1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
地方競馬法の一部を改正する法律案(小川原政信君外五名提出)(第五號)
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本委員は昭和二十二年三月二十二日(土曜日)議長の指名で次の通り選定された。
小川原政信君 小澤佐重喜君
大井直之助君 菊池長右ェ門君
原侑君 深津玉一郎君
大久保傳藏君 佐伯忠義君
鈴木周次郎君 瀧澤濱吉君
宮澤才吉君 田原春次君
土井直作君 正木清君
宮村又八君 香川兼吉君
川野芳滿君 松本六太郎君
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同月二十四日(月曜日)午後一時四十四分委員長理事互選のため次の委員が參集した。
小川原政信君 小澤佐重喜君
大井直之助君 深津玉一郎君
大久保傳藏君 佐伯忠義君
鈴木周次郎君 宮澤才吉君
正木清君 宮村又八君
香川兼吉君 松本六太郎君
〔年長者宮澤才吉君投票管理者となる。〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=0
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001・宮澤才吉
○宮澤投票管理者 これより委員會を開きます。先例によりまして、私が年長のゆえをもつて投票管理者となり、これより委員長の互選を行います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=1
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002・鈴木周次郎
○鈴木(周)委員 投票を用いずして佐伯忠義君を委員長に推薦いたしますがお計らいを願います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=2
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003・宮澤才吉
○宮澤投票管理者 鈴木君の意見に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=3
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004・宮澤才吉
○宮澤投票管理者 御異議なきものと認めます。よつて佐伯忠義君は委員長に御當選になりました。佐伯君に席を讓ります。
〔拍 手〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=4
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005・佐伯忠義
○佐伯委員長 私佐伯でございます。大變不慣れなものでありますけれども、何とぞよろしくお願い申し上げます。引續き理事の互選を行います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=5
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006・鈴木周次郎
○鈴木(周)委員 理事はその數を三名とし、委員長において御指名あらんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=6
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007・佐伯忠義
○佐伯委員長 ただいまの鈴木君の意見に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=7
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008・佐伯忠義
○佐伯委員長 御異議ないと認めます。それでは
小川原政信君 大久保傳藏君
正木清君
を理事に指名いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=8
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009・会議録情報2
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昭和二十二年三月二十四日(月曜日)
午後一時四十八分開議
出席委員
委員長 佐伯忠義君
理事 小川原政信君 理事 大久保傳藏君
理事 正木清君
小澤佐重喜君 大井直之助君
深津玉一郎君 鈴木周次郎君
宮澤才吉君 宮村又八君
香川兼吉君 松本六太郎君
三月二十三日委員川野芳滿君辭任につき、その補闕として的場金右エ門君を議長において選定した。
出席政府委員
農林政務次官 森幸太郎君
農林事務官 難波理平君
委員長の許可を得た出席者
議 員 鈴木周次郎君
議 員 佐藤乕次郎君
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本日の會議に付した議案
地方競馬法の一部を改正する法律案
(小川原政信君外五名提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=9
