1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年三月三十日(日曜日)午前十時十一分開議
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議事日程 第二十八號
昭和二十二年三月三十日
午前十時開議
第一 船舶公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 財政法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 会計法を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 石油配給公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 配炭公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 産業復興公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 貿易公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 價格調整公團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 復興金融金庫法の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十 檢察廳法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十一 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十二 裁判所職員の定員に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十三 裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十四 檢察官の俸給等の應急的措置に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十五 地方競馬法の一部を改正する法律案(衆議院提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=0
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=1
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002・会議録情報2
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〔參照〕
昨二十九日議決ニ係ル議員木下謙次郎君ニ對スル弔辭ハ即日之ヲ贈レリ
同日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
所得税法を改正する法律案特別委員會
委員長 黒田英雄君
副委員長 子爵 綾小路護君
國有財産法の一部を改正する法律案特別委員會
委員長 男爵 北大路信明君
副委員長 子爵 秋田重季君
昭和二十年度第一豫備金支出の件(承諾ヲ求ムル件)特別委員會
委員長 子爵 錦小路頼孝君
副委員長 男爵 前島勘一郎君
國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する法律案特別委員會
委員長 男爵 稻田昌植君
副委員長 伯爵 宗武志君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
檢察官の俸給等の應急的措置に關する法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
船舶公團法案
財政法案
會計法を改正する法律案
石油配給公團法案
配炭公團法案
産業復興公團法案
貿易公團法案
價格調整公團法案
復興金融金庫法の一部を改正する法律案
同日衆議院ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
地方競馬法の一部を改正する法律案
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=2
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003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、日程第一、船舶公團法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、増田運輸大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=3
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004・会議録情報3
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船舶公團法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
船舶公團法案
船舶公團法
第一章 総則
第一條 船舶公團は、経済安定本部総務長官の定める海上輸送に関する基本的な政策及び計画に基き、海運の速やかな復興を促進するため、船舶又は船舶用資材の確保又は活用に関する業務を行うことを目的とする。
船舶公團は、法人とする。
第二條 船舶公團は、主たる事務所を東京都に置く。
船舶公團は、主務大臣の認可を受けて、第十六條に規定する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第三條 船舶公團の基本金は、三億円とする。
前項の基本金は、政府が全額こたを出資しなければならない。
船舶公團の運営資金は、必要があるときには、復舊金融金庫から借り入れるものとする。
第四條 船舶公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第五條 船舶公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第六條 船舶公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、船舶公團の事業に対しては、地方税を課することができない。但し、特別の事情に基いて、内務大臣及び大藏大臣の認可を受けた場合にはこの限りでない。
第七條 船舶公團がその業務のため、船舶又は不動産に関する権利の取得又は所有権の保存について登記を受けた場合には、その登録税の額は、船舶又は不動産の價格の千分の一・五とする。
第八條 船舶公團は、経済安定本部総務長官の命令によつて解散する。
前項に定めるものの外、船舶公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第九條 船舶公團でない者は、船舶公團又はこれに類以する名称を用いることができない。
第十條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、船舶公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十一條 船舶公團に、役員として、総裁副総裁各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
総裁は、船舶公團を代表し、第十六條の規定に基き、その業務を総理する。
副総裁は、定款の定めるところにより、船舶公團を代表し、総裁を補佐して船舶公團の業務を掌理し、総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁が欠員のときにはその職務を行う。
理事は、定款の定めるところにより、船舶公團を代表し、総裁及び副総裁を補佐して船舶公團の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、船舶公團の業務を監査する。
第十二條 総裁、副総裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する。
第十三條 総裁、副総裁及び理事は、定款の定めるところにより、船舶公團の職員のうちから、主たる事務所又は從たる事務所の業務に関して、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十四條 船舶公團の役員及び職員は、船舶の製造、修繕若しくは運航を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十五條 船舶公團の役員及び職員は、これを官吏その他の政府職員とする。
総裁たる者は、運輸次官と同級又はこれと同格とし、その他の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たる者は、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、主務大臣がこれを定める。
船舶公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて、給與、服務その他必要な事項に関して特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十六條 船舶公團は、経済安定本部総務長官の定める海上輸送に関する基本的な政策及び計画に基き、主務大臣の監督に從い、左の業務を行う。
一 船舶、船舶用機関及び、ぎ裝品の製造の注文並びに船舶の改造、修繕、引揚又は解体の注文
二 船舶、船舶用機関、ぎ裝品及び船舶用資材の買受又は賣渡並びに船舶の保有又は貸付
三 造船事業用設備の貸付又は賣渡
四 政府の委託による船舶の管理船舶公團の保有又は管理する船舶の運航は、これを契約によつて海運業者に行わせなければならない
第十七條 舶舶公團は、業務開始の際、業務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十八條 船舶公團は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月毎の事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第四章 会計
第十九條 船舶公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第二十條 船舶公團は、前條の各期に財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の承認を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
船舶公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
船舶公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納付しなければならない。
船舶公團は、帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなければならない。
第五章 監督及び助成
第二十一條 経済安定本部総務長官は、海上輸送に関する基本的な政策及び計画に関して、船舶公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、海上輸送に関する基本的な政策及び計画を確保するため必要があると認めるときには、船舶公團に対して、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣は、船舶又は船舶用資材の確保又は活用を図るため必要があるときには、船舶公團に対して、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣又は経済安定本部総務長官は、必要があると認めるときには、船舶公團又は船舶公團から船舶若しくは造船事業用設備の貸付を受け、又は船舶用資材の賣渡を受けた者に対して、報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前項の規定により、当該官吏に臨檢檢査させる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第二十二條 船舶公團は、その役員及び職員に対して、特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十三條 主務大臣は、船舶公團の役員が法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、船舶公團の役員が船舶公團の目的及び業務に関して、その任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任ることができる。
第二十四條 主務大臣は、左に掲げる者に対して、船舶公團が第二十一條第二項の規定による経済安定本部総務長官の命令を実行するにつき必要な協力を命ずることができる。
一 船舶公團の注文により船舶、船舶用機関又は、ぎ裝品の製造をなす者及び船舶公團と共同でその注文をなす者
二 船舶公團の注文により船舶の改造、修繕、引揚又は解体をなす者及びその船舶の所有者又は管理者
三 船舶公團から船舶、船舶用資材又は造船事業用設備の賣渡又は貸付を受けた者
前項の命令により、協力を命ぜられた者が、損失を被つたときには、船舶公團は、その者に対して、協力の終つた日から一箇月以内に、適正な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、前項の補償に関し必要な規定を定めた後でなければ、第一項の命令をなすことができない。
第六章 罰則
第二十五條 前條第一項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六條 左の場合においては、その違反行爲をなした船舶公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十六條に規定しない業務を行つた場合
二 第二十一條第二項又は第三項に規定する経済安定本部総務長官又は主務大臣の監督上の命令に違反した場合
第二十七條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十八條 前三條の罪を犯した者には、情状に因り、懲役及び罰金を併科することができる。
法人(船舶公團を除く。以下同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第二十五條又は前條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して各本條の罰金刑を科する。
第二十九條 第九條の規定に違反して、船舶公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第三十條 この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
第三十一條 政府は、設立委員を命じて、船舶公團の設立に関する事務を処理させる。
第三十二條 設立委員は、定款を作成して、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
前項の認可があつたときには、設立委員は、遅滯なく基本金の拂込を請求しなければならない。
第三十三條 基本金の拂込があつたときには、設立委員は、遅滯なくその事務を船舶公團の総裁に引き継がなければならない。
総裁が前項の事務の引継を受けたときには、総裁、副総裁、理事及び監事の全員は、遅滯なく設立の登記をしなければならない。
船舶公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十四條 船舶公團でない者で、この法律施行の際現に船舶公團又はこれに類似する名称を用いているものについては、この法律施行後六箇月を限り、第九條の規定を適用しない。
第三十五條 船舶公團は、産業設備営團の船舶、船舶用機関、ぎ裝品及び船舶用資材並びに造船事業用設備に関する権利及び義務を承継するものとする。
船舶公團が、前項の規定により承継する権利及び義務の範囲並びに承継に関して必要な事項は、命令でこれを定める。
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〔國務大臣増田甲子七君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=4
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005・増田甲子七
○國務大臣(増田甲子七君) 船舶公團法案の提案理由を御説明申上げます、今日我が國経濟が輸送力の逼迫の爲に著しく其の復興を阻害されて居りますることは御承知の通りでございます、殊に海上輸送に付きましては、今次の戰爭に依りまして保有船舶の大半を喪失し、全く壞滅的に等しい状態となりました、從つて今日の如く極度に生産が低下して居りまする状況に於きましても、所要の海上輸送を完遂致します爲には、異常なる努力を要する所でございます、況してや今後生産の囘復に伴ひ、海上荷動が増加致しまするに於ては、今日の輸送力を以てしては到底之が圓滑なる處理を期待することを得ないのでございます、從つて今後に於ける物資の出廻りも海上輸送に制約せられて圓滑を缺くに至り、折角の生産囘復も所期の成果を收め得ざるに至り、延いては我が國經濟の復興を遲延せしめる虞なしとしないのでございます、一方、今日の海上運賃と新造船價との間には異常なる不均衡が存在し、且海運界が軍需補償の打切に依つて、他産業には見られない甚大な損失を蒙りました爲、我が國海運界の自力を以てしては、船腹の増強を圖ることは勿論、現在の遊休船舶を稼動せしめる爲必要なる修理を施すことすら容易に之を行ひ得ない状況であります、斯樣な状態に於きまして輸送力の緊急増強を圖りまする爲には、國家的に所要の調整措置を講ずることが絶對的に必要であると認められまするので、新たに國策遂行機關たる船舶公團を設立し、運賃と新造船價及び修繕料との間の不均衡は船舶共有の方式に依つて之を調整し、以て船腹の急速なる増強に資することと致した次第であります、船舶公團の業務の主なるものと致しましては、終戰當時より工事繼續中の船舶の建造に關する業務を産業設備營團より承繼して、之が急速なる完成を圖りますると共に、非能率船の改造、沈沒船の引揚、不良船の解體及び代船の建造等當面の輸送力増強の爲必要なる般腹の整備竝に活用に關する業務を行ふことと致して居ります、尚右の如き業務は、國家が其の責任に於て實施すべきものでありまするから、其の業務の運營に當るべき役職員に付きましては、之を政府職員とすることとなつて居りまするが、之が運營に當りましては、民間の知識經驗を十分に活用致したいと考へて居る次第でございます、船舶公團は以上の趣旨に依りまして、我が國の經濟復興に必要不可缺なる輸送力の緊急増強を目的として設立せむとするものでありまして、能ふ限り速かに之が實現を圖る必要があると認められますので、茲に船舶公團設立の根據法律と致しまして、船舶公團法案を提出致しました次第であります、何卒十分御審議の上御協贊あらむことを切に希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=5
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006・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました船舶公團法案は、其の特別委員の數を十九名とし、其の委員の指名を議長に一任するの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=6
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007・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=7
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008・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=8
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009・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔小野寺書記官朗讀〕
船舶公團法案特別委員
侯爵 東郷彪君 侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 後藤一藏君 伯爵 金子武麿君
子爵 柳澤光治君 子爵 瀧脇宏光君
子爵 牧野忠永君 男爵 松田正之君
男爵 肝付兼英君 男爵 内田敏雄君
中村藤兵衞君 田部長右衞門君
竹中藤右衞門君 渡邊 三郎君
塩田團平君 岸本彦衞君
杤木嘉郎君 小汀利得君
村上巧兒君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=9
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010・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 今日副島千八君より、都合に依り檢察廳法案外七件の特別委員を辭任致したき旨の申出がありました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=10
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011・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、就きましては其の補充として牧野英一君を指名致します
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=11
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012・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第二、財政法案、日程第三、會計法を改正する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會是等の兩案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=12
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013・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、北村大藏政務次官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=13
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014・会議録情報4
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財政法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
財政法案
財政法目次
第一章 財政総則
第二章 会計区分
第三章 予算
第一節 総則
第二節 予算の作成
第三節 予算の執行
第四章 決算
第五章 雜則
財政法
第一章 財政総則
第一條 國の予算その他財政の基本に関しては、この法律の定めるところによる。
第二條 收入とは、國の各般の需要を充たすための支拂の財源となるべき現金の收納をいい、支出とは、國の各般の需要を充たすための現金の支拂をいう。
前項の現金の收納には、他の財産の処分又は新らたな債務の負担に困り生ずるものをも含み、同項の現金の支拂には、他の財産の取得又は債務の減少を生ずるものをも含む。
なお第一項の收入及び支出には、会計間の繰入その他國庫内において行う移換によるものを含む。
歳入とは、一会計年度における一切の收入をいい、歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう。
第三條 租税を除く外、國が國権に基いて收納する課徴金及び法律上又は事実上國の独占に属する事業における專賣價格若しくは事業料金については、すべて法律又は國会の議決に基いて定めなければならない。
第四條 國の歳出は、公債又は借入全以外の歳入を以て、その財源としなければならない、但し、公共業費、出資金及び貸付金の財源については、國会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を國会に提出しなければならない。
第一項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、國会の議決を経なければならない。
第五條 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、國会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。
第六條 各会計年度において歳入歳出の決算上剩余を生じた場合においては、当該剩余金のうち、二分の一を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剩余金を生じた年度の翌翌年度までに、公債又は借入金の償還財源に充てなければならない。
前項の剩余金の計算については、政令でこれを定める。
第七條 國は、國庫金の出納上必要があるときは、大藏省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる。
前項に規定する大藏省証券及び一時借入金は、当該年度の歳入を以て、これを償還しなければならない。
大藏省証券の発行及び一時借入金の借入の最高額については、毎会計年度、國会の議決を経なければならない。
第八條 國の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変更するには、法律に基くことを要する。
第九條 國の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支拂手段として使用し、又は適正な対價なくしてこれを讓渡し若しくは貸し付けてはならない。
國の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に應じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。
第十條 國の特定の事務のために要する費用について、國以外の者にその全部又は一部を負担させるには、法律に基かなければならない。
第二章 会計区分
第十一條 國の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。
第十二條 各会計年度における経費は、その年度の歳入を以て、これを支弁しなければならない。
第十三條 國の会計を分つて一般会計及び特別会計とする。
國が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するものとする。
第三章 予算
第一節 総則
第十四條 歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。
第十五條 法律に基くもの又は歳出予算の金額の範囲内におけるものの外、國が債務を負担する行爲をなすには、予め予算を以て、國会の議決を経なければならない。
前項に規定するものの外、災害復旧その他緊急の必要がある場合においては、國は毎会計年度、國会の議決を経た金額の範囲内において、債務を負担する行爲をなすことができる。
前二項の規定により國が債務を負担する行爲に因り支出すべき年限は、当該会計年度以降三箇年度以内とする。但し、國会の議決により更にその年限を延長するもの並びに外國人に支給する給料及び恩給、地方公共團体の債務の保証又は債務の元利若しくは利子の補給、土地、建物の借料及び國際條約に基く分担金に関するもの、その他法律で定めるものは、この限りでない。
第二項の規定により國が債務を負担した行爲については、次の常会において國会に報告しなければならない。
第一項又は第二項の規定により國が債務を負担する行爲は、これを國庫債務負担行爲という。
第二節 予算の作成
第十六條 予算は、予算総則、歳入歳出予算及び國庫債務負担行爲とする。
第十七條 衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官及び会計檢査院長は、毎会計年度、その所掌に係る歳入、歳出及び國庫債務負担行爲の見積に関する書類を作製し、これを内閣における予算の統合調整に供するため、内閣に送付しなければならない。
内閣総理大臣及び各省大臣は、毎会計年度、その所掌に係る歳入、歳出及び國庫債務負坦行爲の見積に関する書類を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十八條 大藏大臣は、前條の見積を檢討して必要な調整を行い、歳入、歳出及び國庫債務負担行爲の概算を作製し、閣議の決定を経なければならない。
内閣は、前項の決定をしようとするときは、國会、裁判所及び会計檢査院に係る歳出の概算については、予め衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官及び会計檢査院長に対しその決定に関し意見を求めなければならない。
第十九條 内閣は、國会、裁判所及び会計檢査院の歳出見積を減額した場合においては、國会、裁判所又は会計檢査院の送付に係る歳出見積について、その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに、國会が國会、裁判所又は会計檢査院に係る歳出額を修正する場合における必要な財源についても明記しなければならない。
第二十條 大藏大臣は、毎会計年度、第十八條の閣議決定に基いて、歳入予算明細書を作製しなければならない。
衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計檢査院長並びに内閣総理大臣及び各省大臣(以下各省各廳の長という。)は、毎会計年度、第十八條の閣議決定のあつた概算の範囲内で予定経費要求書及び國庫債務負担行爲要求書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第二十一條 大藏大臣は、歳入予算明細書、衆議院、参議院、裁判所、会計檢査院並びに内閣及び各省(以下各省各廳という。)の予定経費要求書及び國庫債務負担行爲要求書に基いて予算を作成し、閣議の決定を経なければならない。
第二十二條 予算総則には、歳入歳出予算及び國庫債務負担行爲に関する総括的規定を設ける外、左の事項に関する規定を設けるものとする。
一 第四條第一項但書の規定による公債又は借入金の限度額
二 第四條第三項の規定による公共事業費の範囲
三 第五條但書の規定による日本銀行の公債の引受及び借入金の借入の限度額
四 第七條第三項の規定による大藏省証券の発行及び一時借入金の借入の最高額
五 第十五條第二項の規定による國庫債務負担行爲の限度額
六 前各号に掲げるものの外、予算の執行に関し必要な事項
第二十三條 歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質、歳出にあつては、その目的に從つて部に大別し、更に、各部中においてはこれを款項に区分し、又、その收入又は支出に関係のある部局等の組織の別を明らかにしなければならない。
