1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案(審査終了のものを除く)
日本銀行法の一部を改正する等の法律案(政府提出)(第二一號)
金融機關債券發行特例法案(政府提出)(第二二號)
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昭和二十二年三月十八日(火曜日)午前十一時二十七分開議
出席委員
委員長 大谷瑩潤君
理事 原侑君
左藤義詮君 杉田馨子君
若林義孝君 稻本早苗君
白井秀吉君 最上英子君
川島金次君 澤田ひさ君
増井慶太郎君 丸山修一郎君
三月十七日委員大石倫治君辭任につきその補闕として原侑君を議長において選定した。
三月十八日理事大石倫治君の補闕として原侑君が理事に當選した。
出席政府委員
大藏政務次官 北村徳太郎君
大藏事務官 河野通一君
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本日の會議に付した議案
日本銀行法の一部を改正する等の法律案(政府提出)
金融機關債券發行特例法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=0
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001・大谷瑩潤
○大谷委員長 これより會議を開きます。この際お諮りいたすことがございます。理事大石倫治君が委員を辭任せられました。つきましてはその補欠選擧を行いますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=1
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002・大谷瑩潤
○大谷委員長 御異議なければ直ちに指名いたします。原侑君を理事にお願いいたします。
去る十七日日本銀行法の一部を改正する等の法律案及び金融機關債券發行特例法案の審議を本委員會に付託せられました。これより兩案を一括議題として審議を進めます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=2
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003・大谷瑩潤
○大谷委員長 それではまず政府委員より兩案について説明を求めます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=3
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004・北村徳太郎
○北村政府委員 本委員會に付託と相なりました日本銀行法の一部を改正する等の法律案外一件につきまして、提案の理由を御説明いたします。まず初めに日本銀行法の一部を改正する等の法律案につきまして御説明申し上げます。
最近の通貨増發の状況に鑑みまして、これを抑制いたしますために、政府といたしましては放出された通貨吸收のために、目下自主的運動として展開せられております貯蓄増強運動に多大の期待をかけておりますが、財政資金及び産業資金の放出面におきましても、それぞれ處置をとつておるのでございます。すなわち財政につきましてはその健全化、收支の均衡をはかり、又事業資金につきましては金融機關における日本銀行よりの借入金依存の傾向を廢しまして、緊要産業に對しまして重點的に融資するため、金融機關資金融通準則を定め、本年三月一日から實施いたしておるのでございます。
かように通貨の過度の膨脹を抑止するため、財政金融政策をこれに、即應させますとともに、他面通貨發行自體につきましても、その規制をはかる必要があるのでございまして、これがため、政府におきましては、今般通貨發行審議會を設け、日本銀行券の發行限度等は、その審議會の議決に基いてこれを定めることといたしたほか、發行制度につきましても若干の改正を加えることとしたのでございます。
なお、日本銀行の根本的改革につきましては、目下金融制度調査會において調査審議中でございまして、その答申を得ました後、日本銀行法に根本的な改正を加えることになろうかと存じますが、日本銀行の剩餘金の配當に關する規定、日本銀行の正副總裁の任命及び解任に關する規定等については、それぞれ特殊の事情によりまして、とりあえずその根本的改革に至るまでの措置として所要の改正を加えることといたしたのであります。
以上申し述べました理由によりまして、日本銀行法の一部を改正する等の法律案を提案いたした次第でございます。以下本法案についてその内容のおもなる點を説明申し上げます。
まず第一に、通貨發行審議會を設けまして、所要の事項についてはその議決に基いてこれを定めることといたし、また、これに關連いたしまして日本銀行券の發行制度に必要な改正を加えることといたしたのであります。その一は、主務大臣が銀行券の發行限度を定めるに當つては、通貨發行審議會の議決に基くこととし、またその事柄の重要性に鑑みまして、特に閣議を經ることとした點であります。その二は限外發行につきましては、從來すべて主務大臣の認可を要することとなつておりましたのを、十五日を超える場合に認可を要することとし、また三十日を超える場合には主務大臣が認可をするに際しては通貨發行審議會の議決に基くこととした點であります。その三は、限外發行が十五日を超える場合に發行税を課することとし、その最低割合は通貨發行審議會の議を經て主務大臣が定めることとした點であります。その四は、主務大臣が通貨發行審議會の議決に基きまして、銀行券の各種の發行保證物件について、それぞれ保證に充てることのできる金額の限度を定めることとした點であります。
