1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
統計法案(政府提出貴族院送付)(第一一號)
恩赦法案(政府提出貴族院送付)(第一三號)
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本委員は昭和二十二年三月十日(月曜日)議長の指名で次の通り選定された
今井はつ君 小澤佐重喜君
小島徹三君 庄司一郎君
花村四郎君 松永佛骨君
青木泰助君 井上東治郎君
長野長廣君 堀川恭平君
森山ヨネ君 氏原一郎君
松谷天光光君 前田榮之助君
安平鹿一君 安藤はつ君
井出一太郎君 越原はる君
同日恩赦法案(政府提出、貴族院送付)の審査を本委員に付託された。
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三月十一日(火曜日)午後一時三十四分委員長理事互選のため次の委員が參集した。
今井はつ君 小島徹三君
庄司一郎君 井上東治郎君
堀川恭平君 森山ヨネ君
氏原一郎君 松谷天光光君
前田榮之助君 安平鹿一君
井出一太郎君
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〔年長者森山ヨネ君投票管理者となる〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=0
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001・森山ヨネ
○森山投票管理者 先例によりまして、私が年長のゆえをもつて投票管理者となり、これより委員長の互選を行います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=1
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002・氏原一郎
○氏原委員 投票を用いず庄司一郎君を委員長に推薦いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=2
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003・森山ヨネ
○森山投票管理者 氏原君の御意見に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=3
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004・森山ヨネ
○森山投票管理者 御異議なきものと認めます。よつて庄司一郎君は委員長に御當選に相なりました。委員長庄司一郎君に本席を讓ります。
(拍 手)
〔庄司一郎君委員長席に著く〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=4
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005・庄司一郎
○庄司委員長 不肖私がただいま委員長に御推擧をせられまして、この席を汚させていただきます。經驗少く、また淺學短才でありますが、よろしく皆さんの御協力によつて、この職責を全うし得ることができるように、御支援を賜わりたいのでございます。
引續き理事の互選を行いたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=5
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006・氏原一郎
○氏原委員 理事はその數を三名とし、委員長において御指名あらんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=6
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007・庄司一郎
○庄司委員長 ただいまお聽きの通り氏原君の御意見によれば、委員長に理事三名の御推薦お任せの御動議であります、御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=7
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008・庄司一郎
○庄司委員長 御異議なきものと認めます。それでは
花村四郎君 青木泰助君
前田榮之助君
この三方を理事に御指名申し上げます。
〔拍手起る〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=8
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009・会議録情報2
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昭和二十二年三月十一日(火曜日)午後一時三十八分開議
出席委員
委員長 庄司一郎君
理事 前田榮之助君
今井はつ君 小島徹三君
井上東治郎君 堀川恭平君
森山ヨネ君 氏原一郎君
松谷天光光君 安平鹿一君
井出一太郎君
出席國務大臣
司法大臣 木村篤太郎君
出席政府委員
法制局長官 入江俊郎君
