1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案(政府提出)(第一七號)
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昭和二十二年三月十五日(土曜日)午後一時二十七分開議
出席委員
委員長 岩本信行君
理事 松川昌藏君 理事 中村高一君
栗原大島太郎君 松浦東介君
關根久藏君 吉澤仁太郎君
戸叶里子君 細田綱吉君
宇田國榮君 大島多藏君
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同月十五日委員菊池長右ェ門君、林虎雄君及び戸叶里子君辭任につき、その補闕として大井直之助君、佐竹晴記君及び鈴木義男君を議長において選定した。
出席國務大臣
内務大臣 植原悦二郎君
出席政府委員
内務政務次官 林連君
内務事務官 林敬三君
内務事務官 田中楢一君
内務事務官 小林與三次君
委員長の許可を得た出席者
内務事務官 溝淵増己君
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本日の會議に付した議案
衆議院議員選擧法の一部を改正する法律案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=0
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001・岩本信行
○岩本委員長 これより會議を開きます。前會に引續きまして質疑を續けます。松浦君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=1
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002・松浦東介
○松浦(東)委員 直截簡明に二、三質疑をいたします。昨日の内務大臣の御所見にもありましたごとく、選擧法は議員にとりましてはそれぞれわが身のものでありますので、私も努めて要點を選んでお聽きいたしますから、政府におかれましても端的に、核心に觸れるところの御答辯を願いたいと思います。
まず第一に、すべての選擧は言うまでもなく嚴正公平に執行せられるべきであります。しかしながらそれは言うべくしてなかなか容易ではないようであります。殊にわが國におきましては、過去において未だ一度も公平無私なるところの選擧、理想選擧が行われたことを私まだ寡聞にして聞きません。しかし今度の選擧は實に國の興亡をかけるところの重大なるものである。先日の尾崎翁の決議案もその意味であつたと思います。この大事な選擧はわれわれが是が非でも、民主日本の名譽にかけましても、公正に明朗にやらねばならぬと思います。この點につきまして政府はこの選擧の總元締といたしまして、いかに執行なさるお考えであるか、從來の選擧におきましては、公平を目ざさなければならぬのにとかく職權を濫用するところの、官權を惡用するところの、官吏も澤山あつたように考えます。これらに對しまして今度の改正法律案においては、罰則についてかなり嚴重なものを設けてあるようでありますが、この選擧の公平なる執行ということについて、どういうふうにお考えになつておりますか。まずこの點を伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=2
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003・林連
○林(連)政府委員 ただいまのお説の通りでありまして、今度の選擧はまつたく新憲法の行われる直前において行われるもので、劃期的な國家的一大事業であります。公平に行わなければならぬことは當然であると思います。政府もその線に沿うてやることに決意しております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=3
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004・松浦東介
○松浦(東)委員 私は端的に申し上げますと、現行選擧法というものは、その根本は官僚制時代につくられたものであつて、その當時の遺物できわめて不完全なものであると思つております。それでこれはこのままでやりますれば、何人といえども、滿點の答案を書くことはできないと思うのであります。滿點の答案を書くことのできない試驗問題というものは、これは一面すこぶる危險性を含んでおると思うのであります。たとえて申すならば、戸別訪問の禁止であるとか、事前運動の禁止こういうふうな法律はありましても、これは非常に解釋がめんどうであります。殊に今度の場合のごとく、紙の極端の不足のため、または公報の字數の著しく減少したことや、推薦状に非常に制限を加えるというようなことになりますと、なおさらにそこにいろいろなことが必然に起つてくるではないかと思うのであります。こういう場合におきまして、これらに對して取締り官憲が手心を加え、一方にはゆるく一方にはきびしくということになりますことも必ずしも不可能ではないと思うのでありますが、こういうことになつてはまことに不明朗なことになると思うのであります。そういうことはあり得ることでないと思いますが、ありとすれば、せつかくの總選擧もこれは臺なしになるのであります。日本の議會の政治の前途をまつたく暗くするものであると私は思うのであります。かかる場合に不幸にしてきびしく當られ、不公平なる處置を受けた場合には、いかなる態度をとつていいのであるか。こういうことを一つ伺つておきたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=4
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005・林連
○林(連)政府委員 お説の通りでありまして、この資材等の不足のために、いろいろな面において不十分な點があらうと思われます。他面今度の選擧によりまして、わが國の信用を世界各國に得らるるかどうかという大きな問題が横たわつておると思うのであります。ゆえに當局といたしましては、まつたく公平無私、外國の信用を失わない點についても、十分の留意をいたしたいという考えでおる次でありますから、おそらく質問者の御意見に副うことができ得るであらうということを申し上げたいと思つています。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=5
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006・松浦東介
