1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
裁判所法案(政府提出)(第一九號)
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本委員は昭和二十二年三月十三日(木曜日)議長の指名で次の通り選定された。
小澤佐重喜君 木村チヨ君
小島徹三君 三浦寅之助君
藥師神岩太郎君 山口好一君
青木泰助君 有馬英二君
荊木一久君 小林かなえ君
中村又一君 井伊誠一君
菊地養之輔君 田万廣文君
細野三千雄君 伊藤幸太郎君
豊澤豊雄君 原國君
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同月十四日(金曜日)午後一時二十三分委員長理事互選のため次の委員が參集した。
木村チヨ君 小島徹三君
青木泰助君 荊木一久君
小林かなえ君 中村又一君
井伊誠一君 菊地養之輔君
田万廣文君 細野三千雄君
〔年長者菊地養之輔君投票管理者となる〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=0
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001・菊地養之輔
○菊地投票管理者 先例によりまして私が年長のゆえをもつて投票管理者となり、これより委員長の互選を行います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=1
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002・井伊誠一
○井伊委員 委員長の選擧は投票を用いないで、小島徹三君を委員長に推薦いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=2
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003・菊地養之輔
○菊地投票管理者 井伊誠一君の御意見に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=3
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004・菊地養之輔
○菊地投票管理者 御異議なきものと認めます。よつて小島徹三君は委員長に御當選に相なりました。委員長小島徹三君に本席を讓ります。
〔小島徹三君委員長席に着く〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=4
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005・小島徹三
○小島委員長 一言御挨拶申し上げます。委員のお方々の中にはたくさんの先輩の方もおられまして、實は私のごとき不肖者は委員長の席を汚すべきものではないのでありますけれども、黨の關係上私が委員長の席を汚すことになりました。今後皆樣の御協力を得まして無事にこの大役を果して行くことができますれば、まことに仕合せに存じます。引續き理事の互選を行います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=5
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006・井伊誠一
○井伊委員 理事はその數を三名とし、委員長において御指名あらんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=6
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007・小島徹三
○小島委員長 井伊君の御意見に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=7
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008・小島徹三
○小島委員長 御異議なきものと認めます。それでは指名させていただきます。
三浦寅之助君 青木泰助君
細野三千雄君
を理事に指名いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=8
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009・会議録情報2
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昭和二十二年三月十四日(金曜日)午後一時二十五分開議
出席委員
委員長 小島徹三君
理事 青木泰助君 理事 細野三千雄君
木村チヨ君 荊木一久君
小林かなえ君 中村又一君
井伊誠一君 菊地養之輔君
田万廣文君 磯田正則君
酒井俊雄君
同日委員原國君及び伊藤幸太郎君辭任につきその補闕として酒井俊雄君及び磯田正則君を議長において選定した。
出席國務大臣
司法大臣 木村篤太郎君
出席政府委員
司法事務官 奧野 健一君
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本日の會議に付した議案
裁判所法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=9
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010・小島徹三
○小島委員長 それではこれより裁判所法案を議題とし、まず政府の説明を求めます。木村司法大臣。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=10
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011・木村篤太郎
○木村(篤)國務大臣 御審議願いまする裁判所法案につきまして御説明申し上げます。
日本國憲法は、その第六章に司法といたしまして、最高裁判所に關する事項を初め、その他司法權に關する事項について重要なる規定を設けておるのであります。現行憲法の司法に關する規定に著しい改正を加えましたことは、各位の御承知の通りであります。從いまして現行憲法のもとに、裁判所構成法によつて定められております裁判制度も、これによりまして改正の必要を生じてまいつた次第でありますが、政府におきましては、改正憲法制定後の短期間に、最大の努力を拂いまして、國民の期待と國際的關心とを、十分に考慮の上に、本法案を立案いたした次第であります。次に本法案の内容について重要な諸點を、概略御説明申し上げます。