内閣事務官 美濃部亮吉君
司法事務官 佐藤藤佐君
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本日の會議に付した議案
統計法案(政府提出貴族院送付)
恩赦法案(政府提出貴族院送付)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=9
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010・庄司一郎
○庄司委員長 引續きこれから會議を繼續いたしたいと思ひます。この際お諮り申し上げたいと思いますが、會議の順序上、當然關係所管大臣より、あるいはその代理の政府委員等より、統計法竝びに併記されておる恩赦法等の大要の御説明を聽取することが、會議の順序と相なつておりまするが、本日はいかがでございましようか。いろいろな御都合の關係上お集まりも少いようでございます。明日午前十時より開會、もつと多數お集まりの場合、御説明をいただいた方がよいのじやないかと考えられますが、皆さんの御意見をお伺いした上において、いずれとも決定いたしたいと考へます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=10
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011・氏原一郎
○氏原委員 明日午前十時からお始めになつて、委員が大勢そろつて、十分委員會の目的を達することができれば、よろしいのでありますが、統計法案のごとき、また併記されておる恩赦法案、もう一つ罹災救助基金法の一部を改正する法律案も、この統計法案に併託される豫定だと承つておりますから、相當この委員會は仕事が多いのではないかと思ひます。殊にこの統計法案のごとき、どうあつても審議未了というがごときことにせずして、貴衆兩院を通過させねばならぬわけでありますので、この委員會を人が來ないからというので翌日やるというような、だらしのないことをやつておつては問題にならぬと思います。殊に委員會においでにならないで、政黨が大きいからということで質問をされて、自分の質問が濟むと、あとは委員會に出席がないというようなことが、他の委員會では見られるのでありますが、こういうような古い慣習のごときは、この際打破すべきだと思いますので、質問通告等も、私どもは既に出しておるような關係もありますし、大臣がおいでにならなくとも、統計法の説明のごときは、むしろ專門の政府委員からお聽きする方が、もつとよく話がわかると思いますから、私は本日引續いて政府委員の御説明を承つて、それから質問等につきましては、明日からでも結構でありまするが、出席が少いという理由をもつて本日のこの會議を繼續することをやめるということは、私は同意いたしかねます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=11
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012・庄司一郎
○庄司委員長 ただいまの氏原委員の御發言は、まことに正論でございます。委員長としても御同意なのでございます。
この際政府の原案に關する御説明を拜聽することにお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=12
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013・入江俊郎
○入江政府委員 ただいま御審議をお願いいたしまする統計法案につきまして、大要御説明を申し上げます。
この統計法案は昨年八月内閣に設けられました統計制度改善に關する委員會の答申の趣旨に基き、内閣の統計委員會におきまして研究を重ねました結果により、わが國統計の基本法として立案をいたしたものであります。正確な統計を整備し、統計制度の改善發達をはかることの必要性につきましては、あらためて申し上げるまでもない事柄でありまするが、新日本建設の途上におきまして、諸般の施策を行いますためには、政府及び國民がともに正確な科學的の統計資料を豐富にもつということが絶對に必要であり、また連合國軍の管理政策に協力し、さらに進んでは、わが國情の實態に關しまして、廣く世界の諸國民の理解と信頼を深めるためにも、正確な資料を提供する必要があると考えるのであります。この統計法は實にこれらの要請に應ずるための立法にほかならないのであります。そこで統計法の目的といたしますところは、その第一條に示しまするごとく、統計の眞實性を確保し、統計調査の重複を除き、統計の體系を整備し、及び統計制度の改善發達をはかることをその目的といたしておりますが、その目的を十分達成しますために、以下申し上げますような各種の事柄をこの法案のおもな内容として規定いたしたのであります。
まず政府または公共團體が、自分みずから作成し、または他のものに委託して作成する統計の中で、特にわが國の統計體系におきまして、重要な位置を占める統計を指定をいたします。そしてこれを指定統計と名づけまして、その實施上必要な規定を整備してあるのであります。第二條及び第三條の規定が指定統計に關する基本的の規定であります。また國政調査につきましては、その重要性に顧みまして、第四條に特にこれに關する一條文を置いてございます。