なお通貨發行審議會に關する規程は別に勅令でこれを定めることといたして居りますが、審議會の會長及び委員は廣く各界の代表者を任命することとし、廣く各方面の聲を聞くことによつて通貨の適正量を定め、もつてわが國經濟の健全且つ圓滑なる發展に資することといたしたいと存じております。
第二に、剩餘金の配當の規定について改正を加えたのであります。すなわち昨年九月に施行されました「會社其の他の法人に對する政府の財政援助の制限に關する法律」の趣旨に則りまして、配當保證及び政府に對する劣後配當の規定を削除したのであります。しかしながら、當分の間毎事業年度における損失を填補するに必要な限度においては、政府の補償を實施することといたしました。また、特別準備金の制度を設けまして、當分の間、剩餘金のあつた場合に、配當をしなかつたことにより、または、配當の金額が一定の金額に達しなかつたことによつて、日本銀行に留保した金額は、拂込出資金額に對し年五分の割合に達するまでこの準備金として積み立て、とりあえず損失の填補または主務大臣の定めるその他の目的のために使用することができるものといたしたのであります。
第三に、從來日本銀行の正副總裁は勅裁を經て政府がこれを命じ、また特別の事由があるときは、政府が解任することができることとなつておりましたのを、憲法の改正に伴いまして、内閣においてこれを命じまたは解任することといたしたのであります。第四に、日本銀行特別融通及損失補償法第三條の規定によつて、特別融通の期限は二十年、すなわち本年五月八日までとなつておりますが、最近經濟界の情勢にも鑑みまして、融通期限の延長を行つてできるだけ損失額を減少するため、その期限を二十五年とすることといたしたのであります。
以上申し述べましたごとく、ただいま上程せられました日本銀行法の一部を改正する等の法律案は、現下の經濟事情に鑑みまして、日本銀行券發行の適正を期する等のため必要なものでございます。
次に金融機關債券發行特例法案につきまして説明いたします。金融機關の再建整備の過程の進行とともに、金融機關の中には、その舊勘定の處理によつて資本金の全部または一部を失い、その事業を、他の金融機關に讓り渡すことになるものも生ずるわけでありまして、特別の法令によつて設立されている金融機關につきましてもかかる事例の生ずることが考えられるのであります。
右の特殊の金融機關すなわち特別銀行、金庫等を將來いかなる形のものにするかといふ根本的な問題につきましては、金融制度全般について、これをどうするか、ということとにらみ合わせまして、目下金融制度調査會において調査審議中でありまして、その根本的な改正はいづれ調査會の答申を得てからこれを決したいと考えているのでありますが、それまでの期間において現在債券を發行し、それによつて所要資金を調達することのできる特權を賦與されております特別銀行等が、新勘定の事業を第二銀行等に讓り渡す場合におきましては、その新勘定の事業を讓り受ける第二金融機關について債券發行の特權を暫定的に認める必要があるのであります。以上申し述べました理由によりまして、金融機關債券發行特例法案を提出いたした次第であります。以下本法案について、その内容のおもなる點を御説明申し上げます。
金融機關の再建整備において、新勘定の事業を讓り渡す金融機關が現在特別の法令によつて債券を發行することができるものである場合には、その新勘定の事業を讓り受ける第二金融機關は、たとえそれが普通銀行等現在債券の發行について特例を認められていない金融機關である場合にも、右の特別の法令に準じて債券を發行することができるものと致したのであります。
この場合金融機關が右の規定によつて現實に債券を發行するときには主務大臣の認可を要することとし、また債券を發行するには商法の一般原則に對し特例を設ける必要がありますので、株主總會の特別決議、發行限度及び時効等について商法の特則を認めることとし、若干の特別規定を設けたのであります。
以上申し述べましたごとく、本日上程せられました金融機關債券發行特例法案は、金融機關の再建整備において、債券の發行に關し特例を認められている金融機關の新勘定の事業を讓り受ける金融機關につき、債券の發行に關し特例を認める等のため必要なものでございますから、何とぞこれらの法案をいずれも速やかに御審議あらんことを切望いたす次第でございます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=4
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005・大谷瑩潤
○大谷委員長 質問の通告はございませんが、どなたか御質問はありませんか。
ただいま御質問がないようでありますから、午前中はこの程度にいたしまして、午後一時より再開いたします。これにて暫時休憩いたします。
午前十一時四十二分休憩
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午後一時三十分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=5
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006・大谷瑩潤
○大谷委員長 これより休憩前に引續き質疑を行います。稻本早苗君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=6
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007・稻本早苗