第二十四條 予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上しなければならない。
第二十五條 歳出予算のうち、経費の性質上年度内にその支出を終らない見込のあるものについては、特にその旨を歳入歳出予算に明示し、これを翌年度に繰り越して使用することについて、國会の承認を得ることができる。
第二十六條 國庫債務負担行爲は、事項ごとに、その必要の理由を明らかにし、且つ、行爲をなす年度及び債務負担の限度額を明らかにし、又、必要に應じて行爲に基いて支出をなすべき年度、年限又は年割額を示さなければならない。
第二十七條 内閣は、毎会計年度の予算を、前年度の十二月中に、國会に提出するのを常例とする。
第二十八條 國会に提出する予算には、参考のために左の書類を添附しなければならない。
一 歳入予算明細書
二 各省各廳の予定経費要求書及び國庫債務負担行爲要求書
三 前前年度歳入歳出決算の総計表及び純計表、前年度歳入歳出決算見込の総計表及び純計表並びに当該年度歳入歳出予算の総計表及び純計表
四 國庫の状況に関する前前年度末における実績並びに前年度末及び当該年度末における見込に関する調書
五 國債及び借入金の状況に関する前前年度末における実績並びに前年度末及び当該年度末における現在高の見込及びその償還年次表に関する調書
六 國有財産の前前年度末における現在高並びに前年度末及び当該年度末における現在高の見込に関する調書
七 國が、出資している主要な法人の資産、負債、損益その他についての前前年度、前年度及當該年度の状況に関する調書
八 國庫債務負担行爲で翌年度以降に亘るものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度に亘る事業に伴うものについてはその全体の計画その他事業の進行状況等に関する調書
九 その他財政の状況及び予算の内容を明らかにするため必要な書類
第二十九條 内閣は、予算作成後に生じた事由に基き必要避けることのできない経費若しくは國庫債務負担行爲又は法律上若しくは契約上國の義務に属する経費に不足をも生じた場合に限り、予算作成の手続に準じ、追加予算を作成し、これを國会に提出することができる。
内閣は、前項の場合を除くの外、予算の成立後に生じた事由に基いて、既に成立した予算に変更を加える必要があるときは、その修正を國会に提出することができる。
第三十條 内閣は、必要に應じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを國会に提出することができる。
暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基く支出又はこれに基く債務の負担があるときは、これを当該年度の予算に基いてなしたものとみなす。
第三節 予算の執行
第三十一條 予算が成立したときは、内閣は、國会の議決したところに從い、各省各廳の長に対し、その執行の責に任ずべき歳入歳出予算及び國庫債務負担行爲を配賦する。
前項の規定により配賦する歳入歳出予算は、更に、歳入にあつては、項を目に、歳出にあつては、項を目及び節に区分する。
大藏大臣は、第一項の規定による配賦のあつたときは、会計檢査院に通知しなければならない。
第三十二條 各省各廳の長は、歳出予算については、各項に定める目的の外にこれを使用しすることができない。
第三十三條 各省各廳の長は、歳出予算の定める各項の金額若しくは各部局等の金額を彼此流用することができない。但し、予算の執行上必要がある場合においては、各省各廳内の部局等の間で、政令の定めるところにより、同一名称の項の金額に限り、流用することができる。
各省各廳の長は、目又は節の経費については、政令の定めるところにより、流用することができる。
第一項但書及び前項の規定は、予算において特別の定めをなした場合にはこれを適用しない。
第一項但書及び第二項の規定による流用については、大藏大臣が会計檢査院に通知しなければならない。
第一項但書及び第二項の規定により流用した経費の金額については、歳入歳出の決算において、これを明らかにするとともに、その理由を記載しなければならない。
第三十四條 各省各廳の長は、第三十一條第一項の規定により配賦された予算に基いて、大藏大臣の定める期間に從い支出事務職員及び契約事務職員ごとに、支出の所要額及び國の支出の原因となる契約その他の行爲(以下契約等という。)の所要額を定め、支拂又は契約等の計画に関する書類を作製して、これを大藏大臣に送付し、その承認を経なければならない。
大藏大臣は、國庫金、歳入及び金融の状況並びに経費の支出状況等を勘案して、前項の期間ごとに、支拂又は契約等の計画の承認に関する方針を作製し、閣議の決定を経なければならない。
大藏大臣は、前項の方針に基いて第一項の支拂又は契約等の計画について承認をしたときは、各省各廳の長及び会計檢査院に通知するとともに、支拂計画はこれを日本銀行に通知しなければならない。
第三十五條 予備費は、大藏大臣が、これを管理する。
各省各廳の長は、予備費の使用を必要と認めるときは、理由、金額及び積算の基礎を明らかにした調書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
大藏大臣は、前項の要求を調査し、これに所要の調整を加えて予備費使用書を作製し、閣議の決定を求めなければならない。但し、予め閣議の決定を経て大藏大臣の指定する経費については、閣議を経ることを必要とせず、大藏大臣が予備費使用書を決定することができる。
予備費使用書が決定したときは、当該使用書に掲げる経費については、第三十一條第一項の規定により、予算の配賦があつたものとみなす。
第二項、第三項本文及び前項の規定は、各省各廳の長が第十五條第二項の規定により國庫債務負担行爲をなす場合に、これを準用する。
第三十六條 予備費を以て支弁した全額については、各省各廳の長は、その調書を作製して、次の國会の常会の開会後直ちに、これを大藏大臣に送付しなければならない。
大藏大臣は、前項の調書に基いて予備費を以て支弁した金額の総調書を作製しなければならない。
内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各廳の調書を次の常会において國会に提出して、その承諾を求めなければならない。
大藏大臣は、前項の総調書及び調書を会計檢査院に送付しなければならない。
第四章 決算
第三十七條 各省各廳の長は、毎会計年度、大藏大臣の定めるところにより、その所掌に係る歳入及び歳出の決算報告書並びに國の債務に関する計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
大藏大臣は、前項の歳入決算報告書に基いて、歳入予算明細書と同一の区分により、歳入決算明細書を作製しなければならない。
第三十八條 大藏大臣は、歳入決算明細書及び歳出の決算報告書に基いて、歳入歳出の決算を作成しなければならない。
歳入歳出の決算は、歳入歳出予算と同一の区分により、これを作製し、且つ、これに左の事項を明らかにしなければならない。
(一)歳入
一 歳入予算額
二 徴收決定済額(徴收決定のない歳入については收納後に徴收済として整理した額)
三 收納済歳入額
四 不納欠損額
五 收納未済歳入額
(二)歳出
一 歳出予算額
二 前年度繰越額
三 予備費使用額
四 流用等増減額
五 支出済歳出額
六 翌年度繰越額
七 不用額
第三十九條 内閣は、歳入歳出決算に、歳入決算明細書、各省各廳の歳出決算報告書及び國の債務に関する計算書を添附して、これを翌年度の十一月三十日までに会計檢査院に送付しなければならない。
第四十條 内閣は、会計檢査院の檢査を経た歳入歳出決算を、翌年度開会の常会において國会に提出するのを常例とする。
前項の歳入歳出決算には、会計檢査院の檢査報告の外、歳入決算明細書、各省各廳の歳出決算報告書及び國の債務に関する計算書を添附する。
第四十一條 毎会計年度において、歳入歳出の決算上剩余を生じたときは、これをその翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
第五章 雜則
第四十二條 毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。但し、歳出予算のうち、第二十五條の規定により繰越について國会の承認を得た経費の金額及び年度内に契約等をなし避け難い事故のため年度内に支出を終らなかつた経費の金額は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
第四十三條 各省各廳の長は、前條の規定による繰越を必要とするときは、繰越計算書を作製し、事項ごとに、その事由及び金額を明らかにして、大藏大臣の承認を経なければならない。
前項の承認があつたときは、当該経費については、第三十一條第一項の規定により、予算の配賦があつたものとみなす。
第四十四條 國は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる。
第四十五條 各特別会計において必要がある場合には、その法律の規定と異なる定めをなすことができる。
第四十六條 内閣は、予算が成立したときは、直ちに予算、前前年度の歳入歳出決算並びに公債、借入金及び國有財産の現在高その他財政に関する一般の事項について、印刷物、講演その他適当な方法で國民に報告しなければならない。
前項に規定するものの外、内閣は、少くとも毎四半期ごとに、予算使用の状況、國庫の状況の他財政の状況について、國会及び國民に報告しなければならない。
第四十七條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令で、これを定める。
附 則
第一條 この法律は、昭和二十二年四月一日から これを施行する。但し、第十七條第一項、第十八條第二項、第十九條、第三十條、第三十一條、第三十五條並びに第三十六條の規定は、日本國憲法施行の日から、これを施行し、第三條、第十條及び第三十四條の規定の施行の日は、政令でこれを定める。
第四條及び第五條の規定は、昭和二十三年度以後の会計年度の予算に計上される公債又は借入金について、第七條、第三章の規定(第十七條第一項、第十八條第二項、第十九條、第二十八條、第三十條、第三十一條並びに第三十四條乃至第三十六條の規定を除く。)及び第四章の規定は、昭和二十二年度以後の会計年度の予算及び決算について、これを適用する。
第二條 この法律中「國会」、「内閣」、「各省各廳」又は「政令」とあるのは、日本國憲法施行の日までは、これを夫夫「帝國議会」、「政府」、「各省」又は「勅令」と読み替えるものとする。
日本國憲法施行の日までは、第二十條第二項中「衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官及び会計檢査院長並びに内閣総理大臣及び各省大臣(以下各省各廳の長という。)」とあるのは「各省大臣」、第二十一條中「衆議院、参議院、裁判所及び会計檢査院並びに内閣及び各省(以下各省各廳という。)」とあるのは「各省」と読み替えるものとする。
第三條 この法律施行前になした予備費の支出並びに昭和二十年度及び同二十一年度の決算に関しては、なお從前の例による。
第四條 從來予算外國庫の負担となるべき契約に関する件として帝國議会の協賛を経た事項は、日本國憲法施行後においては、國庫債務負担行爲となるものとする。但し、この場合においては、改正後の第十五條第三項の規定は、これを適用しない。
第五條 左に掲げる法令は、これを廃止する。
明治四十四年法律第二号(公共團体に対する工事補助費繰越使用に関する法律)
明治五年太政官布告第十七号(政府に対する寄附に関する件)
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会計法を改正する法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
会計法を改正する法律案
会計法目次
第一章 総則
第二章 收入
第三章 支出及び債務の負担
第一節 総則
第二節 債務の負担
第三節 支出
第四節 支拂
第四章 契約
第五章 時効
第六章 國庫金及び有價証券
第七章 出納官吏
第八章 雜則
会計法
第一章 総則
第一條 一会計年度に属する歳入歳出の出納に関する事務は、政令の定めるところにより、翌年度七月三十一日までに完結しなければならない。
歳入及び歳出の会計年度所属の区分については、政令でこれを定める。
第二條、各省各廳の長(財政法第二十條第二項に規定する各省各廳の長をいう。以下同じ。)は、その所掌に属する收入を國庫に納めなければならない。直ちにこれを使用することはできない。
第二章 收入
第三條 租税その他の歳入は、法令の定めるところにより、これを徴收又は收納しなければならない。
第四條 大藏大臣は、歳入の徴收及び收納に関する事務の一般を管理し、各省各廳の長は、その所掌の歳入の徴收及び收納に関する事務を管理する。
第五條 租税その他の歳入は、官吏(國会の職員を含む。以下同じ。)で、法令の定めるところにより、これを徴收する資格を有する者(以下歳入徴收官という。)でなければ、これを徴收することができない。
第六條 歳入徴收官は、租税その他の歳入を徴收するときは、これを調査決定し、債務者に対して納入の告知をしなければならない。
第七條 租税その他の歳入は、出納官吏でなければ、これを收納することができない。但し、出納員に收納の事務を分掌させる場合又は日本銀行に收納の事務を取り扱わせる場合はこの限りでない。
出納官吏又は出納員は、租税その他の歳入の收納をしたときは、遅滯なく、その收納金を日本銀行に拂い込まなければならない。
第八條 歳入の徴收の職務は、現金出納の職務と相兼ねることができない。但し、特別の必要がある場合においては、政令で特例を設けることができる。
第九條 出納の完結した年度に属する收入その他予算外の收入は、すべて現年度の歳入に組み入れなければならない。但し、支出済となつた歳出の返納金は、政令の定めるところにより、各各支拂つた歳出の金額に戻入することができる。
第三章 支出及び債務の負担
第一節 総則
第十條 各省各廳の長は、その所掌に係る債務の負担及び支出に関する事務を管理する。
第二節 債務の負担
第十一條 契約等(財政法第三十四條第一項に規定する契約等をいう。以下同じ。)は、法令又は予算の定めるところに從い、これをしなければならない。
第十二條 各省各廳の長は、財政法第三十一條第一項の規定により配賦された予算に基いて契約等をなすには、同法第三十四條の規定により承認された契約等の計画に定める金額を超えてはならない。
第十三條 各省各廳の長は、他の官吏に委任して、契約等をさせることができる。
第三節 支出
第十四條 各省各廳の長は、その所掌に属する歳出予算に基いて、支出しようとするときは、財政法第三十四條の規定により承認された支拂計画に定める金額を超えてはならない。
第十五條 各省各廳の長は、その所掌に属する歳出予算に基いて支出しようとするときは、現金の交付に代え、日本銀行を支拂人とする小切手を振り出し、又は大藏大臣の定めるところにより、國庫内の移換のための國庫金振替書(以下國庫金振替書という。)を日本銀行に交付しなけれはならない。
第十六條 各省各廳の長は、債権者のためでなければ小切手を振り出すことはできない。但し、第十七條、第十九條乃至第二十一條の規定により、主任の官吏又は日本銀行に対し資金を交付する場合は、この限りでない。
第十七條 各省各廳の長は、交通通信の不便な地方で支拂う経費、廳中常用の雜費その他経費の性質上主任の官吏をして現金支拂をなさしめなければ事務の取扱に支障を及ぼすような経費で政令で定めるものについては、当該官吏をして現金支拂をなさしめるため、政令の定めるところにより、必要な資金を交付することができる。
第十八條 各省各廳の長は、前條に規定する経費で政令で定めるものに充てる場合に限り、必要已むを得ないときは大藏大臣の承認を経て、会計年度開始前、主任の官吏に対し同條の規定により資金を交付することができる。
大藏大臣は、前項の規定による承認をしたときは、日本銀行及び会計檢査院に通知しなければならない。
第十九條 大藏大臣は、日本銀行をして國債の元利拂の事務を取り扱わしめるため、必要な資金を日本銀行に交付することができる。
第二十條 各省各廳の長は、政令の定めるところにより、現金支拂をなさしめるため、逓信官署その他の官署の当該官吏をしてその保管に係る歳入金、歳出金又は歳入歳出外現金を繰り替え使用せしめることができる。
各省各廳の長は、前項の規定により、歳出金に繰り替え使用した現金を補填するため、その補填の資金を当該官吏に交付することができる。
第二十一條 各省各廳の長は、隔地者に支拂をしようとするときは、必要な資金を日本銀行に交付して、支拂をなさしめることができる。
前項の規定は、隔地の出納官吏に対し第十七條又は前條第二項の規定により資金を交付しようとする場合に、これを準用する。
第二十二條 各省各廳の長は、運賃、傭船料、旅費その他経費の性質上前金又は概算を以て支拂をしなければ事務に支障を及ぼすような経費で政令で定めるものについては、前金拂又は概算拂をすることができる。
第二十三條 各省各廳の長は、逓信官署その他特殊の経理を必要とする官署で政令で定めるものの事務費については、政令の定めるところにより、その全部又は一部を主任の官吏に渡切を以て支給することができる。
第二十四條 各省各廳の長は、他の官吏に委任してその所掌に属する歳出金を支出するため小切手を振り出さしめ又は國庫金振替書を発せしめることができる。
第二十五條 各省各廳の長又はその委任を受けた官吏(以下支出官という。)は、政令の定めるところにより、小切手又は國庫金振替書につき大藏大臣又はその指定する官吏の認証を受けなければならない。
第二十六條 歳出の支出の職務は、現金出納の職務と相兼ねることができる。
第二十七條 過年度に属する経費は、現年度の歳出の金額からこれを支出しなければならない。但し、財政法第三十五條第三項但書の規定により大藏大臣の指定する経費の外、その経費所属年度の毎項金額中不用となつた金額を超過してはならない。
第四節 支拂
第二十八條 日本銀行は、支出官の振り出した小切手の提示を受けた場合において、その小切手が振出日附から十日以上を経過しているものであつても一年を経過しないものであるときは、その支拂をしなければならない。
日本銀行は、第二十一條の規定により、資金の交付を受けた場合においては、支出官がその資金の交付のために振り出した小切手の振出日附から一年を経過した後は、債権者又は出納官吏に対し支拂をすることができない。
第四章 契約
第二十九條 各省各廳において、賣買、貸借、請負その他の契約をなす場合においては、すべて公告して競爭に付さなければならない。但し、各省各廳の長は、競爭に付することを不利と認める場合その他政令で定める場合においては、大藏大臣に協議して、指名競爭に付し又は随意契約によることができる。
第五章 時効
第三十條 金銭の給付を目的とする國の権利で、時効に関し他の法律に規定がないものは、五年間これを行わないときは、時効に因り消滅する。國に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同樣とする。
第三十一條 金銭の給付を目的とする國の権利について、消滅時効の中断、停止その他の事項に関し、適用すべき他の法律の規定がないときは、民法の規定を準用する。國に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同樣とする。
第三十二條 法令の規定により、國がなす納入の告知は、民法第百五十三條(前條において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
第六章 國庫金及び有價証券
第三十三條 各省各廳の長は、法律又は政令の規定によるのでなければ、公有若しくは私有の現金又は有償証券を保管することができない。
第三十四條 日本銀行は、政令の定めるところにより、國庫金出納の事務を取り扱わなければならない。
前項の規定により日本銀行において受け入れた國庫金は、政令の定めるところにより、國の預金とする。
第三十五條 國は、その所有又は保管に係る有價証券の取扱を日本銀行に命ずることができる。
第三十六條 日本銀行は、その取り扱つた國庫金の出納、國債の発行による收入金の收支、第十九條又は第二十一條の規定により交付を受けた資金の收支及び前條の規定により取り扱つた有價証券の受拂に関して、会計檢査院の檢査を受けなければならない。
第三十七條 日本銀行が、國のために取り扱う現金又は有價証券の出納保管に関し、國に損害を與えた場合の日本銀行の賠償責任については、民法及び商法の適用があるものとする。
第七章 出納官吏
第三十八條 出納官吏とは、現金又は物品の出納保管を掌る官吏をいう。
出納官吏は、法令の定めるとこ
ろにより、現金又は物品を出納保管しなければならない。
第三十九條 出納官吏は、各省各廳の長又はその委任を受けた官吏が、これを命ずる。
各省各廳の長又はその委任を受けた官吏が必要があると認めるときは、前項の出納官吏の事務の全部を代理する代理出納官吏又はその事務の一部を分掌する分任出納官吏を命ずることができる。
第四十條 各省各廳の長は、特に必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、各省各廳の事務員をして現金又は物品の出納保管を分掌せしめることができる。
前項の規定により現金又は物品の出納保管に関する事務の分掌を命ぜられた事務員は、これを出納員という。
第四十一條 出納官吏が、その保管に係る現金又は物品を亡失毀損した場合において、善良な管理者の注意を怠つたときは、弁償の責を免れることができない。但し、各省各廳の長の定めた規程により各省各廳の職員の使用に供した物品の亡失毀損について、合規の監督を怠らなかつたことを証明した場合は、その責に任じない。
出納官吏は、單に自ら事務を執らないことを理由としてその責を免れることができない。但し、代理出納官吏、分任出納官吏又は出納員の行爲については、この限りでない。
第四十二條 各省各廳の長は、出納官吏がその保管に係る現金又は物品について、これを亡失毀損したときは、遅滯なく、これを大藏大臣及び会計檢査院に通知しなければならない。
第四十三條 各省各廳の長は、出納官吏の保管に係る現金又は物品の亡失毀損があつた場合においては、会計檢査院の檢定前においても、その出納官吏に対して弁償を命ずることができる。
前項の場合において、会計檢査院が出納官吏に対し弁償の責がないと檢定したときは、その既納に係る弁償金は、直ちに還付しなければならない。
第四十四條 代理出納官吏、分任出納官吏及び出納員は、その行爲については、自らその責に任ずる。
第四十五條 出納官吏に関する規定は、出納員について、これを準用する。
第八章 雜則
第四十六條 大藏大臣は、予算の執行の適正を期するため、各省各廳に対して、收支の実績若しくは見込について報告を徴し、予算の執行状況について実地監査を行い、又は必要に應じ、閣議の決定を経て、予算の執行について必要な指示をなすことができる。
大藏大臣は、予算の執行の適正を期するため、自ら又は各省各廳の長に委任して、工事の請負契約者、物品の納入者、補助金の交付を受けた者(補助金の終局の受領者を含む。)又は調査、試驗、研究等の委託を受けた者に対して、その状況を監査し又は報告を徴することができる。
第四十七條 大藏省、歳入徴收官、各省各廳の長、第十三條の規定により契約等を行うこと委任された官吏、支出官、出納官吏及び出納員並びに日本銀行は、政令の定めるところにより、帳簿を備え、且つ、報告書及び計算書を作製し、これを大藏省又は会計檢査院に送付しなければならない。
出納官吏、出納員及び日本銀行は、政令の定めるところにより、その出納した歳入金又は歳出金について、歳入徴收官又は支出官に報告しなければならない。
第四十八條 國は、政令の定めるところにより、その歳入、歳出及び契約等に関する事務を、都道府縣の吏員をして取り扱わしめることができる。
前項の規定により、歳入、歳出及び契約等に関する事務を取り扱う都道府縣の吏員については、歳入徴收官、支出官、第十三條の規定により契約等を行うことを委任された官吏及び出納官吏に関する規定を準用する。
第四十九條 第十五條の規定は、各省各廳の長又はその委任を受けた官吏が、歳出金の支出によらない國庫金の拂出をする場合について、これを準用する。
第五十條 この法律施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第一條 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。但し、第七章及び第四十八條の規定は、日本國憲法施行の日から、これを施行し、第十二條、第十四條及び第二十五條の規定並びにこの法律中國庫金振替書に関する規定施行の日は、各規定について、政令でこれを定める。
第二條 この法律中「政令」とあるのは、日本國憲法施行の日までは、これを「勅令」と読み替えるものとす。
第三條 從前の第一條又は第六條の規定は、昭和二十一年度に属する歳入歳出の出納に関する事務の完結並びに同年度に属する大藏省証券の発行、借入金の借入及びこれらの償還に関しては、この法律施行後においても、なお、その効力を有する。
第四條 從前の第三十五條乃至第三十七條の規定は、日本國憲法施行の日まで、なお、その効力を有する。
第五條 昭和二十年度歳入歳出の決算については、次の会期において國会に提出することができる。
第六條 國の会計経理に関する事項を調査審議しその結果に基いて会計経理に関する必要な改善措置を内閣に建議させるため、臨時に内閣に会計制度調査会を設置する。
調査会は、会長一人及び委員六人以内で、これを組織する。
会長は大藏次官を以てこれに充て、委員は会計檢査院の官吏の中から一人、各省の官吏の中から二人及び学識経驗のある者の中から三人以内を内閣において命ずる。
調査会の事務を整理するため、調査会に、書記若干人を置く。
調査会は各省各廳に対し、その会計経理に関する資料の提出を求め又は報告をさせることができる。
内閣は、第一項の規定により調査会の建議を受けたときは、その建議に基いて、必要な法律案を國会に提出するものとする。この場合においては、調査会の建議に関する文書を参考として添附しなければならない。
調査会の廃止を必要とすることとなつた場合に関し、必要な事項は、法律でこれを定める。
前各項(第六項を除く。)に定めるものの外、調査会に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
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〔政府委員北村徳太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=14
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015・北村徳太郎
○政府委員(北村徳太郎君) 只今議題と相成りました財政法案及び会計法を改正する法律案に付きまして、提案の理由を御説明申上げます、曩に日本國憲法の公布を見、近く之が施行されるに伴ひまして、之に即應致しまして、財政處理に關する制度、殊に豫算制度に付きまして根本的な改正を行ふ必要が起つたのでございますが、又財政の民主化其の他の點から致しましても、現行の諸制度に付て相當の改變を行ふ必要を生じて參つたのでございます、從來豫算其の他財政の處理に關する制度と致しましては、現行憲法の外、會計法、會計規則等の諸法令に依つて處理せられて參つたのでございますが、新しい制度と致しましては、財政處理の基本となるべき諸原則、竝に豫算決算に關する制度とを財政法として綜合統一し、他方收入支出の手續等に關する規定は、會計法に依ることとするを適當と認めまして茲に二つの法案を提出した次第でございます、先づ財政法案に付きまして極めて大體のことを申上げますれば、其の第一は、直接又は間接憲法の改正に依りまして、必要となつた規定でありまして、例へば新たに暫定豫算の制度を設けましたこと、憲法第九十一條の規定との關聯に於きまして、財政状況を國民に周知徹底させる方法を規定したこと、其の他日本國憲法の精神から致しまして、租税以外の權力的課徴金、獨占的政府事業の料金や價格は法律又は國會の議決に基かねばならぬこととしたこと、又國會、裁判所及び會計檢査院の豫算に付きましては、特殊の取扱を定めたこと等が是であります、第二は、財政處理の基本的原則に關する規定でございます、即ち公債又は借入金を財源とする歳出の制限、公債又は借入金の日本銀行の引受の禁止、歳計剩餘金の二分の一以内を公債償還に充てること、債權免除の制限、國の財産の處理に關する制限等の規定でございます、第三は、國の財政統制を強化する爲の規定でございまして、例へば部局等の組織別の豫算編成方法を確立致しましたこと、豫算の執行に付きまして契約等の計畫をも立てねばならぬこととしたこと等は、其の主なるものでございます、第四は、豫算を分り易く致しまして、又其の審議に便ならしめる意味のものでありまして、例へば豫算又は決算に併せて國會に提出する書類を充實したこと、又豫算の形式を改正致しまして、目的別及び組織別の兩面からの區分を明かにしたこと等の措置を講ずることと致したのでございます、次に會計法を改正する法律案に付てでありますが、前に申述べました如く、會計法は收入支出の手續、出納官吏に關する規定等、其の手續方面を規定する法律とすることと致したのでございます、從ひまして現行會計法中にございます是等の規定を以て改正會計法の本體と致したのでございまするが、唯財政法の制定に關聯致しまして新たに規定し、又は現行法上改善を要する點等に付きまして改正を加へたものでございます、即ち契約等の計畫を當該擔任官から提出させること、支出を國の外部に對する支出と、國庫内の移換とに區分し、其の支出方式を改めたこと、小切手に對する認證の制度を創設したこと等が是であります、尚地方制度改正に伴ひまして歳入歳出に付て都道府縣の職員に其の事務を扱はせる必要がございますので、其の規定を設けて居ります、最後に國の會計經理に關する事項を調査審議する爲、内閣に會計制度調査會を設置することとして居ります、是等のことを特に附言申上げます、以上兩法案に付きまして、極く大體を御説明申上げました次第でございますが、何卒御審議の上、速かに御贊成あらむことを切に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=15
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016・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程に上りました財政法案外一件は、國有財産の一部を政正する法律案外九件の特別委員會に併託せられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=16
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017・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=17
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018・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=18
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019・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=19
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020・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第四、石油配給公團法案、日程第五、配炭公團法案、日程第六、産業復興公團法案、日程第七、貿易公團法案、日程第八、價格調整公團法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、是等の五案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=20