○松浦(東)委員 どうも大變自信滿々たる御答辯をいただいて恐縮でございますが、私は私の考えを率直に申し上げますと、現在の日本では、殘念ながら下の者が上司の命令に服從しない者が、かなり殖えてまいつたことは事實であらうと思うのであります。内務大臣がいかに嚴正公平を力んでみましても、下僚がその命をきかないという場合も、必ずしもないことではないと思うのでありますが、はたしてそういう心配はしなくてもよいものでございましようか。この點内務大臣より伺いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=6
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007・植原悦二郎
○植原國務大臣 今途中から伺つたのですが、選擧取締りに對して政府がいかに嚴正公平にするといつても、末端の役人がこれに從わないで、嚴正公平の取締りをしないようなことがありわせぬかというような御質問のように解釋しましたが、さようなごく末端の者に對して、ほんとにものが徹底することを希望いたします。またさように努めます。けれども大勢の中には萬一そういう者が絶無だということも申し上げられませんが、そういうことがありましたならば、選擧民も候補者も、どうか政府に對して御指摘くだされば、そういうことに對しては嚴重に取締りをいたしまして、そういう御心配をかけないようにする方針であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=7
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008・松浦東介
○松浦(東)委員 大體ただいまの大臣の御答辯で諒承するのでございますが、もう一つお聽きいたします。昨年の選擧の場合を考えてみますと、取締りの官憲は、干渉と公平ということを混同した傾きが外少あつたようでございます。選擧法はあつたけれどもほとんどこれは適用していなかつた。なすがままに放任したというようなこともあつたようであります。從つて法のないような實に無謀な選擧もやつた地方もあつたようでございます。こういうことになりますと、正直にあくまで法規を嚴重に守つた者がとかく消極的になりまして、まことに振わない結果を招きまして、盲へびにおじずで、あくまでぐんぐんやつた者が、かえつて逆に効果的な結果をしめたようなことになつたのであります。しかもそれが勝てば官軍ということになつた例も、必ずしも絶無ではないと私は考えます。これは今度の九十六條に「何人ト雖學校ノ兒童生徒及學生ニシテ年齡二十年未滿ノモノニ對スル特殊ノ關係アル地位ヲ利用シテ選擧運動ヲ爲スコトヲ得ズ」とありますけれども、昨年の例を申し上げますならば、學校の教職員を動員しまして、何百の學校を事務所のようにして使い、學校の紙などをこれまた選擧用に使つたりなどしたような例も、かなりあつたようにわれわれは聞いておるのでありますが、こういうことにつきましては、今年はどういう方針でお臨みになるのであるか。昨年も選擧法はあつたのであるが、適用しない地方がかなりあつたようでありますが、この點について重ねてお伺いしたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=8
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009・植原悦二郎
○植原國務大臣 終戰後實は日本の全體の國民が、唖然として虚脱状態に陷つたような情勢を呈したことは御承知の通りであります。從つて地方の官憲特に警察官が、選擧ばかりではありません、物資の配給その他につきましても、ずいぶん亂れた状態を、手をこまねいてながめておつたようなことが、まれには見受けられたようでありまして、遺憾のことであつたと思いますが御承知の通りその後警察官も非常に引締つてまいりまして、今日においては相當その職務を忠實に守つておつてくれるように思います。まことに職掌柄晝夜の分ちなく——殊に今日の状態から申しますれば待遇なども十分とは申されませんが、それでも今日は昨年に比較いたしては、全體に緊張してよくその任務にあたつておつてくれると思います。またもう一つ昨年の選擧についてお考えを願わなければならないことは、從來の日本の選擧は御承知のごとく候補者の得票數までも調査するというような特高隊がかなり活動したことがあります。去年からはさようなこともないようにいたし、今年は全然各候補者の豫想投票をとるなどということをさせないようにいたしております。そうしてそういうことで現に與えられましたところの取締りに對しては嚴正公平に取締るように、あらゆる末端まで政府の意向をよく傳える考えであります。學校の生徒のことについては、お説のごときことのありましたことは事實であります。それゆえに今度の選擧法の改正によつて、御承知でありましようけれども選擧權を有しない學童を、それに關係ある者が、特にその關係あるという地位を利用して、選擧運動ができないように禁じました。その點は昨年とはよほど違つて、學校を一つの選擧の舞臺にして、學校の先生が學校の品物をもち出して選擧をするというようなことは、昨年はそういう法律上の規制がありませんでしたが今年はあるようにできておる。なお實は法律にはありませんけれども、昨年は地方の農業會などを事務所にして、その農業會の役員を全部選擧運動に使用したような實例も各所にありました。これもまことに困つたことだと思います。こういうことも選擧の公正、機會の均等を失わしめるゆえんでありますから、もし一つの團體の——特に國民の必需品を主として左右しておるところの農業會が、そこを根據として選擧の事務所にしたり、その役員を動員して選擧運動をするというようなことは、選擧の公平を失するゆえんでありますから、それらのこともよく注意して、なからしめるということに努めて、なるべく政府の力の及ぶ限りにおきまして選擧は自由に、明朗に、闊達に、しかも大勢の候補者に對してなるべく機會の均等を與えて、そして取締りは嚴正公平にいたして、民主主義憲法を實施する前の第一の選擧を汚さないように、政府も努力いたしますが、どうか候補者の方々も、選擧民も、同じ氣持ちで一つやつていただきたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=9
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010・松浦東介