○稻本委員 まず日本銀行の一部を改正する法律案について見まするのに、通貨發行審議會ができることになつております。そうしてこれが非常な役割と權限をもつことになつているように見受けます。また第三十六條の二には、この通貨發行審議會に關する規定は勅令をもつてこれを定むと書いてありますが、この勅令に定めるところの組織の大要と權限についてまずお伺いいたしたいのであります。またこの機關が日本銀行の機關でありますか、または政府の機關でありますか。またこの期間等についても審議會は恒久的に設置するものでありますか。臨時的なものとして設置するのであるか。まずこの點についてお伺ひいたしたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=7
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008・河野通一
○河野政府委員 お答えいたします。通貨發行審議會の組織權限等に關しましては、未だ十分纏つたところまで申上げる段階に立至つておりませんが、大體私ども現在腹案としてもつておりますところを申上げます。まず第一に通貨發行審議會は内閣の所轄に屬することにいたしたいと思います。事柄の重要性にかんがみまして、大藏大臣の所轄に屬することとしないで、内閣の所轄に屬することにいたしたいと思います。それからその權限は今御審議をいただいておりまする法律案にあがつております諮問事項の外に、通貨政策全般にわたる重要な事項、國家資金計畫の策定實施等に關しまして、内閣に建議をいたすことができることにいたしたいと考えております。審議會は會長一人、委員若干人で組織することになつております。會長はまだごく未定稿でありますが、内閣總理大臣を會長といたしてはどうかというふうに考えております。なお委員には職務上當然なります者といたしまして、大藏大臣、經濟安定本部總務長官、その他の關係閣僚及び日本銀行總裁等が職務上當然に委員となるものといたしたい。その外、學識經驗のある方々を學界、金融界、産業界はもちろん廣く各界から代表者を任命せられることにいたしたいと考えております、次にこの審議會と日本銀行と政府との關係でありますが、この審議會は先ほど申上げましたように、内閣の所轄に屬するわけであります。しかし普通の政府機關と違いまして、その性格は内閣と獨立の地位にあつて、獨自の見解の下に議決をする。從つて非常に強い力をもつことに相なるわけであります。また日本銀行から獨立した機關である。つまり日本銀行に屬する機關でないことはもちろんであります。なお、この機會に少し道が外れますけれども、現在できておりまする金融制度調査會との關係を申上げますると、金融制度調査會は御承知の通り、金融制度全般に關しまして大藏大臣が諮問いたしました事項について、諮問にこたえる機關であります。通貨發行審議會は日本銀行券の發行制度に對しまして、具體的事項を調査審議することに相なるのでありまして、その任務はおのずから違つたことに相なるわけであります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=8
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009・稻本早苗
○稻本委員 大體私の質問せんとすることはこれで終りました。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=9
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010・大谷瑩潤
○大谷委員長 最上君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=10
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011・最上英子
○最上委員 現在のインフレの進行の過程におきましては、單に日本銀行に關する法律の一部を、この法案に示されておりますように改正いたしましても、もつと根本的の問題に手を打たなければ、だめじやないかと思いますけれども、この點につきまして、わかるようにお話をしていただきたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=11
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012・北村徳太郎
○北村政府委員 最上委員にお答え申上げます。きわめてごもつともな御質問と思うのでありますが、お言葉の中にインフレの進行の過程においてというお言葉がございました。要するにインフレはどうしても防止しなければなりません。そうしてそのインフレ防止の施策というものは決して一つや二つではないと思うのでありますが、今囘の日本銀行法等の一部改正も、それ自體がまた根本的にそのインフレを防止するという根本に觸れた一つの對策であると信じておるのであります。申すまでもなく通貨が膨脹する、過度に膨脹いたしますと、必然的にその價値が低落してくる。從つて通貨への信頼感にさえも動搖を與えるということがないとは申されません。またそういう場合には當然これは必然的に物價騰貴を伴う。そうなりますると生産の増加、あるいは國民生活の安定というようなものを阻害することはおびただしいのであります。政府は極力通貨の増發を押えて、それかためにあらゆる努力を傾けておるのであります。斯樣にいたしまして、通貨の信任を保持するということに萬全の努力を拂つておるのであります。