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021・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないものと認めます、石井商工大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=21
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022・会議録情報5
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石油配給公團法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
石油配給公團法案
石油配給公團法
第一章 総則
第一條 石油配給公團は、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に從い、品質、種類又は産地の如何にかかわらず、別表に掲げる石油類(以下單に石油類という。)の適正な配給に関する業務を行うことを目的とする。
石油配給公團は、法人とする。
第二條 石油配給公團は、主たる事務所を東京都に置く。
石油配給公團は、主務大臣の認可を受けて、配給に関する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第三條 石油配給公團の基本金は、六千万円とする。
前項の基本金は、政府が全額これを出資しなければならない。
石油配給公團の運営資金は、必要があるときには、復興金融金庫から借り入れるものとする。
第四條 石油配給公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第五條 石油配給公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第六條 石油配給公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、石油配給公團の事業に対しては、地方税を課することができない。但し、特別の事情に基いて、内務大臣及び大藏大臣の認可を受けた場合にはこの限りでない。
第七條 石油配給公團は、臨時物資需給調整法の失効又は経済安定本部総務長官の命令によつて解散する。
前項に定めるものの外、石油配給公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第八條 石油配給公團でない者は、石油配給公團又はこれに類似する名称を用いることができない。
第九條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、石油配給公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十條 石油配給公團に、役員として、総裁副総裁各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
総裁は、石油配給公團を代表し、第十五條の規定に基き、その業務を総理する。
副総裁は、定款の定めるところにより、石油配給公團を代表し、総裁を輔佐して石油配給公團の業務を掌理し、総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁が欠員のときにはその職務を行う。
理事は、定款の定めるところにより、石油配給公團を代表し、総裁及び副総裁を輔佐して石油配給公團の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、石油配給公團の業務を監査する。
第十一條 総裁、副総裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する。
第十二條 総裁、副総裁及び理事は、定款の定めるところにより、石油配給公團の職員のうちから、主たる事務所又は從たる事務所の業務に関して、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十三條 石油配給公團の役員及び職員は、石油類の生産、精製、保管、加工、賣買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十四條 石油配給公團の役員及び職員は、これを官吏その他の政府職員とする。
総裁たる者は、商工次官と同級又はこれと同格とし、その他の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たる者は、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、主務大臣がこれを定める。
石油配給公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて、給與、服務その他必要な事項に関して特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十五條 石油配給公團は、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続並びにこれらに関する指示に基き、主務大臣の監督に從い、左の業務を行う
一 物價廳の定める價格による石油類の一手買取及び一手賣渡
二 石油類の保管及び加工
三 石油類の配給及びこれに附帶する業務
四 輸送施設の配置及び使用に関する法令に基き石油類の適切な輸送を行うために必要な措置
五 石油類の販賣業者の指定前項第五号の指定は、経済安定本部総務長官の定める條件に基く主務大臣の認可を受けなければならない
第十六條 石油配給公團は、業務開始の際、業務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十七條 石油配給公團は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月毎の事業計画及び資金計画を作製し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長
官にあるものとする。
第四章 会計
第十八條 石油配給公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第十九條 石油配給公團は、前條の各期毎に財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の承認を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
石油配給公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
石油配給公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納付しなければならない。
石油配給公團は、帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなけれはならない。
第五章 監督及び助成
第二十條 経済安定本部総務長官は、割当計画及び配給手続に関して、石油配給公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、石油類の適正な配給を確保するため必要があると認めるときには、石油配給公團に対して、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣は、石油類の適正な配給を確保するため必要があると認めるときには、石油配給公團に対して、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣又は経済安定本部総務長官は、必要があると認めるときには、石油配給公團に対して報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前項の規定により、当該官吏に臨檢檢査させる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第二十一條 石油配給公團は、その役員及び職員に対して、特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十二條 主務大臣は、石油配給公團の役員が法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、石油配給公團の役員が石油配給公團の目的及び業務に関して、その任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任することができる。
第二十三條 主務大臣は、石油配給公團の業務を行うため必要があると認めるときには、石油配給株式会社の清算人に対し、当該会社の所有に属する施設の全部又は一部を、石油配給公團に貸與することを命ずることができる。
主務大臣は、石油配給公團の業務を行うため必要があると認めるときには、石油配給公團に必要な施設の所有者若しくは占有者又は大藏大臣を含む管理者に対して、当該施設を石油配給公團に貸與することを命じ、又は求めることができる。
前二項の規定による施設の使用料は、経済安定本部総務長官がそのあらかじめ定める方針に基いて、適正に定めるものとする。
前項の規定によつて使用料が定められたときには、石油配給公團は、第七條第一項に定められた存続期間を超えない範囲において、経済安定本部総務長官の承認を受けて第一項又は第二項の施設を貸借するものとする。
主務大臣は、石油配給公團の業務を行うため必要があると認めるときには、石油配給株式会社の清算人に対して、当該会社が所有し、又は占有している資材の全部又は一部を石油配給公團に讓り渡し、又は引き渡すことを命ずることができる。
前項の命令があつたときには、石油配給公團は、前項の資材の讓受又は引渡を受けた日から一箇月以内に関係者に対して、正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、前項の補償に関し必要な規程を定めた後でなければ、第五項の命令をなすことができない。
主務大臣は、石油配給公團の業務を行うため必要があると認めるときには、経済安定本部総務長官の定める方針に基き、運輸大臣の同意を得て、必要な輸送施設の所有者若しくは占有者又は運輸大臣を含む管理者に対して、当該輸送施設を石油配給公團の使用に供することを命じ、又は求めることができる。
前項の場合において、石油配給公團は、関係者に対し正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、前項の補償に関し必要な規程を定めた後でなければ、第八項の命令又は要求をなすことができない。
主務大臣は、石油配給公團が賃借した施設を管理し、又は必要があると認めるときには、保險を附する等の措置を石油配給公團にとらしめることに関し、責任あるものとする。
主務大臣は、前各項の実施について石油配給公團又は関係各大臣を含む関係者に対して迅速な措置を命じ、又は求めることができる。
第六章 罰則
第二十四條 前條第一項、第二項、第五項又は第八項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十五條 左の場合においては、その違反行爲をなした石油配給公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十五條第一項に規定しない業務を行つた場合
二 第二十條第二項又は第三項に規定する経済安定本部総務長官又は主務大臣の監督上の命令に違反した場合
第二十六條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十七條 前三條の罪を犯した者には、情状に因り懲役及び罰金を併科することができる。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者がその法人又は人の業務に関して第二十四條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して同條の罰金刑を科する。
第二十八條 第八條の規定に違反して、石油配給公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第二十九條 この法律施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
第三十條 この法律は、昭和二十三年四月一日又は経済安定本部廃止の時の何れか早い時に、その効力を失う。
石油配給公團は、前項の時に解散する。但し、その時までになした行爲に対する罰則の適用及び石油配給公團の清算に関しては、この法律は、その時以後もなほその効力を有する。
第三十一條 石油配給公團が成立したときには、石油配給株式会社は、解散する。
前項の規定による石油配給株式会社の清算は、昭和二十三年四月一日までに結了せしめるものとする。
第三十二條 政府は、設立委員を命じて、石油配給公團の設立に関する事務を処理させる。
第三十三條 設立委員は、定款を作成して、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
前項の認可があつたときには、設立委員は、遅滯なく基本金の拂込を請求しなければならない。
第三十四條 基本金の拂込があつたときには、設立委員は、遅滯なくその事務を石油配給公團の総裁に引き継がなければならない。
総裁が前項の事務の引継を受けたときには、総裁、副総裁、理事及び監事の全員は、遅滯なく設立の登記をしなければならない。
石油配給公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十五條 石油配給公團でない者で、この法律施行の際現に石油配給公團又はこれに類似する名称を用いているものについては、この法律施行後六箇月を限り、第八條の規定を適用しない。
第三十六條 登録税法の一部を、次のように改正する。
第十九條第七号中「蠶絲共同組合」の上に「法令ニ依ル公團、」を、「蠶絲業法」の上に「公團ニ關スル法令、」を加える。
第三十七條 印紙税法の一部を、次のように改正する。
第五條第六号ノ六を次のように改める。
六ノ六 法令ニ依ル公團ノ業務ニ關スル證書帳簿
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配炭公團法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
配炭公團法案
配炭公團法
第一章 総則
第一條 配炭公團は、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に從い、石炭及びコークス並びに別表第一に掲げる亞炭(以下指定亞炭という。)の適正な配給に関する業務を行うことを目的とする。
配炭公團は、法人とする。
第二條 配炭公團は、主たる事務所を東京都に置く。
配炭公團は、主務大臣の認可を受けて、配給に関する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第三條 配炭公團の基本金は、三億円とする。
前項の基本金は、政府が全額これを出資しなければならない。
配炭公團の運営資金は、必要があるときには、復興金融金庫から借り入れるものとする。
第四條 配炭公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第五條 配炭公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第六條 配炭公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、配炭公團の事業に対しては、地方税を課することができない。但し、特別の事情に基いて内務大臣及び大藏大臣の認可を受けた場合にはこの限りでない。
第七條 配炭公團は、臨時物資需給調整法の失効又は経済安定本部総務長官の命によつて解散する。
前項に定めるものの外、配炭公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第八條 配炭公團でない者は、配炭公團又はこれに類似する名称を用いることができない。
第九條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、配炭公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十條 配炭公團に、役員として、総裁副総裁各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
総裁は、配炭公團を代表し、第十五條の規定に基き、その業務を総理する。
副総裁は、定款の定めるところにより、配炭公團を代表し、総裁を補佐して配炭公團の業務を掌理し、総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁が欠員のときにはその職務を行う。
理事は定款の定めるところにより、配炭公團を代表し、総務及び副総裁を補佐して配炭公團の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、配炭公團の業務を監査する。
第十一條 総裁、副総裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する。
第十二條 総裁、副総裁及び理事は、定款の定めるところにより、配炭公團の職員のうちから、主たる事務所又は從たる事務所の業務に関して、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十三條 配炭公團の役員及び職員は、石炭、コークス又は亞炭の生産、選別、保管、加工、賣買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十四條 配炭公團の役員及び職員は、これを官吏その他の政府職員とする。
総裁たる者は、商工次官と同級又はこれと同格とし、その他の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たる者は、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、主務大臣がこれを定める。
配炭公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて、給與、服務その他必要な事項に関して特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十五條 配炭公團は、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続並びにこれらに関する指示に基き、主務大臣の監督に從い。左の業務を行う。
一 物價廳の定める價格による石炭、コークス及び指定亞炭の一手買取及び一手賣渡
二 前号に掲げる物資の保管、檢査及び輸送
三 前各号の事業に附帶する業務
第十六條 配炭公團は、石炭、コークス又は指定亞炭の生産業者からこれらの者が生産したすべての石炭、コークス又は指定亞炭を買い取らなければならない。
配炭公團は山元又は主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて指示する荷渡場所において前項に掲げる物資の荷渡を受けなければならない。
前二項に定めるものの外主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、石炭、コークス又は指定亞炭の買取又は賣渡について必要な事項を定めることができる。
配炭公團は、第二項の規定による荷渡場所において、役員又は職員に荷渡を受ける石炭、コークス又は指定亞炭の品質、数量その他必要な事項について適確な檢査をさせなければならない。
配炭公團は、前項の規定により、役員又は職員に檢査をさせる場合には、命令の定める所により、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第十七條 配炭公團は、業務開始の際、業務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十八條 配炭公團は、毎事業年度の前期及び後期に初において六箇月毎の事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第四章 会計
第十九條 配炭公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第二十條 配炭公團は、前條の各期毎に財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の規定による承認を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
配炭公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
配炭公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納付しなければならない。
配炭公團は、帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなければならない。
第五章 監督及び助成
第二十一條 経済安定本部総務長官は、割当計画及び配給手続に関して、配炭公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、石炭、コークス又は指定亞炭の適正な配給を確保するため必要があると認めるときには、配炭公團に対して、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣は、石炭、コークス又は指定亞炭の適正な配給を確保するため必要があると認めるときには、配炭公團に対して、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣又は経済安定本部総務長官は、必要があると認めるときには、配炭公團に対して報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前項の規定により、当該官吏に臨檢檢査させる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第二十二條 配炭公團は、その役員及び職員に対して、特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において、認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十三條 主務大臣は、配炭公團の役員が法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、配炭公團の役員が配炭公團の目的及び業務に関して、その任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任することができる。
第二十四條 主務大臣は、配炭公團の業務を行うため必要があると認めるときには、日本石炭株式会社、別表第二に掲げる石炭販賣株式会社(以下指定会社という。)又は日本亞炭株式会社の清算人に対し、当該会社の所有に属する施設の全部又は一部を、配炭公團に貸與することを命ずることができる。
主務大臣は、配炭公團の業務を行うため必要があると認めるときには、配炭公團に必要な施設の所有者若しくは占有者又は大藏大臣を含む管理者に対して、当該施設を配炭公團に貸與することを命じ、又は求めることができる。
前二項の規定による施設の使用料は、経済安定本部総務長官が、そのあらかじめ定める方針に基いて適正に定めるものとする。
前項の規定によつて使用料が定められたときには、配炭公團は、第七條第一項に定められた存続期間を超えない範囲において、経済安定本部総務長官の承認を受けて第一項又は第二項の施設を賃借するものとする。
主務大臣は、配炭公團の業務を行うため必要があると認めるときには、第一項に掲げる会社の清算人に対して、当該会社が所有し、又は占有している資材の全部又は一部を配炭公團に讓り渡し、又は引き渡すことを命ずることができる。
前項の命令があつたときには、配炭公團は、前項の資材の讓受又は引渡を受けた日から一箇月以内に関係者に対して、正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて前項の補償に関し必要な規定を定めた後でなければ、第五項の命令をなすことができない。
主務大臣は、配炭公團が賃借した施設を管理し、又は必要があると認めるときには、保險を附する等の措置を配炭公團にとらしめることに関し、責任あるものとする。
主務大臣は、前各項の実施について配炭公團又は関係各大臣を含む関係者に対して迅速な措置を命じ、又は求めることができる。
第六章 罰則
第二十五條 前條第一項、第二項又は第五項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六條 左の場合においては、その違反行爲をなした配炭公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十五條第一項に規定しない業務を行つた場合
二 第二十一條第二項又は第三項に規定する経済安定本部総務長官又は主務大臣の監督上の命令に違反した場合
第二十七條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十八條 前三條の罪を犯した者には、情状に困り、懲役及び罰金を併科することができる。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者がその法人又は人の業務に関して第二十五條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して同條の罰金刑を科する。
第二十九條 第八條の規定に違反して、配炭公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第三十條 この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
第三十一條 石炭及コークス配給統制法及び同法施行令は、配炭公團成立の日においてこれを廃止する。但し、これらの法令廃止以前にこれらの法令に基いてなした行爲に関する罰則の適用については、これらの法令は、その廃止後もなおその効力を有する。
第三十二條 この法律は、昭和二十三年四月一日又は経済安定本部廃止の時の何れか早い時に、その効力を失う。
配炭公團は、前項の時に解散する。但し、その時までになした行爲に対する罰則の適用及び配炭公團の清算に関しては、この法律は、その時以後もなおその効力を有する。
第三十三條 配炭公團が成立したときには、日本石炭株式会社、指定会社及び日本亞炭株式会社は、解散する。
前項の規定による会社の清算は、昭和二十三年四月一日までに結了せしめるものとする。
第三十四條 政府は、設立委員を命じて、配炭公團の設立に関する事務を処理させる。
第三十五條 設立委員は、定款を作成して、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
前項の認可があつたときには、設立委員は、遅滯なく基本金の拂込を請求しなければならない。
第三十六條 出資金の拂込があつたときには、設立委員は、遅滯なくその事務を配炭公團の総裁に引き継がなければならない。
総裁が前項の事務の引継を受けたときには、総裁、副総裁、理事及び監事の全員は、遅滯なく設立の登記をしなければならない。
配炭公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十七條 配炭公團でない者で、この法律施行の際現に配炭公團又はこれに類似する名称を用いているものについては、この法律施行後六箇月を限り、第八條の規定を適用しない。
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産業復興公團決案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
産業復興公團法案
産業復興公團法
第一章 総則
第一條 産業復興公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な産業政策及び産業計画に從い、産業設備又は資材の整備又は活用を図り、以て産業の速かな復興を促進することを目的とする。
産業復興公團は、法人とする。
第二條 産業復興公團は、主たる事務所を東京都に置く。
産業復興公團は、主務大臣の認可を受けて、第十六條に規定する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第三條 産業復興公團の基本金は、二億円とする。
前項の基本金は、政府が全額これを出資するものとする。
産業復興公團の運営資金は、必要があるときには、復興金融金庫から借り入れるものとする。
第四條 産業復興公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第五條 産業復興公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第六條 産業復興公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、産業復興公團の事業に対しては、地方税を課することができない。但し、特別の事情に基いて内務大臣の及び大藏大臣の認可を受けた場合にはこの限りでない。
第七條 産業復興公團が第十六條に規定する業務のため、不動産に関する権利の取得又は所有権の保存について登記を受けた場合には、その登録税の額は、不動産の價格の千分の一・五とする。
第八條 産業復興公團は、経済安定本部総務長官の命令によつて解散する。
経済安定本部総務長官は、前項の命令をなす場合には、主務大臣にはからなければならない。この場合において命令の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
前項に定めるものの外産業復興公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第九條 産業復興公團でない者は、産業復興公團又はこれに類似する名称を用いることができない。
第十條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、産業復興公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十一條 産業復興公團に、役員として、総裁副総裁各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
総裁は、産業復興公團を代表し、第十六條の規定に基き、その業務を総理する。
副総裁は、定款の定めるところにより、産業復興公團を代表し、総裁を補佐して産業復興公團の業務を掌理し、総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁が欠員のときにはその職務を行う。
理事は、定款の定めるところにより、産業復興公團を代表し、総裁及び副総裁を補佐して公團の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故のあるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、産業復興公團の業務を監査する。
第十二條 総裁、副総裁、理事及び監事は、主務大臣がこれを任命する。
第十三條 総裁、副総裁及び理事は、定款の定めるところにより、産業復興公團の職員のうちから、主たる事務所又は從たる事務所の業務に関して、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十四條 産業復興公團の役員及び職員は、産業復興公團から産業設備又は資材の貸付を受ける会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十五條 産業復興公團の役員及び職員は、これを官吏その他の政府職員とする。