○松浦(東)委員 ただいまの内務大臣の御答辯によりまして、選擧の公正明朗を期す。殊に單に學校のみでなく、農業會のごとき、またその他の公共團體のようなものを惡用することを嚴に取締るというような御方針を承つて、これは實に安心したような次第でございます。その點は了承いたしました。
次に地方局長に事務的な問題に二、三お尋ねいたしたいと思いますが、この紙不足のために、公報の字數が非常に縮小されるということも承つておりますが、大體經歴公報と言いまするか、何とか聞きましたが、その字數はどの程度になるのでありますか。承つておきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=10
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011・林敬三
○林(敬)政府委員 御承知のようにこのたびは紙不足のために、選擧公報が經歴公報に改められることになりました。この字數は大體二百字というふうになりました。それからそれに記載いたしますのは、主として經歴を記載するということになつておりまするが、このたび議員提出法案として、近く成立をみるでありましようところの選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案、あれによりましてそれには何を書いてもいいということになりましたので、字數だけ二百字ということに大體考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=11
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012・松浦東介
○松浦(東)委員 これはもちろん候補者をなるべく廣く選擧民に知らせるという意味において、もう少し餘計に紙を使わせて貰いたいことは、これは誰しも希望するところであろうと思うのでありますが、紙不足のためにこれはやむを得ないことと思います。しかしながらいくら考えましても、新人の進出という點を考えますと、これはあまりに殘酷ではないかと思います。これはひとり新人の進出ばかりではない。二百字ではあまりに少な過ぎますのでいわゆる食わずぎらいということになつて、盲目的な思わざるところの反抗にあつて、困却する人も非常に出てまいるではないかと思われる節もあるのであります。せめて五百字くらいまでにこれを殖やすだけの餘裕は生じないものでございましようか。お伺いします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=12
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013・林敬三
○林(敬)政府委員 いろいろ御意見にはごもつともな點もあると存じますが、御承知のように何分にも現下の用紙その也の資材不足はきわめて窮迫しております。こういうような經濟事情のもとにおいて、私どももできるだけたくさんの紙を使つてやつていただくようにということも考えるのでございますけれども、商工省とも折衝いたしまして、あらゆる方面から力を入れていただきまして、獲得いたしましたのが、現在の紙の數量でございます。そうしてまいりますと、どうしてもこれ以上に殖やすことができないような状態でございまして、その點は御諒承いただきたいと思います。從いまして新人の進出とかその他いろいろな點につきましては、他の方途によりまして、貼札を若干なりとも活用させるとか、あるいはいろいろ街頭において演説會を餘計やられるとか、いろいろ他の方法ももつと活發に講じていただきまして、この缺陷を補つていただくよりほかないと存じております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=13
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014・松浦東介
○松浦(東)委員 その次にポスターの點をお伺いいたします。ポスターは一人一千枚に制限するというようなことでございますが、このポスターも言うまでもなく候補者の名前を知らしめるという意味において、また演説會を告知せしめるという意味において、非常に重要な意味をもちます。これを前囘の選擧に考えてみまするに、張つたとたんに風や雨などのために、また心なき人々のために、また故意に惡さをする人のために、また子供のいたずらのために、たちまちはがされてしもうような例もかなり多いのでございます。無制限に張られるような時代でありまするならば、なおそれでよいのでございますけれども、今囘のように一千枚と限定されました場合、一町村内にたとえば五枚乃至十枚というように限られました場合に、これをはがされましたような場合には、まことに泣いても泣ききれないようなことになるだろうと思うのでございますが、これらに對して多少補充するというようなことは政府で認めるのでございましようか。この點を一つ伺いたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=14
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015・林敬三
○林(敬)政府委員 お話のような御心配もなるほどあると存ずるのであります。しかしながらこの衆議院の方からお出しになりました選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案、これによりまして選擧のために使用する張札は一千枚、もちろんそのほかに演説會で使用する張札とか、事務所を表示するために使用する張札とかいうようなものは別でございますが、選擧のために使用する張札は一千枚。こういうことにこの法律案が成立いたしますれば確定するわけでございます。そういたしますとこれが萬一はがされた場合、それを補充する方途というものは、この法律の解釋からいきますと考えられないということになるわけでございます。もちろん御承知のように、いたずらや惡さをしてこれをはがすということがあれば、選擧妨害という方に引掛かることはあり得るわけでございます。なおこういうことのないようにという啓蒙、宣傳ということは、私どもの任務といたしまして大いに努めたいと存ずるのでございますが、風や雨やその他によつてやられる場合においては何ともいたし方がないと存じます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=15
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016・松浦東介
