に之を研究さるることは、誠に敬服に堪へませぬ、政府に於かれましても、反對論者には出來るだけ説明を與へ、速かに今學期よりローマ字教育の實行に取掛るやう切に希望致します、現在は漢字制限、假名專用、ローマ字採用の三つが問題になつて居りますが、何れも特殊の便利、特殊の缺點を持つて居ります、是等は次次に順を逐うて行はれるものでなく、皆同時に行はれて行く間に、廣く使はれるものが自然に決ることは、他の物事も同樣であります、恰も闇を照すに、臘燭も瓦斯燈も電氣燈も使はれて居りますが、其の中で廣く明るく照すものは電氣燈である如く、世界に通ずる文字であるローマ字の採用は、國民が世界の仲間入りするのに缺くべからざる文字であることを悟つた以上は、此の機會を外さず大英斷を以て之を促進すること今日にありと信じます、敢て之を政府當局の各位、滿場の同僚諸君に愬へる次第であります(拍手)
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=6
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007・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 日程第一、裁判所法施行法案、政府提出、第一讀會、木村司法大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=7
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008・会議録情報4
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裁判所法施行法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
裁判所法施行法案
裁判所法施行法
第一條(廃止する法律)明治二十三年法律第百六号、大正二年法律第九号、昭和十年法律第三十号、昭和十三年法律第十一号及び違警罪即決例は、これを廃止する。
第二條(從前の裁判所における手続)裁判所構成法による裁判所においてした事件の受理その他の手続は、政令の定めるところによりこれを最高裁判所又は下級裁判所においてした事件の受理その他の手続とみなす。
裁判所法施行の際現に行政裁判所に係属している行政訴訟事件については、行政裁判所にした行政訴訟の提起は、これを東京高等裁判所にした訴の提起とみなす。
第三條(從前の裁判官の地位)裁判所法施行の際現に大審院の裁判官の職に在る者で最高裁判所の裁判官に任命されないものは、判事として東京高等裁判所判事ほ補せられたものとみなす。
裁判所法施行の際現に控訴院の裁判官の職に在る者は、判事として当該控訴院の所在地を管轄する高等裁判所の判事に補せられたものとみなす。
裁判所法施行の際現に裁判所構成法による地方裁判所(以下旧地方裁判所という。)又は区裁判所の裁判官の職に在る者は、判事としてそれぞれ当該旧地方裁判所又は区裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の判事に補せられたものとみなす。
裁判所法施行の際現に旧地方裁判所又は区裁判所に予備判事として勤務する者は、判事補としてそれぞれ当該裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の判事補に補せられたものとみなす。
別に辞令が発せられた場合には、前三項の規定を適用しない。
日本國憲法第百三條但書の裁判官の後任者が任命される場合においてその後任者が第一項乃至第四項の裁判官のうちいずれの裁判官の後任者であるかは、その任命の際最高裁判所がこれを定める。
最高裁判所は、裁判所法施行の後六箇月以内に、前項に規定する後任者として任命されるべき者を日本國憲法第八十條第一項の規定により指名しなければならない。
第四條(閣令による裁判官任命諮問委員会)裁判所法第三十九條第四項の裁判官任命諮問委員会は、同法施行準備のため同法施行前において、閣令の定めるところによりこれを設けることができる。
前項の裁判官任命諮問委員会は、裁判所法施行前にその職務を行うことができる。
第五條(裁判所法第四十一條の大学)裁判所法第四十一條第一項第六号の大学は、学校教育法による大学で大学院の附置されているもの及び大学令による大学とする。
第六條(從前の裁判官の恩給の特例)裁判所法施行の際現に裁判官の職に在つた者で日本國憲法第百三條但書の規定によりその地位を失つたものに支給すべき恩給については、恩給法の規定にかかわらず、法律で特別の定をすることができる。
第七條(その他の事項)この法律に定めるものの外、裁判所法及びこの法律の施行に關し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
この法律は、裁判所法施行の日から、これを施行する。
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〔國務大臣木村篤太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=8
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009・木村篤太郎
○國務大臣(木村篤太郎君) 只今議題となりました裁判所法施行法案の提出理由を御説明申上げます、今囘裁判所法を制定致しまして、現行の裁判所構成法、行政裁判所法を廢止致すことになりましたので、其の爲に必要な經過的處置を定める必要がありまするので、茲に本法案を提出した次第であります、本法案に於きましては、通常裁判所及び行政裁判所の事件の處理と、現職の裁判官の地位に付きまして經過的な規定を設け、其の他若干の基本的、原則的な事項を定めます、附屬的な事項に付きましては、之を總て政令で定めることと致して居るのであります、尚現行の裁判所管轄區域に關する法律、違警罪即決例、行政官廳の違法處分に關する行政裁判の件等の若干の法律の廢止のことも定めて居るのであります、以上が本法案の概略でございます、何卒愼重御審議の上、速かに御協贊を賜らむことを御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=9