財政面におきましては今度御協贊を得ました豫算でありますが、その豫算の編成に當りましても健全財政の方針をとりまして、極力赤字をなくするということに努力をいたしたのであります。また金融面におきましては、貯蓄の増強奬勵等に積極的に働きかけまして國民資力の蓄積をはかつておる。その蓄積の範圍において、財政資金、生産資金を賄うということにいたしておるのであります。金融機關資金融通準則というようなものを定めまして、既に本月一日からこれを實施いたしておることは御承知の通りであります。もちろんそういう施策を通して財政の面あるいは金融の面から極力インフレを抑えていく。その重要なる施策の一つとして、今囘通貨の増發を抑えるというような意味から日本銀行法の一部の改正を行おうとしておるのであります。もちろん根本の問題は物と金とが鈞合いがとれないというところにあるのでありまして、從つて石炭とか肥料とかいうような重要産業につきましては、いわゆる傾斜生産を行いまして、資金についても、物についても、勞力についても、超重點的にその方に極力まわして、一面においては生産を増強する。こういうふうな點から消極の面、積極の面、財政の面、金融の面あるいは生産の面、あらゆる面からインフレを抑えて國民生活の安定、また生産が實際増大できるように物と金とのアン・バランスが調和するようにと、こういうことに努力いたしておるわけでありまして、御質問の點はきわめてごもつともで、これだけでもちろんいいとは思つておりませんけれども、これもまたインフレを抑えるきわめて主要なる施策の一つである。かように考えておる次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=12
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013・最上英子
○最上委員 もう一つお伺いしたいのでございますけれども、通貨發行の審議會設置の理由をちよつと承りたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=13
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014・河野通一
○河野政府委員 お答えいたします。現在日本銀行券の發行限度を定めまするのは大藏大臣ということに相なつております。しかるに今般通貨發行審議會を設けまして、日本銀行券の發行限度でありまするとか、あるいは日本銀行券の發行の保證に充てられ得る物件の金額等につきまして、通貨發行審議會の議決に基いてこれを決定してまいるということにいたしたゆえんは、廣く各界の御意見、各界の知能を集約いたしまして、單に一大藏大臣だけの考えなり意見なりによつてこれを決定せず、廣く各界の知能をしぼつて御意見を十分に伺つた上で、この發行限度とか、今申し上げたようないろいろの事項を決定してまいりたい。かような趣旨に基いております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=14
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015・増井慶太郎
○増井委員 この通貨發行の審議會というものは、一體日本銀行に對して一囘どのくらいの——無制限にその審議會できめるものか、あるいは政府が審議會に對して一囘何億圓を許すというようなことがあるのですか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=15
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016・河野通一
○河野政府委員 通貨發行審議會はむしろこの程度の通貨發行限度を定めたらよろしいという御意見を政府に對して議決をして言つていただくことになるのでありまして、政府から審議會の權限として一囘何億というようなことを申し上げるわけではありません。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=16
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017・増井慶太郎
○増井委員 これはちよつと違うかもしれませんが、昨今の百圓紙幣が印刷その他が非常に惡いのでありますけれども、ちよつと見ましても昔の百圓札と今日の百圓札を見ますれば、いかにも濫發しておるということは一般の考えですが、今後紙幣の價値としましても、あるいは裁斷の方法にいたしましても、凸凹になつておるし、あるいは印刷の面におきましても非常に不鮮明で汚いのがありますけれども、もう少し立派な價値あるような紙幣ができるような方法はないものでしようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=17
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018・北村徳太郎
○北村政府委員 お答えいたしますが、御承知の通り何ぶんにも資材、印刷能力等の關係で昔のような非常に立派な紙ができないのであります。それでまあ當分の間はこの程度で御辛抱願わなければしようがないのじやないかと考えるのであります。お札の價値が實は印刷されたものの美しさとか、紙の上等さとかいうことではなくて、その背後にもう少し違つたものがあることはもちろんなのでありますけれども、やはり氣持もお説のように大事なものでありまして、いかにも反古のように感ぜられるものには何となく心理的に輕い氣特になるという點もありますので、事情が許す限りもう少し綺麗な立派な紙を使つて、鮮明な印刷をいたしたいと思いますが、おそらく當分は今の印刷能力、資材等の關係からやむを得ないのじやないかと思いますが、ただ御説のような點は事情が許す限りもつと取入れて、なるべく綺麗なものにいたしたいと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=18