○松浦(東)委員 それでは次に無料郵便の葉書のことについてお伺いいたしますが、これも候補者一人について二万枚ということを承つておるのでありますが、ほんとうの意味の自筆の第三者の推薦状は、これは選擧の原則からいきましても當然のことであると思うのでありますが、これも惡いのでありますか。お伺いいたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=16
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017・林敬三
○林(敬)政府委員 今のお尋ねの件も選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律案の第二條によりまして、衆議院議員の場合でありますと、候補者一人について二萬枚の無料葉書、これ以外にはこれを頒布することはできないということになつております。從つてこの二萬枚の範圍内であれば、推薦者がこれを推薦状にお使いになりましても、頒布されましてもいいわけでございます。しかしながら一人の候補者について無料葉書二萬枚、これを越えるということはできないという解釋に相なります。それでただ純粹の、第三者が推薦状を一二枚お出しになる、いわゆる頒布の社會通念にあてはまらないものをお出しになるにおいては、これはもちろん差支えないと存じます。しかし頒布の觀念にはいりますと二萬枚の無料葉書の範圍内でやつていただくほかないと存じます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=17
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018・松浦東介
○松浦(東)委員 ただいまの頒布の範圍が大變むずかしい問題になるだろうと思いますが、これは印刷するとか謄寫するとか、そういうのを頒布と解釋してよろしいですか。同文のものをたくさん出した場合を頒布とみなしましようか。その點をお伺いしたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=18
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019・林敬三
○林(敬)政府委員 この頒布になるかならないかは、結局常識的に社會通念できまる問題だと思うのでありますがしかし必ずしも印刷に限るわけではございません。不特定の多數の人に配ることをいたします場合は、全部頒布の觀念にかかると思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=19
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020・松浦東介
○松浦(東)委員 選擧名簿のことでありますが、聞くところによりますと、地方制度調査會の答申によりますれば選擧名簿の登載漏れには、その直前でも修正せよというような答申をしたと聞いておるのでありますが、これが實際の取扱い方はどういうふうになつておりますか。この點お伺いいたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=20
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021・林敬三
○林(敬)政府委員 これは最近に法律が改正になりまして、お話のように登載漏れの分は三月二十三日現在で補充名簿を作成いたしまして、それに全部載せて投票を行つていただくように手續をいたしております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=21
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022・松浦東介
○松浦(東)委員 私の質問はこれで終ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=22
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023・岩本信行
○岩本委員長 中村君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=23
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024・中村高一
○中村(高)委員 大臣がおいでのうちに先に二三お尋ねしておきたいのであります。こんど衆議院を通過して貴族院も通過したようですが、例の選擧取締に關する特例に關する法律は、現在どの程度に至つておるのでしようか。今樞密院にでもかかつておるのでしようか。また公布施行されて實際に効果を現わすのはいつになりましようか。これは大臣でなくてもよろしうございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=24
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025・植原悦二郎
○植原國務大臣 ただいま中村君お尋ねの選擧取締の特例に關する法律案はけさ樞密院を通過いたしました。だから月曜日ころにはその効力を發するようにできると思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=25
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026・中村高一
○中村(高)委員 都長官その他の地方の長の選擧が明日から告示になつて、運動ができることになるのでありますか、早いものは法律の効果がまだ發生しておりませんから、この制限される法律の効果の出ます前に、ビラを張つてしまつたりするものも、首長などであるいはあるだろうと思うのです。そういうものに對しましては、その効果が發生した後に、いかなる方法をおとりになられる御用意がありましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=26
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027・植原悦二郎
○植原國務大臣 中村君の今のお話はかりにあすから選擧が始まる、それでただいま申し上げた法律案は、月曜からでなければ效力を發生しない、その間に一日かそこらの間がある。その間に宣傳用のためのポスターをそこらにべたべた張つた。こういうものがかりにあるといたしますと——そういうことは多くなからうと思いますけれども事實の上に想定できます。それで御説のごときことは法律上の議論にはなると思います。そういうものは選擧管理委員が、その法律の效力が發生するようになれば取除かさしめることができると思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=27