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010・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました裁判所法施行法案は、裁判所法案特別委員會に併託せられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=10
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011・梅園篤彦
○子爵梅園篤彦君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=11
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012・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=12
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013・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=13
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014・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 日程第二、日本銀行法の一部を改正する等の法律案、日程第三、金融機關債券發行特例法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、是等の兩案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=14
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015・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 御異議ないと認めます、北村大藏政務次官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=15
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016・会議録情報5
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日本銀行法の一部を改正する等の法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
日本銀行法の一部を改正する等の法律案
日本銀行法の一部を次のように改正する。
第十六條中「勅裁ヲ經テ政府」を「内閣ニ於テ」に改める。
第三十條第一項中「主務大臣ハ」の下に「通貨發行審議會ノ議決ニ基キ閣議を經テ」を加える。
第三十一條 日本銀行ハ必要アリト認ムルトキハ前條第一項ノ發行限度ヲ超エテ銀行券ヲ發行スルコトヲ得但シ十五日ヲ超エ其ノ發行ヲ繼續セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
日本銀行前項ノ規定に依リ三十日ヲ超エテ前條第一項ノ發行限度ヲ超ユル銀行券ノ發行ヲ繼續セントスル場合ニ於テ主務大臣前項但書ノ認可ヲ爲スニハ通貨發行審議會ノ議決ニ基クコトヲ要ス
第三十一條ノ二 日本銀行ハ十五日ヲ超エテ發行限度ヲ超ユル銀行券ノ發行ヲ繼續シタル場合ニ於テハ十六日以後ノ發行限度ヲ超ユル銀行券ノ發行高ニ對シ其ノ日數ニ應ジ主務大臣ノ定ムル割合ヲ以テ發行税ヲ納ムベシ但シ其ノ割合ハ通貨發行審議會ノ議ヲ經テ主務大臣ノ定ムル割合ヲ下ルコトヲ得ズ
第三十二條に次の一項を加える。
主務大臣ハ通貨發行審議會ノ議決ニ基キ第二項第一號乃至第四號及第四項ニ掲グルモノニ付各別ニ保證ニ充ツルコトヲ得ル金額ノ限度ヲ定ムベシ
第四章に次の一條を加える。
第三十六條ノ二 通貨發行審議會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九條第三項を次のように改める。
日本銀行ハ剩餘金中ヨリ拂込出資金額ニ對シ配當ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ但シ其ノ配當ハ年五分ノ割合ヲ超ユルコトヲ得ズ
同條第四項を削り、同條第五項中「第三項」を「前項」に改める。
第四十條 削除
第四十七條中「政府」を「内閣」に改める。
附 則
この法律施行の期日は、各規定につき、勅令でこれを定める。
この法律の施行に関し必要な規定は、勅令でこれを定める。
第三十九條第三項の改正規定並びに附則第五項及び第六項の規定は、昭和二十年四月一日を含む事業年度以後の事業年度につき、これを適用する。
第十六條の改正規定施行の際現に日本銀行の総裁及び副総裁たる者は、その残任期間を限り、改正後の同條の規定により、就職しているものとみなす。
日本銀行は、當分の間、剩余金の配当をしない場合においては、剩余金の金額から日本銀行法第三十九條第一項及び第二項の準備金に相当する金額を控除した金額を、拂込出資金額に対し年五分の割合に相当する金額に達するまで、特別準備金として積み立てなければならない。
日本銀行が剩余金の配当をした場合において、その配当金額が、前項の規定を適用した場合に積み立つべき特別準備金の金額に達しないときは、その差額に相当する金額についても、当分の間、また、前項と同樣とする。
前二項の規定による特別準備金(以下特別準備金という。)は、改正後の日本銀行法第三十九條第四項の規定の適用に関しては、これを改正後の同條第三項の規定による配当金とみなす。
特別準備金は、損失の填補又は主務大臣の定めるその他の目的以外には、これを使用することができない。
当分の間、日本銀行法第三十九條第一項及び第二項の準備金(同條第二項の準備金については、損失の填補又は配当に充てることのできるものに限る。)並びに特別準備金の金額を使用しても、なお毎事業年度に生じた損失を填補するに不足する場合には、政府は、その不足額に相当する金額を補給しなければならない。