次に指定統計以外の一般統計につきましては、これを行う場合には、調査實施者より統計委員會に屆出をすることを要することといたしております。その中で政府または公共團體が作成する統計につきましては、指定統計との重複を除き、またはその内容を適切なるものたらしめるために、統計委員會において必要な措置をすることを認めておりますが、民間で行う一般の統計調査につきましては、その自由な實施を期待するという趣旨におきまして、前に述べました統計委員會への屆出以外には、特別の制限は設けておりません。第八條及び第九條がそれであります。
さらにこの法律を施行し、統計及び統計制度の整備改善をはかるために、統計委員會をしてこれに關する事務を行わしめることといたしまして、種々の規定を設けております。この統計委員會と申しますのは、統計制度改善に關する委員會の答申に基きまして、昨年十二月に内閣に設けられました行政機關でありまして、目下統計に關する企畫及び總括の事務に當つておるのでありまするが、本法によりましてここに明確に法律上の根據を有するものとなるのであります。すなわち統計委員會は、この法律の目的とする統計の改善發達をはかりますために、すべての指定統計調査を統一的に審査して、これに承認を與えて實施せしめる、またはこれを變更もしくは中止させるというような權限をもつております。さらに政府各機關及び公共團體の指定統計調査の事務を監査いたしまして、その改善をはかる等の權限を有することとなるのであります。
次に統計の眞實性を確保いたしますためには、指定統計調査につきまして國民が眞實を申告する必要があるのであります。またそれと同時に、その申告の内容をなす申告者の祕密につきましては、十分これを保護いたさなければなりません。よつて指定統計調査につきましては第五條で申告義務を定め、また第十四條、第十五條におきまして祕密保護に關する規定を設け、なほ申告義務を課せられた者がその義務に違反し、または調査に從事する者が申告者の祕密の保護に缺けるところのあつたような場合には、罰則をもつて臨むことといたしまして、第十八條、第十九條にその規定を置いてあります。また統計の眞實性を確保いたしますためには、さらに統計事務職員がその職務を行うに適當な資格を有する者であることを要し、またその身分關係を保護する必要がありますので、第十條及び第十一條におきましてこれらに關する必要な規定を設けたのであります。
さらにまた調査の結果の公表に關する第十六條の規定でありまするが、正確な統計は時機を失せず速やかに公表いたしまして、國民がこれを利用し、初めてその效用を發揮するものでありますから、その原則を規定いたしたのであります。このことは統計調査の結果を社會一般が自由にいち早く活かして使用していくということができるばかりでなく、同時に統計に對する一般の批判を活溌なものにいたしまして、その改善を促すことにもなり、國民の統計に關する知識を普及せしめ、統計全般の發達をはかる上から申しましても、きわめて適切であると考えております。また指定統計調査のために公共團體の支出いたしました經費は、國の重要なる統計の整備のために費されるものでありますから、第十七條におきまして、その全部を國庫から補助することを規定し、これによりまして公共團體の行う統計調査の實施に遺憾なきを期することといたしております。
最後に本法はこれを統計に關する基本法たらしむべく、現行の資源調査法、國勢調査に關する法律及び統計資料實地調査に關する法律等の規定は、これを取捨選擇してこの法案の中に織りこみましたので、これら現行の諸法律は廢止することとし、これに關する必要な規定を附則の中に定めてあります。
以上が本法案の内容の要點でございます。何とぞ御審議の上御協贊あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=13
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014・庄司一郎
○庄司委員長 政府から配付されておりまする統計關係の參考資料に關する御説明を、これより拜聽いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=14
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015・美濃部亮吉
○美濃部政府委員 それでは簡單にお手もとに配りました參考資料の御説明を申し上げます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=15
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016・庄司一郎
○庄司委員長 御清聽願います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=16
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017・美濃部亮吉