総裁たる者は、親任の待遇とし、総裁以外の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たるは、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、主務大臣がこれを定める。
産業復興公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて、給與、服務その他必要な事項に関して特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十六條 産業復興公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な産業政策及び産業計画に基いて主務大臣のなす指導及び監督に從い、左の業務を行う。
一 経済安定本部総務長官が定める方策に基く産業設備の建設及びその貸付又は賣渡
二 経済安定本部総務長官の定める方策に基く産業設備又は資材の買受及びその貸付又は賣渡
三 前二号に掲げるものの外、経済安定本部総務長官の指定する業務
第十七條 産業復興公團は、業務開始の際、業務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十八條 廃業復興公團は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月毎の事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第四章 会計
第十九條 産業復興公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第二十條 産業復興公團は、前條の各期毎に財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の承認を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
産業復興公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
産業復興公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納入しなければならない。
産業復興公團は、その帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなければならない。
第五章 監督及び助成
第二十一條 経済安定本部総務長官は、その基本的な産業政策及び産業計画に関して産業復興公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、産業の速かな復興を図るため必要があると認めるときには、産業復興公團に対して、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣は、産業の速かな復興を図るため必要があると認めるときには、産業復興公團に対して、経済安定本部総務長官の定める基本的な産業政策及び産業計画に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣又は経済安定本部総務長官は、必要があると認めるときには、産業復興公團又は産業復興公團から産業設備若しくは資材の貸付を受ける者に対して、報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前項の規定により、当該官吏に臨檢檢査させる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第二十二條 産業復興公團は、その役員及び聯員に対して、特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十三條 主務大臣は、産業復興公團の役員が法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、産業復興公團の役員が産業復興公團の目的及び業務に関して、その任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任することができる。
第二十四條 主務大臣は、産業復興公團の業務を行うため必要があると認めるときには、産業設備営團の清算人に対し、当該営團の所有に属する施設の全部又は一部を、産業復興公團に貸與することができる。
主務大臣は、産業復興公團の業務を行うため必要があると認めるときには、産業復興公團に必要な施設の所有者若しくは占有者又は大藏大臣を含む管理者に対して、当該施設を産業復興公團に貸與することを命じ、又は求めることができる。
前二項の規定による施設の使用料は、経済安定本部総務長官がそのあらかじめ定める方針に基いて、適正に定めるものとする。
前項の規定によつて使用料が定められたときには、産業復興公團は、第八條第一項に定められた存続期間を超えない範囲において、経済安定本部総務長官の承認を受けて、第一項又は第二項の施設を賃借するものとする。
主務大臣は、産業復興公團の業務を行うため必要があると認めるときには、産業設備営團の清算人に対して、当該営團が所有し、又は占有している資材の全部又は一部を、産業復興公團に讓り渡し、又は引渡すことを命ずることができる。
前項の命令があつたときには、産業復興公團は、前項の資材の讓受又は引渡を受けた日から一箇月以内に、関係者に対して正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定総務長官の承認を受けて、前項の補償に関し必要な規程を定めた後でなければ、第五項の命令をなすことができない。
主務大臣は、産業復興公團の業務を行うため必要があると認めるときには、経済安定本部総務長官の定める方針に基き、運輸大臣の同意を得て、必要な輸送施設の所有者若しくは占有者又は運輸大臣を含む管理者に対して、当該輸送施設を産業復興公團の使用に供することを命じ、又は求めることができる。
前項の場合において、産業復興公團は、関係者に対して正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、前項の補償に関し必要な規程を定めた後でなければ、第八項の命令又は要求をなすことができない。
主務大臣は、産業復興公團が賃借した施設を管理し、又は必要があると認めるときには、保險を附する等の措置を産業復興公團にとらしめることに関し、責任あるものとする。
主務大臣は、前各項の実施について産業復興公團又は関係各大臣を含む関係者に対して迅速な、措置を命じ、又は求めることができる。
第六章 罰則
第二十五條 前條第一項、第二項、第五項又は第八項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六條 左の場合においては、その違反行爲をなした産業復興公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十六條に規定されていない業務を行つた場合
二 第二十一條第二項又は第三項に規定する経済安定本部総務長官又は主務大臣の監督上の命令に違反した場合
第二十七條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十八條 前三條の罪を犯した者には、懲役及び罰金を併科することができる。
法人(産業復興公團を除く。以下同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者がその法人又は人の業務に関して第二十五條又は前條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して各本條の罰金刑を科する。
第二十九條 第九條の規定に違反して、産業復興公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第三十條 この法律施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
第三十一條 産業復興営團法(以下旧法という。)は、これを廃止する。但し、旧法に基いてなした行爲に関する罰則の適用については、旧法は、その廃止後もなおその効力を有する。
第三十二條 旧法による産業復興営團は、第三十三條乃至第三十七條の規定により、この法律による産業復興公團になるものとする。
第三十三條 主務大臣は、改組委員を命じて、産業復興営團を産業復興公團にするために必要な事務を処理させる。
第三十四條 改組委員は、定款を作成して、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
第三十五條 産業復興営團に対する政府の出資は、これを第三條第二項の規定による産業復興公團に対する政府の出資に引き当てるものとする。
第三十六條 第三十四條の認可があつたときには、改組委員は、遅滯なくその事務を産業復興公團総裁に引き継がなけれはならない。
総裁が前項の事務の引継を受けたときには、総裁、副総裁、理事及び監事の全員は、遅滯なく設立の登記をしなけれはならない。
産業復興公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十七條 産業復興公團の成立により、産業復興営團はこれに吸收されるものとし、産業復興営團の一切の権利義務は、この法律の規定に基き、産業復興公團において承継する。
第三十八條 産業復興公團でない者で、この法律施行の際現に産業復興公團又はこれに類似する名称を用いているものについては、この法律施行後六箇月を限り、第九條の規定を適用しない。
第三十九條 登録税法の一部を、次のように改正する。
第十九條第七号中「産業復興営團、」及び「産業復興営團法、」を削る。
第四十條 印紙税法の一部を、次のように改正する。
第五條の六の五の二を削る。
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貿易公團法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
貿易公團法案
貿易公團法
第一章 総則
第一條 貿易公團は、経済安定本部総務長官の定める輸出入に関する基本的な政策及び計画に基き、主務大臣の定める輸出入計画及び輸出入手続に從い、輸出入に関する業務を行うことを目的とする。
貿易公團は、法人とする。
第二條 貿易公團の種類は、左の通りとする。
鉱工品貿易公團
纖維貿易公團
食糧貿易公團
原材料貿易公團
前項の貿易公團の取り扱う物品の種類は、命令で、これを定める。
第三條 貿易公團は、主たる事務所を東京都に置く。
貿易公團は、主務大臣の認可を受けて、輸出入に関する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第四條 貿易公團の基本金は、左の通りとする。
鉱工品貿易公團 千五百万円
纖維貿易公團 三千万円
食糧貿易公團 千五百万円
原材料貿易公團 二千万円
前項の基本金は、政府が全額これを出資しなければならない。
貿易公團の運営資金は、必要があるときには、貿易資金から借り入れるものとする。
第五條 貿易公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第六條 貿易公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第七條 貿易公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、貿易公團の事業に対しては、地方税を課することができない。但し、特別の事情に基いて、内務大臣及び大藏大臣の認可を受けたときにはこの限りでない。
第八條 貿易公團は、臨時物資需給調整法の失効又は経済安定本部総務長官の命令によつて解散する。
前項に定めるものの外、貿易公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第九條 貿易公團でない者は、貿易公團又はこれに類似する名称を用いることができない。
第十條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、貿易公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十一條 貿易公團に、役員として理事長副理事長各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
理事長は、貿易公團を代表し、第十六條の規定に基き、その業務を総理する。
副理事長は、定款の定めるところにより、貿易公團を代表し、理事長を補佐して貿易公團の業務を掌理し、理事長に事故のあるときには、その職務を代理し、理事長が欠員のときにはその職務を行う。
理事は、定款の定めるところにより、貿易公團を代表し、理事長及び副理事長を補佐して貿易公團の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故のあるときには、その職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、貿易公團の業務を監査する。
第十二條 理事長、副理事長、理事及び監事は、主務大臣が任命する。
第十三條 理事長、副理事長及び理事は、定款の定めるところにより、貿易公團の職員のうちから主たる事務所又は從たる事務所の業務に関し、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十四條 貿易公團の役員及び職員は、輸出入に関する業務を営む会社の株式を所有し、又はこれら会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十五條 貿易公團の役員及び職員は、これを官吏その他の政府職員とする。
理事長たる者は、貿易廳局長と同級又はこれと同格とし、その他の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たる者は、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、主務大臣がこれを定める。
貿易公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が、経済安定本部総務長官の承認を受けて、給與、服務その他の必要な事項に関して、特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十六條 貿易公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に基き、主務大臣の監督に從い、輸出入に関する左の業務を行う。
一 輸出品の発注、買取、保管及び輸送並びに政府に対する賣渡
二 輸入品の引取、保管、輸送及び引渡
三 輸出入に関する原材料及び包装材料の取得及び配分
四 前各号に附帶する業務
前頃第三号の業務は、原材料貿易公團に限つてこれを行うことができる。但し、輸入品の取得及び配分についてはこの限りでない。
原材料貿易公團は、現に生産の過程にある輸出品の生産に必要な又は主務大臣の認めた在庫に必要な資材の数量に限つてこれを買い入れることができる。
第十七篠 貿易公團は、業務開始の際、業務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において、認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十八條 貿易公團は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月毎の事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第四章 会計
第十九條 貿易公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第二十條 貿易公團は、前條の各期毎に財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の承認を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において、承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
貿易公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
貿易公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納付しなければならない。
貿易公團は帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなければならない。
第五章 監督及び助成
第二十一條 経済安定本部総務長官は、輸出入に関する基本的な政策及び計画に関して、貿易公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、輸出入に関する基本的な政策及び計画を確保するため必要があると認めるときには、貿易公團に対して、主務大臣を通じて監督上必要な命令をなすことができる。
主務大臣は輸出入計画及び輸出入手続の遂行を確保するため必要があると認めるときには、貿易公團に対して、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
経済安定本部総務長官は、貿易公團に対して主務大臣を通じて報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
主務大臣は、貿易公團に対して報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前二項の規定により、当該官吏に臨檢檢査させる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帶させなければならない。
第二十二條 貿易公團は、その役員及び職員に対して特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、主務大臣及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において、認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十三條 主務大臣は、貿易公團の役員が、法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、貿易公團の役員が、貿易公團の目的及び業務に関してその任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任することができる。
第二十四條 主務大臣は、貿易公團の業務を行うため必要があると認めるときには、命令で定める統制機能を営む貿易組合その他の輸出入取扱に関する團体の清算人に対し、その所有に属する施設の全部又は一部を貿易公團に貸與することを命ずることができる。
主務大臣は、貿易公團の業務を行うため必要があると認めるときには、貿易公團に必要な施設の所有者若しくは占有者又は大藏大臣を含む管理者に対して、当該施設を貿易公團に貸與することを命じ、又は求めることができる。
前二項の規定による施設の使用料は、経済安定本部総務長官が、そしあらかじめ定める方針に基いて、適正に定めるものとする。
前項の規定によつて使用料が定められたときには、貿易公團は、第八條第一項に定められた存続期間を超えない範囲において、経済安定本部総務長官の承認を受けて、第一項又は第二項の施設を賃借するものとする。
主務大臣は、貿易公團の業務を行うため必要があると認めるときには、第一項の團体の清算人に対して、その所有し、又は占有してゐる資材の全部又は一部貿易公團に讓り渡し、又は引き渡すことを命ずることができる。
前項の命令があつたときには、貿易公團は、前項の資材の讓受又は引渡を受けた日から一箇月以内に関係者に対して、正当な補償を支拂わなければならない。
主務大臣は、経済安定本部総務長官の承認を受けて前項の補償に関し必要な規程を定めた後でなければ、第五項の命令をなすことができない。
主務大臣は、貿易公團が賃借した施設を管理し、又は必要があると認めるときには、保險を附する等の措置を貿易公團にとらしめることに関し、責任あるものとする。
主務大臣は、前各項の実施について貿易公團又は関係各廳大臣を含む関係者に対して迅速な措置を命じ、又は求めることができる。
第六章 罰則
第二十五條 前條第一項、第二項又は第五項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六條 左の場合においては、その違反行爲をなした貿易公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十六條に規定しない業務を行つた場合
二 第二十一條第二項又は第三項に規定する経済安定本部総務長官又は主務大臣の監督上の命令に違反した場合
第二十七條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十八條 前三條の罪を犯した者には、情状に因り、懲役及び罰金を併科することができる。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務に関して第二十五條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して同樣の罰金刑を科する。
第二十九條 第九條の規定に違反し、貿易公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第三十條 この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
第三十一條 主務大臣は、第二十四條第一項の團体の財産又は債務を貿易公團に引き継がせることができる。
主務大臣は、前項の措置をなすときには、大藏大臣にはからなければならない。
第三十二條 貿易公團が成立したときには、第二十四條第一項の團体は、解散する。
前項の規定による團体の清算は、昭和二十三年四月一日までに結了せしめるものとする。
第三十三條 政府は、設立委員を命じて、貿易公團の設立に関する事務を処理させる。
第三十四條 設立委員は、定款を作成して、主務大臣及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
前項の認可があつたときには、設立委員は、遅滯なく基本金の拂込を請求しなければならない。
第三十五條 基本金の拂込があつたときには、設立委員は、遅滯なくその事務を貿易公團の理事長に引き継がなければならない。
理事長が前項の事務の引継を受けたときには、理事長、副理事長、理事及び監事の全員は、遅滯なく設立の登記をしなければならない。
貿易公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十六條 この法律は、臨時物資需給調整法の失効の時に、その効力を失う。但し、その時までになした行爲に対する罰則の適用及び貿易公團の清算に関しては、この法律は、その時以後もなおその効力を有する。
第三十七條 貿易資金特別会計法の一部を次のように改正する。
第二條第一項中「昭和二十年法律第五十三號第二條の規定による貿易資金」の下に「及び一般會計からの繰入金九億五千萬圓」を加える。
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價格調整公團法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
價格調整公團法案
價格調整公團法
第一章 総則
第一條 價格調整公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に從い、物價廳長官の定める價格等(以下指定價格等という。)の適正な調整に関する業務を行うことを目的とする。
前項の價格等とは、價格、運送賃その他給付の対價である財産的給付をいう。
價格調整公團は、法人とする。
第二條 價格調整公團は、主たる事務所を、東京都に置く。
價格調整公團は、物價廳長官の認可を受けて、價格等の調整に関する業務を行うため必要の地に從たる事務所を設けることができる。
第三條 價格調整公團の基本金は、三千万円とする。
前項の墓本金は、政府が全額これを出資しなければならない。
價格調整公團の運営資金は、必要があるときには、復興金融金庫から借り入れるものとする。
第四條 價格調整公團は、定款を以て、左の事項を規定しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 基本金額に関する事項
五 役員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 会計に関する事項
八 公告の方法
定款は、物價廳長官及び経済安定本部総務長官の認可を受けて、これを変更することができる。
第五條 價格調整公團は、勅令の定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定によつて登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第六條 價格調整公團には、所得税及び法人税を課さない。
都道府縣、市町村その他これに準ずるものは、價格調整公團の事業に対しては、地方税を課することはできない。但し、特別の事情に基いて内務大臣及び大藏大臣の認可を受けた場合にはこの限りでない。
第七條 價格調整公團は、経済安定本部総務長官の命令によつて解散する。
経済安定本部総務長官は、前項の命令をなす場合には、物價廳長官にはからなければならない。この場合において命令の最終責任は経済安定本部総務長官にあるものとする。
前項に定めるものの外、價格調整公團の解散に関して必要な事項は、勅令でこれを定める。
第八條 價格調整公團でない者は、價格調整公團又はこれに類似する名称を用いることができない。
第九條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及び第五十七條並びに非訟事件手続法第三十五條第一項の規定は、價格調整公團にこれを準用する。
第二章 役員及び職員
第十條 價格調整公團に、役員として、理事長副理事長各一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
理事長は、價格調整公團を代表し、第十五條の規定に基き、その業務を総理する。
副理事長は、定款の定めるところにより、價格調整公團を代表し、理事長を補佐して價格調整公團の業務を掌理し、理事長に事故のあるときにはその職務を代理し、理事長が欠員のときにはその職務を行う。
理事は、定款の定めるところにより、價格調整公團を代表し、理事長及び副理事長を補佐して價格調整公團の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故のあるときにはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときにはその職務を行う。
監事は、價格調整公團の業務を監査する。
第十一條 理事長、副理事長、理事及び監事は、物價廳長官がこれを任命する。
第十二條 理事長、副理事長及び理事は、定款の定めるところにより、價格調整公團の職員のうちから、主たる事務所又は從たる事務所の業務に関し、一切の裁判上又は裁判外の行爲をする権限を有する代理人を選任することができる。
第十三篠 價格調整公團の役員及び職員は、指定價格等に対する給付の目的である物資の生産、精製、加工、保管、賣買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。
第十四條 價格調整公團の役員及び職員は、官吏その他の政府職員とする。
理事長たる者は、物價廳次長と同級又はこれと同格とし、その他の役員たる者は、一級又はこれと同格とし、職員たる者は、一級、二級若しくは三級又はこれらと同格とし、それらの定員は、物價廳長官がこれを定める。
價格調整公團の役員及び職員は、官吏に関する一般法令に從うものとする。但し、主務大臣が経済安定本部総務長官の承認を受けて、給料、服務その他の必要な事項に関して特例を定めたときには、これによるものとする。
第三章 業務
第十五條 價格調整公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に基いて、物價廳長官のなす指導及び監督に從い、左の業務を行う。
一 経済安定本部総務長官の定める方策に基く價格等の調整のための資金の受入又は交付
二 経済安定本部総務長官の定める方策に基く價格等の調整のための買取及び賣戻
三 前各号の業務に附帶する業務
第十六條 價格調整公團は、業務開始の際、義務の方法を定めて、経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、物價廳長官及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第十七條 價格調整公團は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月毎の事業計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、物價廳長官及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
第四章 会計
第十八條 價格調整公團の事業年度は、毎年四月から翌年三月までとし、これを前期及び後期に分ける。
第十九條 價格調整公團は、前條の各期毎に、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、毎事業年度経過後二箇月以内に、これを経済安定本部総務長官に提出し、その承認を受けなければならない。
経済安定本部総務長官は、前項の承認を行うときには、物價廳長官及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において承認の最終責任は、経済安定本部総務長官にあるものとする。
價格調整公團は、第一項の規定による経済安定本部総務長官の承認を受けたときには、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告し、且つこれを定款とともに、各事務所に備えて置かなければならない。
前項の財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、会計檢査院の檢査を受け、その承認を受けなければならない。
價格調整公團は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、命令の定めるところにより、剩余金を國庫に納付しなければならない。
價格調整公團は、帳簿、書類その他一切の記録を整然且つ明確に記載し、会計檢査院、経済安定本部及び主務官廳の檢査を受けることができるように整備しなければならない。
会計檢査院は、常に適確に前項の檢査を行わなければならない。
第五章 監督及び助成
第二十條 経済安定本部総務長官は、その定める基本的な政策及び計画に関して、價格調整公團を指導監督する。
経済安定本部総務長官は、價格等の適正な調整を図るため必要があると認めるときには、價格調整公團に対し、監督上必要な命令をなすことができる。
物價廳長官は、價格等の適正な調整を図るため必要があると認めるときには、價格調整公團に対して、経済安定本部総務長官の定める基本的な政策及び計画に基いて、監督上必要な命令をなすことができる。