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010・佐伯忠義
○佐伯委員長 引續き會議を開きます。まず提出者より御説明を願います。鈴木君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=10
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011・鈴木周次郎
○鈴木(周)委員 地方競馬法の一部を改正する法律案としまして、各派共同のもとにこの提案をいたした次第であります。
その理由といたしましては、地方競馬法制定以來、地方の競馬は非常によく健全に發達しておりますので、これが馬事その他畜産の振興をはかるにはどうしてもこの競馬の發達を助長しなければならぬと思うのであります。また地方の事情によりまして、地域の關係等も加味いたしまして、競馬場の増加をどうしても必要とするとの一般よりの聲が大きく要望されるのであります。またそれに從つて畜産熱の振興も來し得る。こういうことから考えまして、この法案を提出したゆえんであります。何とぞ御審議の上御賛成あらんことを望む次第であります。以上をもつて簡單ながら提案の説明といたす次第であります。御質疑に應じまして説明を申し上げます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=11
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012・佐伯忠義
○佐伯委員長 暫時休憩いたします。
午後一時五十一分休憩
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午後二時三十七分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=12
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013・佐伯忠義
○佐伯委員長 休憩前に引續き會議を開きます。これより質疑にはいります。鈴木君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=13
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014・鈴木周次郎
○鈴木(周)委員 地方競馬法案の改正は、多年私たちの希望しておつたところで、第九十議會で法案が通つたのでありますが、なおこれに對し多少の變更を求める要望が國民全體の聲であるために、この際各派一致で提案をしてここにおいて今委員會を開いている次第でありますがこの案の通つた後において、私達は強く政府當局に施行令中に左のことを入れてもらいたいと要望するのであります。第一に、これは勝馬投票でありますので、設備の基本を相當にしてもらいたい。すなわち競馬を行う場所における設備の基準をきめてもらいたい。第二に競馬をするときの審判制度を確立してもらいたい。審判制度に不公平がもし出たならば、非常に迷惑をこうむるために、審判制度を確立する方針をきめてもらいたい。次に投票の方法において研究の方法を講じて、その遺漏なきを期してもらいたい。第三番目に出走上における各種の點において種々非難があるからこの點の是正をする方法を考えてもらいたい。その次には馬種の問題、基準についてよくなるように考え、またその競走上における方法等についても考えてもらいたい。これは競馬をなすときの問題であります。
次には收得金に對しまして、嚴重なる指導を實施してもらわなければならない。當局は、認可にあたつて當然なすべき義務ではあるけれども、特にこの點はしてもらいたい。また豫算をつくる上においては、公聽會を開いて、學識經驗者等を集めて、その豫算をつくつて認可する場合、萬遺漏ないような方法を講じてもらいたい。
次には最近馬種の改良その他人心の變化からいたしまして、ただいま提案いたしましたものは各府縣は二箇所以内、北海道は六箇所以内でありますけれども、その以外におきまして都道府縣の馬匹組合連合會の監督のもとにおいて、さらに小さい競馬の開催を希望する向が非常に多い。すなわち馬票の發賣を伴うところの地方の小競馬を馬匹組合連合會の監督のもとに認めるようなことを考えてもらいたい。
次には政府といたしましては、次の議會に出されるだろうと思うが、農業協同組合法案が提案になつた場合には畜産はきちつと連絡された一本建になると思いますが、その場合も勘案しなければならない。現在においては日本の競馬には二通りある。すなわち日本競馬會と馬連、すなわち中央馬事會の系統と二つあるが、この場合において日本競馬會はすなわち太平洋戰爭の遺物のよなものである。何ら直接的に畜産の改良發達ということに關係が少いようであるし、また政府においては、その收得金、納付金の中から約三分の二を畜産改良のため馬匹改良のために使うべき法案があると私は承知しておるが、それも政府で使つておらないというような場合においては、この中央馬事會系統の畜産組合系統のもの中に日本競馬會の競馬を移して、その金を畜産の改良發達に直接的に使うようにすることがよいのであろうと、私たちは考えるのでありますが、ぜひともこの次の議會までにはこれを研究して、日本競馬會を廢止し、その法案を廢止して中央馬事會すなわち畜産組合系統のものに移してもらいたい。これを強く私は主張しておるし、考案してもらいたいということをこの際申し上げておく次第であります。
