1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
船員法を改正する法律案(政府提出)(第一二號)
船舶公團法案(政府提出)(第四〇號)
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昭和二十二年三月十九日(水曜日)午後三時三分開議
出席委員
委員長 中川重春君
理事 馬越晃君 理事 米窪滿亮君
栗原大島太郎君 近藤鶴代君
廣川弘禪君 三浦寅之助君
中村嘉壽君 佃良一君
田村定一君 布利秋君
岡田勢一君
三月十九日委員大矢省三君辭任につきその補闕として委員田村定一君を議長において選定した。
三月十八日船舶公團法案(政府提出)の審査を本委員に付託された。
出席國務大臣
運輸大臣 増田甲子七君
出席政府委員
運輸事務官 有田喜一君
運輸事務官 大久保武雄君
運輸技官 大瀬進君
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本日の會議に付した議案
船舶公團法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212067X00519470319&spkNum=0
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001・中川重春
○中川委員長 これより會議を開きます。昨十八日の本會議で本委員會に船舶公團法案が併託になりましたので、まず政府より提案理由の説明を聽取いたします。増田運輸大臣。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212067X00519470319&spkNum=1
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002・増田甲子七
○増田國務大臣 船舶公團法案の提案理由につき、御説明申し上げます。
本會議において申し述べましたるごとく、わが國の海運は、まつたく壞滅にひとしい状態にあるのでありまして、戰前六百數十萬トンの船腹を保有し、米英に次ぐ海運國として、世界に雄飛いたしましたるわが國海運界も、今日殘存船腹わずか百三十萬トン、戰前の五分の一程度となつておるのであります。しかも船舶の性能に至りましては、戰時急造の標準型船舶がその大部分を占め、他はほとんど老齡船でありまして、故障續出し、輸送能率また著しく劣惡であります。これがため今日陸送貨物の海上輸送への轉換が、各方面より強く要望せられておりまするにもかかわらず、これが實施は異常な困難を伴いつつある状況であり、また明年度の物資需給計畫も、海上輸送力の飛躍的なる増強なくしては、とうていこれが完遂を期し得ないものと認められるのであります。
一方現在の海上運賃は、一般物價に比して、著しく低位にすえ置かれておりまするに反し、新造船價及び修繕料は、勞銀竝びに資材の急激なる値上りによつて、著しく高騰しておりまするため、海運業者は新船の建造はもとより、現有船舶に所要の修理、改造を施すことすら容易にこれをなし得ない状況であります。殊に我が海運界は軍需補償の打切りによりまして、巨額の投資を期待することはとうてい望み得ないのであります。從つて、新造船價、修繕費等にして、現在の運賃率より見て、業界に負擔せしめることの困難なる部分につきましては、國家がこれを負擔して船舶を共有し、海運經營に對する民間の企業心を萎靡せしむることなく、急速かつ圓滑に當面の船腹増強對策を、實施するを適當と認め、ここに國家の代行機關として、船舶公團を設立することといたした次第であります。
船舶公團の當面の業務といたしましては、いわゆる、續行船舶約三十六萬重量トンの建造に關する業務を、先般、閉鎖せられましたる産業設備營團より承繼し、これが急速なる完成をはかりまするほか、現有の非能率船約十五萬重量トンの改造修繕を實施し、沈沒船約十三萬重量トンの引揚修理を行う豫定であり、これらはいずれも昭和二十三年度末完了を期しております。なお船舶公團としては、右の業務のほか舊海軍工廠拂下資材の配給に關する事務、及び連合國に返還すべき拿捕船舶の管理に關する事務等をも、附帶的に行うことといたしております。
船舶公團の組織につきましては、概ね、從來のこの種機關と、同一の方式をとつておるのでありまするが、その業務の運營に當たるべき役職員につきましては、政府の責任を明確ならしめる趣旨より、これを政府職員とすることとなつておりまするが、これが運用にあたりましては、民間の知識經驗を、十分に活用いたしまするとともに、嚴正かつ能率的なる業務の遂行をはかりたいと考える次第であります。
以上をもつて、船舶公團法案の説明を終りまするが、右に申し述べましたるごとく、船舶公團は、今日の産業竝びに海運事情より見まして、ぜひとも早急に、これを設立する必要があるものと存ぜられ、また關係方面よりも強くこれを要望されておりまするので、本法案につきましては、會期切迫の折柄ではありまするが、十分御審議の上御協贊あらんことを、切に希望いたす次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212067X00519470319&spkNum=2
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003・中川重春
○中川委員長 本日はこの程度にいたしまして、次會は明二十日午後二時より開きます。船員法を改正する法律案について討論採決を行います。本日はこれにて散會いたします。
午後三時十一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212067X00519470319&spkNum=3
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