物價廳長官又は経済安定本部総務長官は、必要があると認めるときには、價格調整公團に対して報告をさせ、又は当該官吏に、必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を檢査させることができる。
價格調整公團は、必要があると認めるときには、指定價格等に対する給付をなすを業とする者(以下單に業者という。)、業者の所有する物資の占有者又は業者から指定價格等に対する給付を受ける者に対し、價格等の調整に関し、報告を徴し、書類の提出を求め、若しくは帳簿の作成を命じ、又は命令の定めるところにより、当該官吏に必要な場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を檢査させることができる。
前二項の規定により、当該官吏に臨檢檢査をさせる場合には、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携行させなければならない。
第二十一條 價格調整公團は、その役員及び職員に対しても特別の報酬を與える必要があるときには、その報酬規程を定め、経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同樣である。
経済安定本部総務長官は、前項の認可を行うときには、物價廳長官及び大藏大臣にはからなければならない。この場合において認可の最終責任は経済安定本部総務長官にあるものとする。
第二十二條 物價廳長官は、價格調整公團の役員が法令若しくは定款又はこの法律に基いてなす命令に違反したときには、これを解任することができる。
経済安定本部総務長官は、價格調整公團の役員が價格調整公團の目的及び業務に関してその任に適せず、又はその職務を適切に遂行していないと認めるときには、これを解任することができる。
第二十三條 物價廳長官は、必要があると認めるときには、その定めるところにより、業者に対し、当該給付の目的である物資を價格調整公團に賣り渡すことを命ずることができる。
價格調整公團は、前項の命令によつて、價格調整公團に賣り渡された物資を、物價廳長官が定める額で、その物資の賣主に賣り戻さなければならない。
第二十四條 物價廳長官は、必要があると認めるときには、業者から指定價格等に対する給付を受ける者に対し、その價格等を物價廳長官の定めるところにより、價格調整公團に支拂うことを命ずることができる。
價格調整公團は、前項の場合において價路等の受領につき、業者から委任があつたものとする。
第六章 罰則
第二十五條 第二十三條第一項又は前條第一項の規定による命令に違反した者は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六條 左の場合においては、その違反行爲をなした價格調整公團の役員又は職員は、これを五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第十五條に規定しない業務を行つた場合
二 第二十條第二項及び第三項の規定による経済安定本部総務長官又は物價廳長官の監督上の命令に違反した場合
第二十七條 この法律の規定による報告を怠り、若しくは虚僞の報告をなし、又は書類の提出をなさず若しくは虚僞の記載をした書類を提出し、又は帳簿の作成を怠り、若しくは帳簿に虚僞の記載をなし、又は檢査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十八條 前三條の罪を犯した者には、情状に因り、懲役及び罰金を併科することができる。
法人(價格調整公團を除く。以下同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者がその法人又は人の業務に関して第二十五條又は前條の違反行爲をなしたときには、行爲者を罰する外、その法人又は人に対して、各本條の罰金刑を科する。
第二十九條 第八條の規定に違反して、價格調整公團又はこれに類似する名称を用いた者は、これを一万円以下の過料に処する。
附 則
第三十條 この法律は、公布の日から、これを施行する。
第三十一條 價格調整公團が成立したときには、昭和二十一年十二月十一日以後、指定價格等に対する給付をなす業に從事した統制機関は、解散するものとする。
前項の規定による統制機関の清算は、昭和二十三年四月一日までに結了せしめるものとする。
第三十二條 政府は、設立委員を命じて、價格調整公團の設立に関する事務を処理させる。
第三十三條 設立委員は、定款を作成して、物價廳長官及び経済安定本部総務長官の認可を受けなければならない。
前項の認可があつたときには、設立委員は、遅滯なく基本金の拂込を請求しなければならない。
第三十四條 基本金の拂込があつたときには、設立委員は、遅滯なくその事務を價格調整公團の理事長に引き継がなければならない。
理事長が前項の事務の引継を受けたときには、理事長、副理事長、理事及び監事の全員は、遅滯なく登記をしなければならない。
價格調整公團は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三十五條 價格調整公團でない者で、この法律施行の際現に價格調整公團又はこれに類似する名称を用いているものについては、この法律施行後六箇月を限り、第八條の規定を適用しない。
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〔國務大臣石井光次郡君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=22
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023・石井光次郎
○國務大臣(石井光次郎君) 只今議題となりました法案五つの中、前四つの公團に付きまして、逐次御説明申上げたいと思ひます、配炭公團法及び石油配給公團法の提案理由竝に要旨を先づ御説明致します、石炭及びコークスの配給に付きましては、昨年秋の議會に於きまして、石炭及びコークスの配給統制の一部を改正する法律が協贊せられました際に、衆議院の附帶決議と致しまして、現在全國の一手買取、元賣の機關でありまする日本石炭株式會社を解散して、速かに民主的な新配給機構に移行することを可とする旨の要望がございました、政府は之に鑑みまして、直ちに石炭及びコークスの各配給機構改善協議會を開催致しました結果、兩協議會から政府に對してそれぞれ答申が提出された次第でございます、又石油類に付きましては、昨年の秋、從來石油類の配給統制を實施して參りました石油配給會社解散の指令が聯合國總司令部より發せられまして、其の後石油類に付て如何なる機關に依つて配給統制を實施するかに付て關係各方面の御意見を徴し、種々檢討して今日に至つた次第でございます、以上のやうな經緯を經ましたが、其の後の状勢の變化もあり、愼重研究の結果、政府と致しましては次のやうな結論に到達致しました、即ち今後の經濟施策の基本は、近く提案を豫定されて居りまする「私的獨占の禁止及公正取引の確保に關する法律案」に盛られました公正な自由競爭にあり、從つて關係の事業者を主體とする民間の統制團體に依る統制は此の際清算することが適當であると考へるのであります、併しながら現在のやうな窮乏の底にある經濟の下に於きましては、或程度の統制は絶對に不可避であります、殊に石炭コークス亞炭の如く、各産業活動の基礎をなす物資であつて、而も其の需給が極度に逼迫して居り、差當り強力な統制を必要とするものに付ては、政府又は之に代るべき政府機關とも稱すべきものに依つて、政府自らの責任に於て嚴重に之を行ふ必要があると認めたのであります、此の點は石油類に付ても同樣でありまして、殊に石油類は其の供給源の五分の四を聯合軍に仰いで居る有樣でありますので、聯合國に對して輸入を懇請する前提條件としても、配給に關して、政府自ら責任を負ふ體制を整へる必要があるのであります、斯かる觀點から本問題を檢討致しました結果、成案を得ましたのが茲に提出されました兩法案なのであります、以下兩法案の概要に付て申述べます、第一に、配炭公團及び石油配給公團は、石炭又は石油類の一手買取及び賣渡をなす公法人であります、公團は官廳自體ではありませぬが、從來の營團と官廳との中間に位する廣義の政府機關でありまして、其の基本金は、全額政府より出資致しまして、運營資金は復興金融金庫から借入れることと致しました、公團の役員及び職員は總て政府職員とすることと致して居ります、而して此の役職員は原則として廣く民間より人材を收容致しまして、所謂官僚統制の弊に陷らざるやう十分留意致して參る所存でございます、公團の監督に付ては經濟安定本部總務長官竝に主務大臣が之を行ふこととなつて居りまして、會計に付ては特に會計檢査院が檢査に當ることになつて居ります、又配給公團の制度は、此の經濟危機を乘切る爲の臨時措置でありますので、經濟安定本部令及び臨時物資需給調整法と歩調を揃へまして、明年四月一日か、經濟安定本部の廃止の時の何れか早い時に、此の二つの公團法は其の效力を失ふことと致して居るのであります、以上申述べました如く、配給公團の組織及び運用に關しましては、政府の責任で必要な統制を強力に行ふ一面、所謂官僚統制の如き弊害は極力之を抑止致しまして、産業復興と國民經濟生活の安定の爲に是等物資の配給に萬全を期せむとするものでございます、次に産業復興公團法案の提案理由を御説明致します、政府に於きましては、曩に第九十臨時議會の御協贊を得ました産業復興營團法に基き産業復興營團を設立致しまして、目下著々其の事業を推進中でありまするが、今般物資配給等の分野に於きまする配給公團の設立に伴ひまして、從來の營團組織を公團組織に改組致す必要を生じました爲、茲に新たに産業復興公團法を制定致しまして、之に依り産業復興公團を設立して産業復興營團の一切の事務を之に引繼がしめることと致した次第でございます、産業復興公團法は其の内容に於きまして、從來の産業復興營團法と其の實體を一にするものでありまするが、營團を公團に改めましたる結果、役職員は官吏其の他の政府職員を以て之に充てることと致しました、又公團の業務運營に關する監督規定も之を一層嚴に致しまして、其の國家機關としての性格を明確ならしめますると共に、經濟安定本部の定めまする基本的な産業復興政策の實施機關たる機能を規定上明瞭に致したのであります、又從來産業復興營團に於きましては、産業設備及び資材の建設、貸付及び賣買に關する業務のみを實施致すことに相成つて居りましたが、産業復興に關する對策を強力に實施致しまする爲には、其の業務の範圍も今一段の幅を持たすことが適當であると思料致しましたる結果、今囘の改組の機を利用致しまして、右の業務の外、新たに經濟安定本部總務長官の隨時指定する事業をも行ふことが出來ることと致しましたのでございます、以上の諸點の改正を通じまして、新法に依る産業復興公團は、産業復興營團に於けるよりも一層強力となり、國家機關的性格を明瞭に致すことと相成るのでありまして、産業の復興促進に關しまする所期の機能を更に強く發揮せしむることと相成るものと考へて居る次第でございます、次に貿易公關法案に付て御説明申上げます、我が國の輸出入貿易は、聯合國總司令部の好意ある取扱に依りまして、終戰以來漸次軌道に乘り、相當の進展を見て居ります、御承知の通り是等輸出入貿易は、總司令部の嚴重なる管理の下に運行されて居ります管理貿易でありまして、又我が國としては唯一の貿易專管機關たる貿易廳の責任に於て行はれて居りまする一種の國營貿易であります、併し輸出入に關する一切の業務を、貿易廳で行ふことは豫算や人員の點からも無理があり、又業務の能率的な遂行に不適當な點もありますので、貿易廳の下に便宜輸出入の品目別に七十有餘の民間團體を輸出入取扱機關に指定して其の實務運營に當らして參つたのでありますが、何分にも當初の急務に應ずる爲取急ぎ設けました團體でありますので、其の形態も區々で運營上不便があり、早晩整備の必要に迫られて居つたのでありますが、偶偶是等の機關は私的獨占禁止の方針に觸れる虞があり、又是等の輸出入取扱機關に依る業務の遂行は不適當な事態になつたのであります、從つて政府と致しましては、私的獨占禁止の趣旨に即應し、且能率的なる業務運營、民間業界の總意と協力を十分に活かすべき方針の下に愼重に檢討致しました結果、貿易實務の運營に付て公團制度を採ることと致しまして、茲に貿易公團法案を提出致しました次第でございます、此の法律案の構想は外の一般公團と同樣でありますが、貿易關係事務は複雜多岐に亙つて居りますので、運營の圓滑を期する爲に鑛工品貿易公團、纖維貿易公團、食糧貿易公團及び原材料貿易公團の四つの種類を設けたこと、公團の運營資金は貿易資金特別會計の貿易資金から借り得ること、業務の内容、其の他若干の點に於きまして、貿易業務の特殊性に基きまして、他の公團と異る特異な點が含まれて居るのであります、以上四つの公團法案に付て概略の説明を申上げたのでありますが、何卒御審議の上速かに御協贊あらむことを冀ふ次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=23
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024・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 高瀬國務大臣
〔國務大臣高瀬太莊郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=24
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025・高瀬莊太郎
○國務大臣(高瀬莊太郎君) 只今上程されました價格調整公團法案に付きまして、其の提案理由を御説明致します、價格調整の業務は、從來配給統制會計等の民間統制團體に依つて實施せられて來たのでありますが、今囘企業獨占の禁止及び臨時物資需給調整法に基く物資の配給方式の改善に基きまして、是等統制機關は一手買取販賣及び物資の割當業務等の統制機能を喪失し、解散が豫定せられるに至りましたので、從來是等の統制機關が實施して參りました價格調整の中新たに配給公團が設立せられて、其の扱ひます物資に付きましては、それぞれの公團で價格調整を實施することになりますが、それ以外の物資に付きましては、尚價格調整の繼續を必要とするものに付きまして、價格調整公團を設立し、之を實施せむとするものであります、價格調整公團は經濟安定本部總務長官の定める基本的な政策及び計畫に基いて、物價廳長官の指揮監督に從ひ、次の業務を行ふものであります、即ち其の一として、價格等調整の爲の資金の受入れ、又は交付、其の二として、價格等調整の爲の買取及び賣戻、其の三として、前述の業務に附帶する業務であります、尚價格調整公團の發足に當りましては、出來る限り民間の經驗者を役職員に任命し、業務運營の圓滑適正を期したいと存じて居ります、以上を以ちまして價格調整公團法案の提案理由の説明を終ります、何卒御審議の上速かに御協贊あらむことを切望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=25
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026・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました石油配給公團法案外四件は、船舶公團法案特別委員に併託せられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=26
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027・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=27
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028・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=28
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029・徳川家正
○議長(徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=29
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030・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第九、復興金融金庫法の一部を改正する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、北村大藏政務次官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=30
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031・会議録情報6
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復興金融金庫法の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
復興金融金庫法の一部を改正する法律案
復興金融金庫法の一部を次のように改正する。
第三條及び第四條第一項中「百億圓を「二百五十億圓」に改める。
附 則
この法律は、公布の日からこれを施行する。
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〔政府委員北村徳太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=31
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032・北村徳太郎
○政府委員(北村徳太郎君) 只今議題と相成りました復興金融金庫法の一部を改正する法律案に付きまして、提案理由の御説明を申上げます、御承知の如く復興金融金庫は、去る一月二十五日正式に之が設立を見ましたのでございます、三月上旬末現在に於きまして、其の融資殘額は六十億一千八百萬圓に達しましたのでございます、斯くて本金庫は戰後極めて困難な状態にありまする産業界に、適切な資金の供給を圖り、以て經濟の囘復振興に貢獻して居る次第でございます、之が所要資金は資本金百億圓の中、設立の當初政府が拂込を致しました四十億圓と、未拂込資本金の中二月及び三月に各各十五億圓づつの復興金融債券の發行を行ひました、是で賄つて參りましたのでございます、而して今日喫緊の問題たる經濟の再建、民需生産再興の爲には、愈愈本金庫の十分なる活動を必要とする次第でございまするが、取分け超重點産業たる石炭、鐵鋼、肥料等の増産を確保致します爲には、之が金融的援助を圖ることが極めて必要であると存じて居るのでございます、加ふるに只今御審議を煩しつつありまする各種配給公團、船舶公團、産業復興公團等の所要資金も亦復興金融金庫より融資致すことと相成つて居るのでございます、從ひまして、是等の資金の供給を十分圓滑ならしめます爲に、今般百五十億圓の増資を必要とするに致つたのでございます、以上復興金融金庫法の一郡を改正する法律案の提案の理由を御説明申上げましたが、何卒速かに協贊を與へられむことを切に御願ひ申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=32
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033・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程せられました復與金融金庫法の一部を改正する法律案は、國有財産の一部を改正する法律案外十一件の特別委員に併託せられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=33
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034・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=34
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035・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=35
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036・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=36
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037・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程の順序を變更し、日程第十五、地方競馬法の一部を改正する法律案、衆議院提出、第一讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=37
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038・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、日程變更に付政府の同意を得ました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=38
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039・会議録情報7
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地方競馬法の一部を改正する法律案
右の本院提出案をここに送付する
昭和二十二年三月二十九日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
…………………………………
地方競馬法の一部を次のように改正する
第三條中「この法律により競馬を行ふ」を「第一條第一項に規定する馬事團體の行ふ競馬の」に改め、左の但書を加える。
但し、主務大臣は、馬事の振興を圖るため必要ありと認めるときは、北海道六箇所以内、都府縣各各二箇所以内とすることができる
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=39
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040・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました地方競馬法の一部を改正する法律案は、其の特別委員の數を十二名とし、委員の指名を議長に一任するの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=40
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041・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=41
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042・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=42
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043・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔小野寺書記官朗讀〕
地方競馬法の一部を改正する法律案
特別委員
候爵 四條隆徳君 伯爵 南部利英君
子爵 西尾忠方君 子爵 土屋尹直君
男爵 徳川誠君 男爵 沖貞男君
男爵 小原謙太郎君 中村藤兵衞君
安田伊左衞門君 松本勝太郎君
山地土佐太郎君 名古屋三吉君
杉山茂君 深田武雄君
松尾嘉右ヱ門君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=43
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044・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 報告を致させます
〔寺光書記官朗讀〕
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する法律案可決報告書
議院に出頭する證人の旅費及び日當に關する法律案可決報告書
國會豫備金に關する法律案可決報告書
議院事務局法案可決報告書
國會圖書館法案可決報告書
國會職員法案可決報告書
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=44
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045・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程に追加し、國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する法律案外五件の第一讀會の續を開き、引續き委員長の報告を求むることに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=45
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046・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長稻田男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=46
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047・会議録情報8
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國会議員の歳費、旅費及び手当等に關する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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議院に出頭する証人の旅費及び日当に關する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告侯也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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國会予備金に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告侯也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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議院事務局法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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國会図書館法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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國会職員法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵稻田 昌植
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔男爵稻田昌植君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=47
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048・稻田昌植
○男爵稻田昌植君 只今日程に上りました國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する法律案外五件の委員會の御報告を申上げます、此の六案は衆議院提出の案の形式を採つて居りますが、本院の事務當局とも種々折衝もし、政府とも折衝して居ります國會に關する議案でありますので、形式を衆議院提出案として出されたさうであります、是は現在の議院法、或は事務局官制などを色々整理致しまして、最近成立致しました國會法を母法として、それの附属法として出て來たものであります、國會議員の歳費、旅費及び手當等に關する法律案は全條十三條であります、歳費其の他のことが規定されて居ります、現行と一番違つて居りまする所は、各議院の議長、副議長及び議員が公の書類を郵送するなどの爲に通信費として月額或額を受けると云ふ點と、それから同じく事務補助員の給料を受けると云ふことが違つた點と思はれます、事務補助員は、國會法にも規定があるのでありまするが、是は誰を御採りになつても宜しいさうであります、例へば自分の子供を御使ひになつて、親子で勉強なさることも結構であり、或は夫婦共稼ぎでも結構ださうであります、其の外特殊の何としては、國會圖書館法が現在のと多少違つて居ります、更に其の國會圖書館法の中で最も特色のありますことは、館長は、兩院の議長が協議して之を任免すると云ふ、從來の立法例にはない一つの條項が入つて居ります、是が特徴であります、あと議院事務局法案、或は國會豫備金に關する法律案、其の他三件は、特に採上げて申上げる程の内容はないと思ひます、以上六案に付て本日委員會を開會致したのであります、一二の議員から二三の質問がありましただけで、全會一致で可決を見た次第であります、右御報告を申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=48
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049・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなけれは、六案の採決を致します、六案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=49
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050・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=50
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051・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=51
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052・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=52
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053・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=53
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054・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ない二と認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=54