この法案は私たちが提案したのでありますが、審議に際して私の意見を政府に申し上げておく次第であります。これに對する答辯は別な人から必要としますれば、政府の御答辯も必要かもしれませんが、私に對しましては御答辯を必要といたしません。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=14
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015・佐藤乕次郎
○佐藤乕次郎君 ただいま鈴木委員から希望條件を述べられました。非常に最近畜産という場面において、根強く地方農村各位の方々が馬匹というものに對して増産に寄與するものであるという認識を深めたのであつて、特に私どもが當事者となりまして痛切に感ずることは、大體において今まで競馬を行いますと、終戰直後は千六百メートルを二分三秒ぐらいで飛んでおりました。最近は向上いたしまして、一分五十一秒から、サラブレツトでありますと一分四十一秒、四十六秒ぐらいで駈けておるというような工合に非常に進歩した。いわゆる愛馬觀念を高めてきた。そこでただいま希望條件として述べられたように思いますが、實際問題として各市郡の惠まれざる地形の各位が、どうしたら同じ四つ脚でありながら、あの馬は早いのだろうという考えそこに血統という事柄、訓練という事柄、調教という事柄、すべてのことについて、農村で非常に馬種ということを考えられておる。そこで當局にお願いしたい。これはむしろ希望でなく、原案としていただきたいくらいに思いますが、地競に惠まれざるところの農村の各位の方々が、郡單位にやつてみようじやないかということで、お祭、その他の場合に競馬を開催しておる。その開催費はどうしておるかというと地方有力者、あらゆる方々に寄附をもらつて優勝旗をもらつて、大變財閥を苦しめたりしておりますが、これらのことも一應各府縣の連合會は考えなければならないことである。かれらは愛馬觀念があつて、馬事振興に寄與するという非常に熱意をもつております。そこで私ども痛切に感じておるのでありますが、願わくば小競馬ということを、今希望條件に申されましたが、惠まれざる地競の各位の方々に、都道府縣の連合會の承認を得た場合には、そういうものは認めてくださることが一番妥當ではないか、かように思うのでありますが、當局はその邊どういうお考えですか、一つ希望條件がお許しを願えるように、この次の協同組合法案が提案されるときに考えていただけるかどうか、その邊をひとつお聽かせ願いたい。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=15
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016・香川兼吉
○香川委員 ただいま佐藤さんから鈴木さんの御提案になりました趣旨に對しまして賛成の御意見があつたのであります。私もその點は、かねて地方競馬法案を前の議會において提出する場合にも、これを非常に渇望しておつたのであります。實は前畜産局長の蓮池局長にも事情を申し上げたのでありましたが、當時お話では非常に御認識を賜わつておりましたが、秋田縣の方に御轉出に相なりました。さいわいにして後任の局長は非常に御認識の深い方でありまして、私も期待するものがあるのでありますが、敗戰の日本の現實の姿は、享樂というものはほとんどありません。惠まれざる地點という佐藤さんのお話がありましたが、その通りでありまして、今日萎微沈滯しております農民、しかも文化の惠澤に浴せざる農民に對して、また一面において自己が愛している馬を――それは商賣にやるわけではありません。年に一囘か二囘のお祭り競馬、こういう場合に自分の馬を試してみる。むろん競馬というものは自由でありますけれども、まずそれぞれの勝馬投票というような、あるいは馬券云々とか、この物を賭けるということは昔から西歐諸國の實例に徴しましても、ほんとうに眞劍にこれは精神的に決するものでありましてこれによつて一は見方によりますと享樂という點もありますけれども、馬匹の改良發達に貢献するものが多いのでありまして、決して享樂という面ではありません。これによつて馬匹の改良あるいは能率の向上、こういう事柄が期せずして實現し得るものと、かように考えるのであります。でありますからぜひともこの問題は地方の町村における草競馬という方面にまで、ひとつゆとりをつけていただきまして、そして一面ために文化の惠澤あるいは娯樂享樂の點で恩惠を與え、一面において馬匹の改良發達に貢献し、しかして生産擴充の點、増産對策にも影響をもつものでありますので、いわゆる一石二鳥の案なりとかように考えるわけであります。ぜひともこの點において政府におかれては今全國において澎湃としてこの問題は熱望いたしております。地方農村民ことごとくがこれを熱望いたしております。ひとり使用者の農民ばかりではありません。大衆そのものが國民そのものが欲求いたしている點でありますから、民意をとり入れられまして、ぜひともこの問題が直ちに具現し得るように、これは原案として出すことができるならばこれに越したことはないのでありますが、もし出すことができないとするならば、近いうちにあるいは施行細則、あるいはただいまもお話がありましたが、農村協同組合の場合において直ちにとり入れていただけるような方法等も、できるならばこの上ない仕合せであります。特に實情を申し上げまして、當局の御考慮を煩わしたい。簡單でありますが、特に一言申し上げまして希望する次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=16