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028・中村高一
○中村(高)委員 もう少し大臣にこまかい點を二三聽きたい。衆議院議員の選擧は今月の末にならなければこちらの衆議院の方が終りにならないのでありますけれども、非常に選擧とこの議會とが、こんどはくつついてしまつておるのでありまして、先日も交渉會で議長から、告示になつてまだ東京におるというようなことでは、實際において選擧をやる者の氣持としては忍びないところであるから、四日なり五日なり早く國に歸つて、そうして安心して選擧運動もできる。議會に缺席をしたというので問題にされたりなどすることのないように、幾日か前に選擧運動ができることが望ましいのだというような意味のことを言われておるのであります。そのために二十五日に解散するとか、二十七日に解散するとか、いろいろ期日の問題について議論があるようでありますが、政府の方ではそれに對して何らかのお考えをしておられるのでありましようか。その點について伺いたい。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=28
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029・植原悦二郎
○植原國務大臣 選擧に臨む候補者の方々の立場からのみ考えますれば、ただいま中村君のお話のようなことも十分推測されますけれども、この議會は昨日も私申し上げた通り、かなり憲法に直接の關係がある法律案が存在しておりまして、それらはどうしてもこの議會において成立せしめなければならない。さういうことを考えて議員の方もよく活動してくださいます。けれどもいろいろの御都合があるので、すべてが望むようにも進行いたしません。皆そこに思いをいたして、一氣呵成に憲法附屬の法律案を片づけてしまえばたとい三十日を目標としておるのを、三日前にに解散の手續ができるようになつて、皆に御便宜だと思いますけれども、どうもただいまのところでは、先日も議長の身邊に集まつた者が二十五日に解散すれば大變好都合だと言つておりましたが、これはけしからんと思います。けれども實際問題としてさようなことができるか。すべて政府で期待しておるところの法律案が、それまでに皆片づくかと申しますればどうもむづかしいようにも思われます。またこれは私が申し上げぬでも、中村君十分御承知でございましようけれども、どうも負けた國の情なさ、政府の思う通りにすべてのものが即時に實行でき、また議員の方々にもこの敗戰後の氣分をすつきり拂拭することができて、活氣づいておやりくだされば思うようにいきますけれども、いろいろなことで制約されておりますので、不便や不利があります。けれども日取りのことは押詰つてみなければ、何とも申し上げられない。既に四月二十五日の選擧がきまつた以上は、早いほど政府でも便宜であります。候補者の方にも選擧民にも便宜だと思いますけれどもそれらのことはどうももう少し差迫つてみるまでははつきりとお答えできないと申し上げるよりいたし方ないと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=29
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030・中村高一
○中村(高)委員 今度の地方の知事の選擧などで非常に問題の起つたことでありまするが、衆議院の今度の改正法案でいきますと、立候補のできないものは、第九條にあります裁判長、檢察官、會計檢察官、收税官吏及び警察官吏は被選擧權を有せずという改正になるようでありまするが、そうするとこれに該當しないものは全部被選擧權をもつものでありまして、現職の知事あるいはそれ以下の官公吏員、直接選擧に關係のない官公吏は、いずれも選擧に立候補できる建前になつておるのであります。しかし法律を離れまして、在職のままで知事が立候補するというようなことはいけないのだということで、知事は辭職願を出して立候補させておるようでありますが、内務大臣は先般、現職のままでも法規上差支えないのだから、強いて辭職をするには及ばないというような意味の言葉が、新聞に出ておつたようでありますが、そのためか立候補はきまつてもなかなか辭職をぎりぎり一ぱいまでしないでおるようであります。今でも大臣は、現職のままであえて辭職せぬでもよいというようにお考えでありましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=30
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031・植原悦二郎
○植原國務大臣 どうも中村君の御指摘になつた新聞の記事のことはよく存じませんが、かような意味のことは申したことがあります。もし別段競爭者がなく、現職の知事が一人しかそこに候補に立つ者がない。またおつても選擧運動などというようなことが起らないでやつていける。こういうようなことがあつた場合には、強いて辭さなくてもよろしい。だけれども反對の候補者が立つとか、あるいは四圍の情勢がいろいろに疑問を投げかけるというような場合があつたならば、なるたけ早く辭した方がよろしい、そうして實はもう昨日限り、候補に立ちます知事は全部辭させることにして後の方法を立てました。と申しますることは、全國を見まして、知事の候補者に立つ場合に、そこが獨占的にに無競爭だというような所がないようでありますからそういうような場合には、反對の人が立つても、あるいは競爭して立つても、そういうときにはきわめて公正なる選擧をする方がよいと思います。全部昨日限り候補に立つ知事で存在しておる者は一人もないことを御承知願いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=31
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032・中村高一