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055・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 六案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、六案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=55
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056・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=56
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057・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに答案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=57
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058・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=58
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059・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=59
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060・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=60
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061・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 六案の第三讀會を開きます、六案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=61
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062・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、議事の都合に依り休憩を致します、午後は一時より開會致します
午前十時五十四分休憩
――――◇―――――
午後一時十三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=62
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063・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 報告を致させます
〔宮坂書記官朗讀〕
本日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
行政官廳法案特別委員會
委員長 伯爵 前田利男君
副委員長 男爵 杉溪由言君
船舶公團法案特別委員會
委員長 伯爵 後藤一藏君
副委員長 男爵 内田敏雄君
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
所得税法を改正する法律案可決報告書
法人税法を改正する法律案可決報告書
特別法人税法の一部を改正する等の法律案可決報告書
土地台帳法案可決報告書
家屋台帳法案可決報告書
地方税法の一部を改正する法律案可決報告書
地方分與税法を改正する法律案可決報告書
相続税法を改正する法律案可決報告書
國有財産法の一部を改正する法律案可決報告書
作業会計法を改正する法律案可決報告書
燃料局特別会計法を改正する法律案可決報告書
造幣局特別会計法の一部を改正する法律案可決報告書
國有林野事業特別会計法案可決報告書
労働者災害補償保險特別会計法案可決報告書
公債金特別会計法外四法律の廃止等に関する法律案可決報告書
企業再建整備法等の一部を改正する法律案可決報告書
労働者災害補償保險法案可決報告書
健康保險法の一部を改正する等の法律案可決報告書
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=63
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064・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より休憩前に引續き會議を開きます、本日深田武雄君より、都合に依り、地方競馬法の一部を改正する法律案の特別委員辭任の申出がございました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=64
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065・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、就きましては、其の補闕として松村眞一郎君を指名致します
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=65
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066・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第十、檢察廳法案、日程第十一、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律案、日程第十二、裁判所職員の定員に関する法律案、日程第十三、裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律案、日程第十四、檢察官の俸給等の應急的措置に関する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、是等の五案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=66
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067・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長奧田男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=67
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068・会議録情報9
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檢察廳法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月二十九日
委員長 男爵奧田 剛郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
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下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月二十九日
委員長 男爵奧田 剛郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
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裁判所職員の定員に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月二十九日
委員長 男爵奧田 剛郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
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裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月二十九日
委員長 男爵奧田 剛郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
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檢察官の俸給等の應急的措置に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月二十九日
委員長 男爵奧田 剛郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔男爵奧田剛郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=68
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069・奧田剛郎
○男爵奧田剛郎君 只今上程されました檢察廳法案外四法案に付て、委員會に於ける審議の經過竝に結果を御報告致します、委員會は去る二十七日正副委員長の互選に引續き審議を致しまして、昨日何れも原案通り可決確定を致しました、最初に司法大臣より各法案の提案理由及び内容に付て説明を聽取致しましたが、それ等は何れも本議場に於て既に説明があつた所でありまするから省略を致しまして、直ちに主なる質問應答を取纒めて其の概要を申述べます、最初に檢察廳法案に付て申上げます、第一檢察官の職務に關しましては、此の法案の第四條に於て全般的に規定を設けてあります、其の中に檢察官の主要なる職務である公訴を行ふことが規定してありますが、等しく檢察官の重要なる職務の一つである犯罪の搜査と云ふ職務に付ては、此の全般的の規定の中に入れてありませぬで、其の規定より引離して別に其の職務を規定してあるのであります、是はどうしても全般的の職務規定の中に包含せらるべきものであるに拘らず、斯くの如くに、特に引離して別に規定してあると云ふことに付ては、聊か疑を持たなければならないのでありまするが、其の點は勿論從來から犯罪の搜査と云ふことは公訴を行ふことと共に、檢察官の主要なる職務でありますので、當然全般的規定の中に含まれなければならない筈のものでありましたのですが、英米の例に於ては、檢察官の主要なる職務を、公訴を行ふと云ふことを以てして、犯罪の搜査の職務はそれより引離して、附隨的のものとして居る點を考慮に入れた爲に、職務の規定が二本建になつたのであると云ふことであります、尚又職務に關する全般的規定の中に「檢察官は、刑事について、公訴を行い、」云々と規定されてあり、從來の如くに民事に付ても關與することが出來る旨の規定を缺いて居るが如くであります、然るに其の點は同條の後段に於て「裁判所の權限に屬するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその權限に屬させた事務を行う。」と云ふ規定に依つて從來通り民事にも關與することが出來るのであると云ふことであります、第二に、司法大臣の指揮監督權に關しまして、本法の第十四條に於て、「司法大臣は、檢察官の事務に關し、檢察官を一般に指揮監督することができる。」のだ、「但し、個々の事件の取調又は處分については、檢事總長のみを指揮することができる。」のだと云ふ風に規定してありまして、前段と後段との間に於ける關係が、聊か不明であると云ふことも言へないではないのでありまするが、それは前段の方と後段の方とは事柄が違ふのでありまして、前段の方は、例へば惡質の闇を徹底的に取締れと云ふやうな一般的の指揮の場合であつて、後段の方は從來の如くに個々の事件に付て直接司法大臣が其の事件の取調又は處分に付て指揮をしたのであつては、將來の政治形態の上から幣害を生ずる虞がありますので、其の爲に此の法案に於て、左樣な場合には直接に指揮は出來ないので、檢事總長のみに對して指揮をする、檢事總長は其の指揮を受けて、適宜に指揮を又すると、斯う云ふことにしたのであると云ふことであります、第三に、檢察官の性質と懲戒の手續でありますが、裁判所法の規定に依りますと、裁判官の懲戒に付ては、其の手續規定が明かに規定してあります、然るに檢察官に付ては、從來の裁判所構成法と違つて本法案には何等の規定を設けてありませぬ、それは檢察官は廣義の意味に於ては司法官の一部であることは矢張り從來と少しも變りはない所でありまするけれども、本來は行政官でありますので、唯仕事の性質上身分の保障を裁判官に準ずるものとして他の行政官と區別をして居るだけのことであつて、元來が行政官でありますから、檢察官の懲戒は一般の行政官と同樣に取扱ふことを以て適當とした爲であると云ふことであります、第四に、裁判所と檢察廳の事務の運營でありますが、裁判所から檢察廳が分離されることになりましても、等しく兩者は司法事務に關與するものでありますので、極めて密接なる關係を保たなければならぬことは勿論であります、それに關聯して、今後は裁判所の建物から檢察廳の建物も亦分離すると云ふことになりますので、其の點からも實際の事務の運營に付て考へられることが起きて來る譯であります、そこで其の點は人事の格別なる交流、或は又今囘新たに裁判所に設けられることになつて居ります事務總長に依つて、司法省とも密接なる關係を保つ、例へは司法關係の法案の立案の如きは、裁判所と檢察廳と相互ひに聯繋を保つと云ふが如く致し、檢察廳は從來通り、司法大臣の管下にあると云ふやうな關係から、十分に聯繋を保つことが出來るのであつて、其の點に付ては萬事遺漏なきを期すると云ふことであります、それに關聯して、其の建物の點に付きましても、矢張り兩者共に同じく司法事務に關與する關係から、餘り懸け離れた所では不都合を來すので、矢張り距離的にも近い所に設置されると云ふ線に沿つて進むことであらうと云ふことであります、現状に於てはなかなか建物の新設と云ふことは困難でありますので、其の具體策としては、既に戰災等に依つて燒失しました建物に付ては新たに分離するやうに造る、其の他に付ては當分現状の儘として追々に分離するやうな方針であると云ふことであります、第六に、檢事正の職務と職名でありますが、本法に於て、各地方檢察廳の檢事正は檢事總長、檢事長と同樣に其の管下の檢事を指揮監督する職務權限を、有する者であるに拘らず、長官たることを表現する「長」の名稱を用ひないで、特に「檢事正」としたこと、それから檢察官は檢事總長、次長檢事、檢事及び副檢事とする旨の規定を設けて、其の中に檢事正を加へて居らず、又檢事總長、次長檢事及び各檢事長は一級とし、其の任免は天皇が之を認證する旨の規定をなして居る其の中にも加へず、尚又檢事長、檢事及び副檢事の職は、司法大臣が之を補する旨の規定の中にも加へて居りませぬ、其の理由は、檢事正が各地方檢察廳の長官として其の管下の檢事を指揮監督する職務權限を有することは從來と少しも變りはないのであるが、檢事總長、次長檢事、檢事長は天皇認證官として官と職と一體とした長官として一般檢事と區別して別の官名を用ひたのであつて、檢事正は一般檢事の中から一名をして長官たるの職務を執らしめることにした爲で、恰も裁判所法に於て各地方裁判所長が職名であると同樣に、均衡を保たしめたのであると云ふことであります、第七に、檢察官の職務執行に關し、檢察官が其の職務を執行するに當つて職權を濫用することは嚴に戒めなければならないが、其の結果職務執行上萎靡するが如きことがあつては國家の爲に由々しき大事であることは勿論であります、此の點に付ては、一面に於て檢察官の身分を十分に保障して安んじて其の職務を執るやうに致すことが肝要でありますので、十分其の點を考慮し公正なる活動をなすやうに遺憾なきを期すると云ふことであります、第八に、檢察官の政治運動に關しまして、裁判所法に依りますと、裁判官の政治運動の禁止に付ては明かに規定を設けられてありますが、檢察官に付いては、本法に於て其の規定がありませぬ、檢察官も矢張り同樣に積極的政治運動を禁止するの規定を要する如くに考へられるのでありますが、既に述べました通り、檢察官と云ふものは元來が一般の行政官と同じでありますので、此の點に付ては他の一般行政官と同樣に取扱ふのが適當なるものとして特に規定をしなかつたのであると云ふことであります、第九に、年齡の差違でありますが、裁判所法に於ては、最高裁判所の裁判官は年齡が七十年に達した時、其の他の下級裁判所の裁判官は年齡が六十五年に達した時にそれぞれ退官をすることになつて居ります、本法案に於ては檢事正は年齡六十五年、其の他の檢察官は年齡六十三年に達した時に退官をすると云ふことになつて居りまして、裁判官と檢察官との間に其の退官の年齡に於て相違が出來て居るのであります、從來は裁判官も檢察官も同樣でありましたが、今囘斯くの如くに差違を付けた其の理由は、元來檢察官の職務は裁判官の職務に比して、其の性質上極めて積極的活動的であるので、體力智能等の點に於て裁判官よりも低くするのが適當である爲に差違を設けたのであると云ふことであります、以上の外に各種の質問がありましたが、それは省略を致します、以上質問を終りまして討論採決の結果、全會一致を以て原案通り可決決定を致しました、次に下級裁判所の設立及び管轄區域に関する法律案に付て申上げます、裁判所法の規定に依りまして、從來全國に七箇所の控訴院が、それぞれ其の都市に於て高等裁判所と云ふことになり、それに加へて今囘新たに四國の高松市に高等裁判所が設置されますことになりました結果、從來廣島及び大阪の管下に屬して居つた區域の一部をそれぞれ新設の高等裁判所の區域に移さなければならないのと、各地方裁判所の名稱は其の所在地の都市の名稱を附することになります爲に、幾つか名稱を變へなければならない、又樺太沖繩等の裁判所を廢する結果、管轄に移動を生じたと云ふやうな極めて事務の内容でありまして、別に何の問題も生ずる性質のものでありませぬ爲に、何等の質問もなく討論採決の結果全會一致を以て原案通りに可決決定致しました、次に裁判所職員の定員に関する法律案に付て申上げます、此の法案に於ては裁判所の裁判官の定員を指定してありますのみならず、從來裁判所の書記たるの職務を執つた者であつて將來裁判所の事務官となる裁判所裁判官以外の職員の定員をも本法案に依つて規定することになつて居ります、然る處、其の事務官なる者の數が實に二千八百名近くにも及ぶ非常な多數の定員になりますに付て、本來此の事務官は從來の判任官に相當するものでありますから、斯う云ふ立場にある者、而も是程の多くの定員を態々法律に規定すると云ふことは如何にも考へなければならぬことであると云ふことが申せるのであります、そこで法律に規定した結果は、假に極端な場合を想像するならば、唯一名の事務官を増員し、或は減員するに付ても一々煩瑣なる法律の手續に依らなければならぬと云ふことになりますのみならず、斯くの如きであつては却て將來非常に困ることが起ると云ふことが憂へられるのであります、然る處、此の點は裁判所法に於て裁判官及び裁判官以外の裁判所職員の定員は、それぞれ別の法律を以て規定すると云ふことになつて居ります爲に、此の法律に依つて制定されることになつたのでありますのと、一つには、今囘裁判官なるものが全く獨立して、名實共に獨立をするやうになつた上からは、裁判所裁判官以外の職員も亦一般の行政官吏よりは聊か其の定員等の點に付ても、區別を付けるのが宜いと云ふやうな考から此の法律に規定するやうになつたと云ふことであります、從つて將來非常に困難な事情に遭遇することも豫想されないではないので、左樣な場合に於ては又十分に、考慮する積りであると云ふことでありました、以上で質問を終りまして、討論採決の結果、是亦全會一致を以て原案通り可決決定を致しました、次に裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律案に付て申上げます、此の審議に當りまして、或る委員から、最高裁判所の裁判官なる者は新憲法に依つて三權分立の建前から著しく其の地位が高められたばかりでなく、法令審査の職權迄も持つことになつたと云ふことは極めて重大なるものがあるのだ、萬一審査に誤りがあるならば、國家社會に由々しき影響を與ふるものであると云ふことを説かれまして、それだけに最高裁判所の裁判官は、各部門に亙つて不斷の研鑽努力を要する上から、單なる報酬と云ふ觀念を別にして、專心其の職務を遂行することを得せしめることを要すると云ふ趣旨を以て、極めて熱心に力強く意見を述べられた末、本法案に於て、「最高裁判所判事の受ける報酬の額は、國務大臣の受ける俸給の額と同額とする。」とあるのは、未だ十分ならざるものであつて、是は國務大臣の受ける俸給の額より以上にすべきものであると云ふこと、又簡易裁判所の裁判官と云ふものは、最も國民大衆に接近して、極めて親しみを持つて其の職務に當る者で、其の職務は極めて重いのみならず、其の職務に適切なる人を得る上からも、原案の如く單に二級官に止めたのであつては、到底所期の目的を達することが出來ないのだと、それであるから、是は原案の如く二級官に止めずして、一級官にも進み得る途を講ずべきものであると云ふ趣旨を以て、是亦極めて強い主張をされたのであります、其の點に付ては、司法當局に於ても矢張り同樣の意見であつたのでありまするが、豫算の關係、又此の簡易裁判所と云ふものの性質に付て、其の豫算の編成の上から、どうも關係の官廳に十分に其の重要なることの認識を與へることが出來なかつた爲に實現をすることが出來なかつたけれども、近き將來に於て十分に其の點を採入れて考慮を加へようと云ふことでありました、それから聊か形式のことに亙るやうではありまするが、此の本法案に於て、裁判官は報酬を受ける、俸給を受けると云ふやうに規定してはありませぬのです、そこで報酬と云ふのは一體どう云ふ性質のものであるか、從來の俸給に加ふるに、其の他の財産上の給付も含まれるのではないか、若しさう解するならば、一般行政官に付ては法律の規定に據らないから、自由に速かに適宜の處置を執ることが出來るが、裁判官に付ては、煩瑣なる法律の手續に據らなければならない爲に、他の一般の行政官よりは、不利な立場に立つと云ふことが考へられるのであります、處が、此の點は、憲法の規定に於て矢張り報酬と云ふ規定をして居り、それを受けた裁判所法も矢張り報酬とし、從つて又此の法案も報酬としてありますので、報酬の性質、俸給との關係に付ては色色議論もあるでありませうけれども、此の場合に於ては、報酬は俸給と云ふ意味と解して規定をされたと云ふことであります、若し左樣に解釋されないで、他の財産的の給付も含まれるものとしますと、或は裁判官の立場は一般の行政官よりも不利なことになることが考へられるのでありまするが、然る場合は餘儀ないことで、それに堪へなければならないが、能く此の點は尚研究して見ると云ふことであります、尚以上の外に報酬と恩給法の關係に付ても質問がありましたが、省略を致します、以上の質問を終りまして、採決に入りました處、前述しました、高等裁判所の裁判官竝に簡易裁判所の裁判官の報酬に付て極めて強き意見を述べられた委員より、附帶決議を附すべしと云ふ提案がありました、其の附帶決議を朗讀致します
裁判官の報酬等の應急的措置に関する法律案の希望決議
一、新憲法は司法官の職責の極めて重大なることを規定する、此の趣旨に則り、裁判官の地位を高くして其の人を得る爲め、其の待遇に付ても特に一般官吏のそれとは別途に之を考慮しなければならない
二、右の趣旨に鑑みれば、本案に定める最高裁判所判事の報酬及び簡易裁判所判事の報酬の額は、特に其の當を得たるものと言ふを得ない、政府に於て速かに之が是正の方途を講ずべきことを要望する
右決議す
と云ふのであります、そこで採決に於きまして、此の衆議院修正の原案に對して、今朗讀致しました如き決議案を附することに付て全員一致を以て可決決定を致しました、尚此の際に委員長として一言附加致しまするが、提案者は、是非共此の點に付ては修正を加へたいのであつたのでありますが、諸種の事情から、此の場合修正をすることは適當でないと云ふ趣旨で、それに代るものとして此の希望決議案を提案されたものでありまするが故に、希望決議案ではありまするが、極めて力強く當局に要望したものであると云ふことを附加へて置きます、以上の希望決議を附して全會一致原案通り可決しました、最後に檢察官の報酬等の應急的措置に関する法律案に付て申上げます、此の法案に付きましては、別に質問もありませぬで、採決の結果、全會一致を以て、原案通り可決決定を致しました、以上を以て御報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=69
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070・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、本案五案の採決を致します、五案の第二讀會を開くことに、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=70
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071・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=71
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072・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=72
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073・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=73
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074・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=74
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075・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=75
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076・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 五案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、五案全部、委員長の報告通りで、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=76
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077・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=77
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078・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=78
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079・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=79
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080・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=80
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081・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=81
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082・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 五案の第三讀會を開きます、五案全部、第二讀會の決議通りで、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=82
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083・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=83
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084・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程に追加し、國有財産法の一部を改正する法律案、作業会計法を改正する法律案、燃料局特別会計法を改正する法律案、造幣局特別会計法の一部を改正する法律案、國有林野事業特別会計法案、労働者災害補償保險特別会計法案、公債金特別会計法外四法律の廃止等に関する法律案、企業再建整備法等の一部を改正する法律案、労働者災害補償保險法案、健康保險法の一部を改正する等の法律案、以上十案を一括して第一讀會ノ續を開き、委員長の報告を求めたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=84
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085・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長北大路男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=85
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086・会議録情報10
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國有財産法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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作業会計法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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燃料局特別会計法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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造幣局特別会計法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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國有林野事業特別会計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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労働者災害補償保險特別会計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大寺信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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公債金特別会計法外四法律の廃止等に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大路信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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企業再建整備法等の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大路信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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労働者災害補償保險法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大路信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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健康保險法の一部を改正する等の法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 男爵北大路信明