日本銀行が解散した場合において、特別準備金があるときは、日本銀行法第十二條第二項の規定にかかわらず、拂込資本金額及び特別準備金の金額の合計額を超える残余財産を以て國庫に帰属するものとする。
日本銀行特別融通及損失補償法の一部を次のように改正する。
第三條中「二十年」を「二十五年」に改める。
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金融機関債券発行特例法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
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金融機関債券発行特例法案
金融機関債券発行特例法
第一條 金融機関再建整備法第十五條第一項に規定する新金融機関(以下新金融機関という。)は、同項に規定する旧金融機関(以下旧金融機関という。)が特別の法令により債券を発行することができるものである場合には、勅令の定めるところにより、当該特別の法令に準じて債券を発行することができる。
第二條 新金融機関が前條の規定により債券を発行しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
第三條 商法第二百九十六條乃至第二百九十八條の規定は、新金融機関が、第一條の規定により発行する債券には、これを適用しない。
第四條 新金融機関が第一條の規定により発行する債券の権利の消滅時効は、元本については十五年、利息については五年で完成する。
第五條 この法律に規定するものを除く外、新金融機関が第一條の規定により発行する債券に関し必要な事項は、勅令でこれを定める。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
旧金融機関が特別の法令によつて発行した債券で、その債務が、金融機関再建整備法に基き新金融機関に移されたものは、これを新金融機関が第一條の規定により発行した債券とみなす。
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〔政府委員北村徳太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=16
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017・北村徳太郎
○政府委員(北村徳太郎君) 只今議題と相成りました日本銀行法の一部を改正する等の法律案外一件に付きまして提案の理由を御説明申上げます、先づ初めに日本銀行法の一部を改正する等の法律案に付説明を致します、申す迄もなく、通貨の増發が物價の騰勢、延いては生産活動及び國民生活の實體に及す影響は極めて甚大なるものがあるのであります、通貨の對策と致しましては、最も愼重を要する點であると存じて居ります、通貨の増發を抑制する爲、政府と致しましては、放出されました通貨吸收の爲に、目下自主的運動として展開されて居りまする貯蓄増強運動の成果に多大の期待を懸けて居ることは勿論でございまするが、財政資金及び産業資金の放出面に於きましても、それぞれ適切なる處置を執つて居るのでございます、即ち財政に付きましては其の健全化、收支の均衡を圖り、赤字財政を極力避ける方針でございまして、明年度豫算も此の線に沿つて編成したのでございます、又事業資金に付きましては、金融機關の運用資金は原則として市中から吸收致しました預貯金等の範圍に限定致し、日本銀行からの借入依存の傾向を排しまして、不急産業に對する資金の貸付は極力之を抑制致しまして、緊要産業に對し重點的に融資することと致したのであります、之に伴ひまして、公債に付きましても、公募主義を採り、已むを得ない赤字公債發行の避け得ない場合と雖も、之の日銀引受に依ることを止めまして、蓄積資金の範圍内に於て公債の消化を圖りたい所在でございます、斯くの如く通貨の過度の膨脹を抑止する爲には、財政金融政策として之に即應せしめることは當然でございまするが、他面通貨の發行自體に付ても其の規正を圖り、其の發行量を我が國現在の經濟的諸情勢に適合したものたらしめる必要があるのであります、是が爲豫てより政府に於ては其の具體的措置を考慮中であつたのでありますが、先般金融制度調査會よりの答申もあり、今般通貨發行審議會を設け、日本銀行券の發行限度等は審議會の議決に基いて之を定めることと致した外、發行制度に付ても若干の改正を加へることとしたのであります、斯くて廣く全般的な經濟情勢に照し、又廣く各界の聲を聞くことに依つて通貨の適正量を定め、其の發行を規正し、以て我が國經濟の健全且圓滑なる發展に資することと致したいと存ずるのであります、尚日本銀行の根本的改革に付ては、目下金融制度調査會に於て調査審議中でありまして、其の答申を得たる後、日本銀行法に根本的な改正を加へることにならうかと存じますが、日本銀行の剩餘金の配當に關する規定日本銀行の正副總裁の任命及び解任に關する規定等に付ては、それぞれ特殊の事情に依りまして、今囘の通貨發行審議會に關する規定と共に、取敢ず其の根本的改革に至る迄の措置として所要の改正を加へ、將來に於ては更に檢討を重ねることと致したいのであります、以上申述べました理由に依りまして、日本銀行法の一部を改正する等の法律案を提案致した次第であります、以下本法案に付て其の内容の主なる點を簡單に説明致します、先づ第一に、通貨發行審議會を設けて所要の事項に付ては其の議決に基いて之を定めることと致し、又之に關聯して日本銀行券の發行制度に必要な改正を加へることと致したのであります、其の一は、主務大臣が銀行券の發行限度を定めるに當つては、通貨發行審議會の議決に基くこととし、又其の事柄の重要性に鑑み、特に閣議を經ることとした點であります、其の二は、限外發行に付きましては、十五日を超える場合に主務大臣の認可を要することとし、又三十日を超える場合に主務大臣が認可をするに際しては通貨發行審議會の議決に基くこととした點であります、其の三は、限外發行が十五日を超える場合には發行税を課することとし