○美濃部政府委員 ただいま統計法に關する説明にもございましたように、わが國の統計水準を世界的な水準にまで達するようにできるだけこれを上げていこうというのが、ただいまの統計法案の主要目的でございますが、その場合に主要な役割を果すものが統計委員會でございます。そこで統計委員會がどういうふうな組織で、どういうふうな經過でもつて設立されるようになつたかということが、統計法案を審議していただく際に、重要な問題となつてくるわけでございます。そこでお手もとに配りました資料のうち、統計委員會設置經過という資料がございますが、それは大體において今日のような統計委員會ができるまでの經過を、簡單に記したものでございます。それによりますと、去年の七月の十九日に初めて日本の統計制度を改善していかなければならないということが問題になりまして、それについて委員會を設置することが閣議で諒解せられ、八月二十四日に第一囘の總會が開かれたわけでございます。そうして囘を重ねまして、十月二十一日に統計制度改善に關する委員會案をつくりまして、そうして大内委員長より内閣總理大臣に對して答申したわけなのでございます。そうしてただいま申しました統計制度改善に關する委員會がどういう構成で進められていたかということは、そこに差上げました統計制度改善に關する委員會の名簿において、その人的な構成が示されておるわけでございます。ただいま申し上げました統計制度改善にする委員會答申案というものが、一つは委員長である大内兵衞氏の名前において吉田總理大臣に提出され、それと同時にこの統計制度改善委員會において決定されました統計制度改善案というものもでき上りまして、お手もとに差上げておりますような内容の改善ができ上つたわけでございます。
こういうふうにして、大體において統計制度改善に關する準備行爲がほぼ完了いたしまして、大内委員長の答申案と、それから改善委員會の改善案に基きまして、去年の十二月二十七日に正式の統計委員會なるものが成立いたしまして、官制も公布され、即日施行されたわけでございます。この統計委員會の官制は、そこに差上げてございます統計委員會と統計局との關係という標題のところの上段にございます統計委員會官制というところに書かれておるわけでございます。
なお重要なことは、この統計委員會の人的構成でございますが、その委員がどういう人達から構成されているかということは、統計委員會委員の人名を記しました紙に書かれておるように、經濟安定本部第一部長橋井眞氏、東京帝國大學教授大内兵衞氏、前内閣統計局長川島孝彦氏、九州帝國大學教授高橋正雄氏、東京産業大學教授中山伊知郎氏、大藏省主計局長野田卯一氏、東京帝國大學教授近藤康男氏、同じく有澤廣巳氏、統計委員會事務局長美濃部亮吉氏、内閣統計局長森田優三氏、この十人からなつておりますが、ここで皆樣方におかれてすぐ御疑問にお感じになられるであろうことは、この統計委員というものがまた別にできて、さらにそれに附屬する統計委員會事務局という官廳ができて、こういう統計に關する別の官廳組織ができた場合に、今まである内閣統計局と、どういう關連があるかということで、もしこれが重複するようなことであるならば、統計法が統計の重複を除いて、國民の負擔を輕減するということをその重要な目的の一つとしておるにもかかわらず、かえつて統計の重複性を増すのではないかという御疑念を浮べられるのではないかということが感ぜられます。そこで統計委員會と統計局との關係という中に統計委員會官制、それから内閣統計局の官制とを比較對照しておりますが、これはただいまいろいろな手續上改正を企圖しておりますにもかかわらず、手續上まだ最後のところまで達しておりませんけれども、この官制はできるだけ早い機會に改正いたしまして、そうして統計委員會と内閣統計局とが法律上にも完全にダブらないようにいたしたいと思つております。事實上から申しますれば、統計委員會は行政官廳がとつておりますいろいろの統計を統一して、そうして國全體の統計體系を整理して、國全體の統計の水準を上げていこうというのが目的でございまして、自身統計を作成するという作業廳としての業務は全然いたしません。いわば統計に關する法制局にも比すべき位置にあるのでございまして、自身統計を新たにとつて、そうして屋上屋を重ねるというふうなことは絶對にいたさないことになつております。それに反しまして内閣統計局は將來も、現在もそうでございますが、全國一齊に行いますセンサス的な統計調査を行う作業官廳であるということが、その主要業務なのでございますからして、これはセンサス的な作業を行うという點におきまして、その他の官廳と同列に置かれるわけでございます。そうして統計委員會は各作業官廳でつくつた統計を統一し、連絡し、そうして日本全體の統計體系を整備して行こうというのが、統計委員會の業務でございますから、その間には重複はないわけでございます。ただそこに、お手もとに差上げました資料におきまして、改正しようと思います改正案と、それから現在の案とを竝べて掲げてあります。重複いたしますおもな點は、下の段にございます内閣統計局官制の第六條に、行政各部統計の統一に關する事項という第一號と、第二號の、國際統計事務に關する統轄事項というのがございますが、それは統計委員會の業務に屬すべきものでございますから、改正案におきましては統計委員會の業務とすることになつております。