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔男爵北大路信明君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=86
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087・北大路信明
○男爵北大路信明君 只今上程致されました國有財産法の一部を改正する法律案特別委員會の審議の經過竝に結果を御報告致します、本委員會は三月二十九日正副委員長の互選を行ひ、引續いて國有財産法の一部を改正する法律案外七件の大藏省所管法案に付きまして、大藏政務次官より、勞働者災害補償保險法案外一件に付きましては、厚生大臣より、それぞれ説明を聽取致しました、其の後續いて質疑に入りました、さうして本日午前中質疑を續け、次いで討論に入り、採決致しましたる處、付託議案十件は悉く全會一致を以て、原案を可決すべきものなりと決定致しました、各法案の提案理由竝に其の内容に付きましては、本會議に於きまして、大藏大臣及び厚生大臣よりそれぞれ御説明のあつたことでございますから、之を茲に反覆致すことを省略致しまして、直ちに委員會に於ける質疑應答の主なるものに付御説明申上げます、先づ一委員より、企業再建整備法に關聯して、不動産の評價は國家補償と重大な關係があるから、財産税の評價基準に從ふを適當と考へるが如何との質問に對し、政府委員より、企業の將來の堅實性を考慮して、將來生産繼續に必要な固定資産の評價は、原則として帳簿價格に依ることとしたが、法定普通償却額以上の償却を行つて居る場合には、其の超過分を戻すことが出來ることとし、又低評價に依る會社の含み益の享受の公平を期する爲、増資新株は舊債權者にも割當てしめる等の措置を講じ、國民に御迷惑を掛けないやうにしたいと考へて居る旨の答辯がございました、又一委員より、厚生保險特別會計法の積立金の源泉は勞働者即ち被保險者と事業主の拂込保險料であると思ふが、此の責任準備金の運用に付ては、勞働者、事業主の意向を重んずべきではないかとの質問に對しまして、政府委員より、從來の行き方で行ふ、即ち全部預金部に預入れて居る、拂込人の人々の意見に從ひ運用するか、或は運用委員會に依るかと考慮はして居るが、此の運用は確實を期する必要がある爲、從來と變りはないとの答辯がございました、又健康保險法の一部を改正する等の法律案に關して、健康保險の收支に餘剩を生じた理由、及び餘剩金に對する方策如何との質問に對し、政府委員より、剩餘の積立金は二億三千萬圓程度で、一箇年の保險料は大體二億圓で、其の餘剩を生じた理由としては、家族の疾病率の統計がなかつた爲、家族に付ても一般勞働者並の統計に依つて扱つたこと、標準報酬の上昇に伴ひ保險料増收となつたこと、又醫療費の上昇が一般物價に比例しなかつたこと等であり、其の餘剩金に付ては勞働者に還元する意味で、健康保險專門病院の建設と保險料率の改正を行ひたいと云ふことでございました、又保險醫が不深切であるが、今後は醫療其のものを改善するのみならず、施設に付ても考慮してはとの問に對しては政府委員よりは、健康保險の受診率は次第に上昇して居る、運營がうまく行かないのは診療費の低額な爲である、之に付ては各府縣に診療費の算定協議會を設けて改善して行きたい、醫療品の不足の爲健康保險の診療價格ではやつて行けないこと、之に對しては醫藥品の一定量を健康保險の診療實績に應じまして配給をして行きたい、其の他事務の繁雜であるとの聲に對しましては、今後大いに改善して行きたいとの答辯がございました、又厚生年金法で結婚手當金を外したが、其の理由及び其の處置如何との質問に對しましては、政府委員より、女子は一般に就業年數が短いものが多い、即ち年金給付の利益を受ける者が比較的少數でありますので、此の不利益をカバーする爲、結婚手當金、或は既婚女子に對する特別脱退手當金と云ふやうな、男子と異る特別給付を設けたのでありますが、其の後の社會情勢の變化竝に年金給付を主眼とする本法の建前から見て、結婚手當金の如きは、本法より外す方が妥當と考へましたので、今囘の改正で之を削除し、其の後の處置として既納保險料は還元してやる爲、其の期間に應じて脱退手當金に附加して返還することとしました、又今後女子に對しては男子に比し、相當程度の保險料率を下げることとしたとの答辯がございました、又勞働者災害補償保險法案に付ては、勞働基準法に基く勞働者を判然と捕捉することが出來るやとの質問に對しまして、厚生大臣より、此の制度は事業主を信用した制度であり、土建業者と出先官署との間に實際の運用をうまくすれば、全きを期し得られると思ふとの答辯がございました、又勞働者災害補償保險法、第五十二條の罰則は、勞働基準法の罰則に比して重くなつて居る理由はどうかとの質問に對しまして、政府委員より、此の保險で罰則を重くしたのは、勞働基準法の災害補償を行ふと云ふ實體法規であること、法律に違反する者があれば、保險の運營がうまうま行かない爲、一般勞働者の保護に影響することとなるからであるとの答辯がございました、又船員に對する災害補償の保險制度は別に考慮して居るかとの質問に對しまして、政府委員より、海上勞務者の特殊性に鑑みまして、別に船員保險法を改正して、速かに船員の災害補償を確保する措置を講じたいと考へて居りますとの答辯がありました、尚其の他質疑はございましたが、詳細は速記録に讓ります、次いで十案全部を議題に供して討論に入りましたる處、是等の新しい法律案は悉く重要な法案であるが、時間の少い爲、細部に亙り質すべきことはまだあると思ふが、其の趣旨は贊成すべきものであるから、原案全部に贊成をする、唯厚生省所管の二法案は勞働基準法の裏附けになるべきものであるから、勞働者が安んじて生産の能率を擧げ得るやう、關係各方面は協力して其の運用に萬全を期せられたいとの希望がございました、さうして採決に入りましたる處、全會一致を以て付託議案十件は、全部原案通り可決せられたのでございます、簡單ではございますが、以上を以て御報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=87
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088・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ十案の採決を致します、十案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=88
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089・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=89
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090・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=90
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091・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=91
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092・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=92
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093・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=93
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094・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 十案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、十案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=94
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095・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=95
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096・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=96
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097・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=97
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098・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=98
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099・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=99
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100・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 十案の第三讀會を開きます、十案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=100
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101・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=101
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102・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程に追加し、所得税法を改正する法律案、法人税法を改正する法律案、特別法人税法の一部を改正する等の法律案、土地臺帳法案、家屋臺帳法案、地方税法の一部を改正する法律案、地方分與税法を改正する法律案、相續税法を改正する法律案、以上八案を一括して第一讀會ノ續を開き、委員長の報告を求めたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=102
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103・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長黒田英雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=103
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104・会議録情報11
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所得税法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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法人税法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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特別法人税法の一部を改正する等の法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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土地台帳法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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家屋台帳法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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地方税法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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地方分與税法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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相続税法を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告侯也
昭和二十二年三月三十日
委員長 黒田 英雄
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔黒田英雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=104
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105・黒田英雄
○黒田英雄君 只今議題に相成りました所得税法を改正する法律案外七件の委員會の經過竝に結果を御報告致したいと思ひます、本委員會は昨日法案を付託されまして、誠に重要なる法案を會期切迫の際付託されましたことに付きましては、委員會に於て大藏大臣より遺憾の意を表されたのでありまするが、委員諸君に於きまして熱心に御審議下さいまして、昨日、本日に亙りまして審議を致し、本日各案共、原案通り可決すべきものと決定を致したのであります、今其の經過を御報告申上げたいと思ひまするが、是等の法律案は、中央及び地方を通じまする税制の改正に關する案件であるのでありまして、其の内容は相当廣汎に亙つて居るのであります、八件ではありまするが、其の中の特別法人税に關しまする法律案の如きは、其の中に於きまして三十四に亙る法律の改正、又は廢止等が規定されて居るのでありまして、非常に廣い範圍に亙つて居るのであります、且國民の負擔に關係することが非常に多いのでありまして、國家の財政にも重大なる關係のある法案であるのであります、先づ國税に付きましては、大藏大臣から詳細な提案理由の説明があつたのであります、併し既に本議場に於ても、大藏大臣より説明があつたのでありますから、從ひまして其の説明は省略致しまして、唯之を要約して申しますると云ふと、財政收支の均衡及び國民負擔の公正を期しますると共に、租税の民主及び税制の簡易平明化を圖ることとして居るのであります、所得税を租税の體系の中樞と致しまして、各税に付相當の改正を行ふこととなつて居るので之に伴ひまして、租税及び印紙收入の國庫の收入額と致しましては、昭和二十二年度に於きましては六百九十五億圓餘を見積つて居るのでありまして、其の中直接税は四百六十六億圓餘でありまして、全體の六割七分二厘に當つて居ります、間接税は百九十一億圓餘でありまして、全體の二割七分六厘に當ります、其の外の諸税は三十六億圓餘でありまして、全體の五分二厘に當ると云ふのであります、又直接税の中に於きまして、所得税は四百十三億圓餘でありまして、實に全體の五割九分四厘に當ります、國税の重點は實に此處に懸つて居ることとなつて居るのであります、尚間接税の中で酒税の收入額は約百四十一億圓餘でありまして、全體の二割二厘に當ることになると云ふのであります、次に地方税に付きましても、既に本議場に於て内務大臣から詳細の御説明があつたのでありまするが、更に委員會に於きまして、内務省の政府委員からして詳しい説明があつたのであります、之を要約致しますと云ふと、地方自治の強化に副ひまして、地方財政の現況に即應する爲に、地方所要財源の充足、自主的地方財政の確立、税種間負擔の不均衡の是正及び地方財政調整の適性化を目標として改正を行ふことと致したのでありまして、昭和二十二年度に於きまして、増額を要すべき地方の所要財源の總額を一應、二百十二億圓餘と概算を致しまして、其の中百三十二億圓餘を地方税の増收に依り、又七十八億圓餘を分與税の増收に依つて賄ふことと致したと云ふのであります、又分與税は既定の額と今囘増額しまする分を合算致しますと云ふと、道府縣分が七十四億圓餘でありまして、六割七分、市町村分が三十六億圓餘でありまして、三割三分に當ると言ふのであります、次に委員會に於きまする質疑の中、主なるものと、之に對しまする政府の答辯の大要を御紹介申上げたいと思ひます、先づ一委員より、政府は昭和二十二年度豫算に於きまして、租税收入を二十一年度に比べまして、相當増額して居ることになつて居るが、政府は本年度の國民所得を幾らに見積つて此の税制の案を立てたのであるか、又現在の物價及び生活上の安定感を失つて居る國民に對しまして、此の租税の負擔と云ふものは過重とは考へないか、果して實行上に於て支障がないかと云ふやうな質問があつたのでありまするが、之に對しましては、政府に於きましての答辯は、租税の大宗でありまする所得税に付ては、國民經濟及び國民生活の現況に即して、基礎控除及び扶養家族の控除の金額を引上げ、又は税率の引下を行ふ等に依りまして、金銭所得の激増に對しまする適正負擔を定めて居るのであります、増收と申しますれば、酒税に於て著しい例でありますが、日本の現状に於きまして考へまして、此の程度の租税負擔は過重とは考へられない、負擔が出來るものと考へて居る、又國民所得と云ふものを標準として作つたものではないと云ふやうな答辯であつたのであります、次に申告納税制度に付ての質問であるのでありまするが、是は二三の委員から質問もあつたのでありまするが、政府は所得税、法人税、相續税等に付きまして、申告納税制度を採用することとなつて居るが、永年税務署の決定に依つて納税した納税者に取りまして、新制度の趣旨を理解徹底せしむることは、短時日に於て容易のことではないのである、又國民道義觀念の低下して居る今日の現状に於きまして、正確な申告納税と云ふものを期待することは困難である、結局課税が各納税者に付て的確を缺いて、歳入缺陷を生ずるの虞がないかと云ふやうな質問があつたのであります、之に對しまして政府と致しましては、申告制度に付ては十分考へたのであるが、既に財産税に於て其の制度を採つたのであるし、所得税は前年の實績に依つて課税したものを、今囘は其の年の豫算に依つて納税して貰ふと云ふことにしたのであるが、それは負擔の公正の點から申しても、納税者の納税上の便宜からも、又國庫の收入を確保する點から見ても、何れの點から見ても適當であると考へる。財産税に適用した結果から見ましても、申告納税制度は實行出來ると云ふ確信を得たと云ふやうな答でありました、又豫算課税を行ひまする爲には、どうしても此の申告納税の方法を執ることが必要であるのでありますし、又租税の民主化を推進して、自主的に納税すると云ふ制度を確立することが誠に好ましいことであるから、今申しましたやうな各税に付ても、豫算申告納税制度を採用したのでありまするが、此の制度の成果を擧げまする爲には、納税者の協力が第一の條件となるのでありまして、周知、理解等に付きましては、十分の考慮を致し、自主的納税に資する積りでありまするが、尚豫算申告納税に付きましては、三箇月毎に所得の状況の變動に應じて修正申告も致し、最後の翌年の一月になりましてから、其の年の實績に依つて税金を改算して過不足を精算すると云ふ建前にしたのであります、申告がない時は税務署の調査に依つて決定した税金を徴收して申告が不適當でありますれば、税務署の調査に依つて之を更正した税金を徴收することとなるので、經濟状況の變動の激しい今日に於きましては、國庫の收入を圖る上に於きましても、此のことが必要であつて、之に依つて收入を期待し、著しい歳入缺陷になる虞がないと考へると、又納税者に於きましても、不景氣のやうなことがあつて、歳入が減るやうな場合に於ては、其の中途に於て更正し修正致しまして、納税額が減ずることになるのであるから適當であると考へると云ふ風な説明であつたのであります、次に、所得税、法人税、相續税に第三者の通報制、即ち密告制度を採用した點に付ての質問があつたのでありまするが、此の密告制度を採用したに付きましては、此の運用如何に依つては、非常に相當厄介な事態が考へられるのではないか、或は會社ゴロと云ふやうな者が、色々な密告をするとか云ふやうなこともあらうし、又官吏或は待遇者が知り得たることを言ふ事態もあるが、如何なる標準で以てさう云ふ風なことを見るか、と云ふやうな色々な問題があるではないかと云ふやうな質問があつたのでありまするが、之に對しましては、政府と致しましては、密告制度のことも大分財産税の場合に於て、之を設けまする時に於て、政府部内に於ても相當異論があつたのであるが、併し今日に於ては是は宜いと云ふ確信を得たと云ふ大藏大臣の答辯もあつたのであります、是等の密告制度に依りまして、却て色々な風説等に依つて、非常に迷惑をする者も、寧ろ是等は密告したら宜いぢやないかと云ふ風にして、却て樂になりはしないか、又濫に密告をすれば、之に對しては處罰の規定もあるのでありますし、又密告をしたからと言つて必ずしも報酬をやる譯ではない、例へば會社ゴロと云ふやうな者は報酬はやらない、又脅迫其の他不法行爲に依つてした場合に於ては、勿論是は處罰の規定もあると云ふやうなことであつたのであります、次に新興所得階層に對しまして、所得税の累進課税だけで目標を達すると云ふ風に考へて居るかと云ふやうな質問があつたのでありまするが、之に對しましては政府の答辯は、新興所得階層に對しまする課税の充實を圖る上に於ては、唯累進税率を引上げるだけでは却て申告が、税率が高ければ申告をしないと云ふやうな虞もあるのでありまして、第一に其の所得を正確に把握すると云ふことが必要であるのでありまするが、之が爲には調査上、格段の努力を致す積りである、即ち此の種の調査は、甚だ困難であることは勿論でありまするが、それ等は外形に現れて來るやうなことを捉まへる、即ち不動産を買ふとか、或は商品を買つたとか、或は財産税の調査の際に現れたもの以後に取得したものとか、又は消費の方面からして所得を推定する等の、各方面からの資料を集めまして實體把握に努めて居るのであります、將來も一層此の方面に調査の主力を注ぐ積りであると云ふ風な答辯であつたのであります、其の他所得税に關しまして保險料の控除を今囘廢止になつて居る理由の質問もあつたのであります、又有價證券の移轉の場合に於きまする一時の所得に付きましての御質問もあつたのであります、之に對しましては政府としては矢張り從來からも是は考へて居つたのであるが、今囘全體の税制を整へる上に於て、又財産税も既に施行した今日に於て、今囘之を課税することにしたのである、さうして是は或は名義を書き替へる場合、或は配當金を受ける場合を機會に調査をして課税をする積りであると云ふやうな答辯であつたのであります、或は其の他の所得税等に付て御質問もあつたのでありまするが、詳細は速記録を御覽を願ふことにして省略致したいと思ひます、次に法人税に付きましもて、政府の原案に於きましては、法人の各事業年度の超過所得に對しましては、超過利益の割合を引上げ、又税率を下げると云ふやうな改正が行はれて居るが、現在の法人の所得は貨幣價値の變動に伴ふ所の名目的の所得であることが通例であるからして、超過利益の割合をもつと高めると云ふ所の必要はないか、或はそれが困難であれば、固定資産の減價償却の率をもつと大幅に引上げるとか、或は貨幣價値の平衡資金と云ふやうなものを設けると云ふやうな考はないかと云ふやうな御質問があつたのでありまするが、之に對しましては、超過所得の課税は今囘の改を正以て適當であると考へるが、減價償却とか、或は貨幣價値の平衡資金と云ふやうなことに付ては尚研究をすると云ふ風な御答辯であつたのであります、又法人税に付て改正法施行後直ちに是が申告納税になつて居る、最近の二箇月間にしなければならぬと云ふことに相成つて居るのであるが、申告期限が繰上げられまする爲に、會社の經理事務擔當者には相當の負擔になるのであるが、本年度は特別の特例を認められるやうな考はないかと云ふことでありましたが、是は個人の所得税の豫算申告納税制度に對應して出來たのでありまして、法人税に付て特に特例を設けてする考はない、又會社の決算の状況等から考へて、申告期限は適當であると云ふ風な御答辯であつたのであります、其の他地方税に付きましても、或は遊興税とか、入湯税等に付ての御質問もありましたが、是等は速記録に讓ることに致します、斯くて質疑應答を終りまして討論に入りました處、一委員より、原案に贊成の御發言があり、是等の改正税法が施行される上に於ては、色々な變革が加へられて居るのであるからして、改正税法の施行に付きましては、國民各層に對して其の趣旨の周知、理解、徹底に關して特別の考慮を拂はれたい、殊に此の末端の機關である税務署或は金融機關等に付て、其の取扱ひ方等に付て十分徹底されるやうにして、施行の圓滑を期せられたいと云ふ風の希望が述べられたのであります、斯くて採決に入りました處、全會一致を以て原案通り可決すべきものと決定を致した次第であります、右御報告を申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=105
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106・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ八案の採決を致します、八案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=106
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107・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=107
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108・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=108
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109・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=109
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110・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=110
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111・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=111
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112・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 八案の第二讀會を開きます、御異議がなければ全部を問題に供します、八案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=112
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113・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=113
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114・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=114
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115・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=115
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116・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=116
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117・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=117
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118・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 八案の第三讀會を開きます、八案全部第二讀會の決議通りで御異議でございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=118
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119・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=119
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120・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 報告を致させます
〔宮坂書記官朗讀〕
本日地方競馬法の一部を改正する法律案特別委員會に於て當選したる正副委員長の氏名左の如し
委員長 侯爵 四條隆徳君
副委員長 子爵 土屋尹直君
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
昭和二十年度第一豫備金支出の件、昭和二十年度緊急對策費第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計豫備費支出の件、昭和二十一年度特別會計第二豫備金支出の件、臨時軍事費特別會計豫備費支出の件、臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件(承諾ヲ求ムル件)可決報告書
船舶公團法案可決報告書
