1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○郵便法の一部を改正する法律案
○帝國鐵道會計法を改正する法律案
○通信事業特別會計法を改正する法律案
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委員氏名
委員長 子爵 齋藤齊君
副委員長 男爵 八代五郎造君
公爵 桂廣太郎君
侯爵 池田宣政君
伯爵 大木喜福君
子爵 六角英通君
子爵 伊集院兼高君
永井松三君
男爵 伊江朝助君
村上義一君
長谷川赳夫君
男爵 平山洋三郎君
松尾國松君
佐藤惣之助君
熊谷三太郎君
伊藤傳七君
戸口米次郎君
倉井敏麿君
村上巧兒君
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昭和二十二年三月二十三日(日曜日)
午後一時二十三分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=0
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001・齋藤齊
○委員長(子爵齋藤齊君) 是より郵便法の一部を改正する法律案特別委員會を開會致します、先づ政府當局より法案の提案理由の御説明を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=1
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002・一松定吉
○國務大臣(一松定吉君) 郵便法の一部を改正する法律案に付きまして御説明を申上げます、此の法律案は郵便法に規定せられて居ります所の書状、葉書等、通常郵便物の料金を改正しやうとするものでありまして、之が改正の理由に付きましては、曩に本會議に於ても説明申上げましたやうに、現下の高騰した物價事情の下に於て、通信事業の圓滑なる運營を圖る爲には、どうしても料金收入の増加を必要とするに至つた爲でございます、即ち通信事業特別會計の昭和二十二年度豫算に於きましては、事業經營の合理化を圖り、徹底せる緊縮方針で豫算編成を行ひましたが現在の物價昂騰に伴ふ事業運營上の諸經費増嵩に依り、業務支出は約九十四億圓に上るのであります、之に對し收入はサーヴイスの向上其の他の増收策を講じましても、さして増加が期待出來ず、約四十一億圓が見込まれる程度でありまして、此の間の赤字約五十三億圓の補填に付て種々考慮を重ねて來たのでありますが、一般會計からの繰入に依ることは、結局に於て國民負擔の増加を來すこととなるのみならず、一般國家財政の現状から見て到底不可能であり、又借入に依ることも既に巨額の借入金を擁し、梗塞状態にある事業財政の現状から見て、更に自壞の途を選ばしめる虞がないとは申兼ねる状態であります、斯樣な次第でありまして、愼重考究の結果、業務收支の面に於ける赤字は通信料金の引上に依つて賄ふことと致した次第であります、通信料金改定の社會的、經濟的影響は固より十分考慮を要するところでありますので、政府と致しましても大衆的な通信料金、例へば郵便葉書、日刊新聞郵送料等に付きましては、特に利用者の負擔を輕減するやう用意致して居るのであります、其の郵便料金に關する内容は御手許に差上げてありますやうに、第一種有封書状及び第四種書籍印刷物等三十錢を一圓二十錢に、第二種通常葉書及び第三種定期刊行物十五錢を五十錢に、第五種農産物種子五錢を十五錢にしたのであります、尚小包郵便料金及び書留速達等の特殊取扱料金に付てもそれぞれ制度の特殊性を考慮しまして、概ね二倍乃至四倍の増額を是と同時に行ふ所であります、以上の郵便料金改正に依つて得られます昭和二十二年度増收額の概數は、普通通常郵便料金に於て十一億二千七百萬圓、小包郵便料金に於て一億五百萬圓、特殊取扱料金に於て三億九千三百萬圓、合計十六億二千六百萬圓となる見込であります、以上甚だ簡單でありますが、改正の要旨を申上げた次第であります、何卒宜しく御審議を御願ひ申上げる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=2
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003・齋藤齊
○委員長(子爵齋藤齊君) 續きまして通信事業特別會計法を改正する法律案が本委員會に併託になりましたのでありますから、此の法律案に付きまして提案理由の説明を政府側からして戴きます、尚帝國鐵道會計法を改正する法律案も本委員會に併託になりましたので、是も併せて政府側から提案理由の説明をして戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=3
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004・河野一之
○政府委員(河野一之君) 此の委員會に併託に相成りました帝國鐵道會計法を改正する法律案及び通信事業特別會計法を改正する法律案に付て御説明申上げます、兩法案提出の理由に付きましては本會議に於て申上げました通り、國有鐵道事業及び通信事業に關する經理を企業的に明確ならしめ、以て其の健全な發達に資する爲、現行の帝國鐵道會計法及び通信事業特別會計法を改正致さうとするものでございます、即ち現在國有鐵道事業及び通信事業に關する經理に付きましては、明治四十二年制定に係る帝國鐵道會計法及び昭和八年制定に係る通信事業特別會計法に基いてそれぞれ經理致して居るのでありまして、現行法に於きましても資本の制度を設け、複式簿記法に從つて計算整理し、事業の損益計算竝に財産及び資本の増減計算を行ひまして、一應事業の財政状況を明かならしめる體制を備へて居るのでありますが、損益計算は現金の收支を對象とする計算方法、所謂現金主義に依つて居ります關係上、企業としての眞の損益とは言ひ得ないのでございまして、事業會計の經理と致しましては、遺憾ながら十分とは申し得ない現状にあるのであります、事業會計に於きましては、損益の計算に正確性を與へ、以て經營成績及び財政状態を明かにすることが最も重要なことでありまして、事業の健全なる發達を圖る上に於ても緊要なことと存ずる次第でございます、從ひまして今囘は現金收支を記録計算の對象とする現金主義から、現金の收支如何を問ふことなく、價値の増減異動に基いて之を記録計算すると云ふ方法、即ち所謂發生主義に切替へまして、眞の經營成績及び財政状態を明かにし、又決算の制度に付きましても、企業的な決算制度に改正することと致しまして、兩會計に於ける三勘定の區分の制度を廢止し、事業運營に一層の彈力性を與へる等、經理方式を企業的に確立致さうとするものでございます、以上の理由に依りまして、此の二件の法律案を提出致しました次第でございます、何卒御審議の上、速かに御贊成あらむことを御願ひ申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=4
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005・齋藤齊
○委員長(子爵齋藤齊君) 本日は此の程度で散會致しまして、明日午前十一時より再會致します
午後一時三十三分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=5
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006・会議録情報2
出席者左の如し
委員長 子爵 齋藤齊君
副委員長 男爵 八代五郎造君
委員 公爵 桂廣太郎君
子爵 六角英通君
永井松三君
男爵 伊江朝助君
村上義一君
伊藤傳七君
戸口米次郎君
村上巧兒君
國務大臣
遞信大臣 一松定吉君
政府委員
大藏事務官 河野一之君
遞信次官 鈴木恭一君
遞信事務官 大野勝三君
同 小笠原光壽君
同 渡邊音二郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009203530X00119470323&spkNum=6
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