そうして最後に資源調査法と、國勢調査に關する法律と、統計資料實地調査に關する法律との條文を掲げてございますのは、從來各官廳が行つております統計調査はもちろん、このほかにも多くの法律、命令がございますが、主としてこの三つの法律を法的基礎として、いろいろの統計調査を行つておりましたが、それでは各官廳が勝手にこの法律を基礎といたしまして、ちりぢりばらばらに統計をとることになりますので、重複も起つてまいりますし、統計の體系も統一いたしませんので、この三つの法律、お手もとに差上げてあります資源調査法と國勢調査法、それから統計資料實地調査に關する法律というものは將來は廢止いたしまして、そうしてただいま御審議をいただこうと思つております統計法を基本法として、これ一本を基礎として、すつきりした形で重複しないように、國民の負擔を最も輕い形にして、そうして眞實にして正確な統計調査を今後行つていこうというわけでございますので、將來廢止せらるべきおもな法律の案文を、そこに掲げて、お手もとに差上げたわけでございます。はなはだ簡單でございますが、お手許に差上げました資料の説明を終ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=17
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018・庄司一郎
○庄司委員長 ほかに統計法に關して、内閣の方で差當り御説明の御希望はございませんか――それでは恩赦法に移りますから、統計關係の方はお歸りくださつてよろしゆうございます。
恩赦法に關して木村司法大臣の御説明を伺います。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=18
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019・木村篤太郎
○木村國務大臣 恩赦法案の提出理由につき、本會議において御説明申し上げたところと重複する部分もございますが、さらに御説明申し上げたいと存じます。
現行の憲法におきましては、恩赦は、天皇の大權事項でありまして、從つてその方式、效力及び手續は、勅令の形式でありまする恩赦令をもつて定められておるのであります。ところが改正憲法は、内閣が恩赦を決定し、内閣が決定した恩赦を天皇が認證することといたし、なお新たな恩赦の種類として、刑の執行の免除を定めておりますので、今般憲法の改正に伴い恩赦に關し必要な事項は、法律をもつて定める必要があるのであります。しかして恩赦は、司法權に基く裁判の效果を變更するものであり、また恩赦の惠澤を受けるかどうかということは、國民の權利に重大な影響のあるところでありますので、恩赦に關する基本的な事項は、法律をもつて規定するのが相當であるといたしまして、この法律案を提出いたした次第であります。
次に本法案の内容について御説明申し上げます。第一に現行憲法による恩赦令におきましては、恩赦の種類は、大赦、特赦、減刑及び復權の四種でありますが、改正憲法は、このほかに刑の執行の免除という恩赦の種類を規定いたしましたので、本法案もこれに則り恩赦の種類を大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復權の五種といたしたのであります。しかしながら從前の特赦には、刑の言渡の效力を失わせる特赦と刑の執行の免除する特赦の二種がありますので、本法案においては、前者を特赦とし、後者を刑の執行の免除といたしました。
第二に從前の恩赦は、すべて刑の言渡を受けた者に對してのみ、なされたのでありますが、刑の免除の言渡を受けた者もまた、有罪の言渡を受けた者として前科者でありますので、この者に對しても恩赦の恩惠を及ぼすのを相當と考えまして、本法案におきましては、大赦、特赦及び復權を廣く有罪の言渡を受けた者に對して、これをなすことといたしました。
第三に現行恩赦令においては、檢事または監獄の長は司法大臣に對して特赦、特別減刑または、特別の復權の申立をすることができることとなつておりますが、本法案第十二條は、これを踏襲し、かつその趣旨を明瞭にして特赦、特別減刑、刑の執行の免除及び特別復權は、檢察官または監獄の長の申出があつた者に對して、これを行うものといたしました。その趣旨は、直接裁判、檢察ないし刑の執行に關係して犯罪の情状、本人の性行、受刑中の行状等を熟知いたしておりまする檢察官又は監獄の長の意見を必ず徴することといたしましたことによつて、恩赦の適切公平に行われることを期しておる次第であります。
第四に本法案中に、復權についての本人の出願に關する規定を設けてありませんが、これは復權についての本人の出願を認めないという趣旨ではなく、この點は手續規定でありますので、政令に讓つたのに過ぎないのであります、右の通りであります。何とぞ愼重御審議の上速やかに御可決あらんことを希望する次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=19
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020・庄司一郎
○庄司委員長 本日はこれをもつて散會いたします。
午後二時八分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009212758X00119470311&spkNum=20
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