地方競馬法の一部を改正する法律案可決報告書
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=120
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121・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 議事の都合に依り休憩を致します、午後三時より再開致します
午後二時三十四分休憩
――――◇―――――
午後三時二十四分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=121
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122・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 報告を致させます
〔宮坂書記官朗讀〕
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
行政官廳法案可決報告書
宮内府法案可決報告書
恩給法の一部を改正する法律案可決報告書
日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律案可決報告書
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=122
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123・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 休憩前に引續き會議を開きます、此の際議事日程に追加し船舶公團法案の第一讀會ノ續を開き、委員長の報告を求めたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=123
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124・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長後藤伯爵
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船舶公團法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長伯爵 後藤 一藏
貴族院議長公爵徳川 家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔伯爵後藤一藏君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=124
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125・後藤一藏
○伯爵後藤一藏君 只今上程になりました船舶公團法に關する特別委員會の審議の經過竝に結果に付きまして御報告を致します、本法案は他の公團法と別に本會議に於て、曩に本委員會に付託となり、本委員會に於きましても、先づ別個に審議を終了致しましたので、茲に御報告を先に申上げる次第でございます、本法案は本日本委員會に付託と相成りまして、即日審議を開始し、愼重なる審議を致しました、即ち運輸大臣より、本法案の提案理由に付て詳細なる説明がありましたる後議事に入りまして、委員と政府との間に、熱心なる質疑應答が續けられましたが、委員會は、政府原案通り、可決すべきものと決定致しました、今其の質疑應答の概要を申上げますと、先づ第一に、第十五條の關係に付て、公團の業務を擔當する役員及び職員の身分、給與、其の他の待遇、竝に兼職の制限等に關しまして、民間人登用の問題を中心とし、詳細なる質疑がございました、之に對し政府は、公團の業務の内容に鑑み、廣く有能の人材を民間よりも採用する必要があるので、特に政府職員と云ふ特別な身分を定め、其の給與に付ても一般官吏の給與と異る特例を設けて、有能なる民間の人材登用に遺憾なきを期することと致したのである、又兼職の制限に付ては、法律の趣旨は利害關係ある事業に付ての兼職を禁止致して居るものであつて、本法に規定せられて居ない事業への兼職は差支ない譯であるが、公團の業務の重要性に鑑み、兼職の濫用は避けることとしたいとの答辯がありました、次に第十六條の業務に關する規定を中心として、公團に於て必要とする資金、資材の問題を初めとし、業務の全般に亙り具體的、數字的質疑が行はれましたが、之に對して政府は、極めて詳細なる具體的答辯があり、又之に關聯致しまして賠償との關係に於て、公團の計畫實施に必要な船舶の造修能力等の見込に付ての質疑がありました、之に對しては具體的數字に基いて製造能力及び修理能力の説明がありました、又我が國としては、是非とも必要な修理能力は殘存するやうに出來るだけ努力しつつあると云ふ答辯がございました、又之に關聯致しまして、現在緊急とされて居る石炭の増産に付ても、兎角輸送の方面が等閑に附せられて、計畫に支障を來すことが多いのに鑑みまして、現存の船舶の修理等を促進する對策は十分であるかとの質疑に對しまして、政府は經濟安定本部とも緊密に連絡を執り、現在は修繕第一主義を以て資材の優先確保、修繕費の一部新圓支拂ひ、其の他の對策を講じてある外、本公團の設立に依つて、船主のみでは行ひ得ない大修繕及び改造等か實行、促進されるものである旨の答辯がございました、以上が質疑應答の主要なる點でありますが、尚此の外にも、船主の金融の問題、運賃の問題、其の外種々なる點に付て色々の質疑が行はれたのでございますが、詳細の點に付きましては、速記録に依つて御承知を御願ひ致します、以上を以て質疑を終了し、討論に移りましたが、別段御異議がなく、採決に入り、全會一致を以て本案を可決すべきものと決定を致しました、以上を以て私の御報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=125
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126・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、本案の採決を致します、本案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=126
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127・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=127
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128・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=128
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129・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=129
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130・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=130
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131・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=131
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132・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ全部を問題に供します、本案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=132
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133・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=133
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134・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の御三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=134
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135・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=135
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136・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=136
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137・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=137
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138・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=138
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139・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=139
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140・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程に追加し、地方競馬法の一部を改正する法律案の第一讀會ノ續を開き、委員長の報告を求めたいと存じますが、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=140
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141・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長四條侯爵
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地方競馬法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 侯爵四條 隆徳
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔侯爵四條隆徳君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=141
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142・四條隆徳
○侯爵四條隆徳君 只今議題となりましたる、地方競馬法の一部を改正する法律案の委員會の經過竝に結果を御報告申上げます、本委員會は本日午後一時より開きまして、先刻終了致しました、此の改正案は衆議院提出案でありまして、地方競馬法の中の、「第三條中「この法律により競馬を行ふ」を「第一條第一項に規定する馬事團體の行ふ競馬の」に改め、左の但書を加える。但し、主務大臣は、馬事の振興を圖るため必要ありと認めるときは、北海道六箇所以内、都府縣各各二箇所以内とすることができる。」以上のやうな改正案でありまして、其の提案理由と致しましては、地方競馬法制定以來、競馬は健全なる發達を成しつつあるが、馬事の振興を圖る爲には、地方の事情に依り競馬場の數を増加するの必要があるとの提案理由でございます、委員會に於きましては、先づ政府より以上の衆議院の提案理由の御説明があり、且現下我が國保有馬の非常なる減少に鑑み、政府に於ても本改正案に贊成なる旨御説明がありました、次に委員會に於ける質疑の主なるものを御紹介申上げます、一委員より公認競馬出走資格馬は種馬候補馬である、地方競馬出走馬は實役馬であると思ふが如何との御質問に對し、御意見の通りであつて、現在に於ても斯くの如く取扱つて居るとの御答辯でありました、次に地方競馬は、各府縣二箇所の必要ありやとの御質問に對しては、現在一箇所であつても、未だに設備されて居らない所もあるが、保有馬の數多い府縣に於ては、産業上二箇所あつても差支ない地方もあると云ふ御答辯でありました、次に、従來馬産は經濟上採算の取れ難いものであつて、之を奬勵せむが爲、都市に於て競馬を行ひ、此の收得金を以て馬産地に對して援助するのが競馬の目的である、然るに今般の改正に依り、保有馬數の多い地方に競馬の増設を許すこととなれば、經濟上の競馬の意味とは反對であるが如何との御質問に對し、御意見の通りであるが、結局出走登録馬の數の多い所に増設を許すと云ふことになるから、都市附近でも出走登録馬が多ければ増設出來るとのことでありました、尚他に種々御質問がありましたが、詳細は速記録を以て御了承願ひます、斯くして討論に入りました處、一委員より、現在我が國の馬數は、戰後三分の一を失つて、非常に減少して居る、産業上、各種輓馬の整備は目下の急務である、地方競馬は馬車振興に必要であつて、本改正案は現状、適切なるものと思ふとの贊成の御意見があり、且競馬を公正明朗に執行されるやう希望の御意見が述べられました、次に採決に入りましたる處、全會一致、委員會に於きましては改正案を原案通り可決すべきものと決定致しました、以上御報告申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=142
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143・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、本案の採決を致します、本案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=143
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144・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=144
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145・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=145
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146・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=146
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147・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=147
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148・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=148
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149・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、本案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=149
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150・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=150
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151・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=151
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152・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=152
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153・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=153
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154・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=154
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155・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=155
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156・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=156
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157・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際議事日程を追加し、昭和二十年度第一豫備金支出の件、昭和二十年度緊急對策費第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計第一豫備金支出の件、昭和二十年度特別會計豫備費支出の件、昭和二十一年度第二豫備金支出の件、昭和二十一年度特別會計第二豫備金支出の件、臨時軍事費特別會計豫備費支出の件、臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件、以上八件の承諾ヲ求ムル件を一括して會議を開き、委員長の報告を求むることに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=157
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158・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長子爵錦小路頼孝君
昭和二十年度第一予備金支出の件、昭和二十年度緊急対策費第一予備金支出の件、昭和二十年度特別会計第一予備金支出の件、昭和二十年度特別会計予備費支出の件、昭和二十一年度第二予備金支出の件、昭和二十一年度特別会計第二予備金支出の件、臨時軍事費特別会計予備費支出の件、臨時軍事費特別会計予備費外予算超過支出の件右承諾スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 子爵錦小路頼孝
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔子爵錦小路頼孝君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=158
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159・錦小路頼孝
○子爵錦小路頼孝君 只今議題となりました昭和二十年度第一豫備金支出の件、外七件に付承諮を求める件に關しまして、特別委員會の經過竝に結果を御報告申上げます、委員會は本日午前十時より開會致しまして、愼重審議の結果、承諾を致すべきものと決定致しました、今審議の内容を御報告申上げます、先づ最初に政府委員より、付託八件の説明を聽取致しましたが、此の付託各件に付きましては、過日の本會議に於て説明がございましたので、説明を省略したいと存じます、次に質疑應答の主なるものを申上げます、一委員から、議會會期切迫の折、斯かる内容多岐に亙る重要な議案の審議を政府が議會に求めるのは、不當と考へられるが、それに付て政府の所見を伺ひたいとの質問に對しまして、政府委員より、議案提出の遲延に付きましては誠に遺憾と存じて居りますが、各般の事情があり遲延致した次第でありまして、將來十分に注意し、議會の審議に支障を來さないやうに致したいとの答辯がございました、又一委員から、金屬囘收株式會社補助に關しまして、其の内容、囘收金屬の利用等に關しまして質問がございました、政府委員からは、それに對し、それは政府の別働隊のやうなものでありまして、買つてそれを潰して地金として賣るので、そこに差損が生ずる、それを政府がカバーするのである、囘收金屬は餘り質の良いものではないが、使用は出來ます、唯輸送や製鐵能力等に隘路がありまして、關係の方では精々其の方に努力を致して居るとの答辯がありました、又一委員から、陸海軍の戰時中の發註に係かるもので、終戰に依つて打切られました所の軍需補償に關して質問がありましたが、之に對し政府委員から、其の補償打切に付きまして答辯がございました、其の他熱心な質疑があり、之に對し政府側から適切な答辯がございましたが、それ等の詳細は速記録に讓ることと致します、次いで討論に入りましたが、何等御發言はなく、次に採決致しました結果、昭和二十年度第一豫備金支出の件、外七件に付承諾を求める件は、全會一致承諾すべきものと議決せられました、簡單でございますが、以上御報告申し上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=159
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160・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ是より採決を致します、八件とも委員長の報告通り承諾を與ふることに御異議がございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=160
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161・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=161
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162・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際日程に追加し、行政官廳法案、宮内府法案、恩給法の一部を改正する法律案、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律案、以上四案を一括して第一讀會ノ續を開き、委員長の報告を求めたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=162
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163・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長前田伯爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=163
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164・会議録情報12
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行政官廳法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 伯爵前田 利男
貴族院議長公爵徳川家正殿
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宮内府法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 伯爵前田 利男
貴族院議長公爵徳川家正殿
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恩給法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 伯爵前田 利男
貴族院議長公爵徳川家正殿
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日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十二年三月三十日
委員長 伯爵前田 利男
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔伯爵前田利男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=164
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165・前田利男
○伯爵前田利男君 只今議題となりました行政官廳法案、宮内府法案、恩給法の一部を改正する法律案、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律案、此の四案の特別委員會の報告を致します、此の四案とも各委員愼重審議を致しまして、可決すべきものと相成りました、委員會は本日十時から始まりまして、只今散會致した譯でございますが、色々御質疑がございましたが、其の中の極く二三を申上げます、行政官廳法案に付きまして、新しき省の設置に付てはどう云ふ手續を執るかと云ふ御質問に對しまして、省の設置廢止に付きましては、日本國憲法施行後は、法律を以て之を定めることとなる、又總理廳の構成はどうなるかと云ふ質問に對しましては、大體各省大臣並の、内閣總理大臣の事務を分擔して居る恩給局、統計局等が之に入ることとなる、それから官吏法を此の議會に提出しないのはどう云ふ譯かと云ふ質問に對しましては、目下政府に於て行政廳に於て能く之を中心として根本的の研究を進めて居るが、其の成果を俟つ意味に於て、本議會は提出は見合せたと云ふ答辯でございます、其の他は速記録に讓ります、唯此の行政官廳法案の討論に移りました際、一委員より、本案の内容は不滿足だが、已を得ざるものと考へて贊成するとの意見がございました、それで此の四案とも原案通り全員一致可決すべきものと相成りました、簡單でございますが御報告申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=165
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166・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ四案の採決を致します、四案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=166
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167・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=167
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168・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=168
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169・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=169
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170・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=170
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171・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=171
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172・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 四案の第二讀會を開きます、御異議がなけれは、全部を問題に供します、本案全部、委員長の報告通りで、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=172
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173・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=173
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174・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=174
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175・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=175
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176・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=176
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177・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
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○議長(公爵徳川家正君) 四案の第三讀會を開きます、四案全部、第二讀會の決議通りで、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=177
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178・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、明日は午前十時より開會致します、議事日程は決定次第、彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午後三時五十一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203242X02819470330&spkNum=178
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