、其の最低割合は通貨發行審議會の議を經て主務大臣が定めることとした點であります、其の四は、主務大臣が通貨發行審議會の議決に基いて銀行券の各種の發行保證物件に付てそれぞれ保證に當ることの出來る金額の限度を定めることとした點であります、尚通貨發行審議會に關する規定は別に勅令で之を定めることに致して居ります、第二に、剩餘金の配當の規定に付て改正を加へたのでありますが、昨年九月に施行されました「会社其の他の法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」の趣旨に則り配當保證及び政府に對する劣後配當の規定を削除したのであります、併しながら當分の間毎事業年度に於ける損失を填補するに必要な限度に於ては、政府の補償を實施することと致しました、又特別準備金の制度を設けまして、當分の間剩餘金中の配當を爲さず日本銀行に留保した金額を一定の基準に依りまして此の準備金として積立て、取敢ず損失の填補又は主務大臣の定める其の他の目的の爲に使用することが出來るものと致したのであります、第三に、從來日本銀行の正副總裁は勅裁を經て政府が之を命じ、又特別の事由がございます時は、政府が解任することが出來ることになつて居りましたのを、憲法の改正に伴ひまして、内閣に於て之を命じ、又は解任することと致したのであります、第四に、日本銀行特別融通及び損失補償法中特別融通の期限が二十年でありましたのを二十五年に改めました、以上申述べました如く、只今上程せられました日本銀行法の一部を改正する等の法律案は、現下の經濟事情に鑑みまして、日本銀行券發行の適正を期する等の爲必要なものであります、次に金融機關債券發行特例法案に付御説明を申上げます、特別銀行、金庫等を將來如何なる形のものにするかと云ふ根本的の問題に付きましては、金融制度全般に付て之をどうするかと云ふことと睨み合せまして、目下金融制度調査會に於て調査審議中でございまして、其の根本的な改正は、何れ調査會の答申を得ましてから之を決したいと考へるのであります、併しながら金融機關の再建整備も目下具體的に進行中でありまして、其の過程に於きましては、新勘定の事業を其の第二銀行等に讓り渡す必要のある特別銀行等の生ずることも豫想せられるのでありまするが、斯かる場合にそれが現在債券を發行し、それに依つて所要資金を調達することの出來る特權を賦與されて居るものに付きましては、其の第二銀行等に付て債券發行の特權を暫定的に認める必要があるのであります、以上申述べました理由に依りまして、金融機關債券發行特例法案を提出致した次第であります、以下本法案に付て、其の内容の主なる點を簡單に説明致します、金融機關の再建整備に於て、新勘定の事業を讓り渡す金融機關が、現在特別の法令に依つて債券を發行することが出來るものである場合には、其の新勘定の事業を讓り受ける金融機關は、假令それが普通銀行等現在債券の發行に付て特例を認められて居ない金融機關である場合にも、右の特別の法令に準じて債券を發行することが出來るものと致したのであります、此の場合、金融機關が此の法律に依つて債券を發行するには、商法の一般原則に對し特例を設ける必要がありますので、商法の特則、時效に關する規定等若干の特別規定を設けたのであります、以上申述べました如く、本日上程せられました、金融機關債券發行特例法案は、金融機關の再建整備に於て、債券の發行に關し特例を認められて居る金融機關の新勘定の事業を讓り受ける金融機關に付、債券の發行に關し特例を認める等の爲め必要なものでございます、何卒御審議の上、以上何れも速かに御協贊あらむことを切望致す次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=17
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018・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程せられました日本銀行法の一部を改正する等の法律案外一件は、其の特別委員の數を十九名とし、議長に於て其の指名あられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=18
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019・梅園篤彦
○子爵梅園篤彦君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=19
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020・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=20
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021・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔宮坂書記官朗讀〕
日本銀行法の一部を改正する等の法律案外一件特別委員
公爵 伊藤博精君 侯爵 淺野長武君
伯爵 金子武麿君 大谷正男君
子爵 瀧脇宏光君 子爵 鳥居忠博君
子爵 植松雅俊君 下條康麿君
男爵 八代五郎造君 男爵 渡邊修二君
男爵 松本鼎一君 三浦新七君
黒田英雄君 太田半六君
佐々木嘉太郎君 藍澤彌八君
丹羽彪吉君 原田讓二君
栗栖赳夫君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=21
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022・徳川宗敬
○副議長(伯爵徳川宗敬君) 次會の議事日程は、決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十一時二分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02019470320&spkNum=22
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