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017・難波理平
○難波政府委員 ただいま地方の地方競馬についての御意見を伺つたのでありますが、これはお述べになりましたような觀點から見ますれば、まことにその通りであろうと存じます。ただ競馬は申し上げるまでもございませんがいろいろと他の面からも見なければならぬ事情もございますので、一概に地方の地方競馬は非常によろしいものであると論斷もできないのではないかと考えます。實は私どもといたしましては、今までそのような競馬をたくさん設けるということにつきましては考えておりませんので、十分な意見を申し上げかねるわけでありますけれども、大よそ考えまして、ただいまのようなふうに考えます。從いまして、たとえば馬券を伴うと申しましても、單に馬券と申しますと非常に刺激の多いものでありますが、これもいろいろ税の問題もございましよう。また競馬のやり方についてもいろいろ方法なり程度なりあるものと存じます。從いましてちよつと聞くと、非常に刺激が多く、どうも弊害が多いのじやないかとも考えられます。また今仰せになりましたように、まことにもつともであるというふうにも考えられます。兩者のその程度なり方法なりを愼重に盡してみて、初めてどつちにいたすべきかということを結論づけなければならぬかと考えますので、しばらくこの點につきましては、研究をさしていただきまして、その上で意見を申し上げることにいたしたいと思います。どうぞ御諒承願います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=17
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018・森幸太郎
○森政府委員 この議員提出改正法律案に對しましては、委員各位が專門の方々でありますので、今かれこれその内容について意見を申し上げることはないと思うのでありますが、御承知の通り、今二十九件の地方競馬を許可されてあり、調査中のが三件であるのであります。なるほど北海道には六箇所その他は二箇所という今囘の改正でありまするが、全國的にみまして、はたして二箇所ずつできるかできないかという問題があるのであります。この改正法律案が確定いたしますと、各府縣から増設を要求されることと思うのであります。しかしあなた方專門でありますから、われわれ素人がかれこれ申す必要はないのでありますが、今日登録しておる馬の數から見ましても、その數がはなはだ少いのであります。政府の今日までの態度でいきますと、これ以上競馬場を増設するということについては、賛意をもつておらないのであります。しかし議會で皆さんの輿論として出されるのでありますから、あえてこれに對してかれこれわれわれは申し上げないのでありますが、競馬にいたしましても、少くとも二百五十頭以上を要するのではないかと、かようにも考えられるのであります。もしこの法律ができまして、増設の認可を申請された場合に、農林大臣がこれを定めることになつておりますが、その認可いたします内規といたしましては、あくまでも馬の増産を目的とし、馬匹を改良することを目標とし、そうして馬を虐使せない。いわゆる角をためて牛を殺すということのないように考えていきたいと思うのであります。これは皆樣も御同感くださることと思いますし、そういうふうにしていかなければ、馬の奬勵もでき得ないことでないかと考えておるわけであります。今後これを承認いたします上におきまして十分政府といたしましては、その地方の馬の事情を考えまして、これを認めるということにいたしていきたい、かように考えているわけであります。なお鈴木委員から先ほどいろいろ御希望が申されたのでありますが、大體においては、私はもつともなことと思います。ただ最後の九番でありましたか、畜産組合の獨立に伴つて日本競馬會のやつていることを馬連の方にこれを移管すべきものであるという御希望がありましたが、この點につきましては、政府としては十分愼重に考慮しなければならぬ問題と、かように考えておるわけであります。以上政府の立場として、この法案に對しての考え方を申し上げた次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=18
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019・佐伯忠義
○佐伯委員長 しばらく休憩いたします。
午後三時休憩
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午後三時九分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=19
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020・佐伯忠義
○佐伯委員長 休憩前に引續きまして會議を開きます。質疑は大體終了いたしました。よつて本日はこの程度にいたして、明日午後一時より討論に入りたいと思います。
本日はこれをもつて散會いたします。
午後三時十分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212382X00119470324&spkNum=20
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