○中村(高)委員 知事についてはわれわれ國民としては、現在の知事がその任地において立候補するということはいろいろ弊害があるからいけないという解釋をいたしておるのでありますがこれはわれわれの言うようにならずに、知事がその任地において立候補差支えないということになつたのであります。しかしただいま大臣の御答辯にもありましたが、昨日まで全部やめさせたというのでありますが、告示は明日でありますから、そういう點から考えてみると、あまりにその辭職をさせる方法が緩やか過ぎたと思つておるのであります。しかし意思が決定しなかつたのだといえばそれまででありますが、二月二十日ですか、内務次官の通牒が内務省から出ております。これは通牒で出たのか、無電で出たのかよくわかりませんが、最近行わるべき各種選擧に際し、現地において貴官並びに貴部下職員にして、これが立候補の意思確定したる際は、なるべく速やかに退官手續を取運ぶことが妥當と存ぜられるにつき、含みおかれたいというような意味のものが出でおると思ひます。こういうものは内務次官からお出しになつたのでありましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=32
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033・植原悦二郎
○植原國務大臣 それは出ておると思ひます。なおこの機會によく中村君に御諒解願いたいことは、できれば私はこの民選知事の第一歩として、役人でない民間の人が出てくれれば一番よいと思います。實は二、三十年知事公選を唱えてきた私としては、さようなことを切望するものでありますけれども、どうも實際はさようにいかないのを殘念に思つております。そこでただいま申しました次官通牒で、なるべく知事が候補に立つ場合には、いろいろ地位を利用して選擧運動などをするというような疑を釀させることは、いかなる場合においても遺憾だからして、立つときまつたら早くやめてよろしい。こういう意味でただいまのような指令を出したのであります。それから昨日までと私が申したのは、まだ決心しないのでも、もう昨日まで辭表を出していないものは一切この後は認めぬぞと、こういう意味も絡んでのことであります。
もう一つ御理解願つておかなければならないことは、民選知事ができましたときにはその知事が引續いて選擧することも異存ないことだと思います。そういう立場から國民の政治的訓練と教養にまつことが多いのであります。どうか公の職と私の職と、そうしてほんとうに選擧に臨んでははつきりした立場をとつて、候補者たる者は選擧民に臨むというように私はやつてもらいたいものでありますが、まだ日本の現状はそうならないのが遺憾で、今中村君の御指摘のような御質問の起ることもやむを得ないと思つております。そうしてなるべく政府としては、日本の現實の事情等から疑惑を起したり、またそれがために少くとも世の中の多くの人が公に對する判斷に對して色をつけないようにして、非常に注意しておるわけでありますから、その點を御承知願いたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=33
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034・中村高一
○中村(高)委員 それから東京の問題でありますけれども、區制が改正になりまして、一區と二區と今までまたがつておりました區が合併して一つになつてしまつたものなどがありますが、これに對しては何かこの議會中に改正案でもお出しになるのでありましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=34
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035・林敬三
○林(敬)政府委員 今度の新區制が布かれました結果、一區と二區にまたがる區が一つできてまいるようであります。これにつきましては目下のところ今いろいろと傳えられておりまする選擧區制の改正というような全國的な問題があれば、それはその時一緒に解決できることと思います。しかしもしそういうことがありませんければ、選擧の直前でもあるし、現在のままでやつていきたい。かように考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=35
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036・中村高一
○中村(高)委員 そうすると現在のままはいいのですけれども、たとえば第二區に淀橋區というようなものがある。淀橋區というのはなくなつて何という區になるのか、とにかく三つが一緒になつてしまつたのです。第二區に淀橋區というものが書いてあるけれども、淀橋區というものはない。それを改正しなければ淀橋區の投票はどこへ行くことになるのか。これは選擧できないようになつてしまうと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=36
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037・林敬三
○林(敬)政府委員 これは選擧法の施行令にそういう場合のことがございまして、それでやはり淀橋區というものがなくなれば、舊淀橋區のところをそれで讀む。こういうふうになるわけであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=37
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038・中村高一
○中村(高)委員 それでわかりました。
もう二、三點事務的なことですが、この改正法律案によりますと、「選擧運動ノ爲ニスル通常葉書ヲ議員候補者一人ニ付一萬枚」とありまして、今度の特例では「二萬枚」とありまするが、これは一般法と特別法との關係だと了承してよろしうございますか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=38
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039・林敬三
○林(敬)政府委員 お尋ねの通りであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=39
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040・中村高一