その第一は、裁判所の設置については、最高裁判所のことは、改正憲法の第七十六條で直接これを定めておりますから、本法案におきましては下級裁判所についてのみ定め、これを高等裁判所、地方裁判所及び簡易裁判所といたしました。個々の下級裁判所の設立、廢止及び管轄區域につきましては、別に法律で定めることにいたしまして、これ等の法律案もやがて提案いたす運びと相なつておる次第であります。
第二に、裁判權につきましては、裁判所は、從來裁判所構成法によりまして民事、刑事の裁判をいたすことと定められていたのでありますが、本法案におきましては、民事、刑事のほかに、いわゆる行政事件にもわたつて、一切の法律上の爭訟を裁判することを明らかにいたしておるのであります。これは改正憲法第三十二條において、何人も裁判所において裁判を受ける權利を奪われないことを規定いたし、その第七十六條において、特別裁判所の設置、及び行政機關が終審として裁判をすることを禁じております趣旨に從うものでありまして、もとより行政機關が行政處分の當否について審判をいたし、または訴願を扱うことを禁ずる趣旨ではないのであります。從いまして行政機關が審判をする場合にも、なおその結果に對して必ず裁判所に出訴する途があることを明らかにいたしましたが、この場合にも、たとえば特許審判、海事審判のように、特別に愼重なる手續を經てなされた行政機關の審判に對する不服の訴については、第一審を特に高等裁判所といたしまして、事實上一審級を省略いたすことも考慮いたしておるのであります。また改正憲法が、直接規定いたしております兩議員の資格に關する爭訟、及び裁判官の彈劾の裁判が、裁判所の權限に屬さないことは申すまでもないことでありまして、本法案におきましても、その趣旨を明らかにいたしているのであります。
第三に最高裁判所につきましては、改正憲法が廣範圍の權限を與え、かつきわめて高い權威を期待しておりますことは、これまた各位御承知の通りでありまして、この趣旨に從いまして、その構成及び事件の取扱等については、特別の考慮をいたしたのであります。特にその裁判官につきましては、長官のほか判事十四人、合計十五人といたしまして、その任命資格は、十五人のうち少くとも十人につきましては、いわゆる法曹または法律學者として二十年の經驗を有することを必要といたし、老練にして識見の高い法律家をもつてこれにあてることといたしたのでありますが、さらに經歴等にとらわれず、眞に識見ある國家第一流の人材を廣く求め得られる途を開きまして、最高裁判所をして眞に權威ある最高の司法機關たらしめることを期しておる次第であります。
第四に、下級裁判所のうち高等裁判所は、大體現在の控訴院に相當いたすものでありまするが、第二審事件のほかに特別の事件の第一審、及び簡易裁判所事件の上告をも扱うことといたしております。
地方裁判所は、これまた大體現在の地方裁判所の權限と、區裁判所の權限の一部を有することといたし、一般の第一審事件のほかに、簡易裁判所事件の控訴を取扱い、その事件の取扱いは、從來の合議制のみである點を改めまして、特殊の事件を除きましては、事件の性質に從つて合議體または一人の裁判官で行うことができるようにいたしたのであります。
簡易裁判所は、民事、刑事の輕微な事件のみを取扱うのでありまして、今囘新たに設けられるものであります。この種輕微な事件を處理いたしますために、全國に數多くこれを設けまして、簡易な手續によつて爭議の實情に即した裁判をするよう、特に工夫をいたした次第でありまして、この制度は、司法の民衆化にも貢献するところ少からざるものがあろうと期待いたしておる次第であります。
第五に、裁判官につきましては、前述の最高裁判所の裁判官のほかに下級裁判所の裁判官といたしまして、高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事の四種を設けまして、それぞれについて、その地位にふさわしい任命資格を規定いたしました。特に簡易裁判所判事につきましては、いわゆる法曹の經歴のない者でも、選考委員會の選考を經まして、これに任命し得る途を開きまして、廣く人格識見のすぐれた徳望のある人を、簡易裁判所の裁判官に迎えまして、これによつて、この制度の妙味を一層發揮することを期待いたしておる次第であります。
裁判官の定年につきましては、最高裁判所の裁判官はすべて七十歳、下級裁判所の裁判官は六十五歳といたし、裁判官の身分の保障につきましては、現行の制度以上にこれを厚くいたしまして、司法權の獨立の全きを期しておる次第であります。
第六に、司法行政につきましては、從來裁判所は、司法大臣の監督のもとにあつたのでありますが、改正憲法の施行とともに、裁判所は司法大臣の監督から離れて、まつたく獨立いたすのでありまして、本法案におきましても、最高裁判所を最高の監督機關とすることを明らかにいたすとともに、簡易裁判所以外の各裁判所に事務局の制度を設けまして、所要の職員を置きまして、司法行政の運營にも支障なきを期しておるのであります。
第七に裁判所の經費につきましては、獨立して國の豫算に計上することといたし、一般行政の經費とは別個に取扱わるべきことを明らかにしたのでありまして、この點につきましても裁判所の獨立を十分に考慮いたしておる次第であります。
最後に、現行の裁判所構成法におきましては、裁判所に檢事局を附置するものといたし、檢事局及び檢事につきましても、裁判所構成法中に定めておるのでありますが、今囘憲法が改正せられました機會に、檢事局を裁判所から分離いたしまして、別に檢察廳法を設けまして、檢察廳及び檢察官に關することを定めることといたしたのであります。從いまして、檢察官に關しましては、本法案中には規定を設けてはおりません。檢察廳法案は、本法案に引續いて本議會に提出いたし、御審議をやがて願うことにいたしておるのであります。
なお本法案の立案につきましては、政府におきまして、昨年内閣に設けました臨時法制調査會並びに司法省に設けました司法法制審議會にこれを諮り、委員各位のきわめて熱心な討議を經たのでありまして、本法案はその答申に基きまして立案いたしたものであります。
以上はなはだ簡單ではございますが、裁判所法案の概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ愼重御審議の上、速やかに御協賛を賜わらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=11
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012・小島徹三
○小島委員長 本日はこの程度にて散會いたします。次囘は明十五日午前十時から開會いたします。
午後一時三十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211135X00119470314&spkNum=12
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