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019・最上英子
○最上委員 ただいまお話が出ましたのですけれども、五圓札と一圓札が近頃區別しにくいのですが、印刷を何とかもう少し、見ましてもはつきりわかるような方法にしていただけるものでごさいましたらせひお願いいたしたいと思いますけれども、いかがでございましようか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=19
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020・北村徳太郎
○北村政府委員 これは實は全國の銀行仲間でもああいうものじや困るというような意見が大分あるのでごさいます。ちよつと見たところ五圓だか一圓だかわからないで、一圓だと思つて拂つてみると五圓だつたり、五圓だと思つて拂うと足りな過ぎるというようなことがありまして、私もまずいと感じておるのでありますが、これはおそらくある機會には必ずはつきりしたものに改正せられるに違いないと信じております。なお機會がありましたら日本銀行その他にも將來そういうようなことは注意いたしたいと考えております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=20
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021・増井慶太郎
○増井委員 補助貨のことですが、五十錢の紙幣は將來も流通させるおつもりですか。今のインフレの状態からいうと、私ども五十錢の紙幣は市中で買つても五十錢では買えないというくらいに考えますけれども、もう今からは五十錢とか十錢とかいうような小さい紙幣はほとんど流通價値もなければ、十錢ぐらいの紙幣はそこらに棄ててあつても拾う人もないという状態になつておりますけれども、今後ああいうようなものはやはりおつくりになるのですか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=21
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022・北村徳太郎
○北村政府委員 やはりこれはものの計算の物指しでございますから、勘定した上で端數の出ることもございますし、電車には五十錢で乘れるし、郵便切手も買えるというようなわけで、もちろんどういう種類の金をどういうふうに出すかということは實情に即して考えなければならぬことはもちろんでありますけれども、今急に五十錢が姿をなくするというふうなことにはならぬと思つております。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=22
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023・増井慶太郎
○増井委員 この金融機關の再建復興、これはここで言うと新銀行へ發行權を渡すということになつておりますけれども、舊發行したものの責任とか、そういうものは舊銀行に屬するものですか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=23
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024・河野通一
○河野政府委員 この法律の附則の第二項をごらん願いますと、「舊金融機關が特別の法令によつて發行した債券で、その債務が金融機關再建整備法に基き新金融機關に移されたものは、これを新金融機關が第一條の規定により發行した債券とみなす。」こういう規定があります。この裏で、この規定は舊金融機關の發行いたしました債券、新勘定に屬するものと舊勘定に屬するものがあります。この新勘定に屬するものがそのまま第二金融機關へ移るわけです。第二金融機關に移りましたらその金融債券は、第二金融機關が發行いたしました債券と同じように取扱う。こういうことになります。その裏から當然に出てくる問題でありますが、舊金融機關の舊勘定にそのまま殘る金融債券というものがあります。この金融債券は新金融機關に移りませんので、そのまま舊金融機關の整備の過程において適當に處置せられることに相なります。新勘定に屬するものと舊勘定に屬するものとによつて、取扱いが異なる。こういうことに相なります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=24
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025・大谷瑩潤
○大谷委員長 御質疑はありませんか——他に御質疑の通告もございませんので、本日はこれにて散會いたします。本法案の討論採決は次會にいたしたいと存じます。次會は明日午後十一時より開會いたしたいと思いますが、追つて公報をもつて御通知申し上げます。
午後一時五十二分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009211715X00419470318&spkNum=25
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