○中村(高)委員 特例の方の第二條のいわゆる葉書のことですけれども、これはわれわれも立案者の一人として大變に聞かれますることは、とにかく衆議院や參議院、それから知事までは葉書がもらえるのですが、あとの府縣會議員以下の者は、葉書がもらえない。これは別に規定がないから自由にいくら使つてもいいんだろうとか、あるいは第三者についてはこれを別に制限する規定はないから、第三者はいくら推薦状を出してもいいという、いわゆる選擧法の原則に從つてやつていいのだろうというような、そういう解釋をされまして、まちまちなのであります。われわれがこういうわくをつけたということは、わく以外のものはいけないんだというふうに、先般立案をするときには協議をいたしたのでありまして、その點に對して政府もむろんそう解釋をしてもらわねばならぬのでありますが、徹底をさせる方法を何か御考慮になつておられるでありましようか。第三者の葉書、それから府縣會議員以下の選擧の葉書は使えない趣旨だと、われわれは立案したときに考えておるのですが、政府でもさようにお考えになつておられましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=40
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041・植原悦二郎
○植原國務大臣 實はこれは中村君御承知でしようけれども、法律を解釋するには、注文そのものと立案者の意思と、そのときのエスペデンシヨンと、この三つを頭において解釋すると思います。さような意味におきまして急にできた法律でありますから、これをなるべく地方に徹底せしめたいと思いまして、これの解釋をつけたようなものを内務省で印刷しまして、できるだけ廣くそれを配りたい、ただこの場合に困りますことは、またしても紙の制約ですけれども、紙の制約が許される範圍においては、なるべくこの解釋を一般的にはつきりさせたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=41
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042・中村高一
○中村(高)委員 先ほど松浦君からちよつと觸れた問題で、九十六條の「何人ト雖學校ノ兒童、生徒及學生ニシテ年齡二十年未滿ノモノニ對スル特殊ノ關係アル地位ヲ利用シテ選擧運動ヲ爲スコトヲ得ズ」こう書いてあるのですが、これは非常に制限さておりまして、一般的なことではなくして、何か特殊の關係ある地位を利用するものだけを禁じておるようでありますから、これはもう非常に狹く解釋するよりほかに仕方がないと思います。そうするとそういうものに對して兒童、生徒、學生に對してはいけないが、そういうものが、自分で子供が親のために出てくるとかいうような問題がたくさんあると思います。學生、生徒で選擧運動の手傳にくるというような者がたくさんあると思います。そういう者は取締つておらない趣旨だと思いますが、さようでございましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=42
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043・植原悦二郎
○植原國務大臣 大體において御解釋の通りでよろしいと思います。この規定のできましたのは、この前の選擧で學校の先生やあるいは父兄會等が、生徒との特殊の關係を利用して、その生徒を使用して選擧運動をさせた、そういうことはいかぬのだ。たとえば自分の父が候補者に立つておる。その子供が一つの印刷物を隣りのうちに、またその隣りのうちにもつていつたというようなこと、一種の選擧運動ではありますけれども、それは含まれておらぬと御解釋くださつてよろしいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=43
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044・中村高一
○中村(高)委員 よろしうございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=44
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045・松川昌藏
○松川委員 關連して百四十條についてちよつと伺います。無料郵便物一萬枚と制限されておりまして、議員提出の法律案では二萬枚となつておりますが、この點はどういうふうになりますか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=45
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046・林敬三
○林(敬)政府委員 これは議員提出法律案の方が百四十條の例外をなす。從つて昭和二十二年中に施行されます選擧につきましては、この議員提出法律案の方にした。かようにしたのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=46
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047・松川昌藏
○松川委員 そうしますと、議員提出法律案は今囘限りの暫定措置で、これは將來は一萬枚に戻すということになりますか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=47
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048・林敬三
○林(敬)政府委員 さようでございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=48
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049・松川昌藏
○松川委員 もう一點。松浦委員からも質問がありましたが、この點を確めておきます。ポスターの一千枚と無料郵便物の二萬枚につきまして、これは用意があるでしようか。というのは從來の例によりますと、配給を受くることになつておつても、事實選擧の季節に間に合わないために遲れたり何かして、非常に迷惑をすることがあるのですが、もしその配給について準備があるといたしますれば、これは立候補屆出と同時に配給になるものであるかどうか。その用意があるかどうか。その點をお伺いします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=49
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050・植原悦二郎
○植原國務大臣 さようなことにつきましては遺憾なきを期したいと思いまして、紙が既に大概の府縣に行きわたつておると思います。また葉書のことにつきましても遞信省と密接な關係をもつて、そういうことの遺憾なきを期しておりますので、そういうことがありますければ、そこにおのずから早くとれるものと早くとれないものとの、機會の均等を亂すようなおそれがありますから、立候補の屆出をすれば、いつでもそれが手にはいるように、今日から十分の手配をして遺憾なきを期しておる次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=50
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051・松川昌藏
○松川委員 葉書について實費を取るということでございますが、その點はいかがですか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=51
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052・植原悦二郎
○植原國務大臣 最初實は遞信省の方で五錢葉書が殘つているから、五錢をもらつて出そうというようなことを言つたことが、今のような誤解を招くことになつたと思います。全部ただ上げるという方針であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=52
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053・大島多藏
○大島(多)委員 今囘審議の對象となつております法律案は、主として新憲法の制定、地方制度の改正及び參議院議員選擧法の制定などに伴う、最小限度の必然的な、事務的の修正に重點を置かれていると考えますがゆえに、大體において改正案に賛成でありますが以下若干の點におきまして、なお檢討の餘地があるのではないかと考えておる次第であります。
その第一點におきましては、第七十九條におきまして、從來行われておりました繰上當選の制度というものが、事實上においては否定されるということになるようであります。改正案によりますと、全面的な否定にはなつていませんが、當選承諾期間内に限つてこれを認めることになつておるのでありまして、しかもその當選承諾期間というのも、このたびの改正案によりますと、從來の十日をさらに短縮いたしまして五日にしてございますが、これは事實上この制度を否定するのと同樣だと思われるのであります。この改正の理由として、政府は次點者ねらいの、便乘的候補の輩出を防ぐのであるとなさつておられますが、實際問題として最初から立候補する者が、次點者をねらつて立候補をすることはないだろうと私は思う。繰上當選の途を開いてないということは、あるいは次點者が當選者のあら探しをやつて、そのことから生ずるところの弊害があるとも私は考えますけれども、こういうことによつて一面選擧肅正にもなるのではないかと思う次第であります。そうしてまた繰上當選の制度がなくなりますと、議員の定員に常に缺員ができておりまして、またその補缺選擧を行うとなりますれば、それがために非常に莫大な費用がかかるだろうと思われるのであります。殊に現在は大選擧區制でありますから、この大選擧區の選擧民全體の者が、もう一遍一騷動しなくちやならぬということになりまして、やはり從來のような繰上當選の制度は、そのまま殘しておいた方が私はいいのじやないかと考える次第でありますが、この點についてどういうようなお考えでございましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=53
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054・植原悦二郎
○植原國務大臣 御質問の筋はある點において至極ごもつともと思います。一番理想的なことから申しますれば、繰上當選などという必要のない選擧區をつくるがよろしいと思います。それには一區一人の選擧區で、缺員ができたときには直ちに補缺選擧をする。これが立憲政治の上の一番理想的な制度だと思います。ところがただいまのような選擧區制度においては、お述べになつたように補缺選擧をする。一體缺員ができたら補缺選擧をすることが原則でなければなりません。なぜならば選擧民の意思を代表しておらない者、得點を取つておらない者を繰上げるという形になりますから、これは少し無理なことでありますけれども、大選擧區なるがゆえに費用がかかる。選擧民にうるさい。そこで一時の便法として繰上當選の形をとつたわけですが、お述べになつた通り次點を狙うという人もないとは申せません。まさかそういう人はなかろうとおつしやるが、そういう者も多數の中にあることを見受けます。のみならず、ややもすると當選後いろいろ缺點を掘出して、選擧違反によつて次點者をねらうというようなことで、かなりうるさいことのあることを承知いたしております。さようなことは繰上當選になりましても、決して選擧民の意思を代表するものではなく、またさようなことによつて選擧界を紛淆せしめる。あるいは洗わないでもよろしいことを洗い出して世間に傷をつけるというように、いずれの方面からいつてもよい結果をもたらさぬように思うのであります。それゆえにまずそういう制度を改めて、まあ當選承認の期間内ならばさような弊害もない。補缺選擧も行わないで片がつく。こういうことできわめてこれを局限することの方がよろしいという觀念からかような改正になつたと御諒承願いたいのであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=54
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055・岩本信行
○岩本委員長 都合によりまして五、六分間休憩いたします。
午後二時二十八分休憩
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午後二時三十六分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=55
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056・岩本信行
○岩本委員長 休憩前に引續きまして會議を開きます。本日はこの程度をもつて散會いたしまして、次會は公報をもつてお知らせいたします。これをもつて散會いたします。
午後二時三十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211501X00219470315&spkNum=56
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